加藤大臣会見概要

(令和元年10月1日(火)11:34 ~ 11:47 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議で、二件ございます。まず、有効求人倍率。令和元年8月の有効求人倍率は1.59倍と、前月と同水準となりました。また、正社員の有効求人倍率は1.14倍と、こちらも前月と同水準であります。現在の雇用情勢は、着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移しているということであります。
 それから、過労死等防止対策白書を閣議でご了承いただきました。本白書は過労死等防止対策推進法に基づき、毎年、国会に提出し、今回で四回目となります。今回は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」において重点業種に追加された建設業及びメディア業界の過労死等をめぐる調査・分析結果などを報告しております。今後とも、政府として過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命感をもって、過労死等の防止のための対策に全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。なお、来月は過労死等防止啓発月間でもあります。私の方からは、以上です。

質疑

記者:
幼児教育・保育についてですが、今日から幼保無償化が始まりますが、無償化よりも待機児童の解消を優先すべきだとの声や、認可外施設での子どもの安全が確保されるのかを懸念する声も上がっています。また、施設や自治体には準備・実施の段階で混乱も見られました。これらの問題にどう対応していくか教えてください。
大臣:
まず、今回の幼児教育・保育の無償化、これは、少子化という課題に取り組んでいく、そして、子育て世代あるいは子どもたちに対して対応していく、そういう意味では、全世代型社会保障制度構築への大きな一歩だと思っております。こうした子育てや教育にかかる費用負担の軽減、また、併せて幼児教育・保育の役割の重要性、これは常に指摘をされているわけでありますから、そういったことを踏まえて、しっかりと、これは主担当は内閣府にはなりますが、かなり厚労省も大きな部分を担っておりますからしっかりとやっていきたいと思います。そういう中において、若干ここに至る過程において、例えば、副食費に係る課題等もいくつかありました。そういった課題についても、それぞれ現場の皆さん等の声も聞きながら、あるべき姿を私たちとしては追求してきたという思いでありますから、今後ともそういう姿勢で取り組みたいと思います。それから、認可外についてはこれまでも指摘をされています。確かに認可施設に比べると認可外において、死亡事故等も色々と多いということは事実でありますから、そういったことに対する監督・指導、基本的には都道府県がということになると思いますが、都道府県等ともよく連携をとりながら、まず、認可外におけるそうした事故がないこと、そして、同時に認可外から認可へシフトしていくという思いを持っている人たちには、それを応援していくということによって、より保育の質の向上に引き続き取り組んでいきたいと思います。
記者:
今日から消費税が10%になりました。増額の使い道の多くは、子ども・子育てを始めとする社会保障費となるかと思いますが、消費増税そのものへの受け止めと、どのようにこの財源を活用していかれたいかをお願いします。
大臣:
消費税の引き上げについて、今回、8%から10%に引き上げる分については、今、最初にご質問のあった幼児教育・保育の無償化等も含めて、トータルで今回の増収分の約半分をこの社会保障の広い意味での充実にあてるということでありました。残りの半分は、財政の健全化にあてていくということであります。そういった趣旨に沿った流れの中で、私どもとしては幼児教育・保育の無償化、あるいは、介護保険料の軽減、あるいは介護施設の処遇改善、あるいは、待機児童の解消、こういったことに今回の増収分をあてるわけですから、そうした施策が、着実に効果を出していけるように、あるいは、着実に進むように努力をしていきたいと思います。また、一連の5%から10%に引き上げる中で、社会保障と税の一体改革ということで進んできた、それが、一応今回の10%引き上げということで、一つの区切りを迎えるわけでありますから、そういった意味で、これから先行きをどうしていくのか、これは、まさに今、西村大臣を中心とした全世代型社会保障の検討会議等でしっかりと議論していくべき課題だと思いますし、厚労省としても、2025年、2040年、先も見据えながら、あるべき姿はどうなのか、その中でしっかりと議論をしていきたいと思います。
記者:
もう一点ですが、先週、再編や統合が必要だとされる公立や公的病院が公表されたかと思います。民間病院についても近く公表される方針という報道が出ていますが、公表の意義や範囲、いつ頃に公表されるお考えなのかなどお願いしたいと思います。
大臣:
地域医療構想を推進することについては、今年の骨太方針の中にも具体的なスケジュールが示されているわけでありますし、二年前に各地域で地域医療構想を作っていただいて、それをこれからどう具体化していくのかという大変重大な時期に来ている、そういう中でそれぞれの地域の検討の役に立てていただきたいということで、公立・公的病院についての一連の私どもの分析のお示しをさせていただきました。ただ、分析結果を見て、えっと驚いたとか、どうしてという声が上がっていることを私たちは承知しておりますから、まずは、今回の分析結果であり、どういう意図でやっているのかについて、それぞれの現場ですね、都道府県、あるいは、市町村の皆さん方にしっかりと説明をしていきたいと思っております。その上で、当然、地域医療構想を考える上で、公立・公的だけで済む話ではありませんから、民間の状況もどうなっているのか、どういうデータの出し方があるのか、そのあたりも今申し上げた説明会等を通じながら色々と意見交換をしながら、適切な形で対応していきたいと思います。
記者:
本日GPIFの水野CIOが再任されたという報道がありました。2014年からの任期を振り返られて水野さんの功績がどういったものであったかということと、再任を承認されたお立場として今回の人事に対する所感をお願いします。
大臣:
水野理事に関してはGPIFの髙橋理事長から再任でというお話がありました。やはり身近で見ておられた髙橋理事長が引き続きというご判断をされているということを含めて私どもとしては承認をさせていただいたということであります。水野理事単独でみればいいのか、GPIFの活動としてみればいいのかというのはあると思いますけれども、これまでの運用についてもということでありますが、さらにESG投資ということですかね、そういった面についても積極的な対応をされているというところも含めて髙橋理事長もご判断されたのではないかというふうに考えております。
記者:
関連するのですけれども、海外のメディア等で歓迎する声もある一方で来年には同じようにまた任期が切れることになると思います。現の待遇などを含めて新しい理事探しというのも非常に難しいという声もありますけれども今回のガバナンス体制、持続可能性という面でどういうふうにお考えでしょうか。
大臣:
来年の4月からまた新たな中期計画に入るというふうに承知をしております。今回はあくまでも今言ったように任期に対して認められたということでありますからその任期中においてはGPIFが担う機能、まさに国民の大事な年金に繋がる積立金の運用を任されているわけですから、その責任をしっかりと果たしていただきたいということであります。また、それから先についてあれば、その段階でしっかり判断をさせていただきたいと思います。
記者:
先ほど消費税10%で一つの区切りを迎えたとおっしゃっておりましたが、年金の制度改正の中でさらなる公費負担が増えるというようなことも考えられると思うのですが、消費税を今後据え置いたままで財源をどうしていくのか、また消費増税またさらなる引き上げというのはこれ議論が必要と考えているかという考えを教えてください。
大臣:
まず前もご質問の中があって答えていると思うのですけれども、まず、年金の公費負担が増えるというのはそれは直ちにそうなるかどうかというのはちょっと私の記憶の中で繋がらなかったのですけれども、いずれにしても今申し上げた第一ステージ、税と社会保障の一体改革は一応一つの区切りを迎えます。そしてこれから先行きをどうしていくのかというのは議論をしようとしているわけですからその中で、まず先ほど申し上げたあるべき社会保障の姿、医療、年金、介護の姿、特に国民の皆さんの不安、制度に対する不安とそれから個人として高齢化していく中での様々な不安、そうした不安にしっかり対応できる仕組みを作っていく中で、今お話があった点も含めて議論はしていくんだろうと思いますので、今の段階で給付と負担という話を含めて具体的に申し上げる段階にはないと思います。いずれにしても今日消費税が上がったわけですから、まず一つこれは厚労省というよりも政府全体ではありますけれど、この消費税の引き上げについて様々な反動減が生まれないあるいは駆け込み需要が生じない等の様々な施策が盛り込まれてますから、これがしっかりと実施をされていく、また我々は税収を使って実施する様々な一つひとつの施策を着実に実施していく、まずそれに注力すべきだと思います。
記者:
昨晩の報道でハンセン病の家族訴訟に関して熊本地裁の判決より広く家族の認定をするという最終調整を進めていると、具体的には配偶者や兄弟、子供などの関係だけではなく、おい、めい、孫も含めると報道で出ておりましたが、これに関して現状大臣としてのお考えをいただければと思います。
大臣:
ハンセン病の元患者の方に対する補償に関しては熊本地裁の判決を受けて総理大臣からのご指摘も踏まえて、基本的には地裁の判決、それから弁護団あるいは原告団の皆様方の要望を踏まえて、今鋭意交渉している最中でありますので、かなり詰まってきたというふうには聞いておりますけれども、現時点でまだ合意には残念ながら至っていないと、我々としては一日でも早く合意ができるように努力をしていきたいと思っております。したがってそういう段階ですので今、これがどうだとかあれがどうだとかということを申し上げるのは控えていきたいなと思っております。

(了)