田村大臣会見概要

(令和3年9月17日(金)11:08 ~ 11:28 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

 

大臣:
おはようございます。私から1件、冒頭ご報告です。先々週でしょうか。一度お話しさせていただきましたHPVワクチンでございます。あり方についての検討の準備を進めたいと申し上げてきたところでありますが、「今後、審議会でいつご議論をいただくか」というご質問がございましたが、私から「コロナの方もいろいろと対応があるので」というお話をさせていただいておりましたが、審議会でご議論いただくこと、可能であれば10月中の早い時期に審議を始めたいということで今、日程調整をさせていただいている次第であります。平成25年から定期接種化になったのですが、前回も申し上げましたが、積極勧奨自体を私の時に中断をいたしました。そういう意味では、私自身のある意味宿題でもあったと思います。しっかりとご議論をいただいた上で、積極的勧奨ができるかどうかということを判断いただきたいと思っております。私からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年9月17日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
今、冒頭で大臣からご発言されたhpvワクチンの関係で、今回も、この間の会見と同じように大きな宿題と言われました。コロナワクチンがある程度見通しがつくということを条件にというお話もあったのですが、今回、改めて10月中に審議会を開くという判断をした理由を教えて欲しいのと、それから、審議会での議論になると思いますが、来年度初頭からだとかその辺りの目途というのはどう考えていますでしょうか。
大臣:
まず、時期というのはやはり一定程度いろいろな調査等も今までずっとやってきたわけでありますし、国民の皆様方にご理解いただけるかどうかというところで、実は平成25年でしょうか、中断といいますか、一度積極勧奨自体を止めさせていただいたという経緯があります。
 そういう意味で昨年、対象者に個別に全国で送付をさせていただきました。全ての自治体ではありませんが、かなりの自治体でやっていただいた結果、そういうところでは接種率も上がっているところもございます。
 そういう状況等も踏まえながら、WHOからももう既に何度か今の現状に対して懸念を示されていることもございます。そういうことを総合的に判断し、そしてまた一方で、新型コロナの方は、いよいよ今日からいろいろな議論が始まり出しますので、そういうことも踏まえて、この10月という時期が適当ではないかということで今、日程調整をさせていただいているということであります。
 積極勧奨の時期ですが、これはまだご審議をいただいてどうなるか分かりませんので、その結果が。今、つぶさに申し上げるわけにはいかないと思います。ただ、そのご審議の内容によっては、来年度から始まるということも否定しているわけではありませんので、ご議論をしっかりやっていただいた上でどのような判断になっていくかということになろうと思います。
記者:
抗体カクテル療法の往診での使用について伺います。昨日、大臣はモデル的な実施について言及されました。その具体的な方法やスケジュールに関する見通しがあれば教えてください。
大臣:
来週からと申し上げましたが、正確に言うと体制が整備されれば、来週中というわけではなくもっと早い時期から、今週は平日は今日しかありませんが。土日の往診の場合もあることはありますので、そういう意味でいうと来週中にはと言った方が良いのかも分かりませんが、早ければ今日、明日ということもあるかも分かりません。
 体制というものが整えば、進めていきたいと思います。なかなか全国的にといっても、体制が整っていること自体がどういう体制が整えば対応できるのかということ、不安をお持ちの医療関係者の方もおられると思います。体制が整っているところがあればお手をお挙げいただければ、ここは駄目だ、ここは良いという話ではございませんので、体制整っていることを確認すればモデル事業として始めていただく、逆に言えば、一般に広げるためにモデル事業をスタートするとご理解いただければ有難いと思います。是非とも、体制を整えていただいて多くの方々が手を挙げていただければと思います。
記者:
新型コロナウイルスの医療施設の整備についてお伺いいたします。昨日総理も視察されていた都の酸素ステーションの利用率が低迷していると、地域でも3割くらいしか利用されていないということなのですが、その原因と厚労省として今後どういう対応とっていくのかなどお伺いできればと思います。
大臣:
都内ですね、かなり新規感染者が減ってきているという現状があります。入院というか重症者が若干減ってきているのですが、まだ結構高いのですけどね、重症者の数は。だけどもその酸素ステーション等、入院待機ステーションというのは入院するまでの待機をする場所ですから、新規の感染者がやはり減ってくると、一定程度余裕が出てくるという形になると思います。
 それからもう一つは、かなり東京はこういう待機ステーションの数が多くて、23か所くらいありますので、そういうことも影響しているのだと思いますが、やはり新規感染者が減っている局面なので、利用率がある程度余裕があるのだと認識いたしております。
 ただ、だからと言ってこれでいらないというわけではございませんので、いつまたリバウンドも含めて起こるかわからないというのがコロナでございますから、このような体制を維持していただきたいという思い、一旦仮にこれを閉じるようなことがあってもすぐに声がかかったら再開できるというような状況でないと、閉じてしまった、次の波が起こった、また立ち上げるのに2、3週間かかったというのでは、これはもう話になりませんので、そういうところをお気をつけいただきながら運営いただければ有り難いと思います。
 先ほどのお答えという意味からすれば、今現状は新規感染者が減ってきている、また、病床に一定程度の余裕とまでは言いませんが、以前のような逼迫度が減ってきているという中で、このような状況にあるのだと認識をいたしております。
記者:
関連してなのですが、保健所が酸素ステーションに入れるときは救急隊が入れるか入れないかを酸素ステーションに確認するので、あまり保健所が絡んでいないのではないかという話もあるのですが、そういう判断に保健所を絡ませたりだとか、そういう都と調整みたいなことを今後は考えられておりますでしょうか。
大臣:
どういう状況になれば一番円滑に運営できるかということは、常日頃から意見交換していかなければならないと思います。それぞれの地域においての対応というものがあろうと思いますので、事細かく国がまた口出しすると実際円滑に動かないということもあろうと思いますが、どういうやり方、これは全国中で待機ステーション等作ってくださいとお願いをいたしておりますので、意見交換もさせていただきながらどういうような運用が一番適切に必要な方が待機ステーションに行かれてそのままその後入院ができるかということはよく我々も情報収集をしてまいりたいと思いますし、それで良い事例があればまたお知らせをさせていただきたいと思います。
記者:
今のに関連してなのですが、緊急事態宣言についてお伺いします。先ほど大臣、新規感染者が減っていたり、病床の逼迫も改善しつつあるということで、全国的にそういう傾向かと思うのですが、今月末の宣言の解除ができるかどうかというところについて、見通しというのはどうでしょうか。
大臣:
これは専門家の方々にご議論いただかなければなりませんので、私がここで何かしら申し上げるというわけにはいかないと思いますが、前回も申し上げましたが今の減り具合がどこまで続くかというのが、これが非常に重要になってくると思います。やはり病床という話に重きを置くように変えました。変えましたがやはり、新規感染者が増えてきて、やはり入院患者が増えてくると病床が逼迫してくるわけでありますから、そういう意味では新規感染者というものも非常に重要であることは間違いではありません。
 そういう意味からいたしますと、今、新規感染者の数が一定の割合で減ってきていると、その程度がいつまで続くのかということが非常に重要でありますので、そういうものを注視しながら専門家の方々は今ある病床等の体制、こういうものも勘案しながら最終的にはご判断いただけると思います。いずれにいたしましても、今大体0.55くらいで減ってきていると思うのですが、かなりの減り方でございますので、これをずっと維持できるかどうかというのは我々も注視していきたいと思っております。
記者:
子どもへの新型コロナワクチン接種の意義について、火曜日の会見で大臣は家庭内感染のリスク回避ということを挙げられていました。無症状感染があるのかということについて、厚労省のホームページでいわゆる台湾論文というものを上げているんですね。これは昨年5月1日にアップされたものですが、一次感染者100人とする濃厚接触者は2,751人と調べたら出てきました。結果、無症状感染が10人、つまり0.362%に留まったんですね。一方、昨年11月20日にいわゆるネイチャーコミュニケーションのがん論文というものが発表されています。これは1,000万人を対象にした大規模調査で、これは無症状感染者はゼロでした。つまり、無症状感染は限りなくゼロに近いというのが実態であります。
 大臣、家庭内感染を回避するためと仰いましたけれど、子どもの重篤者も44人、10代で出ていますから、これはやはりワクチン接種をやめるべきではないでしょうか。大人も1,155人以上、接種後の死亡者が出ておりますし、無症状感染は限りなくゼロに近いわけでありますから、緊急事態宣言の発令も取りやめたらいかがでしょうか。合理性が全くとれていないと思います。
大臣:
まず、何で無症状感染だけと仰られるのかよく分からないです。子どもは有症状でも家庭内でうつしますので、無症状だけではまずないですよね。子どもは必ず無症状ということはあり得ないと思います。感染すれば有症状の子どももおられます。それは、重い、軽いの有症状はあると思います。例えば、鼻声である、軽い咳がある、のどが痛い、症状はいろいろな症状がございますので、子どもはうつっても、みんな無症状だというわけではないということはご理解いただけますよね。
記者:
ただ、有症状だったら病院に行きますよね。
大臣:
有症状でも病院に行けないというような質問が昨日国会でもあって、それに対して「そうならないように我々としてはいろいろな対応をしています。」というようなお答えを、あれは共産党でしたか。共産党の方からそういうご質問もいただいております。子どもがなかなか熱が若干あっても病院の方で検査してもらえないという話でした。それが実態かどうかはわかりませんが、そういうご質問が実際共産党の方からあられました。
 いずれにいたしましても、子どもだからといって無症状というわけではないので、子どもで有症状であって、なかなかそれでも学校で、いうなれば活動されるからそれに対してどうするんだという声もあって、学校等に検査キット等も今回お配りをさせていただいた。もちろん、これは学校の先生が主に検査の対象ですが、必要があれば今回4年生以上のお子さんに関しては検査キットを使っての対応ということもあり得るという対応をしたと思います。
 いずれにしましても、子どもだからといって無症状ということはありませんし、有症状ならば必ずみんなが検査に行っているというわけでもないという実態がある。となれば、家庭で感染するということもあり得ると思います。それから、無症状はうつさないという、今そういう調査を仰られましたが、私が聞いているのは専門家の中では無症状でもうつす人はたくさんおられるというのを、我々はアドバイザリーボードでありますとか、分科会でお聞きをいたしております。
 あわせて申し上げれば、無症状であったとしても、それは無症状というものがどういう軽い有症状者なのかというのは、なかなか分かりづらい、本人が気づかないそういう無症状、よく尾身先生が端緒を早く見つけなければならないというのは、実はそういうところであって、ちょっと喉がいがらいというのを無症状とみるのかどうか、つまりそこに気づかないから結果的には感染を拡げるので、そういう端緒を早く見つけようということも今専門家の方々が仰っておられるので、ちょっと今仰られている、症状があれば機械的に全員検査して、そして療養されれば、それは家庭内感染というのは比較的減るのだと思いますが、子どもという状況から考えるとなかなかそういう状況ではないのではないか、しかも濃厚接触で常に家族と一緒に家に帰られるとおられる可能性があるわけでございますから、ただ、ちょっと仰られている意味が理解できないです。申し訳ありません。
大臣:
厚労省のホームページでQ&Aで紹介しています、「無症状感染はありますか。」という質問に対する答えは、台湾論文を根拠に示しているんですね。つまり、これは濃厚接触しても無症状感染者と濃厚接触しても99.6%以上感染しないということなんです。
記者:
ですから、無症状というのをどう判断するか、先ほど申し上げましたよね。無症状といっても本当は有症状だという方もおられる。本人も気づいていない無症状というのはいっぱいあるわけですよね。 
 今その台湾の論文というのがどういう症状の方々を仰っているのか私、つぶさにわかりませんが、だからこそ尾身先生を始め、端緒を早く見つけるべきだと。喉がいがらいだとか、ちょっと体がむずがゆいだとか、いろいろな症状、それが無症状ということになってしまうと、実は有症状であり、そしてそれをうつす恐れがあるわけで、子どもたちがそういう状況の下で例えば学校で感染して、家に持ち帰って親にうつすということもあり得るということを申し上げているわけでありますので、そこが何が問題であるのかちょっと私には理解できないですけれど。
記者:
大臣、一点だけ確認させてもらえますか。子ども自身の新型コロナ感染による重篤というのはほとんど見られないというのは認識されていますよね。
大臣:
それもちょっと日本ではまだデータがあれなのですが、アメリカの方では子どもたちでも比較的重くなる方々も出てきているというような、これは報道ではそういうお話をお聞きいたしておりますが、いずれにいたしましても日本では言われるとおり、あまり子どもたちで重症事例というのは多くはないということは、今日本で我々が得ているデータではそういう状況であるということだと理解しています。
記者:
本日、総裁選が告示され4人が立候補を届け出ました。大臣はどなたを支持されるのか、理由も含めてお聞かせください。
大臣:
何度も申し上げますが、私個人は個人として、いろいろな思いがございます。ただ、今日のこの会見は、厚生労働大臣としての会見でございます。私に今求められていることは厚生労働行政をしっかりと任期まで全うすることであり、更に申し上げればコロナという問題が非常に大きな問題でございますから、これに対応していくということでございますので、申し訳ありませんがこの場では表明をさせていただくのは差し控えさせていただきたいと思います。すみません。
記者:
酸素濃縮器についてお伺いいたします。現在現場でも足りないという声がある中で、台湾から1千台日本に提供するというようなことがありました。これについての受け止めをお願いいたします。
大臣:
今般台湾側から我が国に対して医療物資支援ということで、申し入れをいただきました。昨日であります。日華議員懇談会を通じてそういうお声をいただきまして、酸素濃縮装置約1千台、それからパルスオキシメーター、これを約1万台共与するとの発表がなされたと承知いたしております。本当に台湾の方々の温かいご支援に心から感謝を申し上げたいと思います。いただいた医療機器に関しましては、自治体を通じて真に必要とされている方のもとへ届け、大切に活用させていただきたいと考えております。
記者:
新型コロナの治療薬関連でお伺いします。治療薬として期待されているアビガンなのですが、先日大臣宛にも薬害オンブズパーソン会議からアビガンの観察研究に関する要望書が提出されたと思います。その中で、妊娠していた可能性がある新型コロナ患者に投与した事例があったことが報告されていて、メーカー側も注意喚起を行ったり、厚労省も対応しているとのことなのですが、大臣の受け止めと今後の対応についてお聞かせください。
大臣:
アビガンという薬自体は実際問題、一応承認はされているのですが、インフルエンザ薬としてはなかなか供給という問題ではなかなか実際問題はされていなかったという経緯がある中において、新型コロナウイルスで観察研究という形で使用していただいております。
 催奇形性の問題が以前から言われている部分がございましたのでそこは注意喚起を今までもしてきたところでございますが、妊娠されている方が使われているとすれば、それはやはりそうならないような対応が必要であろうと思います。改めて事前確認でありますとか、いろいろなことを対応していただかなければならないと思っておりますし、厚生労働省としては今までも周知をしてきておりますが、これからもしっかりと周知をしていきたいと考えております。
 

(了)