田村大臣会見概要

(令和3年9月28日(火)11:42 ~ 12:02 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

 

大臣:
 まず、私の方から4件ご報告があります。一つは政府が推進すべき自殺対策の指針について平成29年7月に自殺総合対策大綱が策定されましたが、これまで官民を上げて自殺対策に取り組んでまいりましたが、大綱については概ね5年を目途に見直すとされていることから、本日、自殺総合対策会議、これを持ち回りで開催させていただき見直しに向けた検討に着手することといたしました。今後は有識者の方々からご意見を幅広く聴取の上、令和4年夏頃を目途に成案が得られるように検討を進めてまいりたいと思っております。
 続きまして、赤い羽根共同募金運動でございます。今年で75回目を迎えます赤い羽根共同募金運動が10月1日から全国でスタートいたしますので本日の閣議において各大臣に共同募金へのご協力をお願いいたしました。もう内容的にはご承知のとおり、共同募金、時代の福祉のニーズに応じた我が国の地域福祉活動でありますとか、また、近年は災害時のボランティア活動の支援に対しても大きな役割、ご貢献をいただいております。また、新型コロナウイルス感染症の影響などによっていろいろな対応というものが必要でございますので、地域の課題に対応するための支援にも取り組んでおります。今年も国民の皆様方のより一層のご支援とご協力をいただければ有り難いと思っております。
 続きまして、医療・介護・障害福祉における感染防止対策の継続と、新型コロナウイルス感染症の診療に対する報酬の特例的な評価の拡充について、ご報告させていただきたいと思います。まず、感染防止ということで今まで報酬に一定程度上乗せをする中において、かかり増し経費等の対応をしてきたわけでありますが、これ10月以降どのように取り扱いをするかということで以前から皆様方からもご質問をいただいておりましたが、かかり増し経費の部分に関しましては直接支援する補助金により支援を継続することといたしました。手続きが非常に煩雑になるということもございますので、できる限り手続きに関しては簡素化をしてまいりたいと考えております。
 そしてまた併せて、コロナ患者の診療に対する診療報酬、これの特例的な評価についても今回併せて対応させていただくということで、一つは秋冬の季節性のインフルエンザ流行、これが昨年は流行しませんでしたが、今年は昨年流行していないということもございますので、流行する可能性もあるということでございまして、そういう意味では各都道府県が公表される診療・検査医療機関、こういう診療・検査医療機関に関しましては外来対応の評価、これを拡充させていただくということ。
 それから中和抗体薬に関して自宅や宿泊療養、また外来のコロナ患者への評価、これも拡充をさせていただきたいと思っております。あわせてコロナ患者の方々に対応いただきます歯科、調剤、ここに関しても評価の拡充をさせていただきたいと思います。なお、小児に関してでございますが、今まで100点、これは特例的な評価でございましたが、これを50点で継続をさせていただくということでございます。いずれにいたしましてもまたしっかりと感染防止の対応も含めてそれぞれ対応いただければと思っております。
 もう一点、これは小学校休業等対応助成金・支援金の受付開始予定についてであります。9月7日にお伝えいたしましたが、小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるを得なくなった、このような保護者の皆様を支援するために小学校休業等対応助成金・支援金制度を再開する予定でございます。昨日労働政策審議会において関係省令の改正について答申をいただいたところでありまして、30日に改正省令を公布・施行し、同日から申請の受付を開始いたしたいと考えております。
 あわせて以前も申し上げましたが、全国の都道府県労働局におきまして特別相談窓口を設置いたしまして、事業主等に対して助成金の活用の働きかけを行っていきたいと考えております。あわせて新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、これの仕組みも活用させていただいて労働者が直接申請していただくというようなことも、同日から開始をいたすということでございます。申請書類等の詳細については、30日に公表させていただきたいと思っておりますので、詳しくは事務方からお聞きいただければと思います。私からは以上でございます。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年9月28日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
二点質問があります。まず、今後の新型コロナウイルス感染症の備えに関してお伺いします。14日に医療提供体制構築についての考え方や、ポイントをまとめた事務連絡が発出されました。その中では病床確保計画見直しに関する具体的な作業依頼などは追って示すと予定されています。事務連絡から約2週間が経ちましたが、現在の検討状況をお聞かせください。また、障害者の親に支給される児童扶養手当についてお伺いします。申請しても却下される件数が過去10年で3倍近く増えています。厚労科研の研究班による実態調査で自治体の判定医師によるばらつきも明らかになりました。これに対する受け止めと、今後の対応についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今後の感染、更にリバウンド、冬に向かって昨年も大きな波がやってきたわけでありますので、今日も基本的対処方針分科会の方でいろいろとご議論をいただきましたが、そういう状況も踏まえた上でしっかりと医療提供体制というものを整備していかなければならないということでございまして、14日に各都道府県に基本的な考え方はお示しをさせていただきました。それを踏まえた上で、やはり更なる病床の確保、これは臨時の医療施設も含めて確保していただかなければならない。
 臨時の医療施設と言ってもいろいろな種類がございますから、事実上ちゃんと、例えば、中等症の方々がそこで入院できるような臨時の医療施設、こういうものも含めて確保いただくということ、それからタイムラグがあってどうしても入院できないというようなときの対応のために入院の待機ステーションですね、こういう施設もしっかりと確保いただくということ。それからこれは前から申し上げておりますが、それぞれの重症病床、中等症Ⅱの酸素吸入が必要な病床もありますし、もう少し軽い方々の病床もありますが、そこからまた退院をされる、つまりコロナの方は良くなったが、まだ療養が必要な方々に対する受け皿、こういうようなものも含めて役割分担、それから連携、こういうものをしっかりと進めていくということ。
 それから自宅・宿泊療養で、在宅対応でコロナにかかったあと病状等しっかりと健康観察で管理いただくと同時に、何かあったらすぐに往診等、オンライン診療等対応できるような、そういう在宅での医療、こういうものもしっかりと提供できるような体制、こういうものを強化していかなければならないということをお願いしているところでございます。近日中に具体的な病床でありますとか宿泊療養施設の計画ですね、この確保計画の見直し作業について、事務方の方からしっかりと各都道府県に事務連絡を発出させていただきたいと思っております。 それからもう一点、特別児童扶養手当に関しては各自治体で適切な認定が行われるように国として一律の認定基準というのはご承知のとおりお示しをさせていただいております。
 一方でいろいろと調査、研究をやってみますと、精神障害の方々でやはり認定の地域差というものが見られるということがあるわけでありまして、そこに関してその報告をよく分析をした上でどういうところでその差が出てきているのかというものをしっかりと我々としては調査、分析をした上で適切な対応をしていかなければならないと思っておりますので、まずは報告の内容をしっかりと我々として分析、研究をさせていただきたいと思っております。その上で対応してまいりたいと考えております。
記者:
先ほどの分科会で(の議論として)、諮問案が了承されたということですが、宣言も重点措置も無い状況となるのはおよそ半年ぶりということになるのですが、政府対策本部で解除ということが決まるという見通しではあるのですが、今回の解除ということへの受け止めと、今後冬に向けて再度の感染拡大が懸念されますが、今回の波を超えるような波となるのか、そのあたりどのような想定でいらっしゃるかお聞かせください。
大臣:
分科会の方で一つは報道等で全面解除というような報道も流れていますが、誤ったメッセージを国民の皆様に持ってもらっては困ります。解除は解除で了承いただいています。ある意味、緊急事態措置、まん延防止等重点措置の措置自体は全て解除になるわけで19都道府県ですかね、これが解除という形になるわけです。
 ただ、段階的な緩和の措置はこれは残るわけで、今日も話がありましたが、まん延防止に則ってはいないけれども、特措法第24条第9項に則った要請というような形で、例えば飲食店の時間短縮の営業の要請であったりでありますとか、それからそもそも非常に人が集まって混雑しているような場所、それから時間帯、こういうものは避けていただきたいということでありますとか、あと移動される時にはしっかりと感染防止のための対策をしっかりと講じていただくと。
 特にワクチンを打っていない方々に関しては例えば検査を奨励していくというようなことも、コロナ禍では基本的対処方針の中に書き込まれているわけで、そういうような様々な段階的な緩和というものが付いている。無条件の措置の解除ではなく、段階的な緩和が付いているということをしっかりとメッセージとして出していただきたいというお声でございました。そのとおりであろうと我々も思っておりますので、決してまったくもってコロナが無かった時のような行動に戻っていただいては、これは我々も困るわけで、リスクの高い行動は、以前からこれはずっと今までも、措置をしていない時もしている時も、基本的にはリスクの高い行動は止めてくださいということをお願いしてきているので、解除後もやはり同じように我々としては注意喚起をさせていただかなければならないと思っております。
 一方で、ワクチン・検査パッケージというようなものも今、内閣官房の方で検討しておりますので、それでどれだけのリスクが低減できるのかということも実証しながら、近い将来には、ワクチンが一定程度、国民の皆様方で接種が終えた後ですが、その時にはそういうパッケージも使っていろいろなリスクの低減というものを図っていくということも当然我々としては検討の中に置きながら、今回の解除というものに対して国民の皆様方には決してコロナのリスクが減ったわけではないということをお伝えをしていかなければならないと思っております。
記者:
その上で、今後冬に向けての感染拡大の懸念はまだあるのですが、今後、今回の波を超えるような波が来るかどうか、そのあたり想定としてはいかがでしょうか。
大臣:
専門家の方々が今回の波を超えるような波が来ると直接的に確信を持って予想されているわけではないですが、ただ今までは必ず段々波が大きくなってきているということはありますので、そこも想定していかなければならないと思います。一方で、ワクチンの接種が進みますと、感染をある程度抑えるという効果もあるのですが、様態が変わってくるわけです、その患者の方々の状態が。要するに感染はするけれども重症化の率が減るでありますとか、それから発症の状況が変わってくるだとか病態が変わってくるとか。そういうようなものも踏まえた上で、全体どのような対策を組んでいくのかということは、これはしっかりと我々も専門家の方々のいろいろなサジェスチョン、助言も含めて検討していかなければならないと思います。
 ただ、一定規模の感染が起こるということを前提に我々としては各都道府県に医療提供体制でありますとか保健所のいろいろな対応、これをお願いしていかなければならないので、そういう意味では決してワクチンを打ったからといって、皆さんが打ったからといって急激にコロナが収まっていくというような、そういう認識では無くて、全体としてしっかりリスクを判断しながら体制を整えていく必要があると考えております。
記者:
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されると、先ほど大臣も仰ったように特措法上に基づく要請という形になりますが、その要請をどう実効性を担保していくか、各自治体にはどのような対策を求めていくかなどありましたらお願いします。
大臣:
基本的には国の方から方向性はお示しをさせていただいております。今日も基本的対処方針の中に、しっかりそのような方向性で我々は考えておりますので、支援していくという中において、やはりリスクの高い地域においてはしっかり時間短縮営業等、また、中でも人数制限ですね。今までも「いつもの方と少人数で」と言いながら、事実上は4人までというようなお話をしてきているわけで、そういうことももちろん各都道府県の状況によって違うと思いますが、人数制限も含めてご検討いただいて対応いただくという形になると思います。
 その中でも認証店ですね。要するにこういうような感染防止対策をやっていただいていれば、そこは認証しますよというやり方を取り入れている都道府県が多くあります。そういうお店とそうじゃないお店で若干差をつけていただくというのもこれは対処方針の中に入っているという形でございますので、そういうようなものも含めてそれぞれの自治体で検討いただくという形になってこようと思います。
記者:
自民党総裁選の開票が明日に迫っています。大臣はこれまでもこの会見ではどの候補を支持されるかは明言しないと仰られていましたが、最終日に改めてどの候補を支持されるかお伺いします。また、これまでの総裁選を振り返っての大臣の受け止めと、コロナ対策に携わってこられたお立場から新総裁に期待することをお願いします。
大臣:
どなたを応援するかというのは一貫して、ここでは大臣としての記者会見なので申し上げておりません。私の行動を見ていただければそれはご理解いただけると思うので、そちらの方でご理解をいただいてご判断をいただければ有難いと思います。新総裁に対して、新総裁が総理になる可能性が非常に高いのだろうと思いますが、コロナは今までもいろいろな対策をやってまいりました。継続事項もいっぱいあります。
 そういう意味では継続するべきものはしっかり継続をしていただくというのは今までも専門家の方々や分科会を通じていろいろなご提言もいただいて、それに対してのいろいろな対応をしてきておりますので、そういうところはしっかりと継続をいただければ有難いと思っております。急に方向が変わるということは無いと私は認識いたしておりますので、コロナのリスクというもの、感染リスクというものをしっかりとご理解をいただく上で、新しい総裁は国民の皆様方に安心をいただく、このウィズコロナの社会づくりというものをしっかりとやっていただけるものだと思っております。

(了)