加藤大臣会見概要

(令和2年4月28日(火)  8:25 ~ 8:40)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭2件ございます。新型コロナウイルス感染症にかかるPCR検査について、更なる検査体制の充実に向けた措置を講じております。先般PCR検査を集中的に実施する地域外来検査センターの地域の医師会などへの運営委託について、都道府県等へお示しをしたところでありますが、本日、センターを運営するに当たって都道府県などと医師会などが事前に準備すべき事項、受診検査の流れ、感染防御のための留意点などについて取りまとめたマニュアルを事務連絡として発出することにしております。また、新型コロナウイルス感染症が拡大している地域の地域外来検査センターで、検体採取を行う医師等の確保が困難である場合などには、必要な研修を受けた歯科医師の方々にも検体採取にご協力いただけることを明確にし、昨日都道府県等に周知をいたしました。こうした措置により、さらに検査体制の充実を図っていただきたいというふうに思っております。
 2点目は、令和2年3月の有効求人倍率が1.39倍と前月よりも0.06ポイント低下をいたしました。また、正社員の有効求人倍率は1.03倍と前月より0.02ポイント低下をしました。なお、令和2年1月からの求人票の記載項目の拡充を行っており、このことも3月の有効求人倍率の低下には影響しているのではないかと考えております。現在の雇用情勢は求人が求職を大幅に上回って推移していますが、求人が減少しており、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に十分注意する必要があると考えております。私の方からは以上です。

質疑

記者:
雇用調整助成金について伺います。先日、休業要請に応じた中小企業への助成率の拡大を発表されました。ただ、給付金額の上限については変わらず、引き上げを求める声がありますが、改めて上限引き上げについての考えをお願いいたします。
大臣:
まず雇用保険法に基づく雇用安定事業として実施しております、雇用調整助成金については、休業等した場合の一日当たりの助成額は、失業した場合に支払われる雇用保険の基本手当日額の最高額を上限としているところであります。まさに同じ労働保険勘定の中で運営をされているということであります。その見直しについては、従来から申し上げておりますが、やはり慎重な検討が必要ではないかと考えております。
 また、現実問題としても雇用保険2事業に係る積立金もありますが、それを含めてこれからの保険料の猶予、そして今回の雇用調整助成金の充実等を考えると、この保険財政の中で回すということについては厳しい状況であるということも状況としては言えるんだろうと思います。
記者:
長崎港に停泊中のクルーズ船について伺います。PCR検査で陰性だった乗員の帰国は、どのような方法でいつ頃を目処に行われる予定でしょうか。また、感染が確認された人たちの、帰国に向けたスケジュール感や手段についてもお願いいたします。
大臣:
まず、クルーズ船コスタ・アトランティカ号の乗員623名について、4月25日までに、すべての検査結果が判明し、陽性が148名、陰性が475名ということであります。現在、すでに22日に入院した1名に加えて、昨日2名の方が病院に入院をされています。そして、それ以外の陽性の方は船内で個室管理をされて、これは他の乗員もそうですが、船内で療養していただいているというのが今の状況であります。陰性の方については、24日コスタ・クルーズ社、これは船主会社ですが、一刻も早く安全に母国へ帰国させるとの意向を表明し、現在乗組員の主な出身国について、チャーター機の手配や各国大使館との調整が行われているというふうに聞いております。
 また、感染が確認された方については、船内の個室管理を基本に、有症状のうち軽症者については船外埠頭において健康管理等の支援を行い、重症者については病院に搬送するなどにより適切な医療を提供しております。船の外側にもコンテナを相当数用意して、そういった対応にも当たっている、準備をしているというふうに承知をしております。
 いずれにしても、引き続き関係省庁と連携をしながら、長崎県、長崎市の対応をしっかりと応援していきたいと思っています。従って、今ご質問の陽性者については、まずは国内で療養をしていただくということが基本ということになると思います。
記者:
2点ございます。まず、治療薬の候補とされるレムデシビルの承認はいつ頃でしょうか。そして、2点目ですがPCR検査の試薬が世界各国で獲得競争となっていて不足していますが、日本では試薬をどのように確保しているのでしょうか。また、十分足りているとお考えでしょうか。
大臣:
まずレムデシビルでありますが、これはエボラ出血熱の治療薬として開発され、日本国内では未承認であります。ウイルスの増殖を抑制する効果があるということから、新型コロナウイルス感染症の治療薬としても期待をされております。現在の医薬品の承認の仕組みの中に、特例承認制度というものがあります。これは疾病の蔓延防止のため、緊急の使用が必要であること、当該医薬品の使用以外に適切な方法がないこと、海外で販売等が認められていることといった要件を満たす場合であります。この特例承認制度により、承認申請書類のうち臨床試験以外のものを承認後に提出をしても良いなどとして、迅速に承認できる、こういう制度であります。レムデシビルにおいては、海外において研究的に使用される許可が下りた場合には、特例承認制度を活用した承認審査を速やかに進めていきたいと考えています。
 それから、PCRの試薬でありますが、これも機器によっていくつか試薬があります。中には、若干逼迫しているものもあると聞いておりますが、トータルとして見れば、十分な試薬を確保させていただいているところであります。
記者:
不良品の出ている布マスクについてお伺いしたいと思います。妊婦、全戸、介護のそれぞれの最新の把握の不良品数についてお伺いしたいです。また、一時停止している妊婦向けの配布の事業再開の目処とそれをどのように判断されるのか、また全戸配布などについて、企業側で検品が進んでいますが、事業継続にあたって厚労省から基準など要望なされているのかお願いします。
大臣:
まず妊婦の方々に対する配布事業において、一部の市町村から受け取ったマスクの一部に汚れの付着等があったという報告があります。妊婦の方々が使われるマスクにおいて、そういった事案があったということは我々もしっかり受け止めなければならないと思っております。報告があった件数については精査中であり、4月21日の時点の数値しか手元にありませんが、4月21日時点では7870件と聞いております。こうした状況を踏まえて、4月21日に、市町村に対して、妊婦の方々への布製マスクの配布を一時中止をするよう要請をいたしました。そして、不良品と報告された布製マスクを回収して現在原因究明等を行っているところであります。
 また、メーカーに対しては安全や衛生に配慮した環境の下で、生産がなされているかなどについての確認、また検品体制の強化などの再発防止を求めているところであります。今後、配布するマスクの品質が確保されて妊婦の方々が安心してマスクを使っていただけることがまず大事であります。そのために、まず原因究明、また再発防止の取組に万全を期していきたいと思っておりますし、特にこの原因分析や健康に与える影響の有無等について、今調査をしておりますから、その結果を踏まえ、安全性に問題が無いことを確認された布製マスクについては、速やかに配布をしていきたいと考えております。
記者:
二点お伺いします。先ほどのレムデシビルの件ですけれども、海外の状況にもよるかと思いますが、早ければ日本での特例承認はいつ頃、というのがありましたらお願い致します。
大臣:
先ほど申し上げたような仕組みでありますから、海外での販売等が認められる、という条件が不可欠であります。今の段階では、世界の中で日本とほぼ同程度の、こうした承認制度を持っている国ということになりますけれども、まだ承認されていない、ということであります。そうした承認を、今いくつかの国で検討されていると承知していますが、その結果を踏まえて、ということになります。
記者:
もう一点ですが、今日で緊急事態宣言が7都府県に出されてから3週間になりますけれど、一部によっては減少していると見られるという専門家の指摘もありますが、大臣のご所見と改めて国民にゴールデンウィークも控えておりますので、お言葉ありましたらお願いします。
大臣:
全国の感染者数あるいは足元東京の新規の感染者数は確かにご指摘のあるように、減少してるというのはあると思います。ただ、昨日の数字は、週末はどうしても検査機関がお休みになる等々の影響があって、感染者数が下がるということはこれまでもみてきたところであります。それから大事なことは、これからゴールデンウィークという時期を迎えるわけでありますから、この時期に、国民のみなさんがこれまでお願いしている3密を避けていただく、あるいは外出を自粛していただく等、いわゆる人との接触を少なくとも7割、出来れば8割避けていただく、これを徹底していただくということが非常に大事だろうと思っております。
 政府としても、様々な対策であり、また、この間に医療提供体制の更なる強化等に向けて、今ご審議いただいてる補正予算の早期成立をお願いする中で、それらも駆使して実施をしていきたいと思ってますが、是非国民の皆様にも、特にゴールデンウィークにおける対応については、今申し上げた3密を避けていただく、あるいは、人との接触を出来れば7割、更には8割、に向けて、ご協力をいただくことをお願いしたいと思います。
記者:
冒頭ありました有効求人倍率についてお伺いします。今回の分についてコロナの影響がどの程度あったというふうにお考えでしょうか。それと、今後の雇用情勢の見通しについて教えて下さい。
大臣:
現段階で、水準そのものは、先ほど申し上げたように、求人が求職を大幅に上回っている、こういう関係には変わっておりませんが、先ほど申し上げた新規の求人数は減少しております。また、事業主の都合離職者だけで見た場合には+7.3%と増加しております。また、職業別の事業主都合離職者の新規求職申込件数をみると、直前にどういう仕事をして、すでに辞められているという状況がそこから把握できるわけでありますが、「旅館・ホテル・乗物接客員」が前年同月比で61.6%、「自動車運転の職業」が前年同月比で39.0%、「生産工程の職業」が前年同月比で9.3%となっています。
 引き続き、これが全部新型コロナウイルスによるものかどうかというのはなかなか判断しにくいわけではありますが、かなりその影響を受けているのではないかと思われるわけであります。引き続き新型コロナ感染症による雇用情勢のこうした影響あるいはそれがどういう形で雇用に現れているのか、これをしっかり把握をして、必要な対応を取っていきたいと思います。
記者:
冒頭、大臣のほうからPCR検査についての充実を図るというお話がありましたが、二点その件について確認したいと思います。まずひとつは、4月7日付で厚生労働省のホームページで公開されております「厚生労働省補正予算案」その中にPCR検査に関する予算というのは恐らく(4)の検疫所における検査体制の強化42億円、検査体制の確保49億円、この2つかどうかということをまず確認させてください。あとは、4月6日に安倍総理大臣のほうから、PCR検査体制の一日2万件に拡充するというお話がありましたけれども、果たして予算の中で実現できるかどうか教えて下さい。
大臣:
2万件に向けて、PCR検査の設置等については今度新たな交付金の中に入っております。ですから設置分は交付金です。それから運用のための経費は、別途、運用のための経費として補正にも計上させていただいてるということであります。補正トータルとして、PCR検査の2万件に向けて、活用していただきたいと思います。詳細は、あとで事務方から説明したいと思います。

(了)