後藤大臣会見概要

(令和3年11月5日(金)11:30 ~ 11:42 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は私の方から冒頭発言はございません。

質疑

記者:
新型コロナのワクチンについてお伺いします。米国では、5歳から11歳の子どもに対してファイザー製のワクチン接種が推奨されることになりました。日本でも今後議論が本格化するとみられますが、一方で子どもは重症化しにくい傾向があるとも言われています。
 副反応の懸念や、因果関係が不明ではあるものの死者がいることなどを踏まえると、子どもへの接種に関する国民の理解を得るにはより丁寧な説明が求められると思います。そこで、5歳から11歳のワクチン接種について、現状の大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
今のご指摘があったように米国において疾病対策センター(CDC)から、5歳から11歳の子どもに対するファイザー社の新型コロナワクチン接種を推奨し、接種を開始したことは承知しております。
 我が国における12歳未満の方を対象とした新型コロナワクチン接種についてはファイザー社やモデルナ社により、データの整理の上、必要な薬事上の手続きがなされれば、我が国においても、まず、PMDAにおいてワクチンの有効性と安全性を適切に確認することになります。
 その上で、有効性・安全性が確認されて、薬事上の接種年齢を引き下げることとなった場合に、実際の接種の対象を12歳未満の方に拡大するかどうかについて、その効果とリスク等について厚生科学審議会において、ご議論をいただくということになっております。そうした手続きを踏みながら進めていくということになると思います。
 ワクチン接種についてはご指摘のように有効性・安全性を国民にわかりやすく発信した上で、その情報を踏まえた上で国民の皆様が自らの判断で受けていただくかどうかということを決めていただくことが重要でありまして、このためワクチンの有効性と安全性についてご指摘のように、これまでも丁寧な説明を行ってきましたけれども、12歳未満の方を接種対象とする場合もこうした様々な発信方法を通じて、国民の皆様の判断に資するように、ワクチンの安全性と有効性についてしっかり丁寧に説明してまいりたいと、今はそういう状況であります。
記者:
5歳から11歳のワクチンだと、海外では量みたいなものを3分の1に減らしてワクチンを打っているわけですが、仮に今後国内でも承認された場合というのは、ワクチンの供給体制は大丈夫なんでしょうか。
大臣:
そういったことも含めて、今後の検討になっていくと思います。用法だとか、対象だとか、そういうことはその後しっかりと決めていきますし、そもそも大人の薬と子どもの薬は別製剤であるのかどうかということでありますから、そういう点も含めて今後きちんと決めていきたいと思います。
記者:
国産ワクチンについてですが、一部報道で大量生産が可能になるとありますが、改めまして、今後の国産ワクチンの見通しなどについてお聞かせください。
大臣:
きっちりと治験をやっていただいて、安全性・有効性を確認して進めていくということでございます。是非、国産ワクチンもしっかりと検討していただきたいと思っておりますが、そうした形で粛々と進めたいと思います。
記者:
医療や介護、保育の分野に関わる人達の待遇改善を主眼とした公定価格の引き上げの議論が近々始まると思います。その中で、既存の制度ではいずれも厚労省が所管し、それぞれの報酬等を話し合う仕組みになっていますが、新しく立ち上げられる公的価格評価検討委員会というのはどう関係していくのか、現状の見解をお聞かせください。
大臣:
年末までに具体的な結論を出すということを目指して来週にも公的価格の評価検討委員会の議論が始まるということは承知しておりまして、現時点で内容について申し上げられる状況ではないということではあります。
 ただし、仰っているように総理からも年末までに具体的な結論を出すんだというお話も出ておりますので、我が省としてもしっかりと具体的な結論を年末までにまとめていくということで取り組んでいきたいと思っています。
記者:
会計検査院が福祉施設などに配るため、政府が調達した布マスクが今年3月末時点で約8200万枚倉庫に保管されずに放置されていると一部で報道されています。保管費用も6億円に上るということですが、マスクが手に入るようになった今、今後、これらの布マスクは活用できるのでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
まず、布マスクの配布事業そのものについてでありますが、これは当時としては、マスクの需給が大変に逼迫して入手困難な状況にあった時に、感染拡大防止に一定の効果を持つということ、それから洗濯することで繰り返し使えるので急増していたマスク需要の抑制の観点からも、ちょっとでも有効に役に立つのではないかということで実施したものであります。そういう状況の中での布マスクの配布であったと考えています。
 それから布製マスクの在庫については、昨年7月末、マスクの需給状況の改善を踏まえて、予定していた介護施設等向け配布約8000万枚の一律配布を希望配布に切り替えたりいたしました。そして、随時配布に見直しをしたことで、国で備蓄をしていくという方針となって生じたものであります。
 今後、布製マスクの在庫については、引き続き介護施設等への随時配布を行うとともに、その他、他の国の機関等の有効な活用方策も引き続き検討して取り組んでいきたいと思っています。 
記者:
新型コロナワクチン接種後の死亡例について伺います。10月22日の厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会副反応検討部会の資料によると、10月3日までにファイザー社とモデルナ社のワクチンで合計1,255件の死亡事例が報告されています。そのうち、情報不足などによりワクチンと死亡との因果関係が評価できないケースが1,248件となっております。
 情報不足なのであれば、その不足を速やかに特定し必要な対策をとるべきではないでしょうか。例えば、9月16日第5回医薬品等行政評価監視委員会において、佐藤嗣道委員長代理は「住民基本台帳など何らかの死亡の情報がきちんと分かるデータとのリンケージが必要だと思う。」と発言されています。
 必要な情報が欠乏している状態では、そもそもデータとしての体をなしませんし、情報不足の状態を放置することは明らかに行政の怠慢ではないかと思いますが、後藤大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
ワクチンとの因果関係を判断するということは、非常に難しいと考えております。例えば、ワクチンを打ってその日に交通事故で突然亡くなったという場合に、それはワクチンとの因果関係なしということは言えると思いますが、例えば、くも膜下だとか心筋梗塞とかいろいろな病気で亡くなった方について、それを因果関係が明確に否定できるかどうかということから言うと、それは相当に難しいことだと思っております。
 因果関係を判断するときに、一つ一つの因果関係がどうかということだけではなくて、例えば、一般的な高齢者の、これ全体で言えば1億数千件を打っているわけですが、そういうその例えば、その病気の罹患率だとか、そういうものとの間の、その全体としての違いを分析したり、そういうことは可能であると思っております。
 それから、1,248名不明ということはご指摘のとおりであります。因果関係が不明と言わざるを得ないと。そういうことではありますが、ワクチン接種のリスク・ベネフィットを考えるときに、1,248名の皆様の因果関係が不明ということであっても、リスク・ベネフィットという点から言えば、ベネフィットの効果が大きいという認識で専門家の皆様がおられると理解をいたしております。

(了)