田村大臣会見概要

(令和2年12月25日(金) 10:00 ~ 10:17 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭3件ご報告をいたします。まず、本日閣議において、新型コロナウイルス感染症患者の受入医療機関への緊急支援について、2,693億円の予備費の使用を閣議決定いたしました。
 ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症が拡大しており、一部の地域で受入病床が逼迫し始めるとともに、対応する医療従事者の方々には大変なご負担になっているということであります。
 こうした中、更なる必要な病床確保をしていかなければなりませんし、受け入れるための従事者の方も確保しなければならないため、今年度内の緊急的な措置としまして、病床逼迫地域において重症者病床1床につき1,500万円、重症者病床以外のコロナ患者を受け入れた病床に関して1床につき450万円を補助することといたします。
 詳細については、国会へのご報告を経て夜に説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。パッケージとして他にもいろいろありますので、夜にご説明いたします。    

 続きまして、静かな年末年始についてです。医療機関、保健所は本当に新型コロナウイルス対応で大変なご負担をいただいており、心から感謝を申し上げます。これまでの分科会の中でも、静かな年末年始を迎えていただくように、というお願いをさせていただいております。ポイントは2つです。
 一つは「飲食は家族、いつもの仲間と」ということです。それから「帰省は慎重に検討を」お願いしたいということです。
 昨日はクリスマス・イヴでありましたが、家族で、少人数で、静かな年末年始をお迎えいただきたいということ。これは分科会でもありましたが、いつものメンバーとであると、例えば同じ人数であったとしても、新たな方々とよりかは、感染は一定程度抑えられるというような報告がございました。そのような観点で、いつもの仲間と、少人数で、短時間で、お願いしたいということでございます。
 帰省に関して、延期も含めて検討をお願いしたいということを改めてお願いさせていただきたいと思います。     

 続いて、11月の有効求人倍率は前月より0.02ポイント上昇して1.06倍となりました。正規の有効求人倍率も上がっております。更には、完全失業率は0.2ポイント低下して2.9%となりました。
 そういう意味では、求人も求職も両方とも増えているという中で、求人の方が若干上回っているということで有効求人倍率が若干上昇したということであります。
 まだ有効求人倍率が1倍を下回る地域もありますし、12月の終わりくらいから新型コロナウイルス感染症の拡大も続いております。これはあくまでも11月の数字であり、12月厳しくなっていくことも予想されております。
 改めて、我々としては雇用情勢をしっかり注視して対策を打ってまいりたいと思います。私からは以上ですので、ご質問をよろしくお願いいたします。

質疑

記者:
新型コロナの感染状況について伺います。昨日24日、東京では新規感染者数が過去最多の888人確認されました。全国では過去最多の約3,700人確認されています。年末年始に向けて感染者の拡大傾向が続いておりますが、大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
今お話があったとおり、昨日東京都では888人ということで、過去最多を更新しました。その他にも神奈川県は495名、千葉県234名、埼玉県251名ということで、一都三県で最多を更新しています。また、京都、岐阜、香川、長崎でも過去最多ということです。前から申し上げておりますが、冬場の乾燥、低温ということで非常に感染症が広がりやすい環境になってきていると推測され、全国的に感染が広がりつつあるということです。一部北海道あたりでは一時よりは改善という話もありますが、安心はできない状況です。地域によっては、医療が逼迫しているということもありますので、先ほども申し上げましたが、病床をしっかりと確保する、医療従事者の方々を確保するということで、冒頭申し上げたような予備費を使っての対応ということを閣議決定いたしました。我々として、医療の病床確保、人材確保をしっかりと各都道府県と協力しながら進めてまいりたいと思っておりますが、医療人材や医療病床等ベッドの資源には数に限りがあります。そうすると、やはり感染者をいかに増やさないか、増加を抑制していくかということが重要な点です。冒頭申し上げましたが、改めて、この年末年始はなるべく行動を抑えていただいて、静かなお正月を迎えていただきたいとお願いしたいと思います。
記者:
少子化に関してお尋ねします。昨日公表がありましたが、全国の市区町村に今年8月から10月に提出された妊娠届出数の件数が、前年同月比で1%から6.6%の減少となりました。5月の17.6%減ほどの見込みはないものの、1月から10月の累計件数が前年比で大幅に落ち込んでいます。コロナの感染拡大が影響している可能性があり、コロナの影響で人口減少が更に加速する恐れがあると懸念されていますが、大臣の認識をお聞かせください。
大臣:
今お話がありましたが、5月から7月までの3ヶ月の累積では、対前年比10%を超える大幅な減少がありました。その後、8月は6%、9月は1%、10月は6.6%の減ということで、総合しますと1月から10月までに5.1%マイナスです。大きな落ち込みではあると認識しておりますが、過去5年間を見ますとマイナス5.6%から+0.2%の範囲で推移していますので、そういう意味では極端な大きな落ち込みというよりは、過去5年間の変化の範囲の中での落ち込みであるということです。ただ一方で、大きな今年の出来事ということからすると、やはり新型コロナウイルス感染症の拡大があり、何らかの影響があるとは推測できますが、細かい分析ができているわけではありません。どこまでこれから分析ができていけるかは難しい部分もあるかもしれませんが、よく中身を我々も見ていかなければならないと思います。そういう状況ですので、来年がどうなるかはなかなか我々も予断を持って予測できないという状況だと思います。我々としては、新型コロナウイルス感染症の拡大を止めて、国民の皆さま方に、このウイルスに対する不安感をどう減らしていただくかということに注力すると同時に、子育てのための対策、菅内閣になってから不妊治療の支援でありますとか、新たな4年間の待機児童対策というものにしっかりと取り組むこと等の他にも、育児休暇の取得促進などいろいろあるわけでして、そういう子育て対策にしっかり取り組む中で、出生率の向上に向けて国として努力していきたいと思います。
記者:
冒頭でご発言のあった病床確保の支援ですが、詳細は改めてということでしたが、病床逼迫地域においてと仰っていましたが、病床逼迫地域の考え方と言いますか、その辺りお願いします。
大臣:
それは夕刻申し上げたいと思いますが、基本的には今非常に厳しい中でいろいろな対策を取られているところであり、ある意味、県知事がそういう逼迫をしているということをお認めになられると言いますか、自ら判断されるということが前提になってこようと思います。また夕刻に詳しくご説明いたします。なお、これは既に受け入れているところも対象になります。そのようにご理解いただいて結構です。
記者:
新型コロナに関連して、年末年始のご対応についてお伺いします。大臣かねてより新型コロナは年末年始も待ってくれないとご発言されることがありましたけれども、年末年始、厚生労働省としてはどのような体制で対応にあたっていかれるのでしょうか。
大臣:
厚生労働省としては、といいますと。
記者:
役所としては。
大臣:
役所といたしましては、様々な窓口があります。そもそも雇用が動いておりませんので、そういう意味では労働の窓口を開くということは、一部はあるかも分かりませんが、全国的に開くことにはならないと思いますが、それぞれの窓口、各自治体と連携しながら困った方々が相談できるような窓口を各地域で開いていただくようにお願いをしています。厚生労働省は、年末もコロナ本部の方は、何かあった時には即応する体制が取れるようになっています。
記者:
北海道の旭川市や札幌市で、クラスターが発生した介護施設の職員とか医療機関の職員を診療拒否する事例が相次いでいます。厚生労働省としてこういった事例どのぐらいあるか把握されているのかということと、大臣としてこういったことへのメッセージというか対応をどのように考えていらっしゃるか教えてください。
大臣:
旭川でそういう事例があるということはお聞きしており、いろいろなところでそういう事例があるというのはちょくちょくは私もお聞きしますけれども、網羅的に全国どこでどういうものがあるかは把握しておりません。旭川の事例はいろいろな形で報道されているということもありまして、我々も認識いたしておりますが、我々の認識としては、一概に全て言えるわけではありませんが、例えば感染者の方々の濃厚接触者だとかそういう方の場合は一定の対応はあろうと思いますけれども、ただ家族であるだけだとか、そういう理由で受け入れない、医療機関が受け入れないという話になると、これは応召義務に反する話になってくると思います。やはりそれぞれの方の健康が関わる問題でありますから、何らかの特別な理由がなければそれはお受け入れをしていただきたいと、診療いただきたいというのが厚生労働省の立場であります。
記者:
イギリスでの変異種についてお伺いします。現在国内での状況と水際対策など強化されているかと思いますが、今後の対応について検討されている状況があればお願いします。
大臣:
官房長官からもお話があったかと思いますが、12月頭時点で行っている遺伝子解析の結果から見ると、その時点ではまだ変異種は確認できていなかったと。今の現状は、ちょっとまだその後の遺伝子の解析結果がでてきていないので分かりませんが、その時点では遺伝子解析の結果から調べたものに関しては変異種は見つかっていないということであります。その上で、ご承知のとおりだと思いますが、帰ってこられる方々は多くは日本の方々、もしくは日本に生活の基盤のある外国人の方々しか基本的には帰ってこられないことになっております。その上で、72時間以内に英国から出る前、検査をやっていただいて陰性証明をお持ちをいただいた上で、国内の空港検疫で検査をやってもちろんそこで陽性ならばそのまま療養いただくという形になると思います。症状が出ていれば、場合によっては入院ということになるのかもわかりません。陰性であった場合は、COCOAそれから位置情報の分かるアプリ、履歴が残るアプリを入れていただいた上で、二週間ご自宅のある方はご自宅で滞在というか療養をいただくと、つまり外に出て行かないということを誓約書に書いていただいてお戻りをいただく、公共交通機関は使えないという話でございますので、そういう形の中でお戻りをいただくことになろうと思います。
記者:
先ほどの予備費の話ですが、今日閣議決定されたもので2,000数百億ですか、それが全て財源に、この重症者病床の確保のための・・・。
大臣:
この2,693億円ですか。
記者:
はい。
大臣:
これは重症者病床だけです。これで2,693億円です。ここから1,500万円と450万円を補助します。
記者:
先ほどありましたように、対象は都道府県を念頭においているということですか。
大臣:
対象は医療機関です。
記者:
医療機関ですね。都道府県を通じて。
大臣:
これは医療機関に直接です。
記者:
何か事業の名称はありますか。
大臣:
事業の名称はあると思いますが、夕刻ご報告いたします。他のプランもありますので、その場でまとめてお伝えした方がより分かりやすいと思います。

(了)