加藤大臣会見概要

(令和2年2月10日(月)11:08 ~ 11:26 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭、私のから申し上げることは特にございません。

質疑

記者:
新型コロナウイルスに関して、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、乗員の中でも感染者が見つかっています。そういった中で食事の配膳などスタッフ側の生活環境・業務環境をどう改善し、どう感染拡大を防止していくか、また、新たな感染者が見つかる中、船内に留まってもらう期間について、2月5日からの14日間ということで変わりはありませんでしょうか。
大臣:
まず、クルーの方5名が今回新たに陽性ということであります。その皆さんは当初、レストランで2名、飲料サービス、バーみたいな所で2名、またハウスキーパーとして1名、それぞれ働いておられたということでありますけれども、2月5日以降、レストランやバーは営業停止でありましたから、このため、それぞれ乗客の方に食事を運んでおられる方が中におられるかどうかだろうと思います。2月5日以降、乗客隔離、乗客に個別でそれぞれ部屋にいていただくことをお願いしているわけでありますが、乗務員の方に対しても濃厚接触をしないように、それから食事を配膳する際には、マスク・手袋を着用する、それからノブ等には触らずに、乗客の方に開けてもらうことによって、そうした感染の伝播を防ぐ、こういったことを話をさせていただいております。そうした基準でやっていただいているということではありますが、ただ今回、5名の陽性の方が出てきましたので、この5名の方についてのいわゆる積極的疫学調査、つまりどういうことをされていたのかということをもう一回調査を行っているところであります。なお、今回クルーの方も出ておりますから、改めてこれまでの感染防御対策について徹底を図っていきたいと思っております。それから、2月5日から健康観察期間14日ということですけども、これについては今のところその方針に変更はありません。
記者:
クルーズ船に乗っている方の下船時のことなんですけども、大臣がテレビの番組で確かお話をされたと思いますが、全員に対して下船時に検査を行うということも検討しているということなんですけども、この辺りのお考えについて、今のところどの程度決まっているものでしょうか。
大臣:
チャーター便で来られた方は、来られた時にPCR検査をし、そして12.5日、いわゆる感染の期間が経過した段階でPCR検査を行い、陰性を確認するという形の対応を考えております。このクルーズ船の方の場合には、当初の中で全員はPCR検査の実施体制の問題、あるいは他の地区で発生した場合は対応する用意をしておかなければいけない、こういうことから全員には実施をしておりません。そうした中で14日間健康観察期間ということでWHOの指示を受けて、そういう形で今方針を変えていないと申し上げましたが、ただこれだけ船内でいろんな感染もあります。そういった中においては、出るときにもう一度検査を行うべきではないかという声をいろいろいただいておりますので、私どもとしてはそういう声も受け止めながら、検査をする場合の対応、できるかできないかについて、詳細な検討をさせていただいているところであります。
記者:
下船時、検査をするという方向で検討を進めているというお考えでしょうか。
大臣:
方向としては、検査できるかという方向で検討をさせていただいています。ただ、今の段階でできるということを断言できる状況ではありませんということです。
記者:
乗員と乗客など、そこのところを分けることになるのでしょうか。
大臣:
その辺を含めて、乗組員の方は、例えば引き続きこの船で航行を続けていかれるということであれば、国内に入ってこられないということになります。その辺りの事情をよくみながら、何人の方に出口ベースでPCR検査をやるのか、そしてそれに対してどのぐらいの能力があって、どれぐらいの日数がかかるのか等々、今検討をしているという状況です。
記者:
これまでもあったのですが、クルーズ船に関しての人数のカウントの仕方についてなんですけども、国内感染という意味で、各社報道を見ていると、当然国内で何人、クルーズ船では何人というふうに分かるような形で掲載をしていて、一応違うという認識は当然持っているわけなんですけれども、改めて今週末に出たものも含めて、WHOの方には「others」と報告をされていると思うんですが、改めてこのカウントについてご見解をお願いいたします。
大臣:
これはむしろ、私どもの発生の状況をWHOにご説明した結果において、前にも申し上げましたけれども、WHOでは国別の日本と「others」ということで、国内で発生したものについては国内、クルーズ船で発生したものは「others」という仕切りをされたわけであります。我々はそれを準拠して発表させていただいていますし、追加的にクルーズ船で発生したものについては、「others」のところに足しているということであります。WHOのレポートは何人になっているかわかりませんが、現時点では70ということになるわけです。
記者:
確認なのですが、クルーズ船その他について、昨日の夜時点から新たな感染者は確認されていないのかと、大臣にそういう情報が来ているのかを教えてください。
大臣:
今、鋭意船の中のPCR検査を進めております。まだ最終的な状況は、私どものところでは聞いておりません。
記者:
新たな報告はまだ上がってきていないということでしょうか。
大臣:
はい。
記者:
あと、先ほど船内にいる方が非常に生活の水準が困難であると、船内で厚生労働省に改善を求めるために緊急ネットワークを新しく作って、改善の要望をされたということを記者会の方に、中に乗られているグループの代表の方から来たのですが、これについて大臣の方に。
大臣:
それは、まだ私のところには届いていないので、分かりませんが、ただ、いずれにしても船内において、もちろん健康管理をしっかりとやっていく必要があるということで、これまでもまず薬、特に常に飲んでいる薬が足りないということで、今、鋭意対応させていただいているところであります。それから、それ以外の物資等においても、いわばプッシュ型のような形で提供させていただいているということであります。
記者:
クルーズ船の薬の関係ですが、今日もまだ足りていないという声もあるのですが、現在どのような状況で、まだまだ薬も足りていないという声が厚労省の方にも届いているのか教えてください。
大臣:
昨日も申し上げましたが、当初、緊急にという方でのべ600人くらいの方からお話がありました。逐次やっておりまして、昨日中に搬送、昨日また朝に着岸したので、そのところで全部積み込んでお渡しをするということで、オペレーションしていたのですが、やはり実際もう一回船医、船に乗っているお医者さんが、薬に間違いがあったら駄目ですから、確認をしている、それから外国の方が多いので、翻訳をしていく、あるいはお渡しをする際にご本人が通常飲んでいる薬とは効能が一緒でも違うということを一人ひとり非常に丁寧に説明をしていくということで、残念ながら昨日段階では当初予定の半分程度しかお渡しできていないので、今朝からさらにまず全員にお渡しをしようということで、やっております。それから続いて今申し上げた緊急にということで、緊急ではないが、薬を必要とされている方もおられますので、その方についても逐次調達をし、船の中に持ち込んで、そして、配付をするという作業もやっておりますが、まず、緊急に必要なものを優先的に対応しているというのが今の状況であります。
記者:
今のところ、緊急ではない方の薬についても目処は立っているのでしょうか。
大臣:
緊急ではないものについては、また逐次色々とお話をいただいておりますので、どこでやったら全部終わりということは無いのだろうと思いますが、昨日も記者会に延べ1850名の方という数字が出ていたと思います。したがって、600程度が緊急、延べですから必ずしも正確ではありませんが、残りの1100名程度、これも迅速に提供すべく今対応させていただいているということです。
記者:
育休の給付金で、これについて助成率60%から80%に引き上げるということを、少子化大綱に盛り込むという報道がありますが、これの検討状況と今後の見通しについて教えてください。
大臣:
新聞では見させていただきましたが、具体的にそういう相談が今私どもの方にあるわけではないという状況であります。もともと育休に対する私どもの姿勢は、今の育休においても他国と比べて自主的には相対的に高い水準にあるという認識をしています。
記者:
クルーズ船の下船時の全員検査の関係で、キャパシティとの兼ね合いとのことですが、現状その検査態勢として一日どのくらいの数が可能になっているのですか。
大臣:
日本全国ということであれば、地方の衛生研究所の対応でありますが、ただ、例えば北海道や沖縄が使えるのかという問題もありますので、トータルどれだけかというのは、なかなか申し上げられません。基本的には、近いところでやれるところを中心に今、鋭意検討を進めて、同時に民間の検査会社、それから大学の医学部があるような病院など、そういったところのご協力もいただいて、どれだけキャパシティビルトができるかを今やっているところであります。
記者:
キャパシティとは別に大臣としてこの下船時の全員検査の必要性、特に疫学的なところ含めてなのですけれども、必要性をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
これはWHOでは健康観察を14日間としており、それに今則って我々はオペレーションをしているわけですけれども、ただこうしている間に感染者も出ておられますので、基本的には濃厚接触をしないということでお願いはしております。ただ、色々なご懸念がありますから、できるだけ国民の皆さんの不安や懸念にしっかり対応していくことが必要なので、先ほど申し上げたようにできるのであればやっていきたいと思っておりますが、できると断言する状況には至ってないというのが今の状況です。
記者:
チャーター機の話になるのですが、第4便の陽性の方というのはこれまでの1から3便に比べてもかなり少なかったと思うのですけれども、このあたり要因はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
必ずしも分析できているわけではありませんので、公式にお話を申し上げることはできないですが、ただ色々な方のお話を聞く中では、当初外務省のオペレーションでも武漢市中心に近い方から順次乗っていただくというお話がありました。そうするとその中心地におけるその発生状況とそしてその方がおられた場所等が反映しているのではないかという方がおられますけれども、ちょっと私ども厚労省として公式的にこうだと申し上げるものは持っておりません。
記者:
では武漢市内にいるのか、武漢市外にいたのかでまた状況が違うかどうかというのはこれからの評価になるのでしょうか。
大臣:
そうですね。ただ武漢の中でみても、武漢市の中心と周辺とあるいは湖北省全体とみるとずいぶん地域差があるという話は聞こえてくるのですけれども、ただ今申し上げた化学的にエビデンスに基づいてこうだと申し上げるものは持っておりません。
記者:
全員検査の話なのですけれども下船時に全員検査をするとなった場合は、それは検査結果が出るまで留め置く期間というのも延期となるのでしょうか。
大臣:
当然もし下船時にやるということになれば結果を待ってから皆さん下船をされるということになるのだろうと思いますが、ただ先ほど申し上げた、やるというところに至っておりません。
記者:
先ほどから薬、クルーズ船に乗っている方で薬が必要な方で緊急の方がいるとおっしゃっておりましたけれども、例えばどういった病気を持っていらっしゃる方がいるのかという点と、あと今現在クルーズ船には何人残っていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
一つはちょっとどういう薬があるというのはわかりませんが、例えば昨日ちょっとある報道番組に出させていただきましたけれども、その方は糖尿病のインスリンがないということをおっしゃっておりました。それ以外にもやはりその薬を飲まないとやはり症状が悪化するという恐れがあるもの、こういったものは緊急性があるということで我々が対応させていただいている状況であります。今何人乗っているのかということでありますけれども、現時点、2月9日の時点でありますけれども、今の段階で3,600人超の方が今乗っているということであります。当初乗っている方が確か3,711人と承知しております。
記者:
先ほどのクルーズ船内のことについてなのですが、概算で3,600人ほど乗ってらっしゃるということで、高齢者も多いということで船内での対応色々と薬とか病人への対応色々やることあると思いますが、今厚労省として数十人ぐらいDMATチームとか船内に入っていると思うのですけれども、大臣としてその人数で十分かどうかと増員するお考えはあるかどうか教えて下さい。
大臣:
今DMATに加えてDPATといってメンタルヘルスをサポートするチームも入っていただいております。さらには高齢者の医療の専門家にも入っていただいて、さらにはもちろん感染の医療の専門家にも入っていただいて船内の状況を見ていただいてさらにはこういうこともすべきだという話もいただいておりますが。また医療が必要な方、症状をかかえている方に対する対応、それからPCR検査を実施するための要員そういうことを含めてまだ十分ではないという認識で、適宜今増員を図るべく対応しているところであります。
 

(了)