田村大臣会見概要

(令和3年6月8日(火)9:36 ~ 9:50 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
おはようございます。私からは今日、一件ご報告です。今日、「新型コロナに影響を受けた非正規雇用労働者等に対する緊急対策関係閣僚会議」が朝、閣議後に開催されました。
 そのご報告でありますが、私から(の説明として)、一つは雇用施策にKPIを設定いたしまして、進捗管理を行って、例えば求職者支援制度、これにおいてステップアップ相談窓口、これ以前から申し上げておりますが、個別伴走型のきめ細かい支援等をこの改善を行っているところであります。
 それから、IT技術等の普及に伴いまして、求人メディアの拡大を踏まえサービス業でありますとか、求人メディア経由の就職が多い業種、こういう業種に対してその実情も踏まえながら、労働市場のルールの整備、これに取り組んでいるということ、それから、求職者支援制度を更に推進する中において、特に円滑な労働移動をするために、今、必要なニーズのある、そういう例えばデジタルでありますとかグリーンでありますとか、そういう分野への教育訓練や、リカレント教育、これを推進していくこと、最低賃金を引き上げるためには、生産性を上げなければなりませんので、そういう意味では生産性の支援、業務改善助成金でありますとか、それだけではなかなかということもございますから、各関係閣僚の協力をお願いしたということでございます。厚生労働省として取り組んでまいりたいと思います。私からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年6月8日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
群馬、石川、熊本の3県に出されているまん延防止等重点措置ですが、13日が期限になります。現時点で感染状況等を勘案すると期限での解除ができるとお考えでしょうか。
大臣:
これは現状の新規感染者数はだいぶ下がってきていると思います。あと、病床ですね。病床(使用率)はまだ若干高いところもございますので、方向として、新規感染者が抑えられていけば、当然、病床もこれから余裕が出てくるという見込みも立つので、そこのところを専門家の方々にどうご評価をいただくかということになろうと思います。
 いずれにいたしましても、一定の考え方に則って、解除する時には解除させていただきますし、維持といいますか、続ける場合には続けるということになろうと思いますが、しっかりご評価いただきたいと思います。
記者:
アメリカのFDAが、昨夜、アルツハイマー病の新薬の「アデュカヌマブ」の製造・販売の承認を決めました。この新薬については、認知機能の低下を抑える効果が期待されています。患者さんからもかなり期待が大きいかと思います。一方で、国内では承認申請がなされているかと思いますが、大臣のご所感と今後、国内での審査に対しての影響などについて教えていただければと思います。
大臣:
このFDAで「アデュカヌマブ」が承認されたという報道は、これは私も承知いたしております。日本においてはバイオジェン・ジャパン、ここが昨年の12 月に申請をされておられますが、現在審査中であるということであります。
 いずれにいたしましても、認知症に対する治療薬、どちらかというと今まではその後の症状を悪化させないという話(効果)でありましたが、ある意味今回の治療薬というのは画期的な方向の治療薬だと思いますが、審査をしっかりやって安全性・有効性を確認している最中でございますので、しっかりとそれを確認させていただいた上で、対応という形になってくると思います。
記者:
その件についてですが、画期的な新薬がエーザイという日本の製薬会社から生まれたことについてのご所見をお願いします。
大臣:
以前から認知症薬に関しては我が国でいくつかの製薬メーカーが取り組んでおられたということであります。アメリカのFDAで承認ということでありますが、そういう意味では一つの大きな一歩なのだろうなと思いますが、いずれにしても我が国においてはまだ審査の最中でございますので、そこはしっかりと審査をしていかなければならないと思います。
記者:
東京五輪について、昨日の国会で総理が、開催の条件は国民の安心・安全を守ることだと仰っていたと思いますが、厚労省としては開催の条件として、前提となる医療体制とか感染者の数など具体的な想定みたいなものはあるのでしょうか。
大臣:
基本的にやはり低く抑えていくということは大前提でありますから、緊急事態宣言でどこまで新規感染者(を抑えられるか)とそれから病床ですね、病床を確保できているか、新規感染者をどれだけ抑えられているか、これは今も継続中ですよね。
 ただ、心配なのは、夜間人流といいますか、(夜間)滞在人口が増えてきている、若干ですが。こういうところがあるので、どうしても感染者、東京も今徐々に減ってきました。
 減ってくると皆様の行動が、致し方ない部分もあるのですが、感染者が多いときよりも行動範囲が広がるということで、これもコロナとなると、そうなるとまた新規感染者が増えてくるということでございますので、ここでもう一段、いろいろな意味で特に夜間(人流)が増えると感染者が、その後、遅行的に遅れて増えてくるという傾向が今までもありますので、夜間の滞留人口をなんとか抑えていただきたいというのが我々の思いです。
 その上で、これどのような今、感染管理をどうやっていくかということをいろいろとご評価、たぶん西村さんのところで、こういうことをやればこれぐらいの感染を抑えられる、もしくは重症者を抑えられるということ、これはワクチンも含めていろいろと研究いただいていると思います。
 そういうものがある程度見えてくれば、それに応じて、これぐらいに抑えていけばオリンピックを安心して開催できる、ということになると思います。
 そこと連動しながらどのような状況でしっかりと感染管理していくかということは我々進めてまいりたいと思いますし、病床の確保というものもしっかりと進めていかなければならないと思います。
記者:
開催の可否などは厚労省ではないと思いますが、開催にあたって地域医療に与える影響とかそういうものはありますでしょうか。
大臣:
これはまさに感染が拡大するかどうかだと思います。オリンピックをやった場合に、例えば怪我をされたりだとか、そういう方々に関しては、これはコロナとは違う病床になりますから、それはそれで今確保いただいていますが、やはり感染拡大するとコロナ病床に影響してきますので、やはり感染拡大をしないような、そういうオリンピックの開催の仕方、これを考えていかなければなりませんので、そこが一番病床との兼ね合いで重要になってくると思います。
記者:
先週の会見で、分科会の尾身会長がオリンピックの開催にあたって感染リスクのあり方を示したいと述べていることに関連して、「参考になるものがあれば取り入れていくことは当然だけれども、いずれにしても自主的な研究の成果の発表だと受け止めている」とご発言されていました。改めてこの発言の真意についてお聞かせください。
大臣:
報道が真逆に捉えられているので、そういう意味では私の説明の仕方も十分ではなかったのかなと思っているのですが、あの時のご質問は、「分科会以外の場での発表というようなことをそれに対しても、どういう受け止め方をされるのですか」ということですから、伝えたかったのは「分科会以外の発表でも参考になるものがあれば参考にさせていただいて取り入れさせていただく」ということを言いたかったのです。
 ただその、どうしても分科会以外での発表ですから、分科会のクレジットが付いていませんので、それは自主的な研究という形、質問がそういう想定ですから、そういうような受け止めはさせていただきますが、要は「しっかりと参考になるものは受け止めさせていただく」という意味合いで申し上げましたが、私のご説明の仕方が悪かったのか、ちょっと違うように、真逆に受け止められている報道がいくつかございましたので、しっかりとそこは、私が言いたかったのは「必要なもの参考になるものは取り入れさせていただきたい」という意味合いであるということはここでもう一度申し上げたいと思います。
記者:
関連して、尾身先生が「オリンピックを開催するのであれば、国内での人流、スタジアム外での人流をどう抑えていくかということが大事だ」ということを述べていらっしゃいますが、この点についての受け止めについてはいかがでしょうか。
大臣:
そこは私も厚生労働委員会で申し上げていますが、もっとも重要なところで、たぶんバブルの中でのいろいろな活動というのはある程度管理できるとは思います。そういうような意味合いでたぶん組織委員会も含めて対応をすべく、今いろいろな準備をされていると思います。
 ただ、オリンピックをやることによって国民の皆様方の人流、これが増えてくる場合にやはり感染拡大のリスクが高まりますので、以前から申し上げているように、ご自宅でいつもおられるご家族と支援をしていただく、応援をしていただく、そういうオリンピックにしていただきたいと以前から申し上げているとおりでありまして、なるべく人流、私自身は、オリンピックのアスリートの皆さんというのは、本当にこの一年間コロナと戦い続けて自らを高めて来られてこの大会に出場される方々です。そう思うと、やはり国民もコロナと戦っています、アスリートの皆さんも戦っています。
 だからこのオリンピックの間も国民の皆さんは感染拡大しないようにコロナと戦いながらしっかりと頑張ってこられたアスリートを応援していただきたいと、そういうオリンピックにしていただきたいなと思っています。
 思いを一つにしてコロナと戦う、そういうオリンピック、そして素晴らしい感動のもとで、勇気をアスリートの皆様方から与えていただけるようなオリンピックになれば良いなと思っております。
記者:
今朝の河野大臣の閣議後の会見で、オンライン診療の恒久化について実施計画に盛り込むというご発言がありましたが、厚労省としての受け止めをお願いします。
大臣:
これは、一つは安全性というもの、それから信頼性というもの、こういうものをしっかりと確保しながら、という中で進めてきているわけでございます。そういうものがしっかり確保できるような形でオンライン診療の初診というものを恒常化していくということでございますから、その視点をしっかりと持った上で対応していきたいと思っています。
記者:
尾身会長の提言に対する先週の会見の関連に戻るのですが、「自主的な研究」という表現が、世の中の方にとっては突き放したような、「勝手にやって」みたいな感じに受け止められている部分があると思うのですが、そこについての意図・趣旨をお願いします。
大臣:
研究の自主性というのが一番重要なのです。研究者というのは自主性を最も重んじて、それをどう尊重していくか。そういう意味で申し上げているので、イメージとして、個人の研究だとか勝手な研究みたいに多分受け止められたのだと思いますけども、「自主的な研究」というのは非常に重要なことだと思います。
 そういう意味合いで申し上げたわけでありますが、少なくとも分科会のクレジットがつかない中で、そういうご質問だったものですから、そういうような表現をさせていただいたのですけれども、誤解を招いたとしたら、言葉の遣い方を改めていかなければならないなと思います。
 ただ、私は個人的には、研究の自主性というのは非常に重要だというふうに思っております。

(了)