田村大臣会見概要

(令和3年1月22日(金) 9:35 ~ 9:50 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭3点ご報告します。1点目は新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案が閣議決定をされました。この法律案ですが、新型コロナウイルス感染症を感染症法上の新型インフルエンザ等感染症と位置付け、必要な対策を講ずること。
 また併せて、宿泊療養ですとか、自宅療養、積極的疫学調査というものに対して、しっかりと実効性を確保するための規定を整備することでありますとか、国と地方との役割を明確化する権限を強化するということを措置するものです。
 本国会において、速やかに成立をお願いしてまいりたいと思っております。当然この中には感染症法も入っておりますのでよろしくお願いいたしたいと思います。

 続きまして、医療施設・介護施設等でしっかりとスクリーニングをやっていかなければならない、つまり、なるべく無症状者も含めて検査をやっていかなければならないということを、我々もずっと各自治体にお願いしてきたわけです。
 その中で、以前からいろいろな形で検討をしておりましたプール検査に関して、PCR検査において、このプール検査法というものを行政検査の中に入れていこうと。どちらかというと先ほど申し上げたように無症状者の方々、蓋然性はあっても、濃厚接触者のように症状がなくても蓋然性が非常に高い方々は、今までどおりの検査ですが、感染拡大している地域で、医療施設・介護施設、場合によっては繁華街等でもやっていますが、そういう感染している可能性が非常に高いところの行政検査等にプール検査をと。
 これは私が大臣になる前からずっと厚生労働省に要望してきて、大臣になってだいぶ時間が経ってまいりましたが、有効性というものがしっかり認められたということでして、そういう中での使い方ということで、これからしっかりと実行していきたいと思っております。
 併せて、抗原検査キット、これはインフルエンザがあまり流行していないということもありまして、1,250万キットお作りいただきましたが、その多くがまだ使われていないということですので、これも医療施設や介護施設というところで、これからスクリーニング用にお使いいただきたいと。
 行政検査ですので、これは、後から交付金で2分の1出しますが、100%国がしっかりと費用は負担いたしますので、感染拡大地域で、クラスターが介護施設・医療施設で発生しないように、こういうものでしっかりスクリーニングしていただきたいと思います。
 
 最後に、後方支援病院も含めての話ですが、療養病床で今まで病床確保をしていただいておりましても、やはり療養病床は若干処遇が悪いという指摘がありました。
 これについて、一般病床同様に新たに対象としたいということで、病床確保料に関して、療養病床も一般病床と同等にしていくと。併せて、コロナ患者の方々を受け入れていただいた場合の特別入院基本料も一般病床に合わせていくということなので、療養病床もしっかりとコロナ対応という形でご活用いただきたいと思います。
 併せて、後方支援と言いますか、回復期、慢性期の病床において、今までも診療報酬を3倍に、250点から750点に引き上げましたが、それでもまだ十分にコロナ対応という意味では、そのような報酬では対応しづらいというお声もありましたので、ここに救急医療管理加算を適用することにしました。最大90日にわたって950点という形になりますので、今までの倍以上になります。
 やはりちゃんとその後回復をするまでの間、つまりコロナは治ったがその後自宅に帰って回復するまでの間、受け皿として病床が必要なので、そういうところをこういう形でしっかり確保した上で、コロナ病床というものを増やしていくということです。
 是非とも、各医療機関ご利用いただいて、病床確保にご協力いただければありがたいと思います。私からは以上です。

質疑

記者:
閣議決定された感染症法の改正案ですが、患者への直接の刑罰を設けることに対して、複数団体から反対の意見書が出たり、野党から反対論が出ておりまして、今後修正協議にも入る見込みですが、大臣としてどのように国会に臨まれるか改めて教えてください。
大臣:
今回の法律は政府提出法案ですが、ある意味異例と言いますか、初めから政府・与野党協議会というところにご提示させていただいて、その場で揉んでいただくというよりかは、各党にお持ち帰りいただいていろいろなご意見をいただいてきたところです。
 そういうご意見を基に、国会に提出させていただき、そして国会の下で、どのような議論で、最終的に成立に向かうのかということは国会での対応、それぞれの政党間のいろいろな協議があるのだろうと思います。
 いずれにしても、厚生労働省としては、今考えている内容というものは、言うなればいろいろな法的なバランス、例えば検疫法とのバランス、いろいろなことを考えて、また一方で知事会ですとか、いろいろなところからいろいろなご要望もいただいております。早急に法律を成立させる必要があるのではないかという多くのお声もいただいてまいりました。
 一方で、人権に配慮すべきというお声もあるわけでして、非常にそういう意味では国民の権利等にも影響してくる法律ですので、しっかりと国会でご議論いただきたいと思います。
記者:
感染症法の改正の関係で、医療機関に感染者の受入れの勧告に従わない場合は機関名公表ですが、項目についてなど、改めて狙いをお願いします。
大臣:
と言いますか、元々、協力要請というものが今の法律の16条の2にも明記されていまして、協力要請を行うということは大前提であります。協力要請にも関わらず、正当な理由もなく協力いただけないということであれば、それに関して勧告をさせていただき、勧告をしても正当な理由がなく勧告に従っていただけない場合には公表ということですから、基本的には協力要請というものがメインになってきます。
 ですから、協力要請の下でしっかりと協力いただけるような、そういう元からの体制を各自治体でお作りいただきたいと思います。
 我々国もそれをしっかりサポートしていく、これがこの16条の2の基本的な考え方だとご理解いただければと思います。
記者:
協力要請という前提がある上で、更に踏み込んだ項目を置く狙いは何でしょうか。
大臣:
それはいろいろなご意見がありまして、それぞれそういうご要望があったということもあります。いずれにしても、実効性を十分に持たせるためには、協力要請を前提にしながらということであります。たしか日本医師会長様もいきなりの勧告・公表というものに対しては反対だというお話だったと思います。まずは協力要請というところに重きを置くということで、我々としては運用していきたいと思います。
記者:
ワクチン接種を担当している河野大臣サイドから、厚労省が自治体に示している接種のスケジュールについては忘れようみたいな話が出ていますが・・・
大臣:
接種スケジュールは、まだ承認もされていない、申請は出てきたがいつ承認されるか分からないという中でお示ししたものです。同時に、最短でいった場合こういうことがあり得るということで、自治体には準備をいただきたいということでお示ししたものであります。
 そこにはたしか、優先接種の方々の時期は書いてあったと思いますが、その優先接種以外の方々の時期はまだ書いていなかったと思いますので、それ自体が各自治体にこういうようなスピード感、こういうこともあり得るよということでお示ししていますが、実際問題これからいよいよ承認の段階に入ってきます。
 まだいつになるか分かりませんが、なるべく早く審査をするようにお願いしておりますので、その時点でいよいよ動き出したときの、言うなれば日程というものは、新たに今河野大臣をトップとする体制の下で、我々厚生労働省も主体的に協力させていただきながら組んでいきたいと思っております。
 いずれにいたしまして、我が省だけではできませんから、これはそれぞれ総務省も含めて、いろいろなところと協力しながら、河野大臣の下で、しっかりと進めてまいりたいと思います。
記者:
緊急事態宣言の関連ですが、今日で発令から2週間が経ちますが、この間の感染状況の推移についてどのようにご認識されているかということと、今後の延長、対象区域の拡大の必要性、もしくは解除についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
実態として、その感染状況で見ますと、一週間の移動平均が今は5,846人ということで、一時6,000人を超えていましたが、今は横ばいのような状況です。そういう意味では、これからの経過をしっかり見ていかなければいけないと思います。
 いずれにしても、我々としてはまずは一か月というような区切りを切って、緊急事態宣言を出しておりますので、その一か月で解除できるように、これからも国民の皆さま方にいろいろなお願いをさせていただくと。
 しっかりと、ご理解いただける説明をしなければなりませんし、ご納得をいただけるようにしなければならない、そして共感もいただけるようにしなければいけない。共感をいただかないことには、なかなか行動には移していただけませんので、そのような形で丁寧にこれからも我々としては国民の皆さま方に情報を提供させていただきたい。また、いろいろな形でご協力をお願いしていきたいと思っております。
記者:
現状のまま推移した場合、1ヶ月での解除は可能なのでしょうか。
大臣:
しっかり専門家の皆さまからご意見をいただいて、それを参考にしながら最終的な判断をしていくということだと思います。
記者:
病床の関係で、回復患者の受入れが進まなかった理由としては、風評被害への懸念といった声が中小病院から挙がっています。また、これから報酬でインセンティブを付けることによって、受入れの拡大に繋がるかどうかについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今もいろいろな医療機関の方々がコロナ患者の方々を受け入れていただき始めています。そういう意味では、感染が拡大する中で、多くの医療機関がコロナ患者の方々に関わっておられますので、段階として、だいぶ以前とは雰囲気が変わってきているのだろうと思います。
 併せて、それだけではなくて、例えば、コロナに罹患されて、回復はされておられますけども、かなり衰弱をされておられたりだとかしている、特に高齢者の方々とかが多いものですから、そういう状況なので、そういう方々に対する対応という意味では、通常の診療報酬ではなかなか難しいというのはその通りでありますので、今回はそういうような観点からの狙いでもございますから、これによって、各医療機関にご協力をいただければありがたいというふうに思っています。

(了)