後藤大臣会見概要

(令和3年11月12日(金)12:20 ~ 12:32 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
冒頭私から発言をさせていただきます。一昨日、第二次岸田内閣が発足しまして、引き続き厚生労働大臣を拝命いたしました。改めて責任の重大さに身の引き締まる思いでございます。国民の皆様のご期待に応えられるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 また、昨日の閣議で副大臣・政務官人事も決定をいたしました。厚生労働省では、副大臣に古賀篤副大臣が留任、佐藤英道副大臣が新たに就任いたしました。政務官は、島村大政務官が留任、そして深澤陽一政務官が新たに就任をいたしております。引き続き、副大臣・政務官としっかり連携して、しっかりと厚生労働省の行政を進めてまいりたいと思っております。

 それから次に、先ほどの政府対策本部におきまして、「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」が決定されました。この全体像は、ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防から、早期治療までの流れを更に強化するというものでありまして、最悪の事態を想定して次の感染拡大に備えるものでございます。
 具体的には、今後、「感染力が2倍」、これはすなわちこの夏の実質2倍程度の感染が起こるような状況にも対応できるような医療提供体制の強化を進めます。
 まず病床の増床や、臨時の医療施設における病床確保、感染ピーク時の病床使用率8割以上の確保等によりまして、今年の夏に比べて約3割増の約37,000人の方が入院できる体制を11月末までに整備をいたします。
 こうした病床確保の取組だけではなくて、全ての自宅・宿泊療養者に陽性判明当日ないしは翌日には連絡を取って健康観察や診療を実施できる体制を確保するために、この夏と比べて約3割増しの61,000人の宿泊施設を確保し、約32,000の地域の医療機関と連携して、オンライン診療や往診、訪問看護等を行う体制を構築してまいります。
 更に、こうした医療体制の稼働状況について、ITを活用して「見える化」を図るとともに、感染力が3倍となるなど、それ以上の感染拡大が生じた場合の対応もお示ししました。
 また、予防、発見、早期治療までの流れを更に強化するべく、ワクチンの追加接種の対象者や、使用するワクチンについて、15日の厚生科学審議会で議論するとともに、12月から追加接種を開始、自治体における体制整備の支援を行ってまいります。
 治療薬については、今後の切り札となる経口薬について年内の実用化を目指すとともに、薬事承認が行なわれれば、年内に約20万回、年度内に約40万回分を医療現場にお届けをいたします。
 更にこの冬をはじめ、中期的な感染拡大にも対応できるように、追加で約100万回分、合計でこれまでに約160万回分を確保しております。
 以上のような取組により感染拡大が生じても、国民の命と健康を損なう事態を回避することが可能となり、感染リスクを引下げながら、経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現を図ってまいります。
 この全体像に沿いまして、引き続き新型コロナウイルス対策に万全を期してまいりたいと思っております。私の方からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年11月12日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
今、お話がありました全体像について2点伺います。まず、医療提供体制ですが、公立公的病院などの尽力によって各都道府県で受け入れ可能な入院患者数が、目標を上回る3割増し確保されることになりました。この受け止めをお願いします。
 次に病床の使用率についてです。第5波のピーク時、8月25日時点の病床使用率の全国平均は62%でした。今回の計画では、前回ピーク時よりも約20ポイント高い病床使用率を各都道府県が掲げています。実効性が課題となると思いますが、これについてのお考えもお聞かせください。
大臣:
今回の「保健・医療提供体制確保計画」の策定作業において、国としてはこの夏の感染拡大のピーク時の2割増しの入院・受入体制の構築の依頼を都道府県に対していたしました。
 自治体や医療機関においては、この夏の経験を踏まえて真摯に御検討いただきまして、全体として「約3割増」との更に高い目標を掲げていただいたことに大変感謝をいたしております。
 やはり夏の深刻な事態に対して、多くの皆様に協力をいただけたものと思っております。また、各都道府県に対して、確保病床の使用率の8割以上の確保を求めている件でございますが、医療体制の稼働状況を徹底的に「見える化」すること等を通じて、ピーク時に85%以上の稼働率を確保した神奈川県のような事例を踏まえたものであり、実現可能性は十分にある目標であると思っています。
 その上で、この使用率の目標を実現するための取り組みでございますが、感染ピーク時に、確保病床が確実に稼働できるようにするために、都道府県と医療機関の間で要請が行われてから確保病床を即応化するまでの期間や、患者を受け入れられない正当事由等を明確化した書面をあらかじめ締結するとか、あるいは医療体制の稼働状況をITを活用して、徹底的に「見える化」すること。
 また、入院調整の際に滞りの起きないようにスコア方式の導入等による療養先決定の迅速・円滑化等の手立てを講じていく。そういうような形で担保されていくという形で対応しております。
 今後、都道府県は、今回策定した構築方針に基づいて11月末までに計画の具体化を進めていくことになります。引き続き国としても伴走型でともに考えながら支援を行っていきたいと思っています。
記者:
確保病床の増加に伴い、人材確保の課題をどう解消し、どのように実効性を担保されるお考えかお聞かせください。
大臣:
人材確保を含めた病床の実効的な確保を図るように、各都道府県、医療機関にお願いをいたしております。それがまず第一の基本でありますし、そのためには今、申し上げたような、確保病床から即応病床を確保するための手立てを講じているところです。
 また、感染拡大時に、臨時の医療施設をはじめとした病床・施設を円滑に稼働させるために、医療人材派遣について協力可能な医療機関数だとか、派遣者数を具体化する。そして、人材確保・配置調整等を一元的に都道府県で行う体制を構築する。そういうような対応で手立てを講じております。
 国においても10月中旬に公的医療機関に対して臨時の医療施設等への人材供給も含めて病床確保等に向けた対応を要請しておりまして、各法人ともこれに応えて病床の確保をしていただいております。
 全体像に掲げられた医療供給体制の強化の実現のために、引き続き、国と自治体、連携して地域の医療資源を総動員して対応してまいりたいと思います。
記者:
コロナ全体像の中で示されていた12歳未満のコロナワクチン接種についてですが、現時点で想定されている接種の体制、例えば集団でいくとか、希望制でいくとかそういう想定はあるのか、始められそうな具体的な目途みたいなものが、大臣が今考えている範囲であればお願いします。
大臣:
ファイザー社の新型コロナワクチンについては、5歳から11歳までの者に用いる小児用製剤の承認申請が11月10日になされております。具体的な承認時期について予断を持ってお答えすることは困難ですが、PMDA(医薬品医療機器総合機構)において有効性・安全性等の確認を最優先に、今迅速に審査を進めております。
 なお、その有効性・安全性が確認された場合に、現在12歳以上の者とされている新型コロナワクチン接種の対象を5歳から11歳までの者にも拡大するかどうかについては、その効果、リスクについて、厚生科学審議会においてご審議をいただくことになっていると。今はそういう状況であります。
記者:
雇用調整助成金の関係ですが、今、不正受給する問題が相次いでいると思いますが、これに対して厚生労働省としてどのような対応を取られるお考えでしょうか。
大臣:
雇用調整助成金は休業している企業に対して助成をするという制度でございますので、休業していないのに休業と称して雇用調整助成金の申請が行われ、また、支払いが行われることはあってはならないと考えております。
 雇用調整助成金の申請に対して、適切にしっかりと申請を判断しながら、適正な執行に努めてまいりたいと思っています。

(了)