加藤大臣会見概要(横浜港で検疫中のクルーズ船内で確認された新型コロナウイルス感染症について)

(令和2年2月5日(水) 8:42 ~ 8:59 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

冒頭発表

大臣:
2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」について、1月25日に香港で当該クルーズ船から下船した方が香港の病院で検査を受けたところ、新型コロナウイルスの感染が確認をされました。それを踏まえ2月1日より検疫感染症に指定されている新型コロナウイルスに関して、検疫法に基づく臨船検疫を行っているところであります。現在まだ検疫は継続中ではありますが、この船内において、発熱等の症状がある方、あるいはその濃厚接触者等の方トータル273名分について検体を採取し、今分析を行なっているところでありますが、そのうち31名分のウイルス検査の結果が判明し、10名の方から陽性反応があったところであります。このため、本日午前7時半頃から、検疫官の付き添いの下これらの方々に下船いただき、海上保安庁の協力も得て神奈川県内の医療機関へ搬送しているところでございます。この10名の方は、患者として感染症法に基づく措置入院等の対象と考えております。新型コロナウイルスにおいて、ウイルスの有無を科学的に確認せずに疫学的な条件のみで判断する場合には、最大14日間の潜伏期間を想定した措置をとっているところであります。それを踏まえて今入国制限等も実施しているところであります。残る乗員乗客の皆様には、そうした考え方を取っているということを踏まえて、必要な期間引き続き船内に留まっていただきたいと考えております。同時に、船内においては感染を予防する行動を徹底していただいて、客室で待機いただく中で、引き続き、私どもとして臨船検疫を進めていきたいと思っております。乗員乗客の方々の健康状態等には十分配慮しそれを最優先にしつつ、また感染の拡大防止に向けて万全の対策を講じていきたいと考えております。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
現在の検査結果について確認させて下さい。31名分の結果が判明し、10名が陽性ということは、21名分は既に陰性が確定しているという判断でしょうか。
大臣:
そうです。
記者:
残りの242人分については、今、ウイルス検査の確認中ということでしょうか。
大臣:
そうです。正確に言いますと、一部は確認を検疫所で作業を進めております。それから、一部は昨日の晩から今朝にかけて検体を採取しておりましたから、患者のみなさん、患者で陽性反応のあった皆さんと一緒の船に乗せこんで、今、検体のそれぞれ分析するところに移送し、これから調査を行うという段階であります。
記者:
船内の健康診断等は、すでにもう終了しているのか、というのもこの273名以外にさらに感染者、濃厚接触者としてウイルス検査が必要になる方はいらっしゃるのでしょうか。
大臣:
現在、健康確認あるいは検温、さらには問診、あるいはもちろん質問表への記載、それを踏まえた問診と一連の作業は終了しているところであります。それからPCR検査に関しては、先ほど273名分ということを申し上げましたが、今回の新型コロナウイルス、中国等の状況を見ますと高齢者また基礎的疾患がある方において重篤となる危険性があります。従ってそこを想定した上において、これは準備ができ次第ではありますけれども、高齢者とか基礎的疾患がある方に関しては、あらかじめというか一応ここの段階でPCR検査をやっておく必要があるのではないかと考えておりますので、そうした措置を取っていくべく準備を進めていきたいと思います。
記者:
あと陽性が出てる患者の症状について現在、重症の患者というのはいらっしゃるのでしょうか。
大臣:
今その状況については確認をしているところでございます。ただ、ストレッチャー等で運ばれている方はいないと承知しております。ただそれ以上についてはちょっとまた病院に入っていく中できちんと検査をしないと断定的なことは申し上げられません。
記者:
二点お伺いさせてください。10人の方のご容態、発熱や咳などあれば教えてください。もう一点、先ほど大臣が言っていた14日間については、陰性の方であっても船内に留まるというような趣旨の発言だったと思うのですが、そうするとこれはいつまで船内に留まると厚労省として設定をしているのか教えてください。
大臣:
まず10人の方については、それぞれ症状があるとは承知をしておりますが、具体的な状況はやはりもう一回の入院機関の中でチェックをしていただいてからでないと正確なことを申し上げる状況にはございません。それから、14日間というのは、今、14日間だということを決めたわけではございません。ただ、これまでの措置が14日間ということを踏まえて、必要な期間は船内に滞在していただく必要があるというふうに思います。それから、これは追加的な話ではありますが、この船には、乗客の方が2,666名、乗員の方が1,045名、合わせて3,700名近い方が乗っていますが、日本以外にも香港、台湾を含めて56の国、地域の方々が乗っておられます。したがって、よくそういったことも踏まえながら対応していかなければいけないと考えております。
記者:
船は、検疫が終わった形にはならず、上陸許可が出なくて、沖に停泊したまま14日近く今乗っている乗客、乗員の皆さまはその中に居なければいけないという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
まず、一つは、現在は臨船検疫をやっているということでありますから、当然、仮の検疫済証も含めて検疫済証が出ておりませんから、したがってこの船から上陸することはできない、これが今の状況であります。ただ、今、離れたところでおりますが、その具体的な船の状況はこれからまた相談をしていかなければならないと思いますが、いずれにしても、船内において先ほど申し上げた期間を念頭にいていただくということになるのだろうと思います。
記者:
WHOの方で、それから厚労省の方でも14日間というのを大体10日間くらいに潜伏の期間を短縮しても大丈夫なのではないかということが示されているのですが、今のところは14日間を見ているということでしょうか。
大臣:
その10日間は、PCR検査を少なくとも出る時に、実施するというのがまず大事で、今回チャーター便の方はまず一回PCR検査をしていただいて、それから10日間後にもう一回PCR検査をして、そして陰性だと、こういう一定の手続きを踏んだ方は10日間、そうでない場合には先ほど申し上げた疫学的というのは、何も症状が出ていなければということで14日間、こういう判断をしていますから、現段階では、この皆さん方に対してまだPCR検査をするという状況ではありませんので、14日間ということを原則に考えていく必要があるのではないかということであります。
記者:
14日間というのは今日をゼロ日目と数えて14日間となるのでしょうか。
大臣:
先ほどちょっと申し上げたのですけれども感染を予防する行動をとっていただかないと、それまで色々なところに接触機会が多いと、どこで感染があったかないのか、疫学的にも判断できないので今日を起点とし、そして今日の段階で、接触の場合には例えば飛沫感染でありますから2メートル、3メートルおいて例えば食堂で食事をするなどの時にはそういう距離を取っていただくという行動を、どういうことをしたらいいのか、あるいはどういうことをしないで欲しいということを今船内で徹底させていただいておりますので、したがって今日からその起算を考えていかなければいけないと考えております。
記者:
10名の方の乗員と乗客の内訳がわかっていたら教えてください。
大臣:
すみませんが確定的なことは言えません。現段階ではわかりません。
記者:
31人中10人というのはかなり高い率のように思われるのですけれども、何か優先的に症状のよく見られる方を優先的に検査したのか、それともそういうのは特になくて、ランダムに検査した結果、そういった方が出られたのか教えてください。
大臣:
全体としてどう取ったのかというのは、今の段階では必ずしもはっきりしていません。全くランダムなのか、例えば有症者の集団がそれにかなり入っていたのかについては、ちょっとまだ今の状況では判断できません。
記者:
この10人なんですが、性別の内訳とか、年齢とか、教えていただけないでしょうか。
大臣:
10名のうち日本国籍の方が3名であります。年齢は50代以上の方々であります。中には80代の方もいらっしゃいます。
記者:
現段階で感染症法上の一類感染症であるとか、あるいは検疫法の34条を使うとか、そういったお考えや検討はございますでしょうか。
大臣:
本件に関しては、まだ先ほど申し上げた臨船検疫をしているという状況でありますから、この状況の中ではそういった措置を取らなければいけないという状況は発生しておりません。
記者:
今まずは31人が判明したということですが、最終的に全員273名が判明する見通しはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
一つは、船のバラストがいっぱいになっており、それを抜かなければいけないということで、今外洋に向かって多分動くか動こうとしている最中というふうに承知をしています。従って、それから戻ってくるのに最低10時間以上かかるということであります。そうした措置がまず船で行われているということであります。バラストの入れ替えということであります。これは今の船の動きであります。それからPCR検査につきましては先ほど申し上げましたように、既にかかっているもの、それから、先ほど陽性確認された方々と一緒に船から降りて今ちょうど配送、それぞれのところに持って行っておりますから、それがそれぞれのところに届き、そして確認するということで、まだ数日かかるのではないかと考えています。
 

(了)