田村大臣会見概要

(令和3年7月9日(金)10:49 ~ 11:09 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
おはようございます。まず私から今日は2件ご報告させていただきます。 まず1件目ですが、マイナンバーカードの保険証利用の普及に向けてということで、本格導入を10月からという話をさせていただいてきたのですが、準備が段々整ってまいりまして、一定程度(データの)信頼性も上がってきております。
 ある意味今までデータの正確性というものが確保できていなかったということでありますが、これも担保させていただくということで、いろいろなデータ等の見直しも進んでまいりましたので、「集中導入開始宣言」と、そこまで大げさに言う話ではないのですが、もう一般的に皆さん準備整っておられる医療機関には参加をいただいて、本格的なスタートの10月に向かって体制を整えていきたいと思いますので、そういう意味では既に全医療機関・薬局で57.1%、約13万機関にお申し込みいただいたところでありますが、より多くの医療機関、薬局等に早期にご参加いただけるように我々としても努力してまいりますので、是非ともご参加、スタートという形で対応いただければありがたいと思っております。

 それから、「不妊予防支援パッケージ」ということで、本日公表させていただきます。政府において不妊治療への保険適用の実現に向けた検討を進めている状況でありますが、女性特有の健康について、働く女性や中高生女子の多くが、月経痛等があっても婦人科を受診しないなどの課題もあります。このような健康課題は女性の活躍をやはり阻害をしてまいります。
 また、一方で、不妊に繋がるリスクにもなりますので、そのような意味でも早期発見、治療、そして重症化予防、こういうことを行うことが極めて重要であります。
 こういう問題意識の下、三原副大臣の下で、本年6月16日にとりまとめられました、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」、これにおいて、女性のライフステージでありますとか生活環境、これに寄り添った支援を行い、気づかれにくい不妊リスク、こういうものをなくしていくために政府全体で政策パッケージ、これを早急に策定することとしているところです。
 一般的に保健・医療分野に留まらず、例えば学校でありますとか、アスリート、スポーツ選手もそういうようなリスクもあるわけでありまして、いろいろな訓練、それからそれをスポーツにおいては体重制限等いろいろありますから、非常にこういうような女性特有のお悩みを抱えておられるアスリートの方々もおられます。それから職場など幅広い分野で、生涯にわたる女性の健康を包括的に支援することを通じ、不妊予防に向けた取り組みを推進していくということといたしまして、内閣府や文部科学省とも連携しまして本パッケージをとりまとめさせていただきました。
 内容に関しましては事務方にお問い合わせいただければ詳細な資料を用意しておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。私からは以上でございます。それではご質問いただければと思います。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年7月9日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
東京に来月22日まで緊急事態宣言を出すことが決まりました。五輪が緊急事態宣言下で開催されます。大臣は以前、宣言について、国民の皆さんに納得し共感してもらって初めて感染防止の措置が効果を上げるとの認識を示されていますが、一方、首都圏は無観客とはいえ、世界最大級のスポーツの祭典が行われる中、都民の行動を著しく制限することは、矛盾が大きいとは思いますが、都民の納得を得られるかどうか、大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
今回、実効性もあるという意味では、飲食店にお酒をお出しいただかないようにということを再度お願いするわけでありますが、やはりそういう意味では支援金が非常に遅いというお声がありました。
 開いているお店、結構20時以降もお酒を出して開いているお店が今もあるのですが、いろいろとやはり話をお聞きしたりしますと、協力金等がなかなか来なくて、結果的にもうどうしようもない中で、本当は開きたくないのですが、開かざるを得ないと言われるようなお声もあるわけです。
 そういう意味では今回、昨日西村大臣からも総理からもご報告あったと思いますが、先に支援金の方を一定金額お渡しさせていただいて、資金繰りといいますかそういうものに対応できるような形を、今回考えさせていただいております。そのような形の中で、もちろん見回り等もやっていただいて、やはり夜、お酒を飲むようなお店で、多くの友人らと当然、お酒入ってきますからマスクを外されることが多いわけでありまして、そこで楽しみながらお酒を飲むとどうしてもリスクが上がるということを何としても防いでいく、これは今回実効性を上げるという中において、我々も検討させていただいて、このような対応をさせていただくということであります。
 五輪に関しましては昨日、5者協議で観客を入れない、東京は。それに合わせて、東京近辺で同じようなご判断だと報道で我々も聞いておりますが、そういう形で観客を入れない五輪というのが非常に(明確な)メッセージです。
 これは本当に申し訳ない話で、選手の方々はやはり本来は観客が居ていただいて、それで競技をするというところで、何といいますか、更なる選手の方々のパフォーマンス、こういうものの向上というのがあったのだと思いますが、そこは本当に申し訳ない話でございます。   
 関係者の方々にも大変申し訳なく思っておりますが、そういうようなご判断をいただいたということで、私は大変適切なご判断をいただいたなと思いますが、そういう中において国民の皆様方にしっかりとメッセージを出していくと同時に、当然そうなってきますと、基本的に多くの方々が家で観るというのが前提になってくるわけですよね。ご自宅で観る、そういうようなオリンピック、感染症が拡がっている中において、そういうものを是非とも実行していただきたい。
 併せて申し上げれば、以前も申し上げましたが、アスリートもコロナと戦って、この東京の日本のフィールドに立って、そこで競技をされるわけで、まさにコロナと戦ってきた五輪なのです。そういう意味からすると、国民の皆様も自宅で、アスリートの方々の応援をいただきながらコロナと戦う。戦うとはどういうことかと言うと、感染をしないように、感染が拡がらないように、是非ともそういう行動をしていただき、ともにコロナと戦う、そういう五輪にしていきたい。
 これはアスリートと、それからそれを応援する国民、全ての世界の方々を含めてでありますが、そういうような五輪にしていく。五輪というのはそもそも、国民の、といいますか世界の心を一つにする、平和でありますとかそういう理念の下で、行われているスポーツの祭典でありますから、世界との心を一つというものを、対コロナ、コロナと戦う、そういうものに是非とも集中をしていただいて、この五輪をもって自宅から出ない、五輪の試合が終わってもそのまま自宅で、その興奮というものを、それを家族の方々と共有いただく。
 そういうような五輪にしていただきたい。そういう思いでありますし、そういう中において、この五輪がうまくこれで感染が拡がらずにいけば、成功した五輪になってくると我々思っておりますので、そういう意味からいたしますと、我々も五輪は五輪でそれぞれの方々、選手の方々、関係者の方々がいろいろなご努力をいただくと思いますが、我々は国の立場から、社会全体(としての取組が)そのまま五輪の感染予防になっていくようにいろいろな形で対応してまいりたいと、このように考えております。
記者:
自治体に供給するファイザー製ワクチンの接種間隔について伺います。これまで厚労省は標準3週間としておりましたが、外国では6週間とする国もあります。先週大臣は衆議院厚労委で、6週間以内なら効果を維持できると発言されていますが、接種間隔を6週間に延ばしても十分な効果を期待できるでしょうか。また、自治体側はその供給に合わせて、2回目の接種を6週間に延ばすことを検討すべきでしょうか。
大臣:
これは以前の国会でも、この6週間の問題は野党からのご質問が出ておりますのでそこでもお答えしておりますが、ファイザーそれからWHO等いろいろなところが、6週間ぐらい一定の有効性というものは認められるというようなことを言われておられるわけであります。
 私申し上げたのは、6週間というもので、6週間ありますから6週間以内にとは言っていないので、6週間一定の有効性が認められるので、なるべく期間が過ぎても早く打っていただきたい。
 これはもう以前から、3月か4月の国会ですかね、その頃から申し上げている話でございますので、仮に、3週間をオーバーしたとしても、それで効果が全く失われるから2回目を打つのを止めるというのではなくて、なるべく早く打てる体制を自治体にお願いいたしたいですし、打たれる方に関しましても、仮に3週間超えても早く打っていただいて、一定の有効性はあるということをファイザーの方も言われておられますので、そういう意味ではそういう対応をしていただきたいと思います。
記者:
ワクチンの効果について伺います。昨日変更された基本的対処方針だと、新規の感染者に占める高齢者の割合が低い水準となるなど、ワクチンの効果が示唆されるという文言が新たに加わっているのですが、ワクチンによって病床のひっ迫が抑えられる可能性というのが示唆されているということなのかもしれないと思うのですが、こうした効果をデータとして分析していくという考えがあるのかどうか、そして示唆された結果が裏付けられた場合には、感染症法上の新型コロナの位置づけというのに何らか影響を与えてくるものになるのでしょうか。
大臣:
今回の緊急事態宣言、緊急事態措置は総理も昨日も仰っていましたが、予防的と言っていいのか言い方が難しいのですが、感染が拡がらない、以前からこれは前回解除した時から、感染が拡大する予兆があれば、躊躇なく強い措置を打っていくということを申し上げてきたわけですが、そういう意味では前回4月の緊急事態措置等で、我々、特に東京でいろいろなことを学んだことを実行したといいますか、そういう意味での緊急事態措置であります。
 現状、ご承知の通り病床の使用率、これが3割。重症化(病床は)、これ国の基準だと39%くらいですかね。2週間、以前から専門家の方々が仰っているように約2週間前の数字だということを考えると、これ緊急事態措置が発令されても、それから2週間は当然それまでのトレンド、夜の滞在人口といいますか人流ですね。これの伸び等の傾向にある程度相関して、感染者が増えていくということになります。
 今もう既に高齢者が一定程度、昨日も総理が仰っておられましたが、7割近い方々が一回はワクチンを打って、更に言うと2回接種の方々も4割くらいおられると。こういう状況になってきているわけでありまして、その効果というものがあるのかどうなのかというのは、これがその効果なのかどうなのかというのはなかなか詳細に分かるまでにはかなりの分析がいると思いますが、ただ、示唆されている通り、いろいろなことを考えるとそれは一定程度推定できるであろうということなのだと思います。高齢者(の感染者)が非常に、今割合が少なくなっております。
 しかし一方で、40代、50代中心に、やはりさっき言いました通り、重症化病床が4割ぐらい埋まりつつあるということでありますから、これから2週間考えると、これ放っておくと当然60、70という形になって、それから緊急事態措置(を発出するの)だとまたその間の2週間が伸びますから、そういうことを考えた上での今般の措置です。
 と考えると、この2週間これから病床が本当にどうなっていくのかというのは、ワクチンが進んでいくわけですよね、接種が。40代、50代の方もどんどん進んでいくと思います。今、65歳以上を中心にやっておりますが、高齢者が終わったところは順次、次の世代に行っておりますので、そうなるとそういうワクチンの進み方と病床というのが、この2週間どうなっていくのかということは、我々よく分析していかなければならないと思います。
 結果、いろいろなことが分かってくると思いますので、そういうものを次の対策に活かしていくということを非常に重要になってくると思いますから、そういう意味で今回のこのタイミングでの緊急事態措置というのは、これからのことを考える上でも、感染状況、病床の状況というものは非常に分析をする意味があると思っております。
 その上で、一定のこのワクチンというものの接種と、それから病床、感染者数といいますか、そういうものの関係というものが分かってくれば、当然今言われたようにこの新型コロナウイルスというものの、感染症というものの位置付けですね。感染症法上の。
 これをどうするかということは当然考えていかなければなりませんが、そこはたぶん感染症部会の方で、ご議論をいただく話になってこようと思いますから、部会の専門家の先生方からいろいろなご評価を、一定の時期、一定のデータが出てくればいただくという形になってこようと思います。
記者:
冒頭で発表があった不妊予防の支援パッケージですが、今まで不妊治療女性の拡充や、保険適用からの取組とかを今大臣が仰ったと思うのですが、今回の対策の位置付けというのは不妊治療とかに至る前に予防するという観点で、そういった問題意識も含まれているのでしょうか。
大臣:
ある意味女性というところに視点を置かせていただいて、女性特有のいろいろな悩みがあられる、いろいろな健康の問題があられる、その中に不妊というものがあるわけで、もちろん男性にも不妊があるのですが、そういう女性特有のところに視点を置きながら、不妊予防パッケージという形でご報告といいますか発表させていただくということであります。
記者:
新型コロナワクチンの接種が進んでおりまして、2回目の接種を終える方も増えてきていると思います。2回目接種後の行動、例えば、マスクですとか、飲食店の利用、あるいは、遠方への旅行や帰省といった行動に対して、厚生労働省として今後、何か指針等お示しする予定はございますでしょうか。
大臣:
こないだのアドバイザリーボードの中のお話で、集団免疫というものがどうやってでてくるのかということが、実効再生産数とそれからワクチンの効果と、それを基に数字を出すと、例えば、全国民の中でワクチンをどれだけ打つと集団免疫のようなことが起こるかというご報告がありました。
 その中で、実効再生産数が下がれば、当然、ワクチンの接種者の割合が下がっても、例えば、8割までいかなくても、集団免疫的なことが起こってくるというように、計算上そうなっているようでありますけども、ということであれば、今我々が色々とやっている感染対策がありますが、こういうことをやっている分には、やらないよりかは実効再生産数を下げているわけです。
 そういう意味では、ワクチンの接種率が国民の割合に対してより低いところから、いろいろな効果がでてくる可能性があるということだと思います。
 という意味からすると、ワクチンを仮に2回打ったとしても、やはり一定の期間といいますか、本当に集団免疫みたいなものが獲得されるまでの間は、マスクや手洗いやいろいろなことをお続けいただきたいというのが我々の思いでございます。
 いろいろな意味で、以前よりかは行動的な部分が国民の皆様も行われてくると思いますが、基本的なマスク等に関しての行動はこれからもお続けをいただきたいというのが我々の考え方でございます。
記者:
来年度のワクチン供給についてお伺いしたいのですけれども、来年度も今年度同様に外国産に頼ることになるのか、それとも、日本国内産である程度賄えるということになるのか、現段階での見通しを教えてください。
大臣:
(以前)一応ご報告をしていましたよね、来年の契約がどういう状況かというような話ですけれども、今、(来年初頭から)モデルナのワクチン5,000万回、ノババックスのワクチンが1億5,000万回の供給を受けることを前提に協議をしておるということでありまして、ノババックスは武田とご対応いただいているということで、一応ノババックスの場合は国内ワクチンというような認識のもとで、開発者はどうかというのは別にして、考えておりますので、そういう意味では今そういう協議をいたしております。
 なお、今開発中のワクチンというのは、まだちょっとどの時点で実際問題承認されるかわからないわけでございますので、それに関しては今ここで何か申し上げるというわけにはなかなかいかないということでご理解いただければありがたいと思います。

(了)