根本大臣会見概要

(令和元年8月2日(金)11:33 ~ 11:51 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私の方から一言申し上げます。令和元年6月の有効求人倍率は1.61倍と、前月より0.01ポイント低下しました。また、正社員の有効求人倍率は1.15倍と、前月と同水準となりました。現在の雇用情勢は、着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移していると判断しています。私からは以上です。

質疑

記者:
れいわ新撰組の二人の議員の対応をめぐって、参議院が当面国会活動中の介護の費用負担をするということになりました。一方で、就労中の重度訪問介護の制度を利用が可能になるよう求める声も依然としてあるわけですが、今回の参議院の対応やこうした声について、まずどういうふうに大臣お考えになられますでしょうか。
大臣:
7月30日の参議院議院運営委員会理事会において、れいわ新撰組から当選されたお二人への対応が議論されました。その中の一つとして、厚生労働省に対して、本年6月6日の参議院厚生労働委員会の附帯決議で掲げられている、通勤や職場における支援について、早急に検討を開始し、結論を得るべきであるとの指摘があったことは承知しております。厚生労働省としては、全国民に共通する普遍的な施策をどう作るのかという立場から、障害者の方々がより働きやすい社会を目指す上で、働く際に必要になる介助は重要な課題と受け止めており、先般の附帯決議を踏まえて立ち上げたプロジェクトチームを中心に、しっかりと議論をしていきたいと思います。
記者:
関連してですが、与党内でも障害者への支援の在り方に対する議論を進めるような動きもありますし、野党内でも同様の意見があるわけですが、制度のあり方の見直しとその必要性に関して改めてお願いします。
大臣:
今、私が申し上げましたが、先般の附帯決議を踏まえて立ち上げたプロジェクトチーム、これは厚生労働審議官をヘッドに障害者雇用・福祉連携強化プロジェクトチーム、これを作りましたので、今までの整理は重度訪問介護サービス、これは福祉サービスですよと、そして、雇用の場、働く場においては、職場の合理的配慮というところの整理であった、これが、これまでの整理ですが、そこは、繰り返しになりますが、全国民に共通する普遍的な施策をどう作るのかという立場から、障害者の方々がより働きやすい社会を目指す上で、働く際に必要になる介助、これは重要な課題と受け止めておりますから、福祉施策と労働施策、そこの連携を強化してプロジェクトチームを作りましたから、そこでしっかりとした議論をしていきたいと思います。
記者:
シベリアで収容した遺骨の問題についてお尋ねしたいのですが、この問題をめぐっては、ロシアでの判別の方法であったり、遺骨の鑑定を依頼する時期が一年半後だったこと、昨年8月には日本人ではない可能性が高いと言われていたのに公表をしなかったことなど、様々な問題があるというふうに見受けられますが、対応が十分だったかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
ロシアでの遺骨収集、これは、協定に基づいて実施しております。ご指摘の事案については、平成26年8月にロシアのザバイカル地方に、厚生労働省から遺骨収集団を派遣したものであります。収集にあたっては、同行したロシアの専門家、これは骨の形質の専門家ですが、この専門家が骨の形質の鑑定を行って日本人の御遺骨である蓋然性が高いとの結果が示されたことを踏まえ、相手国の了解を得て、16柱を日本に送還しました。その後、平成30年8月の「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」において、DNA鑑定の結果、16柱について、日本人でない、または日本人でない可能性が高いとの報告がありました。ロシアの骨の形質の専門家による骨の形質の鑑定と、日本のDNA鑑定の専門家によるDNA鑑定の双方とも、手続きは適正に行われましたが、結果として、鑑定結果に違いが出ている状況にあると認識しております。ロシアでの遺骨収集に際し、問題が生じた場合には、協定に基づくロシアとの協議の上で解決することとされております。今後、速やかにロシアとの協議が開始できるように、外務省への相談を始めたところであります。いずれにしても、遺骨収集における鑑定については、今般、DNA鑑定の手法などを含めて、戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議において議論されたところであります。その議論の内容も踏まえて、鑑定の充実を図っていきたいと思います。なお、DNA鑑定を依頼する時期や、DNA鑑定結果が出てからの対応に関して不備があったとのご指摘については、今後は、より迅速に取り組むよう努めていきたいと思います。
記者:
関連してですが、というとDNA鑑定の依頼時期や結果が出てからの対応時期については、問題があったというふうにお考えということでよろしいでしょうか。
大臣:
まず、経緯は申し上げた通りであります。そして、平成30年8月にDNA鑑定の結果、16柱については日本人でない、または日本人でない可能性が高いとの報告があった。ロシアの骨の形質の専門家による骨の形質の鑑定と、あるいは、骨の形質の鑑定ですからロシアは、それを持ってきて、日本のDNA鑑定の専門家によるDNA鑑定の双方とも、これは、手続きは適正に行われましたが、結果として、鑑定結果に違いが出ていると、こういう状況であります。その意味でDNA鑑定を依頼する時期やDNA鑑定結果が出てからの対応に関して不備があったとのご指摘については、今後は、より迅速に取り組むよう努めていきたいと思います。
記者:
正式に今年の最低賃金の答申がありました。それで賃金の伸び率が例年と同じくほぼ3%、3.09%ということになりましたが、一方で骨太の方針ではより早期に1000円を目指す考え方が取りまとめられまして、今般のこの最低賃金は骨太の方針と齟齬がないのかということも含めて教えてください。
大臣:
安倍政権が目指す「成長と分配の好循環」の継続・拡大を実現するためには、最低賃金を含めた賃金の引上げを通じて、可処分所得の継続的な拡大と消費の活性化につなげていくことが極めて重要だと思います。こうした中で、中央最低賃金審議会において、今年度の引上げの目安額は、これは、「全国加重平均で27円」となって、昭和53年に目安制度が始まって以降、過去最大の目安額となったものと思います。政府としては、今年の骨太方針にも記載されたとおり、中小企業・小規模事業者に対して思い切った支援策を講じるなど、賃上げしやすい環境を整備することとあいまって、最低賃金がより早期に全国加重平均1000円となることを目指していきたいと思います。
記者:
千葉県の社会福祉法人が決算報告書を平成29年分から提出していない問題で10億円に上る運営費を受けて続けているということなのですけれども、昨日東京都が保育園の方に立ち入り検査に入っています。千葉県や流山市はいまだに調査、聞き取りを行っていないということなのですが、その対応の遅さについてどう思われるのかというのと、今後県に対して早期の検査を促す考えはあるのか教えてください。
大臣:
ご指摘の法人について、所轄庁である千葉県に確認しているところでは、平成30年11月に特別監査を実施し、現在も指導中であります。今後も引き続き、法人の指導監査を継続していくことを確認しています。また、当該法人の保育所に対しては、保育所運営に指導監査権限を持つ千葉県や、保育所の運営費の給付を行う流山市が、今後、早期に監査に入る予定と聞いております。保育所運営のための適切な指導が行われるものと認識しております。厚生労働省としても、引き続き、社会福祉法人の経営組織のガバナンス強化の観点や適正な保育所運営の確保の観点から、保育所運営費を所管する内閣府とも連携しつつ、千葉県への助言を行うなど丁寧に支援していきたいと思います。
記者:
先ほどの最低賃金の関連で、東京や神奈川では1,000円を超える目安が出ましたけれども、地方では700円台とか、福島とかを含めて700円台に留まったわけで、実額の差は広がったのですけれども、その格差が広がったことについての大臣の受け止めと先ほどおっしゃった思い切った支援策何か具体化しているものがあれば教えていただければと思います
大臣:
今年度の引上げの目安額については、4つの地域区分別には、Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円とされ、地域間格差に配慮する観点からC、Dランクが同額、AランクとDランクの差も昨年より2円縮小となりました。これによって、目安額どおりに改定がなされれば、最高額1,013円に対する最低額787円の比率は77.7%と5年連続で改善する見込みであります。地域間格差にも配慮した審議が行われた結果だと認識しています。政府としては、中小企業・小規模事業者の積極的な賃上げを可能とするために生産性向上に向けた設備投資やコンサルティングなどの費用を助成する業務改善助成金、賃上げに積極的な企業への税制支援、生産性向上に向けた固定資産税ゼロの税制、下請け企業の取引条件改善、最低賃金引上げの影響が大きい業種の収益力向上に向けたセミナーの全国展開など、中小企業が賃上げしやすい環境整備に向けて取り組んでいます。今後は、賃上げしやすい環境の整備のための政府による思い切った支援策を図って、中小企業・小規模事業者の生産性向上支援、賃金引上げに見合った形で取引対価へ円滑に転嫁できるよう取引関係の適正化などに、これは関係大臣と連携しながら政府一丸となって取り組んでいきたいと思います。
記者:
シベリアでの遺骨の関係についてなのですけれども、先ほど大臣のお話の中で手続きは協定通り行われたということですが、結果的にとり間違いが起きたというようなことだったと思うのですけれども、まあただ起きてはいけないというような問題だったとは思うのですが、何が原因でこういうことが起きたというふうに考えているのかというのとあとロシアとの協議なのですけれどもこの事実についてはもう既にロシアには伝えられているのでしょうか。あとロシアとの協議について具体的なスケジュールとか、今後何か既に検討されているようなことがあれば教えてください。
大臣:
先ほど申し上げたとおりですが、このロシアでは骨の形質の専門家による骨の形質の鑑定、そしてその骨を持ってきて日本でDNA鑑定の専門家によるDNAの鑑定、これについては両方とも手続きは適正に行われていますが、結果として鑑定結果に違いが出ている状況にあるということであります。そして、平成30年以降は骨の形質の鑑定の専門家これも同行するようにしているということであります。そして今ロシアとの協議が開始できるように外務省への相談を始めておりますので外務省とも相談をした上でそこはしかるべく適切に対応したいと思います。
記者:
ロシア側には伝えてはいないのですか。
大臣:
今速やかにロシアとの協議が開始できるように外務省への相談を始めたところであります。
 

(了)