加藤大臣会見概要

(令和2年1月17日(金)10:27 ~ 10:44 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭特に閣議での発言はございません。

質疑

記者:
二点質問させていただきます。一点目ですが、まず中国武漢市の新型肺炎についてお伺いします。日本国内で初めて患者が確認されたという発表が昨日ございました。それについての大臣の受け止めについてと注意喚起を含めて今後どう対策をしていくか、対応方針についてお伺いできますか。まず一点目、よろしくお願いします。
大臣:
まず、新型肺炎の関係でありますが、昨日、我が国で初めて感染が確認されたことを公表いたしましたが、併せて、昨日中国の現地当局から2人目の死者の発生が公表されたところであります。なお、新たな発症者が出ているという報告は今のところ来ておりません。その上で、我が国で初めて感染が確認された方は、すでに昨日公表したところでありますが、武漢市への滞在歴があり詳細不明の肺炎患者との濃厚接触の可能性があるということであります。そういう中で、また、春節を控え、観光客の増加が今後予想されるわけでありますので、これまでの検疫所における水際対策や国内で患者が発生した場合の早期探知の体制というのをしっかり取っておくことが必要だと思います。これまで検疫所においては、中国武漢市から入国者に対して、体温の確認や症状の有無についての申告を呼びかけている、あるいは、入国者全員を対象にサーモグラフィー等による発熱症状等の確認といった水際対策を実施してきているところであります。今回解熱剤を使われていたということで、当然解熱剤で熱が下がりますから、サーモグラフィーでチェックが効かなかったということもございますので、さらに、咳や発熱が見られない場合であっても、解熱剤等を服薬している場合には、その旨も申告していただきたいという呼びかけを徹底していきたいと考えております。また、今後、患者が国内で発生した場合には、国立感染症研究所での検査制度に基づき、速やかな探知・検査等を引き続き実施をしていきたいと思っております。WHOや国立感染症研究所のリスク評価においては、現時点において、限定的なヒト-ヒト感染の可能性は否定はできないが、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はないという認識だと承知しております。したがいまして、国民の皆様におかれましても過剰に心配することなく、風邪やインフルエンザなどと同様、まだ多い時期でもありますから、咳エチケット、手洗いなど通常の感染対策をとっていただきたいと思います。
記者:
二点目ですが、地域医療構想の関係でお伺いします。都道府県に対する再編議論の通知と民間病院の診療実績のデータの提供に向けて作業されていると思うのですが、提供の見通しについて教えてください。また、公立公的病院のリストを一部修正する可能性もあるという話もあるのですが、それの事実関係と理由について教えていただけますか。
大臣:
9月26日に「地域医療構想に関するワーキンググループ」に提出した公立公的医療機関等に係るリストを発表したところでありますが、これはあくまでも暫定版だということで、各都道府県に確認のお願いをして、その精査を行っている、その作業を進めているところであります。そうした回答もいただきまして、それを踏まえて精査が進んでおりますので、本日中にも都道府県に対して再検証要請通知をお示ししたいと考えておりますし、それに合わせて必要な情報についても盛り込む予定であります。したがって、前回のが暫定版、今回のはまたその後の都道府県等からのご指摘を踏まえた確定版ということでありますから、当然その間には若干の出入りがあるということになるのだろうと思いますが、いずれにしても、いま精査・調整を行っているという段階でありまして、できれば今日中にでも対応させていただきたいと思っております。
記者:
IR事業を巡る汚職事件での秋元議員の逮捕に続いて、河井前法務大臣夫妻の関係先に家宅捜索が入りました。野党からは長期政権のゆるみやおごりが背景にあるというふうに指摘する声も上がっていますが、大臣はこうした事態が立て続けに起こっている原因や政権運営への影響についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それぞれの事案について、私としてコメントする立場にはないということであります。ただ、いずれにしても、様々な事象を踏まえながら、それは長期政権のおごり等があるのではないかという指摘は色々な場面で頂戴しているわけでありますので、当然、私どもとしてもそうした中にあって、おごりがあったり気の緩みがあったり、そういうことがないようにしていく、私もこの9月に就任した際に、2回目の大臣であるけれど、新たな気持ちだということを申し上げましたが、常に新たな気持ちで、国民の皆さんの今の声をしっかり聞かせていただきながら、それに対して適切な対応、あるいは、政策を打っていく、これにしっかり集中していく必要があるのだろうと思います。
記者:
先ほど小泉環境大臣が、長男が誕生したということで発表しました。小泉大臣は今後、3か月の間に合わせて二週間程度の育児休暇を取得すると発表をされています。男性の育休を所管される厚労省として今回の件、閣僚の育休についてどのように受け止めていらっしゃるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
大臣:
まず、小泉大臣のところに男の子が誕生されたということで、心からお祝いを申し上げたいと思います。また、先般、育児休業について大臣のお考えが示されていたと承知をしております。これからいよいよ国会も始まりますので、公務等もある中で、いかに育児、あるいは、家事に参加をされていくのか、そういった意味で育休を取りたいけれど取りにくいという環境、あるいは、それに向けての気運の醸成ということが課題になっております。公務員については、一か月ということを取るようにということで、方針も出させていただいておりますし、厚労省としてもそれをしっかり取れるように努力をしていきたいと思いますが、そういう流れの中で大臣自らがそれを率先していただくということは、いま申し上げた流れをより強いものにしていくということにおいて、大変期待をしているところであります。
記者:
国会議員、自営業の方でもそうなのですが、国会議員に育休の規程がないことについて、どのようにお考えですか。
大臣:
育休の規程がないというのも、逆に勤務規程がないから、育休が出ていないということなのだと思います。そこは、自営業の方もそうでありますが、ただ、逆にそれだけフリーハンドがありますから、そういう中で積極的に今言った育児・家事にも対応していくという姿勢を、特に我々政治家であり、あるいは、自営業等やっておられる方含めて、影響力のある方々がそういうことを大いに発信をしていただくということは、雇用関係にある中においても育児休業を取っていくという気運を高めていくことにもつながるのではないかと思います。
記者:
先日再生医療を無届けで行っていた、細胞を無断で培養していたということで大阪医科大の元講師である医師らが大阪府警に逮捕されました。再生医療安全性確保法の見直しも厚労省内で進んでいる中ですけれども、これに関する厚労省の対応と大臣のご所見をお聞かせください。
大臣:
今ご指摘の話は大阪医科大学に所属していた医師が、再生医療等安全性確保法に基づく手続を行わずに再生医療を提供した疑いがあるという事案で今捜査が行われていると承知しております。厚労省としても同法に基づく行政調査また刑事告発をすでに行っているところであります。警察の捜査にもしっかりと協力をしているところであります。捜査の段階でありますから断定的なことを申し上げるわけにはいきませんけれども、法に基づく手続きが行われず、再生医療が提供されたということがあれば、これは甚だ遺憾であります。また、合わせて再生医療等安全性確保法施行、これは5年後の見直しがありまして、ちょうど今その見直しに向けて、別に本件があったからということではなくて、昨年12月に厚生科学審議会再生医療等評価部会において議論していただき、その中間的な整理も行われ、これからさらに議論していくところでありますので、今回の事案が明らかになって必要な対応をすべき点があれば、またその中でもしっかりと議論していただきたいと思います。
記者:
2点伺わせてください。1つ目が自殺者数の公表についてなのですけれども、速報値ではありますが、2万人を初めて下回るということで、年々減少傾向にあるようなのですけれども、現状このだんだん減ってきている現状と2万人下回ったことについての受け止めと、とはいえ2万人が亡くなられているということなのですが、この先の対応今後どう進めていくのかということについて教えてください。2点目はまた別の毛色になるのですけれども、就職氷河期の採用の関係なのですが、10名の募集に対して1900人あまりの応募があったということなのですけれども、これだけの数が来たことへの受け止めと、とは言え190倍とまだまだ狭き門ではあるので、多くの人が正規の雇用になるために今後厚労省としてどのように進めていきたいのか教えてください。
大臣:
まず自殺の関係でありますけれども、2019年の自殺者数の速報値は19,959人と10年連続で減少し、2万人を切っているということであります。ただ通常はこの後確定値を待たなければいけませんので、その段階で年としての確定的な数字は出てくるだろうと思います。ただ、今申し上げたように減少傾向ではありますけれども、しかし依然として2万人程度の方々が自らの尊い命を絶っているというこの事実ですから、その現実を我々しっかり直視していかなければいけないと思います。平成29年7月に自殺総合対策大綱を決めたところであります。また平成29年10月に座間市での事案があって、それを踏まえた再発防止策の決定がなされたところであります。そうしたことを踏まえて、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、自殺対策、特にあの時にはSNSを使った相談等をそのころからスタートしておりますけれども、そういったことも踏まえて着実にその対策を進めていきたいと思います。それから就職氷河期世代のお話がありました。私ども採用予定者10名というところに対して、1,934件の多くの応募があったということで、改めて、就職氷河期世代への支援の重要性ということは、そういうニーズも強いしその必要性も高いということを認識したところであります。また、今回は令和2年度からの政府を挙げた取組みの先駆け的な対応でありますけれども、集中的な取り組みを行っていくということでありますので、これは内閣官房を中心に、検討されていくものと思いますけれども、厚生労働省としてもしっかりと対応していきたいと思います。さらには就職氷河期世代の方々には、昨年3年間の集中支援プログラムに基づく行動計画を取りまとめたところでありますので、それに即して、相談、教育訓練、就職、定着までの切れ目のない支援をはじめ、一人一人の状況に応じたきめ細かな支援を行う中で、正規雇用者については30万人増やすという目標も掲げておりますので、その実現を目指していきたいと思っておりますし、今申し上げた国家公務員としての採用もあります。また地方、さらには民間の皆様方にも積極的にお願いしていきたいと思っておりますので、私も新年会、団体の新年会等もございますので、そういう機会で発言の機会があればそういったことも含めてお願いさせていただいているところでございます。
記者:
地域医療構想の部分で本日中にも再検証要請の通知をしたいということで、そこで必要な情報も盛り込むという発言があったと思うのですが、それが民間病院の診療実績のデータということでいいのかという確認と、あとリストの数字の変更について変更の数字の規模感と主だった要因が分かっているものがありましたら教えてください。
大臣:
まず前半でありますけれども、その通知に関して必要な情報をということを申し上げて、それについては既に公表した公立・公的医療機関等のリスト資料について確定させたものに加えて、従前から近接の対象となっている民間医療機関の情報をというお話がありましたので、それも合わせて提供することで今準備を進めているということを聞いております。2点目の中身については今精査している段階ですからそうした通知をした段階でお示しできるものはお示しをさせていただきたいと思います。
 

(了)