加藤大臣会見概要

(令和2年2月21日(金)11:45 ~ 12:27 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭4件、お話をさせていただきたいと思います。まず、クルーズ船の関係であります。本日でクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号乗客の方の下船の第一陣として健康観察期間から14日間経過し、ウイルス検査で陰性が確認された乗客の方の下船が、19、20、21日と実施をしてきたことが終わるということであります。まだ今後作業は続きますが、そういった意味で一つの区切りとは言えるのかもしれません。これまでの間、クルーズ船内の医療活動や搬送等について、延べ200名以上の医師の方々、600名を超えるDMAT等の医療チーム、さらには搬送に携わっていただいた自衛隊や各地方公共団体のまさに消防関係の皆さん、さらには関係学会をはじめ様々な方々のご協力をいただきました。改めて多くの方々にお力をいただいたことに対して感謝を申し上げたいと思います。この新型コロナウイルスという新たな感染症の方々への診察や搬送をクルーズ船内で実施するという、ある意味では、世界でも経験のない、また本当に複雑なオペレーションに、そして、場合によってはご本人も感染するという可能性下の中において、こうした仕事に従事をしていただいた、本当にご苦労があったと思います。こうした皆さんの行動力と、また、こうした仕事に取り組んでいただいた勇気を改めて感謝を申し上げたいと思います。今後も、濃厚接触歴のある乗客の皆さんの下船、あるいは、乗組員の方への検査を含めた対応、こうしたものが続きます。まだまだ多くの医療従事者をはじめ関係者の方々のご支援が必要であります。また、国内の相談体制や医療体制の充実等も図っていかなければなりません。多くの医療従事者、また、地方自治体の皆さん方、また、多くの関係者の皆さん方の引き続きのご尽力とご協力を心からお願いをしたいと思います。
 二点目でありますが、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、働く方の皆さんに発熱等の風邪症状が見られる時は、会社を休み、外出を控えていただくことが必要であります。このようなことから本日、経済団体に対して、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組に関する要請を行うとともに、企業における取組をまとめたQ&Aをホームページに掲載して周知を図っていきたいと思っております。具体的には、労働者が発熱等の風邪症状が見られる際に、休みやすい環境の整備、労働者が安心して休むことができるよう収入に配慮した病気休暇制度の整備、感染リスクを減らす観点からのテレワークや時差通勤の積極的な活用の促進などの取組へのご協力をお願いしているところであります。
 それから三点目でありますが、昨日、日本時間の夜、新型コロナウイルス感染症への対応に関して、G7の国々の保健大臣と第3回目の電話会談を昨日の午後10時から約1時間実施をいたしました。私からは、クルーズ船下船の状況及び下船後の感染拡大防止のための対応について説明をするとともに、各国からのチャーター便の手配については、日本の保健システムの負担の軽減にもつながっており、謝意をお伝えいたしました。各国からは、自国民が日本の医療制度の中で支援を受けたこと対して、あたたかい感謝の言葉をいただいたところであります。今後もこの枠組みで定期的に協議を継続し、感染拡大防止に向けた各国の取組等について情報交換を行い、国際社会が一致団結して新型コロナウイルス感染症対策のための協力を進めていきたいと思います。
 4点目は話題が違いますが、児童虐待対策の関係で二点申し上げたいと思います。一点目は、昨年の児童福祉法改正で法定化された体罰禁止が、4月1日から施行されます。この施行に向け、社会全体で体罰等によらない子育てを推進するため、有識者による検討会を進めていました。先般、パブリックコメントを経て、「体罰等によらない子育てのために」という形で、今週18日にとりまとめを行いました。今後、改正法の趣旨やとりまとめの内容を分かりやすく周知・啓発してまいりますが、改めてこの機会に、「しつけ」の名の下に体罰を加えてはならないこと、同時に、今回の取りまとめは保護者を罰したり、追い込んだりすることが目的ではなく、子育てに悩んだ保護者が適切な支援につなげ、体罰等によらない子育てを社会全体で推進することが目的である、このことを強調しておきたいと思います。二点目でありますが、また、虐待を受けた子どもを含め、家庭的な環境で養育されることが、子どもの健やかな育ちには重要であります。現在、里親委託の推進などに関する今後10年間の「社会的養育推進計画」を、3月末までに都道府県等に策定いただいているところであります。平成28年の改正児童福祉法を踏まえ、厚生労働省として「家庭養育優先原則」を徹底すべく、里親委託を推進しておりますが、里親への委託率は現時点では低い状況にあり、各自治体でもばらつきがあるという状況であります。厚生労働省としても、来年度予算案において、里親手当の拡充や、里親家庭を支援するフォスタリング体制の拡充などを盛り込んでいるところでありますが、こうした予算を活用いただきながら、都道府県等においても、子どもが家庭的な環境で養育がされていくことができるよう、今後10年間で里親委託をしっかり進められるような目標を定め、計画の策定を進めていただきたいと考えています。私の方からは、以上4点であります。

質疑

記者:
オーストラリアの政府によりますとオーストラリアのチャーター機で帰国した人のうち二人からウイルスが検出されたと発表がありました。いずれも下船の時には症状がなく、日本では陰性だったということですが、その辺の事実関係をお願いいたします。
大臣:
詳細についてはこれからやりとりをしないと分からないのですが、オーストラリアの皆さんも、前回のアメリカと同様に必ずしも陰性というかたちではないという方々も一緒にチャーター機に搭乗して移送されたと周知をしておりますが、いずれにしても、向こう側からも誰がどういうことだという具体的な話を聞かないと分かりませんので、そこはしっかり情報を共有していきたいと思います。
記者:
同様のことを考えますと、この三日間日本人の下船者から、その後の検査で陽性になる可能性はあるのでしょうか。また、これまですでに下船された方の中で、この二日間で、その後発熱ですとか体調の変化を訴えている方はおりますでしょうか。
大臣:
この前申し上げましたが、今回は感染研のチャーター便のデータ、あるいは現在の状況、これらを踏まえながら今回の措置、下船のオペレーションについて、ある意味では妥当だという判断もいただきながら、他方で今申し上げたような懸念、それから、新しいウイルスであるという課題、それからもう一つは、14日間、場合によってはそれ以上この船内に閉じこもっているということに対する問題を指摘する声も色々いただきました。そういう中でトータルとして、我々もギリギリの判断の中で決めさせていただいたというのは前にも申し上げたところであります。科学的な意味における判断を踏まえながら、ただ、そこにおいては一つのこれまで限定された範囲の中でのデータに基づく結論でありますから、これはまだまだ分からない部分もあるということで専門家からご指摘をいただいて、さらに健康観察を続けていく必要性があるということで、それぞれのご自宅には、不要不急の外出は控えていただく、移動にはマスクをつけていただく、症状があればすぐに我々の特設したコールセンターをお示ししておりますのでそこで対応していただく、そういう体制を敷いているところであります。現時点で、私はまだ詳細は承知をしておりませんが、そうした症状があって、またその方が陽性であったという場合にはこれはしっかりとご報告をさせていただきたいと思います。
記者:
現時点ではまだ報告は。
大臣:
そういう方が陽性であったという報告は受けておりません。
記者:
陽性の前に症状があるということは。
大臣:
それは、正直言って色々な症状がありますので、この時期ですから風邪を引かれている方もおりますから、その段階で判断するのは少し早いと思いますが、ただ、何かあれば教えて欲しいということは言ってあります。そして、その場合はすぐにPCR検査をしたり、医師にかかってくれという話もありますので最終的に先ほど申し上げた陽性であった場合には、これは国民の皆様にしっかり報告をしなければならないと思っています。
記者:
昨日お亡くなりになった80代の女性の方についてお伺いします。女性は船内で5日に発熱し、6日に医師に現在の症状を訴えましたが、PCR検査の検体が採られたのが一週間近く経った12日でした。厚労省として、詳細の経緯は分かっていないというご説明は受けていますが、今後のご説明や、新型肺炎対策に活かすために女性のケースを個別検証するお考えがあるかどうか伺います。
大臣:
一つは昨日申し上げましたけれども、亡くなられた方に対してはご冥福を、ご家族の方にはお悔やみ申し上げますとともに、この皆様方はクルーズ、旅と申しますか、そういったところに出ている中で、結果においてお亡くなりになられたということは、本当に残念なことだと私も思います。他方、今回私どもも、感染の恐れがあるということで、かつ感染がこれからどう拡大していくのかというのは、正直言ってその時点で具体的なイメージを持っていたわけではありません。したがって、着岸して検疫を行うことが当初できずに港内に停泊させ、いわばタグボートで往復しながら検疫を進めていたり、また、その間にも延べ3回バラスト調整といって外洋に出ていって半日から一日くらい出て行く、それは途中で解消しましたが、そういう状況の中で、中におられた医師の皆さん方が本当にご尽力をいただきながら本当に緊急性のある方から搬送していく、それから搬送にあたっても、やはり感染の恐れがあるということでありますから、例えば、災害時に次から次へと担架で運ぶということはできません。一人一人セパレートをして、そして動線が重複しないように、医療従事者が付き添って完全に防御して、また一回一回着替えをするというオペレーションの中で対応してきた、そういう状況があります。そういう状況の中で、中に入っている医師の方々が緊急性を鑑みながら、できる限りの対応をしていただいたと思っております。ただ、いずれにしても、このケースのみならず今回の一連のことについては、後日しっかり検証しながら、どこに問題があったかどうかも検証すると同時に、今後の対応ということにつなげていかなければならないと思います。
記者:
先ほどのオーストラリアの件に戻りますが、クルーズ船の下船というのは、14日間の健康観察があって、その上で検査をして陰性であれば、そこを担保に下ろしていたのかと思っていたのですが、そうすると今回の件があると、その考え方自体が少し揺らぐものなのかと思っているのですが、その辺りのご認識を伺いたいのと、あと、下船後の今後の対応というのが、今回のオーストラリアの件を受けて何か変える必要があるのか、今のお考えをお聞かせください。
大臣:
一つは、いわゆる我々がやっている下船のオペレーションという言い方をさせていただきますが、それと各国のチャーターの対応は異なっています。例えば、アメリカは検査結果が出る前の方も含めていわば混乗されてきました。今回のオーストラリアもそうだったと承知はしております。ただ、個々の方がどうだったかということは、別途フォローしなくてはいけないと思います。そこは、アメリカとオーストラリアは、今言った我々のやっていたオペレーションとは全く同じではないと私は認識してますが、ただそこはチェックしていかなければいけないと思いますし、またこの件も含めて先ほどのご質問もありましたけれども、今回下船された方々、いわば健康観察をしていくということが、おそれはないけれどもそうしたことは念のために必要だということは専門家会議でも指摘を受けておりますから、そこはしっかりフォローアップをしていかなければいけないと思います。
記者:
クルーズ船の関係で、乗員の方と濃厚接触者の方についての扱いというか、今後の対応についてお伺いさせていただければと思います。一部報道で、濃厚接触者の方については施設に移動させるというのがありまして、含めてお願いできればと思います。
大臣:
まずPCR検査が陰性で、いわゆる濃厚接触者の方については国が用意した施設に移動していただいて、健康観察期間14日間が終了するまでお過ごしをいただくということにしております。この方も既にスタートはしております。そして、その中でPCR検査は実施していると承知しております。それから乗組員の方々に対してでありますけども、これについては基本的な考え方は乗客の方と一緒だということは前にも申し上げたとおりですが、ただいくつか要点があります。その船の機能をどうしていくのか。まさに乗組員の方々が船の機能を守っておられますので、そこをどうしていくのか。それから、残る乗客の下船状況、先ほどの濃厚接触者の下船状況のスケジュールがどうなっていくのか。あるいは、これからいろいろチャーター便をさらに飛ばしてこられる、特に国によっては乗組員が多数乗り込んでいく、チャーター便をとばしてくるというお話が今ありますので、その辺の調整がどうなっていくのか、さらには船主側の皆さんの考え方がどうなっているのか、その辺もよく調整しながら、対応していきたいと思いますが、ただ基本は乗客の方と一緒に、同じでありまして、きちんとセパレートされて、それから健康観察期間14日間、そしてその中でPCR検査を行った上で、ということになると思います。
記者:
追加で、濃厚接触者の方についてなんですが、この方一部下船が始まっていて、今後濃厚接触者の方全員を下船させて施設に移動していただくということですか。
大臣:
まだ一部も始まってないと私は承知しておりますが。
記者:
今後の話ですか。
大臣:
今後です。今はそうでない方、14日間健康観察期間をして、PCRが陰性で、濃厚接触者でない方の下船をしておりますので、これが今日終了いたしますから、その後に先ほど申し上げた濃厚接触者の方の下船を具体的に進めていくということになります。
記者:
濃厚接触者の方全員についてですか。
大臣:
そうです。ただ、一部にチャーター便との関係で、そういう方もチャーター便でお連れになるという国があれば、たぶんチャーター便に、外国籍の方ですが、行かれると思いますが、基本的にはそうです。
記者:
橋本副大臣の件でお伺いしたいと思います。橋本副大臣が、昨日現地の様子を撮影した画像をツイッターに上げて、これを削除しました。中には、清潔ルート、不潔ルートなどと書かれていて、逆に正しく隔離できていないとか言葉の使い方に問題があるという指摘がネットでも寄せられています。この一連の経緯についてどのように把握されているのかということ、それからこうした対応について適切だったのか、どうお考えなのか大臣の意見をお伺いしたいと思います。
大臣:
1つは本人にも確認をいたしましたけれども、今ご指摘のありました不潔という言葉自体が的確ではなかった、したがってそれをああいう形で掲載するのは適切ではなかったということで削除したというふうに聞いております。それから、流れでありますけれども、私が聞いた範囲ということでしか説明できませんけれども、まさに2つ入り口があった写真があったと思いますけれども、あの右側を搬送といわゆるフル装備をしている方が、あそこで全部着脱をしていただいて、そしてきれいにしていただいて、そこから次の奥にあった扉から外に出ていく。そうでない方はこっちの入り口を通ってそのまま出ていくと。したがって、あの扉の向こう側というのは、全くクリーン、ここのように全くクリーンということ、あるいは船外ほどクリーンとは言えませんけれども、一定の防御で対応できる地域、そうすると手前はどうなのかという話になりますが、これはもう船の廊下は1個しかありません。その中でいろんな方が動かざるを得ない、これは構造的な課題の中で、そうしたフル装備をした方が搬送をしたり、要するに病人の方を搬送したり、あるいはそれぞれのところにいって拭いをしたりといった方々が動いているときには、基本的にはそれ以外の方は通らない、あるいはもし遭遇しそうになったら距離を置く、そしてそれらの方々は基本的にはこういったとこには触らずに移動する、そういう中でそういう対応をしていたということです。
記者:
橋本副大臣のツイッターの件について適切だったとお考えでしょうか。こういったことをあげて強い批判もでていますけれども。
大臣:
ですから、1つは中の状況をという思いがあったのだと思いますけれども、しかしそこに不潔というか不適切な言葉が、もともとそういうことが貼っていること自体がもちろん問題であることはそのとおりでありますけれども、それをそのまま載せたということ自体は適切ではなかったと思い本人がツイッターから当該写真を削除したということだと思います。私もそうだと思います。
記者:
先ほど80代の女性について質問がありました。この中で大臣が説明の中でゴムボートなどについて御説明がありまして、非常に過酷な状況であったと御説明がありましたが、これが通常の、たらればの話をしてもしょうがないのですけれども、クルーズ船でなければこの方はもしかしたら助かった可能性もあるのかなとお話を聞いて思ったのですが、その点についてはいかがしょうか。
大臣:
いや、そこはもう私は比較できません。やはり医師が今申し上げた厳しい状況の中で、優先順位を判断しながら対応されたということであります。それ以上ちょっと私申し上げるものも知識も持ってません。
記者:
一部報道で、幹部職員が今まで罹患された方の中にいたということですが、事実関係についてはいかがでしょうか。
大臣:
これもですね、やっぱり公衆衛生上の必要性の中で開示をしていくべきなんだろうと思います。したがって、その者が、例えば、どういう意味で幹部かどうかについて質問されているかですけれども、例えば幹部であれば、こっちと行き来しているのではないか、そうすると厚労省、ひいては霞が関全体にも影響があるのではないかというご指摘であれば、当該者は現地でずっと仕事をしておりましたので、そういったリスクというのはないということが言えると思います。それから一緒に動いている先ほど名前があった副大臣や政務官とは基本的に濃厚接触はしていないというふうに聞いております。
記者:
もし万が一そういったケースで、感染の拡大のおそれがある場合には速やかに公表していただくと思いますけれども、改めてお願いします。
大臣:
もちろん、前から申し上げているように、公衆衛生上、明らかにすべきものはしっかり明らかにしていきたいと思います。
記者:
まず、加藤大臣に、東京五輪に関してどのように今お考えかというのを伺いたいのですけれども、国内の大規模なイベントというのは、今後必要性を改めて検討したいとおっしゃっていましたけれども、巨人戦とか、プロ野球あるいはJリーグ、ラグビートップリーグ、公私の大会も始まりますけれども、これも含むのかということ。そして最大のイベントといえば当然東京五輪ですけれども、これはある意味中止を検討すべき対象になるのかという意味なのか。それから五輪に関してロンドンの市長選がありますけれども、主要候補のどちらも、もし東京が中止になったときには代替の候補としてロンドンなどと主張してらっしゃるとのことですけれども、この点について所感をいただきたいと思いまして、よろしくお願いいたします。
大臣:
大規模イベントの開催については昨日ご説明をさせていただいたので、重複になるのでエッセンスだけお話をさせていただきたいと思いますけれども。そこでは皆さんに協力をお願いすることで、例えば「屋内などでお互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いることが感染のリスクを高める」という、これはその後の文章にある会場の状況をある意味一つ例示として説明しているわけでありますけれど、そうしたことを踏まえて開催の必要性を改めて検討していただくようをお願いするということであります。ですから、そこをもう1回開催の必要性を改めて検討してください。なお、一律の自粛要請を行うものではないということで、政府が「全てやめてください」、「こういうのはやめてください」ということを申し上げているわけでありませんが、ただ、先ほど申し上げたように事情をよく勘案していただいて、開催の必要性、いわば開催をするかどうかをお決めいただきたいということを申し上げているところであります。それからもう1つ申し上げていたのは、今後の感染の拡がり、あるいは重症度を見ながら、この基準は変わっていくということでありますので、その状況状況に応じても変わっていかなければならないと思います。ただ、今、我々としては、感染の拡大防止に全力を尽くしている、尽力をしているところでありますので、そういった中で今申し上げた大規模及びイベントの開催に対してはそういう配慮をしていただきたいと思います。したがって東京五輪というのは、まだ先の話でありますから、そこをターゲットにして何か語っているものでは全くありません。それからイギリスの候補が言われたことに対して、私も政府の一員でありますから、コメントをするのは差し控えた方がいいのではないかなと思います。
記者:
ダイヤモンド・プリンセスから下船された乗客の方々を、横浜の駅に送って、それから公共交通機関で帰宅させるような形にされましたけれども、こういう対応に対して世界の各国から驚きの声が挙がっているようなのですけれども。他の国では最低でも数日間の隔離が当たり前というにされているようで、なぜこういうふうに下船した方に対して対応をされたのか。それから市中感染の可能性を高める措置というふうに見られてしまうのではないかということで、このコロナの感染力とかリスクを、少し過少に見積もっていらっしゃるのではないかというふうな疑念が、聞こえてきて、この点についてお答えいただきたいと思いまして。
大臣:
これも先ほどの答えとダブってしまうのですけれども、やはり今回一連の、限られた中ではありますけれども、科学的な知見というものをもちろん我々踏まえながら、しかし、それはあくまでも限られた情報の中から出てきている知見であります。もちろん色んな可能性というのは、全て否定できるわけではありませんけれども、そのあたり踏まえていただくべきだと思いますし、同時にやはり国内色々な方々から、クルーズ船という構造の中に一定期間以上閉じ込めておくことに対する様々なご批判もいただいております。それから多くの方がご高齢であります。そういったことを考えながら、一つの判断として、おそれはないと我々は認識をしておりますけれども、そうした懸念を持っている方がおられることは十分承知をしておりますし、それから先ほどの判断も一定の知見の中における判断であるでことは、もちろんそのとおりであります。したがって、皆さん方が下船をされた後の対応についても、必ずマスクを着用していただく、不要不急の外出は控えていただく、そして何かがあれば我々のところに連絡をいただくホットラインを設けるとか、それから定期的に私どもや地元の保健所、もちろん保健所には誰が戻っているかという情報を提供しておりますので、それを皆さんがチェックをしていただく。そういう体制をひいているということであります。
記者:
大臣、民間の検査も認めるということで検査の件数を一挙に拡大すると発表されましたけれども、昨日、1日に9件増えただけということだったんですれども、そのうちの7件が陽性になっていたかと思います。ある意味では少ない件数なんですけれども、劇的に件数を増やして状況が変わるというふうなことがいえるのかという、非常に心配ということがございまして、この前回の発表というのはある意味で大変失礼な言い方ですけれども、ガス抜きのような役割を果たしているのではないかという声もありまして、この点について伺いたいと思いまして。
大臣:
すみません、9件とか今7件、何の数字か私には分からないのですけれども、民間に関してはちょっと手元にありませんれども、今5社だったと思いますけれども、数社が既に検査ができるようになってきております。これについては我々民間に認めていないのではなくて、民間にもやっていただくべく感染研等の支援をしながら対応をしてまいりまして、そして民間が対応できるようになってきました。そして民間と私どもとして委託受託の契約を結び、感染研、あるいは地方衛生研究所と同等に対応していただいているということであります。その中でどこまで何件が回っているのかという、もしかしたらその数字をご指摘になられたのかもしれませんけれども、それはそれぞれ検体を取ったところの近場で処理をするのが当然だと思いますので、そういった中で、それぞれの民間の分析所、ちょっとどこにあるのか私は承知をしておりませんけれども、そういったところとも連携を取りながらやっているというのが今の体制であります。
記者:
オーストラリアの件でお伺いさせてください。先ほど大臣の方からオーストラリアのチャーターで帰られた人の中に検査結果が出ないまま、その前に乗られた方もいらっしゃるということでしたが、その意味合いとして今回陽性が出たお二人の方は下船後に帰国の途上で感染した可能性もありうるという意味も含んでらっしゃるのでしょうか。そこら辺のご見解を。
大臣:
いや、そうではなくて、ですから、今回下船の対象とした方と、一部そういう人もいるし、そうでない方もおられる形で運んでいるということを私は申し上げただけであって、その方がどういう形で感染されていたのか、感染者なのか、この詳細な情報がありませんから、そこは情報収集してどういう状況かということをしっかりとまずは把握していきたいということを先ほど申し上げたということです。ですから運ぶ時のやり方が前回のアメリカと同じようにわかった方と、わかっていない方を一緒に運ばれたということ、これは事実であります。
記者:
5日以降の健康観察期間の中で乗客の方の中に感染がその後に感染が起きたのかどうかというところを、もちろん今まで数字を示していただいた上で、有効な隔離ということが適切ではないかもしれませんが、有効な対策が取られたという数字はお示しいただいているのですが、必ずしもゼロになるのかどうかというのはまた議論を残すということだと思うのですが、今回のオーストラリアの方お二人が出た件でそういったことを少しは5日以降の感染も出たのではないかという声も通常考えられると思うのですが、その点に関して今大臣としてお考えをお伺いできますでしょうか。
大臣:
いや、オーストラリアと重ねて議論するのはちょっと別なんじゃないでしょうか。というのは、要するにわかってない話ですから、それはわかった段階でそれがどういう形になってきたのかということをベースに議論していかなければいけないと思います。それから感染についてどこで感染したかというのはなかなか正直言ってわかりにくい中で、昨日発症、これは発症ベースとそれから無症状で持っている方というのはこれはまさにどこで感染したか、これはわからないので、症状がある方をベースにした分析を昨日夜皆様方にご説明を感染研等がされたとは聞いております。そうした中でかなりの割合は我々が2月5日のコントロールする前だったというような資料が出ていたと承知をしておりますが、ただその後においてもクルーなどを中心に発生していたという指摘があったことは承知をしておりますし、それからどうしても相部屋ということでありましたから相部屋の方で濃厚接触者の中から発生しているということではあります。
記者:
最後もう一点検査のことに関して、一応オーストラリア側の発表としては日本の陽性となったお二人に関して言えば日本の検査では陰性であったと豪州政府の方は言っているようなのですけれども、この検査をいつどの段階でやったのかということにもよるかと思いますが、なかなか検査というのも必ずしも陰性を確実にするもの、陰性というか感染してないことを確定するものではないものかと原理的に了解してますが、今の、とはいえそういったものがたくさん出てくると、検査自体の試薬とかを見直した方がいいんじゃないかと声も出て来うるかと思います。今の検査も感染研の方が色々な過程の中で作られた非常に精度の高いものだとお聞きをしておりますが、この今の検査体制に対する考え方をちょっと大臣としてお伺いできますでしょうか。
大臣:
これはまた別途感染研の方に技術的にはご説明いただいた方が私は正確でいいのだろうと思いますが、私が承知している限りでは今の段階で陰性であったとしても、例えば今日私がPCR検査をとって陰性だったとしても、じゃあこれからずっと陰性かどうかというのは必ずしもわからない、だから健康観察期間を入れているわけであります。その健康観察期間とPCRの検査の関係を感染研がチャーター便を一つのモデルとして検討した結果14日間の観察期間の中でPCR検査を一回して陰性であれば、公共交通機関を使っても差し支えないという判断が示されている、我々はそれをベースに今回の状況を当てはめて対応させていただいているということでありますので、もうご承知のようにPCR検査というのはそういうものであって、今日、今やったからと言って、明日、明後日発症しないことを保証するものではない。ですから今の段階ではたぶん感知する段階があると思うのですけれども、言えることは今の段階では感知するレベルよりは持っているウイルス量が少ないということを示しているんだろうと思います。ただ、そこのところは正確には感染研の専門家からお聞きをいただければいいと思います。
記者:
今日他の省で職員に対して、時差出勤とかテレワークをよりすすめて行きますというアナウンスがなされているのですけど、厚労省の職員に対して既存の制度をさらに拡充してテレワークとか時差出勤といった制度を広げていく、今回の対応するために、そういった考えがあれば教えて下さい。
大臣:
まだ正直言ってちょっと、この役所全体は新型コロナウイルス対策にかかっているところではありますけれども、全てがそういうわけではありませんので、そういったことは検討して具体的にできるところから実施していきたいと思います。
記者:
まあいろいろ今後下船後の対応ですとか、陽性者とかまだ残っている方もいると思うのですけれども、先ほど大臣おっしゃったとおりクルーズ船の対応今日で一回区切りとなるということだと思います。それを踏まえて今後の新型コロナ対応の焦点、全体の中でどこへ向かっていかれるか、具体的な。
大臣:
ちょっと一区切りという私の言葉が適切だったのかというのはありますが、まあ一つの段階、要するに乗客の方の一定の数の方の下船はしていただいたという意味においては一つの段階は経たと思っていますが、まだまだ色々濃厚接触者の方々、あるいは乗員の方々と対応すべき課題は山積しておりますので、そこで先ほど申し上げたように引き続きのご協力をお願いいたしました。ただ他方で国内においては連日新たな感染例が報告をされ、そして感染例についても元々どこからかというのが必ずしもわからない事例が増えてきていると認識しておりますので、これから国内の対応について、これまでも医療にかかるための目安、受診の目安、相談の目安等も出させていただきました。それから今、帰国者・接触者相談支援センターこれも少なくと県の中で1箇所24時間対応をお願いする、あるいはそのための専門の外来も設置も、これは逐次出しておりますし、それから医療の機関に関しても具体的な確保数を把握すべく努力もし、またそうした努力をしていただいた方に対する助成制度も適用することに今しております。そうした積み重ねを一つひとつすると同時に専門家会議からもご指摘をいただきました。いつさらに拡大するかということを想定しながら対応しなければいけないということで、先日も次のステージを踏まえた基本的対処方針を準備すべしという話がありましたので、これにも即急に取り組んでいきたいと思います。

(了)