後藤大臣会見概要

(令和3年10月15日(金)11:03 ~ 11:24 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は冒頭こちらから発言はございません。

質疑

記者:
今日示されたコロナ対策の全体像に関して、大臣の受け止めとご所見についてお願いします。
大臣:
今、ご指摘がありましたように、本日、朝の新型コロナウイルス感染症対策本部において総理から、次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像の骨格が示されました。
 今回の骨格は最悪の事態を想定して、次の感染拡大に備えるべく、まずは今年の夏の急激な感染拡大に学んで、感染力が今後2倍になった場合にも対応できる保健・医療提供体制を確実に構築すること、それから、あわせて、例えば感染力が3倍になるなど、それ以上の感染拡大が生じた場合には強い行動制限を行う、あるいは、国が責任を持って一般医療の制限の下で、緊急的な病床等を確保するための具体的措置を講ずること等を基本的な考え方とするものであります。
 関係大臣と協力しまして、10月には各都道府県と十分に調整を行いまして、11月の早期に全体像を取りまとめ、決定をしたいと思っております。
 病床確保、公立公的病院の専用病床や臨時の医療施設の設置、それから、自宅並びに宿泊療養者への対応強化、治療薬の開発支援・必要量の確保等の各種対策にしっかりと取り組んだ上で、この全体像の取りまとめ、しっかりと11月の頭までにまとめて国民にご説明をし、安心をしていただきたいと思っております。
記者:
冒頭の質問に関連してですが、この夏の2倍程度の感染力ということだったのですが、これ感染力は何を持って感染力とするのか、どの程度の病床の体制とか感染者数ならば対応できる医療体制なのか具体的にあればお願いいたします。
大臣:
感染力が2倍というのは、分かりやすく言えば、今年の夏の実質2倍程度の感染拡大が起きると考えていただいたら良いと思います。決して変異株の変異や実効再生産数が2倍になるという意味での科学的意味に近い感染力ではなく、2倍程度の感染拡大が起こる、もう少し分かりやすい言葉で言えば、感染拡大の人数と考えていただいて良いと思います。
記者:
病床の確保などに努めていくとありましたが、今後、例えば法整備をしていくのか現行の法律の下でやっていくのか。例えば第5波の時ですと、要請に従わない病院は名前を公表するようなこともありましたが、果たしてそれ以上に強い措置を想定されているなどありましたらお願いします。
大臣:
今現在においては仰る通り、法的な措置が取れないものについては、今の現行制度のままでやるしかありません。ですから、地方との間で調整して、地域において保健・医療提供体制の確保の方針を作ってまとめていただく、そういう調整についても現在の枠組みの中でやる。
 それから、国は一方で、例えばNHOだとかJCHO等に対しても働きかけをお願いしますが、その場合には個別の法律にその根拠もありますので、そういうものも使ってやると。今現在、これから11月の頭にかけてやる作業ですから、手段については現行法の中でやりますが、しっかりと皆さんに趣旨をご説明する。
 私思うのですが、将来において制度問題をどう考えていいかっていうことは、引き続き検討する課題だと思いますが、今、足下、第6波が起きる場合であっても、しっかりと危機管理として最悪の事態を想定して対応するということは、現行の枠組みの中で考えることであります。そういう時に、やはり第5波の最中になかなか医療提供がスムーズに進まなかった。
 健康管理から医療へのスムーズな移行ができなかったとか、あるいは病床がいっぱいで、自宅で待機をしている中で十分な医療が提供されなかったと、そういう中で本当に亡くなられた方が出てしまったと。
 そういう本当に危機的な状態について、それは国も、また各都道府県も、また医療関係者の皆様も、国民はもちろんですが、本当に深い反省と不安の気持ちを持っているわけですから、なんとか心をあわせて、しっかりと整備作業に取り組んでいきたいと思います。
記者:
骨格についてお伺いします。メニューを見ると、最善を尽くすべく取り組まれている施策が多いと思うのですが、大臣がこれを見る中で、逆に現状、一番出来ていないところ、制度の運用など大きく見直さないと実現できないと考えているのは、この中でどこが一番、今現状変える必要があるとお考えでしょうか。
大臣:
今回、この特徴というのは、最悪の事態を想定するという中で、基本的には2倍程度の感染力が上昇した時に、そのための医療提供体制をどう作っていくかということを、具体的に作っていくということです。
 ですから、少なくとも第5波の夏の時点よりも、2倍で具体的にどう病床を、数も含めてしっかりと確認をして、感染の状況に応じて対応ができるようにしていくということ自体、非常に新しい取組だと思います。
 それからもう一つ言うと、そうは言ってもどんな可能性だってあるということについては、少なくとも2倍程度以上の場合には、そこは新たな人流抑制等の行動の規制をかけることや、それから国が責任を持って、一般医療の制限も含めた、病床提供体制にしっかりと取り組んでいくという、そういう明確な問題意識の整理や、責任問題を明らかにしていくことだと思います。
 もちろん、過去の反省点としてどういう点があるのかということであれば、もちろん保健所を通じて健康管理から始まって、医療提供体制が遅れるようなことのないようにだとか、あるいは、治療薬が的確に供給され、在宅でも使われるようにとか、そういうような具体的な話についても書かれておりますし、医療人材等もしっかりと病院等でベッドを増やせない場合であっても、例えば、派遣をすることによって病床をしっかりと補っているという形の、トータルとして医療提供体制を強化するような点についても、従来足りていなかった点を前進させるものだと思っています。
記者:
骨格では、コロナ患者の受け入れを1.2倍にするとしていますが、どのように自治体や医療機関の協力を得て実現していくおつもりかお聞かせください。
大臣:
今回の第5波の感染拡大に際しては、陽性判明後、健康観察や治療が迅速・確実に実施されない状況が生じたり、治療開始が遅れたり、重症化する事例や在宅で亡くなる事例、そういった病床の確保が追いつかない中で生じたわけであります。
 こうした点を踏まえて、反省を踏まえますと、次の感染拡大への備えに万全を期さなければならないという危機意識は自治体や医療関係者等に共通に持っている意識だと思います。
 そういう意味で、厚生労働省としては今後の対応において、最悪の事態を想定して、次の感染拡大に備えるものだと。2倍というものをそれぞれの県、あるいは国の機関を通じて、しっかりと方針を示した上でご協力をお願いすると。
 そしてその際、国も、都道府県やそれぞれの国の機関と、厚生労働省、国も一緒になって考えて話を進めていくと。そういうことでご協力を、またご理解も得られるものと思っております。
 11月の頭の全体像の取りまとめに向けて、それぞれの皆さんと力を合わせて、国が責任を持って主導してまいりたいと思っております。
記者:
全体像の関連でお伺いしたいのですが、先日アドバイザリーボードでは宣言解除後の地域で夜間滞留人口の増加というのが指摘されているのですが次の感染拡大というのは近いと大臣としてはお考えになられているのかということと、あわせて今回の対策の全体像を取りまとめる11月の早期まで小康状態が続くと見ていらっしゃるかご認識をお願いします。
大臣:
現在アドバイザリーボード等での議論も新規感染者だとかいろいろな感染、重症者だとかそういうことについても減少や安定的な状態にあるというご指摘はあります。
 しかし、一部の地域等において少し下げ止まって横ばいになっているのではないかというような、そういうご指摘もあるわけです。そして、今ご指摘のあったように一方で夜の滞留人口等については増えている、そういう地域もあるということで十分に警戒もしていかなければならないという議論になっています。
 今後第6波といえる感染が起きるか起きないかということについて、我々第6波が起きることも想定して対応するということですが、そのことについてアドバイザリーボードから特に時期だとかあるいは規模だとかいろいろなことについて今科学的知見を言っていただいているという認識はありません。
 いずれにしても、人流が増える等の対応については基本的な感染防止対策等をしっかりしながら、今回、今段々に下がって、そして今の状態になっている、この状態をできる限り長く維持できるようにしていくと、そして次の感染の拡大を抑えていくという努力をするというところで今考えております。
記者:
話題変わりまして、医薬品の問題についてお伺いします。富山県で今年に入って既に3件、不適切な製造方法で医薬品が製造されて、自主回収が行われています。徳島や福井でも相次いで同様の問題は起きておりますが、こういった問題に対する大臣の受け止めと今後の対策等についてお願いします。
大臣:
一番最近では10月11日に徳島県の医薬品メーカ-、これは既に処分が行われていますので申し上げれば長生堂製薬に対して医薬品医療機器等法違反に基づく業務停止命令処分が行われましたし、富山においても10月12日に広貫堂の製品において10製品の自主回収が行われております。これはご指摘のとおりであります。
 これらについては国民の医薬品に対する信頼、また安定供給に対する重大な懸念を生じさせかねない事案でありまして、これは誠に大変に遺憾であると思っております。
 厚生労働省としては今回の事案を深く受け止めまして、引き続き医薬品の業界団体や都道府県の関係機関と連携して現行制度の運用改善、しっかりと図っていきたいと思っております。品質確保と再発防止を徹底してまいりたいと思います。
記者:
骨格についてお伺いします。都道府県毎に必要な病床確保を含めた保健・医療提供体制確保計画というのを都道府県に求めるということですが、いつ頃までにまとめることを要請するお考えなのかというスケジュール感と、あと必要な病床確保以外の部分での項目どのようなところを求めていくかということを教えてください。
大臣:
10月いっぱいにそれぞれの県における保健・医療提供体制確保計画の基本方針をまとめていただくことになっておりますので、そういう意味では基本方針、そういう枠組みについては10月中にお願いすることになります。その後基本計画を作って、その基本計画に基づく体制整備を実際に行うのは11月中ということで考えています。
 全体計画については、基本方針と枠組みとそういった具体的なやりとりの中で11月の頭には基本方針を全体としては確定をさせていただきたいと思っておりますが、基本計画あるいはその具体的な計画の体制作りや、具体的なまとめについては県においては11月と考えています。
記者:
重複する部分があるかと思うのですが、病床確保の関係のところで大臣従来から「総理から何が危機管理のボトルネックになっているか検証していくように」と指示されていると発言されていますが、全体像をまとめる中で、第5波で何故病床が確保できなかったのかとかそういう検証もしていくイメージになるのでしょうか。
大臣:
これ、過去のことを検証する仕事というよりも、やるべきことは今回の取り組みの全体像の骨格の中に示されていると思っておりますので、危機管理であるという最悪事態に備えた前提条件の数的なことも含めて目標の前提も提示されているわけですし、具体的に各都道府県や病院に対してどういう量の確保をお願いしていくかということも書いてありますので、病床の確保という点からいうと過去の反省をするというよりも今後どうやって専用病床の確保をしていくか、また自宅・宿泊療養だとかあるいは臨時の医療施設の在り方だとか、それから医療人材の確保だとか、そういうことも含めて一体的に2倍強の感染力を前提にしたときの対応をしっかりと考えていくということの作業をさせていただきたいと思います。
 それで従来から、今日も申し上げたいろいろなボトルネックとして考えられていたような点についても、もちろんそれを解消するという問題意識で今回は対応しているということです。

(了)