田村大臣会見概要

(令和3年4月6日(火)9:38 ~ 9:50 院内閣議室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日、私からは報告ありませんので、ご質問あればお受けしたいと思います。

質疑

記者:
ワクチンについてお伺いします。ワクチンの高齢者接種が来週から始まりますが、改めてその意義と全国知事会の方から医師や看護師が少ない地域に人材を派遣するなど確保を求める声もあがっていますが、どのように支援していかれるお考えかお聞かせください。
大臣:
高齢者の方々が重症化リスクが高いという中で、やはりワクチン接種をいただくということが発症予防となり、当然重症化も防げるわけでありますから、そういう意味では、高齢者の方々のワクチン接種が進めば、我々がこの新型コロナウイルス感染症の中で一番危惧している重症化というものを減らしていけるという、非常に意味のあることだと思います。
 一方で、ワクチン接種する方々がなかなか集まらないという地域もございます。特に山村地域・離島、こういうところはなかなか難しいということに関しては、例えば看護師の方々の派遣等も含めてこういうところに対応できるということであります。そういうものをいろいろ利用していただきながら、各自治体での体制整備のお願いをしているところであります。
 いずれにいたしましても、接種がいよいよ高齢者から一般の国民の方々に広がるわけでありますので、円滑に進むように、国といたしましてもサポートチーム等作って対応させていただいておりますので、これからもしっかりと協力をしながら、ワクチン接種を進めてまいりたいと思っています。
記者:
病床についてですが、まん延防止等重点措置の対象となっている地域では、病床使用率が上昇していますが、これらの地域に対して病床の確保に向けてどのような支援のご用意があるかお聞かせください。
大臣:
今、病床確保ということは全国に向かってお願いをしておりますが、特にまん延防止等重点措置を行っていただいている地域は、当然感染拡大しておりますので、あらかじめ病床確保をお願いしておりました。
 順次、今、病床を確保、増やしていただいている最中ですが、特に今までコロナ関係の患者を診ていただいていなかった医療機関において、若しくは診ているけれども新たに病床を確保したというところに対して最大1950万円、年末年始から始めた制度の対象にする、これは5月のまん延防止の期間中でありますが、そのようにしておりますので、新たな病床を確保して対応いただくということ、それから特に変異株が拡がっている地域に関しては、今まで個室の病床等で対応いただいてまいりましたが、やはり病床がパンクしてしまいますので、無症状や症状の軽い方々は療養施設、ホテル等でも対応をお願いしておりますし、場合によっては既存株の方と同室でも対応いただくということをお願いさせていただいております。
 そういう中において、しっかりと必要な病床を確保いただくということが重要になってくると思います。
記者:
運用が始まったワクチンナビを見ますと、会場予約の際、ワクチンメーカーを確認してから予約できるシステムになっているわけですが、今後、同一地域で複数のワクチンメーカーが供給される状況になったら、会場を選ぶことで、自分が打つワクチンメーカーを選べることになるということでよろしいでしょうか。
大臣:
今はファイザー1社なのでほとんどその意味をなしていないのですが、元々は、引越しされた方々が、自分の打ったメーカーのワクチンが、次どこで打ったらいいかわからない、つまり、ワクチン接種会場がわかっていても、どのワクチンかわからなければきちんと二回打てないため必要だということで、そういう機能をつけているわけでありますが、これでちゃんと運用できるかどうか、まだ試しておりません。
 そういうことも含めて、河野大臣といろいろ相談させていただきながらということでございます。現状、あの掲示のところがうまく機能するかどうかも含めて、これから検証しながら進める形になってまいりますので、ちょっと今この場で申し上げるのは、なかなか難しいということだと思っております。
記者:
雇用調整助成金についてお尋ねします。各地で、不正受給が相次いで2億円を超えるという報告があります。厚生労働省としてこの事案についてどのように把握するかということと、それに対する対応をお願いします。
大臣:
不正受給、計44件ですかね。2.7億円となっております。あわせて、審査の結果で不支給とした件数、つまり支給はしていないけれども、審査の時点でこれはちょっと不正に助成金を受給しようとしているのじゃないかということで不支給とした件数、これが37件、金額が4.3億円ということでございます。
 こういう不正をやられることは非常に遺憾であります。雇用を守るという観点からこの支給をしているわけなので、是非とも、不正申請を止めていただきたいということと同時に、見つかれば当然のごとく不正に受給された金額、これは返還されるわけであります。
 これには延滞金も当然かかります。あわせて、この当該返還金、返還を求めた金額ですね、これの2割相当の額、この額も請求をさせていただくことになります。
 さらに5年間は、雇用調整助成金の申請をできなくなりますので、そういう意味では、不正をされれば、それだけの対応をこちらもさせていただきます。これは、不正は許されないことでございますから、是非そういう行為は止めていただきたいということであります。
記者:
給与のデジタル払いについてお伺いします。今後、いつぐらいを目途にどのような制度設計をお考えなのかお聞かせください。
大臣:
規制改革推進会議の投資等ワーキングで議論をいただいているということでございまして、資金移動業者の口座への賃金の支払い、これの議論をその中でされたと承知しております。
 2020年度のできるだけ早期の制度化を図るとされ、この成長戦略でフォローアップはなされているということでありますが、閣議決定した期限は過ぎるわけでありますけれども、引き続き労働政策審議会等でこれを議論して2021年度できるだけ早い時期に、最終的に制度化をしていきたいというふうに思いますが、やはりこれは利便性の問題もありますし、安全性の問題もあります。
 当然のごとく、電子マネーというような話のみならず、現金で引き出せなければいけないので、それぞれ口座から現金でお引き出しいただくということも必要になってきます。その支払いができるそれぞれの企業のお店がないところでは生活ができなくなってしまいますから。
 その場合、どれくらいの現金を出せる利便性があるかという問題、それから当然銀行もそうなのですが、いろいろとネット上でやり取りする場合に、アカウントが乗っ取られるなどいろいろな問題がありますから、そういうものを防げるかどうかというセキュリティの問題。
 そういう部分も、しっかり議論をしていただいた上で最終的に判断していくということであります。
記者:
ワクチンについてお伺いします。高齢者の接種が来週から始まりますが、一方で医療従事者の接種が全体の4分の1程度しかされていないですけれども、接種の進捗状況についてどのように見ていますでしょうか。
大臣:
連休明けまでにはもちろん医療従事者分のワクチンがくるわけでありまして、そこから接種をしっかりとやっていただく体制を組んで、全体で480万人に声をあげていただいておりますのでその方々に接種できるように進めていく。
 一方で高齢者のほうは6月末までに高齢者全員分がくるという予定でございます。いま河野大臣のもとでしっかりと準備していただいておりますが、接種体制を整備して高齢者の皆様方に2回接種をしていただいていくということでございますので、これは並行してしっかりと対応していただくということになると思います。
記者:
東京の感染状況についてお伺いいたします。増加傾向は続いていますが、大臣のご認識とまん延防止措置適用の検討状況などあれば教えてください。
大臣:
やはり東京は微増とはいえ、着実に感染者が毎日増えています。そういう意味では非常に要注意であります。関西圏、また宮城のような伸び方ではありませんけれども、着実に増えてきておりますから、しっかりとした対応、病床の確保、それから、病床のみならず、療養施設、場合によっては自宅等での健康観察、こういうものに対する準備、いろいろな現状の対応も含めてやっていかないとなりませんし、見回り等も含めて飲食店に対するいろいろなアプローチ、ということも、まん延防止の重点措置に関係なく、やれることはすべてやっていただくということで我々は認識しております。
 その中において、まん延防止等重点措置を出すか出さないかは別にして、出そうが出すまいがしっかりした厳しい対応というものをしていただきたいですし、東京都もそういうつもりで対応いただけるものと思っております。
 いずれにいたしましても、大変な危機感を持っております。首都圏でございますので、東京の感染が拡大していけば全国にそれが波及する恐れがありまから、我々としては注視しながら1都3県と協力して感染拡大をできる限り抑えてまいりたいと考えております。

(了)