後藤大臣会見概要

(令和4年2月22日(火)10:41~10:57 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
それでは最初に一言申し上げます。治療薬についてのご報告でございます。

 中和抗体薬の「ソトロビマブ(ゼビュディ)」については2月上旬までに9万人分が納入され、これまでに7万2千人分以上が投与されております。
 今般、企業(GSK社)の協力もありまして、3月中旬に納入予定であった8万人分について納入時期を大幅に前倒しして今週中に納入されることになりました。
 既に4万人分は昨日より地域の医療機関へ順次配送を開始しており、残りの4万人分も今週24日には医療現場への配送の準備が整う予定です。これで納入量は合計17万人分となります。
 医療現場の需要に応えて最大限の対応をとることができましたが、先日お伝えしたとおり治療薬の選択肢は広がっています。
 レムデシビルなど他の薬剤が活用可能な場合には、そのような検討も引き続きお願いしたいと思っております。

 経口薬「モルヌピラビル(ラゲブリオ)」については、直近の約1週間で1万8千人、2月15日から20日ですが、1万8千人の方に投与されておりまして、現在、治療の柱となっております。本剤についても企業MSD社の協力によりまして納入時期の前倒しを最大限進めております。
 先日お伝えしましたとおり追加で20万人分、合計80万人分が3月までに順次納入されますが、このうち2月末までに14万人分が納入され、これまでの納入分35万人分と合わせて合計49万人分が納入されることになりました。

 経口薬「ニルマトレルビル/リトナビル」についてでございます。先日2月10日承認されましたが、既に納入された4万人分に加えて2月末までに追加で8万5千人分、合計12万5千人分が納入される予定になっております。
 現在1,800以上の入院医療機関にご協力をいただき、試験運用を進めておりまして既に5千人分以上お届けし、このうち約280人分が投与されております。
 引き続き実績を積み上げ、説明文書の修正など必要な手当てをした上で、予定通り(2月)28日以降、全国の医療機関の入院・外来で処方を可能といたします。
 なお企業ファイザー社からは28日以降の登録を円滑に進めるために、まずは医療機関の登録を進めることとし、その後、薬局については順次登録を拡大していくと聞いております。

 ご案内のとおり、重症化リスクを有する軽症から中等症の患者向けの治療薬は経口薬「モルヌピラビル」、「ニルマトレルビル/リトナビル」、中和抗体薬「ソトロビマブ」、抗ウイルス薬「レムデシビル」の4種類の選択肢が揃っております。
 医療現場では患者の状態や薬剤の特性等に応じて適切に治療薬を選択し活用をいただきたいと思っております。
 政府としても治療薬の確保・供給に引き続き最大限の努力をしてまいります。

 先日発表しました、高齢者施設の追加接種の調査につきまして、その際にご説明しました事務連絡に関する資料等を今日はあわせてお配りしてございます。以上であります。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年2月22日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
新型コロナ感染者の濃厚接触者の待機期間についてなんですが、現在は原則7日間となっています。この待機期間の更なる短縮に向けた検討状況を教えてください。
大臣:
新型コロナウイルスの感染者が急速に増加している中で、感染拡大を防止しながらできるだけ社会経済活動を維持するという観点から、科学的知見や専門家の意見を踏まえて、1月28日に濃厚接触者の待機期間の見直しを行いました。
 具体的にはご承知のとおりで原則7日間待機で8日目に解除、社会機能維持者の方は2日にわたる検査を組み合わせることで、5日目に解除という取り扱いに変更をいたしております。
 医療従事者については毎日の検査等を要件に待機期間中の医療への従事を認めていることはご承知のとおりです。

 濃厚接触者の待機期間については、オミクロン株の性状に関する科学的知見等を踏まえて検討する必要があると考えておりまして、現時点では次なる待機期間の見直しは考えておりません。
 オミクロン株はまだわからないことも多く、全てを見通した上で判断を行えるわけではありませんが、新たな科学的知見が獲得されれば、必要な改善を絶え間なく行っていくという考えでございます。     
記者:
先日、高齢者のワクチン3回目接種についてのぶら下がりで、2月末までの接種を完了する見込みである施設がおよそ4分の3であるという調査が示されました。更に施設以外の一般の高齢者全体を考えると接種の進捗は望ましいとは言い難い状況です。
 高齢者への3回目接種が思うように進んでいない原因をどう考え、今後どのような対応が必要とお考えでしょうか。
大臣:
新型コロナワクチンの3回目接種は、発症予防・重症化予防という点で極めて重要であります。高齢者施設入所者等の接種が円滑に進むように必死に今取り組んでいるところでございます。
 今回の調査結果では74%が2月末までの完了見込み、現時点で、という回答でございましたので、2月末までの3回目接種を更に推進するために、先日2月18日に自治体向けのオンライン会議を開催しまして、取組の加速を依頼するとともに、問題点、課題や必要な支援等について助言や意見交換を行いました。
 その上で、例えば接種券無しでの接種が実施できるだとか具体的な対応方針をお示しして事務連絡を発出し、改めて自治体の取り組みの加速を要請しております。
 引き続き、2月末までに希望する高齢者施設の入所者等への接種を完了できるように、全力で取り組んでいきたいと思います。

 全体としてみれば、一般の高齢者を含むワクチンの3回目接種は2月15日以降、ワクチン接種記録システムVRSの入力ベースで1日100万回程度までペースが上がっておりまして、今接種が本格化しておりますので、十分なワクチンも配送しておりまして、今自治体の方でも取組が加速しておりますので、円滑な接種に向けて、全体としても頑張って進めていきたいと考えています。
記者:
先週の会見で、高齢者施設のワクチン接種をサポートされていくとご発言されていますが、具体的にどういったことをされていくお考えかお聞かせください。あわせて、ワクチンの高齢者施設調査を今後も実施されるご予定があるのかもお願いします。
大臣:
まず、18日に速報の結果を公表したところでございますが、追ってご相談にいろいろ乗りながら、またアドバイスもしながら、しっかりと意思の疎通、意図の徹底を図ることで、その後追って更なる調査へご協力をお願いする予定であります。
 2月18日にオンライン会議をいたしましたし、いろいろ何が問題になっているかということも直接お伺いをしました。その上で事務連絡を発出し、改めて自治体に取組の加速を要請しております。

 今日ちょうどいいタイミングでしたが、手元にその時の事務連絡につけたQ&Aのようなものもお配りしておりますが、具体的には、例えばこれはもう度々自治体にもご連絡をしているところでありますが、接種券無しでの接種が可能であることをまず徹底したいと思います。
 それから、このアンケートの2月末までに完了することが難しい主な理由に書かれている点を、ひとつひとつ見ていきますと、例えば、全員が6か月経過しないとまとめて打てないから待っている、というご回答もありましたが、自治体が必要な支援を行うことによりまして、分割してまずは大方の方で打っていただいた後、全員が6か月経過していなくても、分割して接種する応援を自治体ですること。
 あるいは、施設が、(接種を行う)医療機関が見つからないというようなことで困っている、というお話も伺いましたので、そうした場合は自治体が医療機関との仲介を積極的に行うこと。
 それから、自治体が施設への巡回接種を行う場合には、通常の接種に要する費用の2,070円を超える部分について、補助金で10分の10支援ができるようなこと。 そうしたことを改めて丁寧にご説明をいたしました。

 その上で、本当に高齢者施設に入っておられる方にとって、この利用者の方にとっても家族の方にとっても高齢者施設、生活にとって欠かせないものでありまして、そしてその上で感染予防、感染拡大防止のために非常に重要であること、そして今後の重症化予防や発症化予防のための効果も3回目ワクチンは非常に効果が高いことなど改めて申し上げて、しっかりと進めていただくようにと考えています。

 いずれにしても、これまで通知も度々行ってまいりましたが、その割に準備が進んでない。しかし、緊要度から言えば、最初に接種の期間を決めたときから医療関係者と高齢者の施設というのは、6か月、一番最優先ということで掲げて取り組んできましたので、何とか今の感染の状況等も考えながら、これを1施設でも多くの施設に早く打ってもらいたいということで引き続き努力をしていきたいと思います。     
記者:
冒頭大臣からご発言がありました治療薬について伺います。「ソトロビマブ」はこれまで実績7.2万、「モルヌピラビル」は一週間で1.8万というご説明がありましたが、例えば先週一週間で高齢者の新規感染者の発生は厚労省の集計を見ますと、一週間で7万人を超えております。
 重症化リスクを有する患者への投与の実績ということを考えますと、大臣の説明のあった数字で十分だと言えるのか、それともまだしっかりと投与する体制を更に一段と高める必要性があるとお考えなのか、大臣のご所見をお願いします。
大臣:
今、医療現場で医療の方から必要だと思われた場合について、今言ったような、中和抗体薬や経口薬が投与を妨げられている事情は全くないと認識しております。
 これはあくまで医師が重症化予防のために必要だということで処方するものでありますから、例えば、全員に投与するということの薬ではありません。
 ですから薬の適応に応じて的確に投与していただく、そのことについて供給量だとか手に入らないだとか、届いていないということによって投与が妨げられているということはないという認識をしています。

(了)