後藤大臣会見概要

(令和4年3月18日(金)9:03 ~ 9:14 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭は無しです。

質疑

記者:
16日に事務連絡を出された濃厚接触者調査の重点化についてお伺いします。重点化を判断した地域では、企業などが感染者が出た場合でも自主的な対応を求める内容となっていますが、対策には従業員が休みやすいような環境の整備が必要だと考えます。
 厚労省としては今後どのようにして事業者側に対し呼びかけみたいなものを行っていくか考えがあればお願いします。
大臣:
3月16日に、今ご指摘ありましたように、オミクロン株の特徴を踏まえて濃厚接触者の特定や行動制限等のルールの取扱いの見直しをいたしました。
 その内容について都道府県労働局を通じて事業者に対して周知をしているところでありまして、従業員が休みやすい環境の整備の必要について、引き続き事業者に対して周知を図っていきたいと考えています。
 今、取組の5つのポイントというのをお示ししておりまして、その中で体調がすぐれない人が気兼ねなく休めるルールの作成や実行できる雰囲気作り等を確認事項としておりますので、基本的に事業所等で、保健所が一律に濃厚接触者を特定して行動制限を求める必要性はないわけでありますが、そういう中にあっても本人から例えば体調がすぐれないから休みたいということがあればそれをしっかりと尊重して運営をするようにということを確認いたしております。 
 またあわせて事業者から相談があれば、都道府県労働局等でも丁寧に相談に応じていきたいと考えています。
記者:
先日、自民、公明党の幹事長が年金受給者への臨時給付金を総理に要望しました。来年度から公的年金が0.4%減額されますが、大臣はこうした給付金の必要性についてどうお考えでしょうか。
大臣:
来年度の年金改定率はご承知のとおり、マイナス0.4%となっています。これについては物価賃金がマイナスとなったことを反映しまして、制度上こういう年金額改定を行うことが決まっています。
 この改定によって、来年度の年金額は老齢基礎年金の満額で月額259円、それからモデル年金で月額903円の減額となります。
 このこと自体については直接お尋ねではないかもしれないですが、将来世代の負担が過重とならないように長期的な給付と負担のバランスで年金制度をしっかりと維持していくための仕組でありまして、この仕組のもとで年金を支給していくということはこれは重要であると考えています。

 その上で、先日、自民党、公明党の幹事長、政調会長より新型コロナの影響による賃金の低下が年金支給額に及ぼす影響を払拭するために年金生活者等に対する臨時特別給付金を早期に実現すべきとの提言があったと承知しています。
 その趣旨は、物価や賃金が下がる中でマイナス改定をして、今はその後の事情によって物価がどんどん上がっていると、そして今後もウクライナの問題も含めて出てきています。
 新型コロナ、ウクライナ、物価の状況が上がっていく中で、賃金がそれに合わせて上がっていけば何とか対応ができるけれども、今、稼得をしていない人たちで、賃金が上がらない場合に物価の上昇だけを年金収入の減、あるいは収入の減だけで対応することが難しいという、そういう問題意識でのご提言だと受け止めています。
 今後のことで、その対応ぶりについては、昨日、総理が予算委員会で答弁されたとおりだということだと私も思います。
 どう扱うかということは今後の物価の高騰とこれからの状況も踏まえて政府全体として検討が進められていくと考えています。
 ちなみに申し上げれば、自民党、公明党の与党からの要望については、別に年金生活者だけに限られた要求ではなくて、年金生活者等ということで、仕事による稼得のない高齢者全般に対して一人定額の給付というご要望であったと思っています。
 いずれにしても、今後、物価高騰等の状況を踏まえながら、引き続き検討させていただきたいと思っています。
記者:
関連で伺います。これやるかやらないか今後の検討次第ということですが、今、大臣が仰った、物価が上がって賃金が下がる状況というのは、今後もあり得ると思うのですが、例えば仮に給付金をやるとすると、また来年以降もそういう状況になったときに、またやってという変な前例ができるような気もするのですが、そのあたりどうお考えですか。
大臣:
そういう意味では物価の状況の認識が必要だと思います。例えば前年の物価いわゆる名目の賃金と物価ですね、それに合わせて賃金の方は3年間平均ということになるわけですが、そういう去年の前の年の水準に応じて年金を決定していくのがルールですから、そういう意味においては、年金のルールはそれでしっかりやっていくということは、これは年金財政や制度の仕組みから考えて、これは先ほども申し上げたように大前提だと思います。
 その後、実際に、問題意識は、物価が実際はマイナスだったと、賃金がマイナスで積算をしたときに、物価が非常に例えばガソリン価格の高騰等で、あるいは今の原油価格の高騰等の影響があって伸びたときに、いわゆる物価高騰対策の一環として何かを考えるかというのは問題意識としてはありうると思いますが、そこはあくまで物価の上昇のレベルの問題だとか、それから実際に賃金の方がどうなるのかとか、そういうことも含めて見極めてやっていくことだと思います。
 ですから、そういう意味で言えば政策全体の問題ということにもなると思いますので、政策のフリーハンドを私は否定しているわけでは決してありません。
 しかし、そういう意味で、別に1回やるとずっと年金が下がったときにやらなきゃいけないかということでは必ずしもないと思いますが、いずれにしても物価の状況を見極めて政策として何かの対応が必要であるかどうかということについて、きちんと判断をしていく必要があると思います。
記者:
先ほどの質問への答えの中で、その自公の提案が年金生活者等という要望だったということで、必ずしも年金生活者には限らないというようなお話が今あったかと思うのですが、政府内で検討されている給付金というのは高齢者とか、遺族年金とか障害年金を受け取っている方じゃない方への高齢者への給付金というのも含まれるということでしょうか。
大臣:
今、具体的にどういう内容のものを検討しているということを申し上げているわけではありません。
 「年金生活者等」ということで与党から聞く説明、私も与党の一員ですから、聞く限りにおいては年金生活者だけではないと私は認識を持っていますので申し上げました。
 政府の中において具体的に(そうした)制度を前提として検討していると申し上げているわけではありません。

(了)