田村大臣会見概要

(令和3年4月27日(火)8:38 ~ 8:49 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
おはようございます。今日は私からまず2件ご報告があります。まず、B型肝炎訴訟についてであります。慢性肝炎の除斥期間の起算点について争われておりましたB型肝炎訴訟に関し、昨日、26日でありますが、最高裁において、判決がございました。
 原判決が破棄されまして、福岡高裁へ差戻しされました。差戻しということでございますので、今回の判決内容を詳細に分析して、関係省庁と協議の上、適切に対応してまいります。

 続きまして、前回の記者会見で申し上げましたが、歯科医師によるワクチン接種の実施について、先週23日に有識者の検討会で議論が行われました。その結果を踏まえて、自治体に対して事務連絡を発出させていただいております。
 ワクチンの集団接種の会場で必要な看護師等が確保できない場合に、研修により必要な技能を有する歯科医師の皆様方が実施するという一定の条件の下において、歯科医師にワクチン接種のための注射にご協力をいただくということ、これが可能ということを整理させていただきましたので、それを事務連絡という形で発出させていただきました。
 これにより、各自治体の判断によって、看護師の確保が困難な場合、今までも派遣等を含めて対応いただくようにしてきたわけでありますが、必要に応じて、歯科医師の皆様方のご協力もいただきながら、予防接種を行っていただくことが可能になってまいります。
 歯科医師の皆様方は、筋肉注射、それからアナフィラキシーに関しても基本的な知識をお持ちであるということでございますので、そのようなことを踏まえた上で、適切な条件の下でワクチン接種にご協力をいただいていくということでございます。
 国民の皆様方には安心してワクチンを接種していただけるような、そんな体制を各自治体で作っていただきたいと思っております。私からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2021年4月27日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
全国的な感染状況についてですが、4都府県に緊急事態宣言が出されていますが、その一方で、北海道ですとか、三重県、熊本県などでも感染者が増加し、まん延等重点措置の要請を検討しています。追加の検討状況ですとか、全国的な感染状況について大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
全国的に感染が拡大しているのは事実であります。やはり変異株のこともございまして、各地域で感染者が増えてきているという状況の下で、病床の状況ですね、こういうものをしっかりと把握させていただきながらいろいろな対策を組んでいくわけであります。
 まん延防止等重点措置の要請、こういうものをいただければ、それは法律に則って対応することになりますが、いろいろな報道はありますが、正式にはまだいただいておりませんので、要請があれば対応させていただくということになろうと考えております。
 まん延防止等重点措置の対象エリアであってもなくても、やはり全国的に急速な感染拡大の恐れがあるということで緊急事態宣言の発令をさせていただいていますので、緊急事態措置エリア以外又はまん延防止等重点措置エリア以外の地域に関しましても、徹底的な感染防止対策を組んでいただくということが大切でございますので、国民の皆様には大変申し訳ない思いでありますけれども、ご協力のほどよろしくお願いいたしたいと思います。
記者:
もう1点お尋ねします。インド由来の変異株についてなんですが、感染力や免疫の変化の可能性が指摘されています。現在、把握されているこの変異株の特徴や国内への流入状況について教えてください。
大臣:
インドで初めて確認された変異株ということでありますが、日本国内では1例、検疫で20例ということで21例が確認されているという事実がございます。
 その上で、感染性の増加やワクチンの効果に影響が生じる可能性があると示唆される、そういう株と同様の変異の部分があるということでありますが、現時点では感染性やワクチンの効果に関しては、十分に確認されていないということでございますので、そういう意味では引き続き、ゲノム・サーベイランスをして、しっかりとどのような影響がある株かということを確認してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、このウイルスでは2週間に1か所くらい、それくらいの速度で変異していくということでございますから、ウイルス事態が変異していくのは特別なことではないわけでございます。
 問題は、それによって重篤度が増す、言うなれば病原性が増す、ということでありますとか、それから感染力が増すでありますとか、ワクチンに対して影響があるとか、そういうことが起これば、これは我々としてはしっかりと対応していかなければならないということでございますので、そこはこれからもゲノム・サーベイランス等を行いながら、しっかりと対応してまいりたいと思います。
 なお、「二重変異」という呼称でありますが、これは正確な表現ではなく、感染研の評価では使用しておりません。二重どころか、いろいろなところが変わっていることもありますので、そういう意味では感染症の専門家の方々の評価ではそういう呼び方はしていないということだけは申し上げておきたいと思います。
記者:
今のインドの変異株の関連でお伺いしたいのですけれども、今日本国内で拡がっているN501Yの変異株と比べて、感染力はまだよくわからないということであるのですけれども、感染力の違いについてどのように見ていらっしゃいますか。
大臣:
N501Yは、国内で感染拡大してくる中で感染研がその状況を分析した上で、1.3倍以上の従来株に対する感染力があると評価しておりますが、インド株に関しては今もご説明しました通り、今のところまだ国内で1例、検疫で20例ですから、その状況の下で、まだ感染力がどのくらいあるのかということは十分に評価されていないということで、まだ分からないということです。
 いずれにいたしましても、同じ部分だけではなく、いろいろなところが変異していますし、同じような変異でもないわけであります。そういう意味ではやはりゲノム・サーベイランスでしっかりとどのようなところがどう変わっていっているのかということも分析しながら、世界の状況を見てですね、また専門家の方々にご評価をいただくということになろうと思います。
記者:
高齢者を除くワクチンの一般接種の開始の時期について見通しを教えてください。
大臣:
高齢者については、総理の方から、7月中に何とか終える、そういう目標を持ってしっかりとできるだけ頑張っていきたいという話をいただいたと思っております。
 7月いっぱいで高齢者を終えるという目標を据えるとなると、当然地域的には、早いところではそれまでに終わるところも出てくるわけで、すると基礎疾患の方々、また、高齢者施設ということになります。
 特に基礎疾患の方々の場合は問診で対応いたしますので、一般の方々とある意味で一緒に進んでいくということも考えられます。と言いますのは、問診で基礎疾患であるかどうか判断されるわけで、ワクチンが入ってきて接種体制が組めれば、なるべく空けずに接種いただかないと、なかなか進んでいかないということもございます。
 そういう意味では、地域によっては基礎疾患を持っている方々と一般の方々が、一緒に接種していくということも想定されるわけで、問診で基礎疾患を持っていれば基礎疾患の方を優先しながら、空いている時間には一般の方々に接種するということも考えられるわけであります。
 それは、それぞれの自治体、規模によって変わってくると思いますから、いろいろな考え方の下でやっていただくということになると思います。高齢者が終わる、又は終わる最終盤では、もしかしたら基礎疾患の方々も動き出すかも分かりません。
 そういう意味からすると、7月、高齢者の方々への接種を終えていただくようなところが出てくれば、当然次の段階に入ってまいりますから、7月中にも基礎疾患、一般の方々が接種を始める地域やエリアが出てくることは当然我々としては想定しておりますし、その可能性もあるということだと思います。

(了)