加藤大臣会見概要

(令和4年8月12日(金)11:39~12:06 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 先般もご挨拶させていただきましたが、改めまして厚生労働大臣を務める加藤勝信でございます。今日は共同記者会見ということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

質疑

記者:
新型コロナウイルス対策について二点お伺いします。今般の第7波では、医療や検査機関のひっ迫など、従前からの問題が改めて起きています。今後の医療提供体制の見直しやワクチンの安定供給など、コロナ対策にどのように取り組まれていくか、お聞かせください。
 二点目ですが、新型コロナの感染症法上の扱いについてです。岸田総理は先月末、新型コロナの感染症法上の2類相当での運用について、第7波の収束後、見直しに着手する旨を明らかにされました。見直しのスケジュール感や、「全数把握」など取りやめや見直しが求められる項目について、大臣のご見解をお聞かせ下さい。
大臣:
まず一点目でありますが、前回は2020年9月まで厚生労働大臣を務めさせていただいて、そのときにまさにコロナが国内でも感染していた、ただその当時と比べると感染者数、あるいはウイルス自体も変化してきているということでありますが、他方で検査のキャパシティまたはワクチン接種、医療提供体制、それぞれ強化も行われてきたと認識しております。
 国民の皆さんにはこれまで同様基本的な感染対策をお願いしているところでありますが、累次に渡るワクチン接種の実施、また抗原定性検査キットの活用、経口薬の実用化、こうした様々なアプローチが進められているところでありますが、昨年11月に「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」がとりまとめられ、これに基づいて、自治体や医療機関等への支援などにより病床等を整備・稼働させていく、感染拡大への必要な備え、これを進めてきたところであります。
 直近においては、新規感染者数、増加のスピードそのものは落ちてきているようでありますが、大変高い水準で推移をしてきているところであります。病床使用率も全国的に上昇傾向であり、医療提供体制にも大きな負荷がかかっております。
 また、重症者数や死亡者数も増加傾向で、今後の動向をしっかりと把握していく必要があると考えております。
 就任に当たりまして、岸田総理から、新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣をはじめ関係大臣と協力をし、医療提供体制や予防、発見から早期治療までの流れの強化を進めるとともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、段階的な見直しを行い、一日も早い社会経済活動の正常化を目指すようにという指示を受けたところでございます。
 現下の対応でありますが、7月15日の政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、社会経済活動をできる限り維持しながら、引き続き、自治体や医療機関等の支援を行い、保健医療体制の確保に万全を期すとともに、医療への負荷に直結する重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置いて、効果が高いと見込まれる感染対策に、国・地方が連携して機動的・重点的に取り組むということを確認し、これに沿って対応を進めているところであります。
 また、新型コロナワクチンに関してでありますが、配送計画を接種開始前から自治体にお示しさせていただき、できるだけ早い段階で配送を開始することを可能とする等、企業とも交渉・調整を行ってきたところであります。現在4回目接種に関しても十分な量をすでに自治体に配送させていただいております。また、オミクロン株に対応したワクチンについても円滑に輸入されるよう企業と調整を行い、国民の皆様にそうした新たなワクチンをできるだけ早期にお届けできるようにも努力したいと考えております。
 また、7月22日以降、累次にわたり政府対策本部等で決定した、ワクチン接種の促進や病床や発熱外来のひっ迫を回避するための取組を進め、医療機関や保健所の負担を軽減するとともに、今後も専門家、また地方自治体の関係者の皆さん、あるいは医療現場の皆さん、こうした声をしっかり聞きながら、並行して社会活動の正常化に向けた努力をしていきたいと考えております。
 それから二点目の新型コロナウイルスの感染症法上の扱いでありますが、先月末、総理は、新型インフルエンザ等感染症として規定される各種措置の必要性について、時期をしっかり見極めながら、引き続き丁寧に検討を進めていくことを示されたところであります。
 発生届については、感染症法第12条において医師の義務とされ、感染拡大防止と適切な医療の提供のため、患者に対するアプローチの起点とされているところであります。
 全数把握については、専門家、あるいは知事会などからその必要性、あるいは医療機関、保健所の負担の観点から、見直しの提言をいただいております。
 7月22日に届出事項の簡素化に加え、今月4日、負担軽減の観点から、一定の条件の下、65歳以上及び65歳未満で重症化リスクのある者以外の患者の届出時の記載事項を、更に簡素化することを可能としたところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策については、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、段階的な見直しを行い、一日も早い社会経済活動の正常化を目指していくことが重要だと考えております。今後の見直しのスケジュール、具体的な内容、これについては、感染状況や専門家の皆さんのご議論、さらには先ほど申し上げた地方自治体、医療関係者からも様々なご意見をいただいているわけでありますから、そうしたことをしっかり踏まえながらやっていく必要があると思います。現時点において、今、具体的なことを申し上げる状況ではありませんが、こうした作業をしっかり進めて、適時適切な対応を図っていきたいと思っております。大事なことは、限られた医療資源を、特に重症化、あるいは重症化する恐れがある方々、そうした方々の命を救う、そうしたところに注力できる、こういう体制をつくっていく、あるいはそういうところに持っていくということが大事だと思いますので、状況を踏まえながら先ほど申し上げた適切な対応図りたいと思います。
記者:
最低賃金改定についてお伺いします。今月行われた中央最低賃金審議会では、今年度の最低賃金の引き上げについて、過去最高の31円とする目安をまとめ、答申しました。政府が6月に閣議決定した「骨太の方針」では、最低賃金の全国加重平均を早期に1,000円以上とする目標が盛り込まれています。目標の実現に向けて、どのように取り組まれるのか、ご見解をお願いいたします。
大臣:
今お話がありましたように、令和4年度の最低賃金改定の引上げ額の目安については、中央最低賃金審議会でご議論いただいた結果、全国の加重平均で、過去最高の31円、比率でいうと3.3%という結果で取りまとめられ、その目安額を踏まえ、都道府県に設置されております地方最低賃金審議会で現在議論が行われております。既に、39都道府県で答申がなされ、そのうち17道県では目安額を上回る改定額の答申、残りの都道府県においては目安額に応じた引き上げの答申がなされたと承知をしております。
 大事なことは、最低賃金の引き上げが各地、特に中小企業を中心に、対応していただける環境を作っていくということが大変大事であります。取引関係等、いろいろありますが、厚生労働省としては生産性向上に取り組む中小企業へのきめ細やかな支援、例えば「業務改善助成金」等の支援措置を講じているわけでありますが、こうした措置、令和4年度においては130億円を確保させていただいておりますが、こうした予算をしっかり活用していただけるよう、特に今の制度の中で対応、これだと手を挙げられないという方もいらっしゃいますので、そうした声も聞きながらきめ細やかな支援が行われていくように取り組んでいきたいと思っております。
 また、引き続き、そうした賃上げしやすい環境整備に取り組んでいく。そうしたことを通じて最低賃金について、できる限り早期に全国加重平均1,000円以上となること、これを目指していくことは変わりないということであります。
記者:
先ほどオミクロン株の対応ワクチンについてお話がありましたが、円滑な輸入と、早期に届くようにということでした。10月半ばにも接種が始まる見通しですが、円滑なワクチン接種に向けて、今後どのように取り組んでいかれるか、お聞かせいただけますでしょうか。
大臣:
まず8月8日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会では、オミクロン株対応ワクチンの接種対象者について、初回接種を完了したすべての方を想定した準備を自治体において行うこと、またオミクロン株対応ワクチンの接種開始時期について、今年秋以降とお示ししていたところ、具体的には今年10月半ば以降になることが考えられるといった方向性が確認されたところであります。
 また、ワクチンの種類でありますが、専門家による検討結果の報告を踏まえ、なるべく早くオミクロン株成分を含むワクチンに切り替えることが妥当との見解が示されたところであり、利用可能な時期が遅れる見込みの「BA.4/5対応型」ではなく、まずはいち早く利用可能となる「BA.1対応型」ワクチンを導入するとされたところであります。
 これらの点については、同審議会後に自治体に対して説明し、10月半ば以降に接種を開始することを想定して準備を現在進めていただいているところであります。
 厚労省としては、今後得られるデータや諸外国の動向を踏まえ、さらに審議会での審議を重ねるとともに、製薬企業とも引き続き調整を進め、できるだけ早い段階でオミクロン株対応ワクチンが接種開始できるよう取り組みたいと思っております。
 また、今後の調達状況等については、適宜自治体に対して丁寧に説明を行って現場での混乱等が生じないよう取り組んでいきたいと思います。
記者:
別件なのですが、15日の終戦の日に靖国神社を参拝する予定はあるか、お願いします。
大臣:
これまでもそうでありますが、私人としてということでありますので、こうした会見で行くとか行かないとか申し上げたことはありませんし、控えさせていただきたいと思います。
記者:
新型コロナの抗原検査キットについて伺います。キットの販売を巡っては、利便性の観点からインターネットでの販売の解禁を求める声もあがっていますが、今後、どのように対応していくか、大臣のお考えを具体的にお聞かせください。
大臣:
まず、新型コロナウイルス感染症の対応の中で、この抗原定性検査キットを活用していくと、そうした中で、昨年9月から薬局で購入することを特例的に可能とした、また、キットが円滑に流通して薬局で入手しやすくなるよう、大手卸と薬局に対して国が調整支援を行う、こうした対応をすることで多くの方が入手しやすいよう努力をしてきたところでありますが、さらに、8月10日の厚生労働省のアドバイザリーボードで、ネット販売などを可能にするいわゆるOTC化について議論が行われたところであります。休日・夜間は調剤薬局が閉まっているケースが多いです。あるいは、インターネットで抗原定性検査キットを容易に手に入れられるようにしてほしいと、多くの国民の皆さんから声をいただいているわけであります。
 こうした声に応えるため、医療現場への供給、これは優先的に確保していかなければなりませんが、それを前提として、OTC化に向けて具体的に検討を進める、この方向性は確認されたと承知をいたしております。足下の医療現場への供給に最大限取り組みつつ、薬事・食品衛生審議会を来週にも開催し、OTC化に向けて具体的な議論を行っていただきたいと考えております。
 抗原定性検査キットを必要とする国民の皆様が入手しやすくなるよう、鋭意検討を進めていきたいと考えております。
 なお、来週と申し上げましたが、薬食審(薬事・食品衛生審議会)医療機器体外診断薬部会、これを8月17日に開催することでご連絡をさせていただいているところであります。
記者:
一部報道で、WHOの傘下組織を国内で発足させるという話が出ております。これについての検討状況など事実確認をさせていただきたいのと、厚生労働省としてもユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現というのは一つ重要な話だと思いますが、この意義などお考えの部分がございましたら教えて下さい。
大臣:
WHOの支部ですか。今日新聞に出ておりましたが、その件について私は厚生労働省の中では聞いておりませんので、ここで申し上げるのは控えたいと思います。ただ、私もこれまでユニバーサル・ヘルス・カバレッジの取組、特に日本が率先して取り組んできたわけでありますし、国連でのハイレベル会合等にも参加をさせていただきました。そういった意味での我が国としての役割をより一層果たしていける、こうしたことに関しては、今は具体的な話ではありません。基本的な姿勢として、そうした方針で臨んでいきたいと思います。
記者:
日本では現在、入国者数の上限や入国前の検査といった水際措置がとられていて、社会経済活動の回復の抑制要因になっているとの指摘があります。今後、どのようにG7並みの水準へ緩和をすすめていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
全体としては入国管理という観点からだと思います。厚労省としては水際での対応とその対応状況に応じた方針が出てくれば、それにしっかり対応してきたところでありますし、今後ともそうしてきたいと思います。
 その上で、確かにインバウンドに対する、特に宿泊や観光業界の方からの高い期待があることは十分承知をしておりますが、他方でいま我が国における大変高い感染状況という状況もありますので、そうしたところもよく見極めながら、ただ先ほど、冒頭総理の発言で申し上げたように、1日も早い社会経済活動の正常化を目指すよう、というお話がありました。そうした中にも、当然そうしたことは入ってくるだろうと思いますが、ただ、いま申し上げたように、国内の感染状況等しっかり見極めながら対応していくことは当然だと思います。
記者:
新型コロナ対応についてなのですが、大臣も冒頭でおっしゃったと思うのですが、今後重症者や死者が急増する懸念が示されています。今まで医療体制の拡充を行うことで対応してきたと思うのですが、医療体制がひっ迫する中で死者数を抑えるような対策はあるのか、どのようなことが必要だと大臣お考えになられますでしょうか。
大臣:
まず、一昨日の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでは、専門家から、死亡者数は第6波のピークに近いレベルまでいま直近で8月11日214人、その前は248人だったと思いますが、急上昇しており、さらに増加することが懸念されているわけであります。
 まずは、政府としては、重症化リスクのある高齢者を守ることに重点を置いて、効果が高いと見込まれる感染対策、まず4回目の接種の促進、あるいは高齢者施設をしっかり守っていくという意味において、集中的な検査とか、あるいは感染管理、こういったことについて、国・地方が連携して機動的・重点的に取り組むことが基本だと思います。
 医療提供体制については、7月22日に都道府県に対して、いわゆる病床確保に関する点、それから、重症患者をはじめ、入院治療が必要な患者が優先的に入院できる体制とすること、あるいは後方支援医療機関の確保・拡大に取り組むこと、など要請し、病床の医療ひっ迫回避を回避していく、受け皿をより広げていくことを行っているところであります。
 また、救急医療等のひっ迫、時々マスコミにも取り上げられております、まず受診控えが起こらないということ、これは大事なことでありますが、そうした上において救急医療のひっ迫回避をするという意味において国民の皆様の色々な協力や理解を求めていかなくてはならない(と考えています)。
 先般も、日本感染症学会をはじめ、4学会からも症状の程度に応じた行動のお願いを記した声明も公表されているわけでありますが、そうしたことも踏まえながら、理解を求めていく、ただ、今申し上げたようにそれが結果的に受診控えにはならないようにというところは十分配慮しながら、国民の理解を求めていく、そうしたことが大事ではないか、と思っております。今後とも感染状況を踏まえた効果的な対策をとっていけるよう、専門家などの意見を聞きながら、医療提供体制の確保をはじめとして、必要な対応を取っていきたいと思います。
記者:
今回3回目の大臣ということで、地元岡山でも期待の声があがっています。そういった声に対して、厚労大臣から改めてお言葉をお願いいたします。
大臣:
先日ご挨拶の時に申し上げましたが、厚生労働省の仕事、もちろん政府の仕事すべからくそうでありますが、国民の皆さんの生活、暮らしに大変密着している仕事でありますし、また、そういった仕事をする重責、そしてそれを進めるにあたっては様々な声をしっかりと聞きながら進めていくことが、非常に大事だと思います。従って、3回目ではありますが、やはり1回目2回目、また今回とはかなり異なっている状況が色々とあるわけでありますから、まずは先日も申し上げましたが、初心に立ち戻って、1つ1つに真摯に取り組んでいく、こういう姿勢でやっていきたいと思います。
記者:
全世代型社会保障に向けて、加藤大臣自身はどのような姿勢で臨みたいとお考えでしょうか。また、一番優先度の高い施策はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
全世代型社会保障に関して骨太の方針2022に、今後生産年齢人口が急速に減少していく中、高齢者人口がピークを迎えて減少に転ずる2040年頃を視野に入れつつ、コロナ禍で顕在化した課題を含め、2023年、2024年を見据えた短期的な課題、例えば出産育児一時金の問題等ありますが、および中長期的な各種の課題を全世代型社会保障構築会議において整理し、中長期的な改革事項を工程化した上で、政府全体として取組を進めることとされているわけであります。
 全世代型社会保障を構築する上で、先ほどあったように、生産年齢人口が急速に減少していくということで、いわば医療・介護の担い手をどう確保するといった課題も当然でてきます。また、雇用やライフスタイルも多様化が進んでいるわけでありまして、そうした中で社会保障制度の担い手をどう確保していくのかとともに、男女が希望どおり働ける社会をつくるための「未来への投資」が重要であると考えています。
 これまでもよく言われるのですが、給付はどうしても高齢者中心、より家族的給付、子どもに対する給付というものの支援がより強く求められている、また負担に関しては現役世代を中心に、これ以上の負担をどう抑制していくのか、しかし他方で社会保障のニーズというのは高齢化が進む中で高まっていくわけであります。そこをどうバランスをとっていきながら、社会保障の構造を見直していくのか、さらには将来世帯の負担を先送りせずに、能力に応じて皆が支え合っていける、こうしたことを基本とし、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保障をバランスよく確保していく、これが重要だとされてきたところであります。具体的な中身についてはまさにこれから議論してくということだと思いますが、いま申し上げた「未来への投資」をはじめとして、様々課題はあります。そうした課題に対して答えをだすことによって、皆様方が安心して暮らしていただける、その土台が社会保障でありますから、そうした社会保障を目指して取り組んでいきたいと思います。

(了)