田村大臣会見概要

(令和3年6月25日(金)9:17 ~ 9:42 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
おはようございます。今日、私から1件ご報告をさせていただきます。「第五次薬物乱用防止五か年戦略フォローアップ」及び「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 のとりまとめについてであります。
 私が議長を務めております「薬物乱用対策推進会議」において、「第五次薬物乱用防止五か年戦略フォローアップ」これを取りまとめました。
 また、1月から開催をしてきたわけでありますが、「大麻等の薬物対策のあり方検討会」ここで議論の結果がとりまとめられたということでございますので、これを併せてご報告させていただきたいと思いますが、近年の状況をこう見てみますと、「大麻乱用期」こういうことが言える状況と評価をしているわけでありまして、検討会においてもいくつか論点ありました。国会でも私委員会で答弁させていただきましたが、一つは、大麻草の部位による規制から成分に着目をする。
 今まで部位によって規制していたわけですが、これを成分に着目した規制に見直していくということが一つ。それから、大麻から製造する医薬品、こういうものの有効性が認められてきておりますので、これに関する見直しですね。
 それからもう一つは、大麻の「使用」に対する罰則の導入と、こういうことについて基本的な方向性がとりまとめられたということであります。非常に、大麻の、言うなれば犯罪検挙人数というのが増えてきておりまして、令和2年は5千人を超えました。5,260人ということで5千人台になったというのは、これは過去最多でございます。
 特に30歳未満の若い方々の検挙人数が急増しており、全体の6割以上を占めるということでございまして、先ほど大麻の乱用期という話をいたしましたが、そのような意味では、非常に我々としては懸念を持っているということでございます。
 いずれにいたしましても、我々もSNSやいろいろな媒体を使って、大麻の恐ろしさというものをしっかり周知をしていかなければならないと思っておりますが、このような形で今日は一つご報告という形でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。それではご質問ございましたらお受けいたしたいと思います。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年6月25日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
緊急事態措置が解除されたばかりの東京都で、新型コロナウイルスの新規陽性者が2日続けて100人以上を上回っており、リバウンドが起きていることが強く懸念されています。大臣は従前から、「感染の拡大の兆候があれば厳しい措置をとる」旨の発言をしていますが、現状はより厳しい措置が必要なのかどうか、見解をお願いします。
大臣:
専門家の方々にご評価いただかないといけないと思いますが、これ緊急事態宣言の時からずっと夜間の滞留人口が増えています。ですから、緊急事態宣言を解除してからという以前から増えてきているものがそのまま続いているという可能性が高い。
 まだこれ来週またアドバイザリーボードがあると思いますが、解除後の人流がそれまで増えてきた夜間滞留人口の伸びと比べてどうなのか、傾きがどうなのかというのを見ていかないとならないと思いますが、ずっとやはり緊急事態宣言の後半ぐらいからそういう状況が続いていますので、当然これ感染が増えていくおそれというのは我々、認識しております。
 前から言っております通り、感染拡大の兆候が見られた時には対応していかないとならないと思っておりますので、まず、まん延防止対策、この措置がどれぐらい効果あるのかというのは人流、特に夜間の滞留人口ですね。
 夜間の滞留人口というのは、本来ならば20時以降は、お店は閉まっているはずですよね。にもかかわらず増えているということになれば、どういうような状況になっているのか、我々もいろいろなお話をお聞きいたしておりますし、一部の報道でも結構繁華街で店を開いておられる、お酒を出す店を開いておられる。20時以降もですね。
 こういうような報道もありますし、我々もそういう話をお聞きいたしておりますから、そこに対して、各都道府県にしっかりと、東京都もそうでありましょうけれど、対応いただかないとならないと思いますが、とにかくまん延防止で時間を決めてという形になっているにもかかわらず、緊急事態宣言の時から(ですから)まん延防止以前の問題ではあるのですが、人流が夜に増えているということをどう受け止めるのか。
 当然のごとく、まん延防止を7月11日にどうするのだという議論もありますし、併せて、より感染拡大の可能性があれば緊急事態というものを、我々は再度これを発令することも十分に念頭に置いております。
 いずれにいたしましても、まだワクチンの接種率が進んでいる最中でございますので、国民の皆様方全体に行きわたっているわけではありませんから、感染が拡大する可能性はございますので、そういう意味では専門家の方々のご意見をいただいて、厳しい対応ということも我々は念頭に置いて対策を組んでいかなければならないと思っております。
記者:
本日、裁量労働制の実態調査に関する専門家検討会が予定されています。裁量労働制の適用拡大は、2018年に「働き方改革関連法」で対象者の範囲を拡大する方針だったのですが、当時の実態調査がずさんだったことが問題になって断念した経緯があります。新たな実態調査を踏まえ、厚労省として今後も裁量労働制の適用拡大を目指すのか。議論のスケジュール感も含めてお願いします。
大臣:
本日16時から開催いたします、「裁量労働制の実態調査に関する専門家検討会」ここで調査結果を公表する予定であります。
 ここでご議論いただいて適正ということになれば、これを基に、次にどういう検討をしていくかという話になると思いますが、既に一度検討いただいた上で法案として提出をして取り下げたという経緯がございます。
 その時のいろいろな議論の経緯、こういうものも踏まえて今度新たな調査が出てまいりましたので、その調査を踏まえてまた議論をいただかないといけないと思います。今、いつ議論の結論を得るかというところまでは考えてはおりません。
 当然、その議論の中でいろいろなご議論が出てくるわけでありまして、それに合わせてどのような形にしていくべきかということを決めてまいりたいと思っております。
記者:
先月、保護者の有志団体などが厚労省に、小学校休業等対応助成金の再開を要請しました。コロナで子どもの学校や保育園が閉鎖された保護者が仕事を休めるように始まった制度で、個人の申請も認められていましたが3月末で打ち切られたと聞いています。その後できた新しい助成制度は、企業の申請しか認められていないということで、保護者達は今も地域によっては臨時休校が起きている中で、支援の縮小は残念だと訴えています。この件に関して大臣の見解があればお願いします。
大臣:
以前から制度としては企業の申請であったのです。ですから企業の申請のもとでやっておりました。ただ、去年の3月、一斉休校を安倍総理の時にお願いさせていただきました。
 これは国がお願いさせていただいたということで、ここは個人の申請という形でできたということでありまして、それ以降はこれをお願いする時には企業からお願いいただかないとならない。そこは変わっておりません。
 もちろんその間、休業支援金という制度もございましたので、そういうものを使われるということはあったということから、個人申請であります。これは学校の休校とは直接関係のあるわけではない。でも使っていただいてという形でありましたが、そういうものもあったと思います。
 その上で、一斉休校でありますとか長期的にコロナで学校休業ということを、基本的に国がお願いしているわけではないわけで、そういう意味では企業の下で休業制度を作っていただきたいというお願いをし、休業制度を作っていただいた企業に対して、助成金を出すという仕組みにしましたので、そのような意味からしますと、新たな制度の下で新年度からは対応させていただいているということで、そういう意味では(制度が)若干違っておりますが、企業を通じて申請という意味では同じ対応であるとご理解をいただければと、それはなぜかと言うと去年の4月までの一斉休校とは少し違っている対応でございますので、そういう中においてこのような形をとらせていただいているということで、ご理解をいただければありがたいと思います。
記者:
オリンピックのウガンダ選手団から陽性者が出た件に関してですが、泉佐野市の調査で濃厚接触者は選手のみならず市職員などにも拡がっているということになっており、これを受けて検疫時における水際対策を強化するお考えはあるのでしょうか。
大臣:
飛行機に乗っていた時の搭乗の座席表というのが、今まではなかなか航空会社の関係で時間がかかっていたのですが、このオリンピックの選手団のような方々に関しては事前にいただいて、例えば上下2列の座席表みたいなもので、濃厚接触の疑いというか、濃厚接触の中でも本当に緊密に濃厚に接触している疑いのある方々に、そういう名簿といいますか、そういうものは入手しやすくしようとしております。それはお伝えさせていただきたいと思います。
 一方で、そもそもバブルに入っていただく方々、選手団ですね、こういう方々はそもそも感染の疑いというわけではないのですが、接してもらっては困るのです。その各自治体の職員の方々が。
 つまりバブルに入っていただく方々というのは、バブルの中で完結をするわけなので、そこにバブルの外の市の職員、町の職員が接触して濃厚接触になってもらうこと自体、本来あってはならないことでございます。
 ですから、泉佐野の中でそういう事案が起こったということは、我々、我々だけではないのですが、これからは組織委員会も通じてしっかりとそういうことにならないようにお願いしていかないと、バブルの意味がなくなってまいりますので、そこに関してはしっかり周知ができるように我々もお伝えさせていただきたいと思います。
 それから、オリンピック村の中で同じことが起こるわけで、何かあった場合には、一人でも感染者が出れば、これ感染者が出なくても市の職員は濃厚接触者になってもらっては困るのですが、感染者が出れば今度はそれをどうするのだという話になりますよね。
 基本的には先ほど申し上げましたが、座席表に非常に濃厚接触をしている可能性、それは飛行機の中での空気の流れなどで、上下2列という話はしているのですが、そういう方々以外の方々も、当然選手団で来ますから感染者が出れば濃厚接触している可能性は十分にあるわけなので、そういう方々を全員空港に留め置くと今度は空港自体の機能が止まってしまう可能性がありますから、なかなか難しいというので、ルールとしては、それを例えばバブルの中でしっかり管理していただく、つまりバブルの中で濃厚接触ということになれば、個人の部屋で管理いただく。
 昨日もそういう話を記者会見で野党の皆様方も仰って、私は旅館とは言っていないのですが、旅館であったとしてもホテルのような旅館で、鍵がかかってちゃんと個室管理ができるというそういう部屋だと思うのですが、そういう中で管理いただかないとならないわけです。バブルの中でも。
 ですから、選手村でも同じ対応していただかないとならない。動線を全部変えていただいて、食事は仮に一人でも感染者が出れば、集団自体が濃厚接触になっているかどうか、最終判断するまでは疑いがありますから、そういう方々に対しても食事は個室に持っていくみたいなことを対応していただかなければなりません。
 明白に濃厚接触していなければそれからはバブル1、2(2種類のバブルを設定して対応する)みたいな話になって、本来のバブルの中に戻って来られるのだと思いますが、それまではより強い管理のバブルの中にいていただかなければなりませんので、そういう意味ではそこもやはりこれは組織委員会の皆様方とも再度我々意見交換させていただいて、十分に対応していただきたいと思っています。
 そうでないと、中で感染が拡がる、なんてことがあったらこれ大変でございますので、そうならないような管理というものをしっかり厚生労働省として、協力をさせていただきたいと思っております。
記者:
空港の座席を入手しやすくするということは、検疫時において濃厚接触判定をするのか、濃厚接触の判定を早めるのか、これはどちらになるのでしょうか。
大臣:
より可能性の高い方々を分ける。濃厚接触しているかどうかというものを判定するのは、飛行機の中だけでなく向こうでの移動がどうであったか、一団で来られますので、そこからの話になりますから結構時間がかかる話になると思いますので、そういう意味からすると空港でそれをやる能力はない。
 同時にキャパ(シティ)もたぶんなくなってくると思いますから、それも含めて一団はバス等で管理して例えば選手村に行っていただいて、そこで今言ったみたいに一団がもう疑いのある方々なんですよね。
 だから一団全体を個室管理して、その中で濃厚接触をしたかどうかを再度確認して、時間をかけて、それでこの方々は濃厚接触していることは明確にないことが分かれば、その方々は個室管理から離れてバブルの中での一般の対応になるという形でありますので、そういう管理をしっかりしていただかなければならない。
 ホストタウンでは比較的そういうことがやりやすいと思います。同じ国のチームという形で受け入れていただきますから。
 しかし、選手村ではいろいろな方々が入ってまいりますので、より強いそこは管理をしていただかなければなりませんので、そういう意味で我々としては組織委員会としっかりそこは連携させていただかなければならないと思っています。
記者:
オリンピックの関係で、空港検疫で選手団に感染者が確認された場合に、濃厚接触の可能性のある人を別の専用のバスに入れるという措置をするという報道がでているのですが、事実確認をお願いします。
大臣:
それは一つの考え方で、昨日そういう考え方もありますということは、野党の方々が来られましたので、事例としてお話ししました。それは先ほど言いました。皆疑いがあるんですよね。確認するまでは。
 だけれどもその中でより飛行機の中、これは航空会社が基準を出しているのだったと思いますが、要するに濃厚接触の疑いがあるというので、上下2列の場合はいろいろ空気の流れがある中で、濃厚接触の疑いがあると。
 これは濃厚接触と明確に言うわけではありませんが、その疑いがある一つの事例でありますので、そういうものの方々の言うなれば名簿を先にいただいて、そこはより疑いが強い方々ということで、バスで別々に管理して会場まで行った方が良いのではないかということで、そういうやり方もありますよねというお話を昨日させていただいたということであります。
記者:
昨日の野党議員の話でも、別なバスに濃厚接触の疑いのある方を移した場合でも、バスの運転手との接触なども懸念されるという指摘もあったのですが、そのあたりどのようにご対応されるお考えでしょうか。
大臣:
さっきも言いましたが、本来バスの運転手は濃厚接触になってはいけないわけです。バブルの方々というのは、そもそも一般の人と濃厚接触の形で交わってはバブルの意味がなくなってしまうので、移動していただくバスの方々は完全に感染しない、濃厚接触しないような対応をしていただかないと、バブルの意味がなくなってしまいますので、それはもう来られた方々をお運びいただく段階から、それからいろいろな市の職員などがアテンドしますが、その段階から感染しないような対応をしていただかなければならないということでありますので、そこをしっかり我々としては再度情報を、上手く伝わっていなかったという部分は、これは我々にもちゃんと伝えられなかったというところはあると思いますから、そこはちゃんと再度ホストタウンの皆様方にはそういうことなのですよということをお伝えさせていただかなければならない。
 つまり、濃厚接触という今回認定が出ましたが、そうなっては本来いけないということでございますので、ちょっとその感染が分かって濃厚接触だからより強い対応をしなければいけないというところと、そもそもバブルでどういう対応しなければいけないところ、ちょっと混乱している部分がございます。ちゃんと整理して、各自治体、ホストタウンにはお伝えしていきたいと思います。
記者:
新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応の報告に関して伺いたいことがございます。マーケティングアナリストで信州大学特任教授の原田曜平氏の父親が、新型コロナウイルスワクチン接種後に、重篤な副反応により入院した事実について、病院側から厚生労働省へ報告がなされていないとして事情説明を求めておられます。
 原田氏の80代の父親はワクチン接種後40℃近い高熱が出て、身体の一部が腫れあがるなどの症状に見舞われ、病名はワクチンの副反応により多形滲出性紅斑と蜂窩織炎と診断され、6月22日現在、依然として入院中であり、報告も未だになされていないようです。原田氏の父親のような事例は他にも発生しているのでしょうか。
 また、もう一点伺いたいのですが、このようなケースで病院から厚労省へ報告がなされない理由というのは、現状、改正予防接種法によって新型コロナウイルスワクチンの副反応疑いの報告基準というのがあって、接種後4時間以内に発生したアナフィラキシーとその他となっているのですが、この対象となっていないために病院の方から報告が上がっていないということになっているのでしょうか。
大臣:
個別の案件には、私、具体的に分からないのですからお答えしづらいのですが、一般論として私の方からご説明させていただきますと、基本的に医療機関でご判断いただいたものは報告を、これは副反応だという疑いがあると判断されたものはご報告いただかなければならないという制度になっております。
 もし、そこで意見の齟齬があって伝わらない場合は、自治体ですね、接種(の実施)主体が自治体、市町村でございますので、そこに窓口を必ず作っていただいておりますので、そこにご報告いただいた上で、厚生労働省まで副反応の報告が来るというようなそういう仕組みになっておりますので、そういうものをご利用いただければ厚生労働省の方に上がってくるというルートはあるということでございます。
記者:
厚労省のウェブサイトの中に副反応疑い報告の報告様式についてというデータがあって、そこで現状報告対象というのが4時間以内のアナフィラキシーとその他の反応といってAからXまでの具体的な症状が書いてあるのですが、これで確定というわけではなくて、今後必要なものとかあればここに加わっていくという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
何を対象に仰っておられるのか分からないので私も何とも言えないのですが、先ほど言われたような症状は、発熱でありますとか腫れは副反応報告でたくさん上がってきておりますので、そういうものは必要があれば上がってくると思っています。
記者:
ちなみに私が参照しているのは、5月14日ワクチン分科会資料というものから質問させていただいております。
大臣:
はい。
記者:
長野県のハンセン病患者の氏名が書かれたインターネットオークションで出品された事案についてお尋ねします。違憲国家賠償訴訟の原告や弁護団で作る統一交渉団が、同様の台帳文書がないか国による全国的な調査を要請しております。厚生労働省としては関係省庁と調整して検討するとの姿勢ですが、時期や調査方法は別として、大臣として調査を実施するお考えはございますでしょうか。
大臣:
これは本当にあってはならないことで、こういうものがインターネット上で流れると、閲覧ができるような状況(になる)というのは、本当に個人の方々の人権を侵害するわけでございます。尊厳自体を傷つけるものでございますので、私もあってはならないと思います。
 その上で、そういうようなこれからいろいろ法務省やいろいろなところとも相談していかなければならないと思いますが、こういう名簿といいますかリストといいますか、こういうものを保管している可能性があるところにどうやって、しっかりと保管していただくように、という周知をしていくかということを今、関係省庁と検討を始めているところでございますので、啓発といいますか注意喚起といいますか、しっかりと保管してくださいというようなそういうことは我々としても情報を流していって、このようなことが起こらないようにしていかなければならないと考えております。

(了)