加藤大臣会見概要(新型コロナウイルス感染症について)

(令和2年2月13日(木) 12:05 ~ 12:28 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

冒頭発表

大臣:
クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスに関して、若干ご説明したいと思います。まず、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの乗員・乗客についての新型コロナウィルスの結果について、これまで492人について検査をして、174名について陽性があったということをご報告いたしましたが、今回新たに221名について検査をし、そのうち44名の方が陽性ということでありました。都合、713名の方に検査をして、218名の方が陽性であるということが確認されたところであります。今回陽性を確認された方も逐次、入院に向けて今手筈を整えているところであります。また、医療機関に搬送した入院患者のうち人工呼吸器を装着している、または集中治療室に入院している重症の方、2月13日0時時点でありますが、5名となっております。船内におられる乗員・乗客の皆さんの健康を確保するということを最優先で取り組んでおりますが、乗客の皆さんにはご自身の個室内で過ごしていただきつつ、発熱や咳など呼吸器症状がある方についてはPCR検査を実施し、陽性であれば下船をし、医療機関で治療するということを含め船内での感染拡大、あるいは感染された方には、早期の治療に向けて努力をしているところであります。一方で、船内にはご高齢でかつ基礎疾患を抱えていらっしゃる方もおられます。潜伏期間が経過するまで中には窓のない部屋に滞在されている方もおられます。そうした環境の中で長期間滞在するという中で持病を悪化させ、健康を害する恐れのある方もおられるということ、これは当初から申し上げていたところであります。そのため、新型コロナ感染症とは別に健康確保の観点、船内環境、すなわち窓のない部屋等にいま居住されている方、あるいは年齢、基礎疾患の有無などを含め、そうしたリスクの高いと考えられる方についてPCR検査を逐次実施し、陰性が確認された方のうち希望される方には下船をして、政府が用意をする宿泊施設で生活していただくということにいたしました。また、希望されない方は、引き続き船内に留まっていただくということになります。80歳以上の方は、すでにPCR検査を行いました。まだ検査中の方もおられますが、こうした作業を逐次実施することによって、明日以降、こうした下船のオペレーションを実施していきたいと考えています。なお、PCR検査の結果、陽性が確認された方については、これまでと同様に医療機関において治療していただくということになります。また、これまで陽性が確認された方のいわゆる濃厚接触者、同室の方等については、今回の対象にはならないということになります。政府としても、引き続き船内の感染拡大防止に全力で取り組むとともに、乗員・乗客の皆さんの健康確保を最優先で最大限努力をしていきたいと思っております。
 次に、本日0時より出入国管理法に基づく入国制限の対象とする地域が浙江省にまで拡大されたことなどを受けまして、感染拡大の防止に万全を期すため、検疫法上の隔離、停留を可能にするとともに、無症状病原体保有者について、入院措置、そして当然公費負担ということになりますが、対象とする政令について持ち回り閣議をお願いしているところであります。政令の施行が明日からとなっております。なお、疑似症サーベイランスや検疫については、先ほど申し上げた入国制限の対象が拡大したことを踏まえて、同様の対応をとっておるところであります。また、先ほど申し上げた逐次希望される方の下船をするということについては、一つはもちろん乗客の皆さんへの説明、そして、海外の方も多くおられますので、今どの方がということは限定できませんが、在日大使館を通じてそれぞれの政府に説明することを同時並行で進めることにしております。いずれにしても、さらに今後緊急対策も決まるわけでありますが、その対策も確実に実行して水際対策と国内の感染拡大防止、これに全力で取り組み、国民の皆さんの安全・安心に向けて万全の対処をしていきたいと考えております。私の方からは、以上になります。

質疑

記者:
クルーズ船の船内の80歳以上の基礎疾患など抱えている方に対してPCR検査を逐次実施されて、希望があれば政府の施設に移っていただくということですけれども、移る先の政府の施設というのは、ホテル三日月であるとか税務大学校であるとかそういうところを想定されているのか、というのと、移った後、12.5日経過した後にまた、PCR検査を実施するということになるのでしょうか。
大臣:
まず1点目でありますけれども、民間は今想定しておりません。その中で、宿舎の確保については、政府内で今鋭意調整をしているところであります。それから、どこからカウントをするかという話ですけれども、基本的に2月5日以降それぞれの部屋で感染予防に努めていただいておりますから、それをそのまま引き継いでいく、従ってそのためにも、下船においては、そうした配慮を十二分にしていきたいと思っておりますし、また、そうした状況でありますから、そうした皆さんに対する国民の皆さんのご心配もあると思います。移行にあってはもちろん陰性の方であるということ、それから同時に移動のための手段は政府のバス等を活用して、そうしたところにお運びをする、またその中においては、これまでのチャーター便の方と同様に、基本的には部屋の中で対処していくというそういった対応をとることにしています。
記者:
先ほど新たにクルーズ船で44人の方が陽性となったということですけれども、年代別とか国籍別とか分かれば内訳を教えてください。
大臣:
男性が23名、女性が21名、それから日本の方が29名、日本以外の方が15名です。
記者:
乗客と乗員の内訳とかは。
大臣:
乗員が1名、乗客が43名となっています。
記者:
これを踏まえて、全体の218人の陽性の方の同じような内訳、属性を改めてお願いします。
大臣:
218名ですね、男性が111名、女性が107名、国籍で日本の方が110名、日本以外の方が108名です。
記者:
年代別はわかりますか。
大臣:
分かりますが、人数が少ないのでまとめさせていただきますと、40歳代までの方、要するに0歳から40歳までの方が1人、50歳代が1人、60歳代が2人、70歳代が7人、80歳代が33人、80歳代というのは80歳から89歳ということでありますけれども。
記者:
今回こういう対応するということなのですけれども、これまでの政府の対応が誤りだったという風に感じてらっしゃいますでしょうか。
大臣:
これは当初から申し上げてきたんですけれども、もちろん症状がある方を最優先でこれまで対応してまいりました。PCRもそうやってまいりましたが、その時にもやはり高齢者とか基礎疾患がある方は、これまでも発症したときに重篤化しやすいということで、しっかりその点については配慮していかないといけないということをずっと当初から私も申し上げてきましたし、そういう認識でありました。そういう中で発症者等の状況を見ながら、今申し上げたような対応が取り得るのではないか、ということで、今、具体的な対応に入っているということでありますから、具体的な中身については今回それを追加しましたけれども、当初の方針と方向性は何も変わっていないと思ってます。
記者:
新たに患者が感染防止対策を取ったあとも発生しているということを踏まえてですか。
大臣:
その感染防止を発症しても、それまでの潜伏期間がありますから、すでにウイルスが体内に潜入された方がいらっしゃって、当然そうした方は防止策を取った後、一定の潜伏期間を経て発症されるということになりますから、そこは当然増えていくということは当然あり得るという風に私達は考えていたということであります。ただ、具体的にどのくらいになるかというのは当初予想していたわけではありませんけれども、したがってそういうこともあるので、WHOは例えば感染者と接触した場合は2週間置いてくれ、というのはまさにそういうことを根拠としているということであります。
記者:
昨晩、あるいは今日未明くらいに、G7の電話会議があったかと思うんですけれども、そのときにクルーズ船に対して、早期下船とかの何かご要望はあったのでしょうか。
大臣:
G7の中身については、基本的には公表しないということになってますが、私の方からは当然概要は話をさせていただきましたが、特段それについての議論はありませんでした。
記者:
WHOの方もですね、クルーズ船の対応に関して、ダイヤモンド・プリンセスと入港拒否ということに関して、エビデンスの無い対応なんじゃないかというのがTwitter上でも発言が出ておりますが、これに関して所感をお伺いしたいのですけれども。今回の対応も含めてですね。
大臣:
ダイヤモンド・プリンセスのエビデンスが無いという批判の意味がわからないんですが。
記者:
正確に言うとダイヤモンド・プリンセスの話と入港拒否の話をして、エビデンスが無いという話がどちらにかかっているのか正確な書き方が取れないような書き方ではあるんですが、その2つをまとめての話の後に、エビデンスが明確なものが無いというような書き方でTwitterでも出ておりますが、これに関して所感があればお伺いしたいんですけれども。
大臣:
ちょっと申し訳ないのですが、今の話だけで、ダイヤモンド・プリンセスについて、エビデンスが無いと言っている意味がちょっとわからないということ、それから入国拒否については、恐れがあるということで、これは法務省の所管でありますけれども、入国拒否をすることになっているので、そこは様々な情勢を踏まえて恐れがあると判断されたのではないかと思います。
記者:
1点確認ですが、今後の船内の対象者ですが、発言の中で高齢者でかつ持病がある人というように、かつとおっしゃったかと思うのですが、もう一度確認で高齢者アンドなのかオアなのか教えていただけますか。
大臣:
かつというか、配慮すべき点としては高齢であるということ、基礎疾患があるということ、それから船内環境、先ほど申し上げた窓のない部屋に入っておらえるとか、そこを総合的に勘案しながら対応していくということであります。
記者:
重傷者5名と仰いましたが、全てコロナウイルス陽性の方ということでよろしいでしょうか。
大臣:
4人は陽性で、1人については検査中、確認中ということ。検査しているかも含めて当然しているはずですが、今の段階では確認中とさせていただきます。
記者:
もう1点、濃厚接触者の方は今後検討だと思うんですけれども、その方については19日以降も船の中に留まっていただく可能性もあるということでしょうか。
大臣:
どういう対応をするかも考えていかなければなりませんが、2月の5日からと申し上げているのは、その間そうした濃厚接触者になっていない、要するに直接陽性になった方と接触していないか、濃くしていないと言ってもいいかもしれませんが、という方でありますから、今回のクルーズ船の場合にはお二人とか三人で入っておられます。従ってその中のお一人が陽性であれば、残りの二人はやはり疑う必要がありますので、その時点は2月5日より後ということになりますので、そこは踏まえながら検討していく必要があると思いますが、ただその際にはこれまで申し上げているように、健康観察期間は14日であり、そして12.5日間の潜伏期間があって、あとにPCR検査をやるという対応をこれまでしてきているわけでありますから、それを踏まえながら、必要な対応をしていく必要があると思います。
記者:
検疫法上の措置、今回政令の改正ということですが、これは水際対策の強化という点とその後の対応の強化ということだと思いますが、あらためて改正の狙い、趣旨を改めて大臣の口からお伺いしたいと思います。
大臣:
やはり、これだけ今回政府の対応のレベルを上げてきて、今回緊急対策も取るわけでありますから、そういった様々な対応に、あるいは様々な状況に対応していくためにも、検疫法において、隔離・停留、あるいは感染症法において、無症状の保有者に対する入院措置、こういったいわゆる、法律上やれる措置を採れるようにしておく必要がある、ということです。
記者:
クルーズ船で今後無症状の方が大量に発症するんじゃないか、ということが懸念されているということでしょうか。
大臣:
それとはまた別であります。今後日本に入ってくる方々も含めて、対応をしっかりしていく必要があるという判断で、今回政令改正をさせていただいたということであります。
記者:
海外の人も在日大使館を通じて同時並行的にと仰いましたが、これは船内で外国人の方もPCR検査をして陰性の方は外に出られるという、日本の方も他の外国人の方も同様の対応なのか、その船内の外国人の方の対応について、またその後の滞在先も含めてどのようなスケジュールでしょうか。
大臣:
基本的には外国の方も含めて私どもが用意した場所ということを前提に考えていますが、ただそうしたオペレーションというか、そうした対応を、これは新たなそういう意味では対応なので、やはり事前にそれぞれの国の政府の方も当然自国民に対して様々な責任と当然関心を持っておられますから我々はこういうことをしているんだということをしっかりと伝えておきたいという趣旨であります。
記者:
先ほど高齢の方でかつ基礎疾患があり。
大臣:
かつではなくて留意ポイントを3つ並べたということです。
記者:
この対象になっているような方々というのは現在何名ぐらい乗船されているのかということと、現時点でどれぐらい希望があるのかということはもう把握されているのでしょうか。
大臣:
今精査させていただいているところであります。例えば80歳以上ということであれば、約200名ぐらいの方がいらっしゃいますが、ただそこは今申し上げた少し色々な条件でいけばもう少し絞られていくんだろうと思います。加えて陰性であるかどうか、加えて希望があるかないかということになります。それから逐次80歳でスタートしますけれども、あとそれを下げていくということを当然考えていますから、ただこれも発症者、発熱したり呼吸器障害があった人の対応、これは優先していきますからそれとのバランスを見ながら、作業を進めていかなければならないと思っています。
記者:
現時点の希望の有無みたいなものはまだ把握されてらっしゃらないと。
大臣:
今回こういうことをやりますということをまさにこれから乗客並びに対象になりうる方にご説明するということなので、希望そのものを今とっているという状況ではありません。
記者:
80歳以上の人だけでなく80歳以下の付き添いの方というのも下船の対象になるのでしょうか。
大臣:
まだ80歳以上からスタートしてるということですけれども、やはり同室の方は基本的にご夫婦であったり、そういった家族の方でありますから、当然一緒に動きたいという希望があると思いますから、その辺を十分に配慮しながら進めていくことにしています。
記者:
大臣5日の感染順位を確認された時点で80歳以上とか基礎疾患のある方の下船検討されるとおっしゃっておりましたけれども、一週間以上たったわけですけれども、ここまで時間がかかった理由というのは検査体制の問題なのか、受け入れ体制の問題なのか、どのような点に課題があったのかをお聞かせください。
大臣:
2月5日の段階では、下船をするということまで申し上げていません。
記者:
検討されていると。
大臣:
いや、検討も言っていないと思います。PCR検査をしていくということを言ったのではないかと記憶をしておりますが、そういう意味ではまずPCR検査をしなければ判断ができませんので、そういった形でやっていきたい、ただその段取りとその対象者の数とかそれを今鋭意やりながら同時に先ほどから申し上げておりますように発熱者を優先していかなければなりません。それから逐次当然今当初から比べれば医師を何倍にも入っていただいて、発熱への対処、あるいはPCRのための咽頭液を拭わなければいけません、そういった作業、あるいは重傷者の搬送、いろんな作業をできる体制を組みながら、今まさに先ほどご説明したようなオペレーションも出来る環境になってまいりましたので、今日発表させていただいた、こういうことであります。
記者:
もう一点、国会でもお話されてましたけれども、全員検査を目指したいということをおっしゃってますけれども、その全員検査の見通しについては今どのようにお考えですか。
大臣:
したがって全員検査と申し上げているのはまさに出口ですね。チャーター便の方でいえば先日やって第一便の方は全員陰性ということで出ていただいておりまして、まさにそういうPCR検査をやっていくという、それに対して今我々もPCR検査の能力を上げたりあるいはPCR検査に必要な機器を増やしたり、それを担当する人員を充てたり、いろんな努力、さらに言えば民間の方の力を借りる、大学病院の方の力を借りる、またその人たちがスキルアップをして能力を上げていただく、あらゆる努力をして今当面考えている時点において1,000人を超える検査ができるのではないかという見通しを持っているのですけれども、そこがもう少し確定していけばやれますと言いたいですけれども、そこにはちょっと至っていないということを、国会でも申し上げさせていただいたということであります。
 

(了)