後藤大臣会見概要

(令和4年8月2日(火)10:49~11:29 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
 それでは一点だけ、私から申し上げたいと思います。療養開始時の検査証明を求めないことの徹底についてでございます。
 職場や学校等におきまして、コロナ陽性となった場合に、陽性となった方が自宅で療養を開始するときやあるいは復帰する際に医療機関や保健所が発行する検査の結果を証明する書類を求めているケースがあります。
 そこで、私より、発熱外来や保健所のこれ以上の業務ひっ迫を避ける観点から、7月29日に日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会や、経済同友会に対しまして、療養開始時や復帰時に検査の結果を証明する書類を求めないことを要請いたしております。
 昨日より、厚生労働省所管の各団体に対しましても、同様の要請を行っております。
 必要がある場合には、My HER-SYSの画面、この画面表示によりまして、療養開始の証明ができるということについても、周知を行っております。
 また、各府省庁に対しましても、それぞれの各府省庁を通じてそれぞれ所管団体等に対して同様の要請をお願いしております。
 引き続き、重症化リスクの高い方に医療機関や保健所が専念して、事務的な書類だけのために医療機関等に負担をかけないように、関係省庁と連携しながら、対応してまいりたいと思っております。

質疑

記者:
新型コロナ関連でお願いします。岸田総理は31日、新型コロナの感染症法上の2類相当での運用について、第7波の収束後、見直しに着手する旨を明らかにされました。見直しのスケジュール感についてや、「全数把握」など取りやめや見直しが求められる項目について、大臣のご見解、ご認識をお聞かせください。
大臣:
総理のご発言につきましては、新型インフルエンザ等感染症として規定される各種措置の必要性について、時期をしっかり見極めながら、引き続き丁寧に検討を進めていくことを示されたものと承知いたしております。
 ご指摘のような運用の見直しのスケジュールや具体的な内容については、今後の感染状況や専門家の議論の状況等を踏まえながら検討をしていく必要がありますから、現時点では具体的なことを申し上げることは困難でございますが、いずれにしても時機を逸することなく適時適切に具体的な検討を進めていきたいと考えております。
記者:
昨日、今年度の引き上げ額の目安が決定した最低賃金についてお尋ねします。以下、三点についてそれぞれ大臣の所感をお伺いしたいのですが、まず引き上げ額について、二点目に審議が長期化したことについて、三点目に賃金の地域間格差の解消の必要性について、教えていただけますでしょうか。
大臣:
まず引き上げ額についてでございますが、令和4年度の最低賃金改定の引上げ額の目安については、昨日(8月1日)開催されました、「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」において、全国加重平均31円(3.3%)という結果で取りまとめられまして、本日11時から開催される中央最低賃金審議会において、この小委員会報告をもとに、答申が行われる予定と承知をいたしております。
 答申がまとめられた後は、この目安を参考として、都道府県労働局に設置された地方最低賃金審議会で議論が進められることになりますが、地方最低賃金審議会においても真摯な議論が行われることを期待したいと思っております。
 また、今年度の目安額の全国加重平均31円についてでありますが、これは過去最高額でございます。
 最低賃金の改定に加えまして、コロナ禍や原材料費等の高騰といった企業経営を取り巻く環境も踏まえまして、特に中小企業においてもしっかりと最低賃金の引き上げが行われるように、賃上げも行われるように、引き続き企業に対する支援を行ってまいりたいと考えております。
 それから、審議が長期化しているということ、すなわち7月25日の第4回の目安に関する小委員会の後、時間を置いて議論を再開した点についてでございますが、今年度の審議の進め方につきまして、昨年度の審議会が採決によって結果を決めるということになりまして、今年は丁寧な議論を進めていく必要があるという認識があること、それから、目安額の根拠や理由について、納得できるものとして欲しいという目安額の根拠・理由についてのご意見も出ていたこと、そういうことを踏まえまして、目安額とその根拠・理由について公益委員が再度検討する時間をしっかり確保するために、7月25日の「第4回中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」の後、時間を置いて議論を再開することとしたものです。
 それから、地域間格差の解消の必要性についてでありますが、最低賃金の地域間格差については、骨太の方針においても、配慮することとされております。
 今年度の目安についても、各ランクの指標を踏まえつつ、地域間格差に配慮する必要があること等を考慮した結果、A・BランクとC・Dランクの目安額の差は1円となっております。
 参考までに申し上げれば、C・Dランクにつきましては30円でございますが、率は3.3%より高くなっているということでございます。以上です。
記者:
新型コロナの感染症法上の分類についてお伺いします。新型コロナは現在「新型インフルエンザ等感染症」に分類されておりますが、指定感染症だった頃の位置づけであるはずの「2類相当」という呼称が一部で使われています。
 ただ、現在感染症法に基づいて行われている措置の実態をみると、健康状態の報告など2類では適用されていない措置が行われている一方で、項目によってはかなり緩和されている現状もあります。こうした実情を踏まえて、現在の措置を「2類相当」と呼ぶことの是非について大臣はどうお考えになるかお聞かせ下さい。
大臣:
「2類相当」という表現は、新型コロナウイルス感染症が発生しまして指定感染症という分類に指定した際、2類相当の措置が可能となるように、その内容を決めたことから使われたものでありまして、現在でも引き続き、そのように呼ばれているものと承知いたしております。
 その後、実際はご承知のとおり指定感染症としての措置の内容も見直されまして、新に新型インフルエンザ等感染症に指定されたことから、感染症法上の2類相当という表現は、必ずしも事実を正確に表す表現ではないと厳格に言えば考えられますが、今申し上げたような経緯の中で、わかりやすい呼称として使われる場合があるものと承知いたしております。
 ご指摘の「2類相当」という表現の使用については、実際にこれを使用される方のご判断でありまして、慣用的なわかりやすい呼称としての呼び方について、その是非について私から特に申し上げることはないという立場であります。
記者:
感染症法上の2類相当の見直しのタイミングについて、政府は第7波の収束後に行う方針としていて、大臣は先ほど具体的なスケジュールは専門家の議論などを踏まえて検討していくとおっしゃいました。しかし、現在の第7波では感染者が爆発的に増加しており、医療機関や保健所の負担が大きくなっています。現場からは、早急な見直しを求める声もあがっています。何故今ではなく、第7波の収束後なのでしょうか。
大臣:
今のご質問は全数の話ですか、それとも類別の見直しの話ですか。
記者:
全数の話です。
大臣:
わかりました。先ほども申し上げたとおりですが、運用の見直しのスケジュールや、具体的な内容につきましては今後の感染状況や専門家の議論の状況を踏まえる必要がるため、現時点では具体的なことを申し上げることは困難でありますが、時機を逸することなく適時適切に具体的な検討を進めていきたいと思っています。
 いわゆる、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等という類別から、5類に変えるということについては、これは今本当にどんどん感染者が増加している中で、我々は保健、あるいは医療提供体制に万全を期すということでしっかりと対応すべく努力をしておりますし、その他医療ひっ迫を生じさせないような様々な手段も講じているところではあります。
 それでも、どういう形で感染力が強くなるか、感染人数ということで増えていくかということについて、やはりその準備しているリスクを超えるようなことがあったときに、そのために実は最終的には緊急事態宣言に基づく行為規制というものが準備されているわけでありまして、こういう伝家の宝刀と言いますか、最終的な解決手段、あるいは対応手段というものを確保しておくためには、感染症法上の2類から5類に分類してしまうと、現行の法律ではそうした緊急事態宣言は打てないことになっているので、そういう意味ではやはり足下、感染が急に拡大して、そしてリスク管理をしなければならないような、そういう事態が発生したときの緊急事態宣言を残すということで言えば、新型インフルエンザ等に分類して、そういう最終的な伝家の宝刀についてやはりまだ確保しておく必要があると、それが現実的な判断であるというのが総理のご答弁でもありますし、我々の考え方です。
 その一方で、全数報告を求める、求めないというのは、これは類別を変更するということではなくても、それは対応可能だというご議論もあろうかと思いますが、これにつきましても、やはりそれぞれ感染症法第12条の医師の届出の重大性、そうしたこともありますし、またやはり感染症の対策をしっかり打っていこうという場合に、特に積極的疫学調査を重点的な分野で使いたいということになった場合でも、やはりそれは端緒になっていくと、感染症対策の起点になるという意味で、それ自体は重要な意味はあると思います。しかし、それは感染症の性状、性格や感染の状況、あるいはその全体としてどのようにその病気や感染を専門的に分析するかという視点に基づき、それは検討することも当然あるということを申し上げているということです。
 どの内容についてどうかということについては、先ほど言ったとおりです。最初の4行以外は補足説明なので、何も新しいことは言っていませんので、少し長いお答えで申し訳なかったです。補足説明もしておきました。
記者:
すでに報道ベースで出ていますが、ワクチン接種会場や接種券配布の手間を省くために、マイナンバーカード1枚で本人確認や接種歴の管理ができる仕組みを求める声もあります。そうした声について厚労省としては前向きに検討されているのでしょうか。また、前向きに検討されている場合はいつ時点を目途に行われるのでしょうか。
大臣:
マイナンバーカードを使って、一般的に行政サービスを提供できるようにすること、いろいろな情報を管理できることの重要性は論を待たないことだと、一般論として思っておりますが、いま足下3回目接種を若い方にお願いし、4回目接種を高齢者の皆様や基礎疾患のある皆さん等にお願いしている現状において、マイナンバーカードによるそういう新しい仕組みを同時に走らせていけるのかどうかということも、判断のいることだと思いますし、一般論としてマイナンバーカードをなるべく使えないのかというご提案はいつでもあるわけですが、今現時点でそういう方向で実際の現場を回していくということで考えているということはありません。
記者:
さきほど全数検査の話がありましたが、いまこのタイミングで、これだけ爆発的に感染者が増えている現状にあって全数を把握することにどのような意味があるのかでしょうか。今後、「時機を逸することなく、適切に」というお話がありましたが、すでに時機を逸しているのではないでしょうか。
大臣:
いま申し上げたみたいに、感染症の発生届け自体は感染症法第12条によって医師の義務とされている、そういう意味では、一般の疾病よりも感染症としてくくられているということの義務でもありますし、それから、感染拡大防止と適切な医療の提供のために、患者に対するアプローチの起点になるという意味では、重要な意味もあるとは思っています。もちろん今対応ということになったときに、例えば感染症法の典型的な対応である入院を措置するとか、そういう対応はできないということになるわけではありますが、いずれにしてもそういう感染症の特徴に基づく取り扱いと、それから感染症の特徴そのもの、それから今のひっ迫の程度、そういうものを考え合わせて判断することだと思っています。
記者:
全数把握をすることそのものの作業自体が医療ひっ迫を招いているというご認識はないのでしょうか。
大臣:
そういうご指摘は十分理解しています。ですから、我々も全数把握をやめるという前に、全数把握の前提ではありますが、いわゆる医師からの報告義務についてHER-SYSの簡素化や、重篤ではない人だとか65歳以上でない方たちに対してはHER-SYSの打ち込みを大きく減らすことによって医療機関のひっ迫対策をやる必要があるということですぐに対応しましたし、保健所についても必要以上に情報があっても使うわけではないので、さきほど申し上げたように、65際以上の方だとか、重篤な方についてはその情報は入力していただきますが、若い方やリスクの無い方についての情報の入力が無くても、保健所がやれることは一緒ですし、色々な情報がたくさん入ってくるよりは、保健所としての業務の適正化・管理もできるという意味で取り組んでおりますので、事態についての理解は十分に共有しているつもりであります。
 ただ、そうはいっても感染症法上、本当にどのくらいの人数が感染しているのかということを、例えば発表しない、把握できなくなるような事態とどちらがいいのかということについては両論あるということだと思います。少なくとも今の段階で全数把握の調査をやめると議論をしているわけではありません。それから一部には、厚生科学審議会の感染症部会において、全数報告を見直すというような報道も流れたり、記事もでておりまして、そういう形でそういう検討も進んでいるのではないかと、そういう議論を引き起こしているのかもしれないと思いますが、感染症部会においては届出で得られた情報をサーベイランスに活用することについての意見とか、それから参考人から感染症法上の分類について、要望みたいなことはありましたが、しかし、新型コロナウイルス感染症の患者の全数報告を見直すということが決まったり、そのことを議題として今後進めていくというようなことを決めたという事実はありません。
 そういう意味で今後の感染状況等も踏まえ、専門家の意見も伺いながら、それからいまご指摘のあった医療機関のひっ迫だとか、あるいは保健所のひっ迫の状況も踏まえながら、検討・議論を続けるという事態になっておりまして、専門家の意見、現場の意見にも十分耳を傾けて進めていきたいと思います。
記者:
最終的には政治決着になるとお考えでしょうか。
大臣:
もちろん、感染症に限らず、決めるということは政治が責任を持って決めることですから、これは感染症の専門家の皆さんに専門的な部分の判断だとか、知見とかを伺いますが、しかし政策を選択することは、これは政府・政治がしっかり決断すべきことと認識を持っています。
記者:
コロナの感染状況に関してなのですが、一部の高齢者施設ではすでにコロナに感染して重症化してしまった高齢者の入院できないようなケースも相次いでいるみたいですが、大臣の現在の医療体制についてのご認識はいかがでしょうか。また、これまでの感染の波では、若者が家庭などにウイルスを持ち込み、高齢者に感染するというケースがあったということがアドバイザリーボードでも分析されていたかと思うのですが、そうすると現在各自治体で行われていている高齢者の外出制限などは有効なのか、大臣のご認識・ご見解をお願いします。
大臣:
感染状況については、大都市部では積極的な疫学調査が重点化されていまして、感染経路の十分な把握がされていないことに留意は必要です。一方で知事会等からは「大都市ばかりではないぞ」という厳しいご意見も賜っているわけですが、新規感染者の感染場所について、自宅が増加傾向となっているという認識は持っています。自治体によりましてはいまご指摘があったように、地域の感染状況を踏まえて、高齢者等に対して不要不急の外出自粛のお願いが行われています。この対策は重症化しやすい高齢者を守るために行われているものでありまして、地域の感染状況を踏まえまして有効性が期待される対策として実施されているものと認識されています。大阪、沖縄、京都、愛媛、長崎と例は多数にのぼっております。また、現在の医療提供体制について、病床使用率は地域差が見られるものの、総じて上昇傾向が続いていまして、医療提供体制に大きな負荷が生じている地域もありまして、一部地域では厳しさは増していると考えています。
 医療提供体制の確保については、都道府県に対して、引き続き更なる病床等を確保する、稼働を求めるとともに、療養者が増加する中でも、重症者をはじめとする入院治療が必要な患者が優先的に入院できるように、適切な調整、これは入院をしていただく方に、どういう方を入院させるのかというような適切な調整を求めるとか、あるいは(病床の)回転率の向上のための取組だとか、高齢者施設に対する医療支援の取組だとか、そういうことも併せて進めているところです。
 いずれにしても「最大限の警戒」を保ちつつ、社会経済活動をできる限り維持しながら、医療提供体制を確保して、重症化リスクのある高齢者を守るとそこのところに重点を置いた対策・対応を図っているところでありまして、専門家の意見も踏まえつつ、これを確実に実施していきたいと考えています。
記者:
今年度の最低賃金の引き上げについてなのですが、労働者の時給は上がる一方で、経営者、特に中小企業の方は物価の高騰の状況によってさらなる負担が予想されています。中小企業などに対しての対応についてお聞かせください。
大臣:
元々、最低賃金は生計費・賃金・賃金支払能力の、3つの視点から決定をするようにということが、法律の規定によっても求められるところでありまして、中央最低賃金審議会についてもこれは公益委員と労働委員と、そして経営側の委員と3者構成で同数ずつの構成になって審議をされています。賃金の決定ということでありますが、支払い側の議論等も十分調整をするということで、時間をかけて今回も議論をして3者の委員にしっかりとした報告をしていただけるように、議論を尽くしていただいたつもりです。中小企業等に対する支援ですが、中堅中小企業の活力向上につながる事業再構築や生産性向上のための支援策があります。それから、適切な価格転嫁が行われるような、いわゆる環境の整備というか、中小企業の下請け代金の取締法だとか、そうした中小企業の価格をしっかり転嫁していくような公正取引委員会等の取組もあります。それから抜本的に充実させました、いわゆる賃上げ促進税制等の税制の優遇措置もありますし、また、賃上げを行った企業から優先的に例えば政府調達を行っていくと、そういうような制度を設けている場合もありまして、政府全体として、そういう中小企業に対する支援、言うなれば賃金引き上げの機運の醸成のためのいろいろな対策も併せて行っていると、これは厚生労働省だけの対策ではありませんが、そうした形で政府全体としてそういう対応も行いつつ最低賃金、また大手も含めた実質賃金の上昇につながっていくように、そのように考えています。
記者:
ということは、今回最低賃金が上がることによって、何か新しい対応があるというわけでは決して無く、今までの対応をそのまま続けていくということなのでしょうか。
大臣:
いま、物価とか賃金だとかそういうものに対する政府全体の対策会議というのは動いていますし、業界団体から物価だとか、賃金に関わるヒアリングを今後も行っていくことになっていますから、もちろん必要があれば今後とも物価高騰や、賃金引き上げ等に関わる施策を見直すということもありますが、今4点ほど申し上げたようなことについては今現在でもやっている、今後適用にそのままなるものについて申し上げましたが、今後必要になるものがあれば、そういう閣僚会議で検討をしておりますから、そういうことを今後またしっかりと必要があればやっていくということだと思います。

(了)