根本大臣会見概要

(令和元年5月21日(火)8:47 ~ 8:57 ぶら下がり)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私の方から、冒頭を申し上げます。東電福島第一原発への特定技能外国人の受入れについてであります。東日本大震災から8年2カ月が経過しました。その間、私も安倍政権の初代の復興大臣として復興の加速化に全力で取り組んで、福島県をはじめとする被災地の復興は、地元の皆様のお力もあり、大きく前進しております。こうした中で、東電福島第一原発における廃炉作業についても、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップに基づき、作業される方々の安全衛生の確保を最優先にしつつ、着実に進めております。これまでも厚生労働省では、廃炉作業に従事する労働者の安全衛生管理を徹底する観点から、「東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理対策のためのガイドライン」を策定し、東電と元請事業者等が一体となった安全衛生管理体制の構築を進めてまいりました。その中で、こうした作業に貢献いただいた方については、その作業中から従事後の長期間にわたり、しっかり健康管理していくこととしております。一方、本年4月に創設された在留資格「特定技能」の枠組みにより日本国内で御活躍される外国人の方々については、その大半が5年経過後には帰国されること、また、日本語や我が国の労働慣行に不慣れであることといった点も考慮に入れながら、こうした方々について、同じ業務に従事する日本人の方と同等以上の安全衛生水準が確保されるよう、特段の安全衛生管理体制の確立が必要であると考えております。私としては、現状において、東電福島第一原発構内外の廃炉作業をはじめとする放射線業務等に特定技能の外国人の方々に従事いただくか否かについては、極めて慎重な検討を行う必要があると考えております。今後、厚生労働省から東京電力に対し、本件に関する検討と検討結果の報告を求めることとし、本日その旨を文書で通知する予定です。私からは以上です。

質疑

記者:
明日から保険適用が開始されるキムリアについてですが、そのキムリアをはじめとして2018年度以降原価計算方式が採用された15の新薬のうち9つが総原価の詳細開示が50%以下になっています。ブラックボックスという批判があるのですが、その点、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
キムリアのように海外で製造される製品については、その原価の内訳に関する情報が公開されておらず、開示度が低くなることがありますが、その場合でも、薬価算定の過程で、日本に輸入される際の価格が、日本以外の国が輸入する際の価格と比較して大きな差違がないことなどを確認して、適切に薬価が算定できるようにしています。そして開示度が低いことによる加算率の減額については、例えば、キムリアにおいて、薬価の加算率が45%でありますが、開示度が低く、加算率が9%と減額となっておりますので、必ずしも影響が限定的であるとはいえないと考えております。
記者:
加算率の減額をもっと大きくして透明性を高めるべきだという意見もあるのですが、その点について今後どのような方針でしょうか。
大臣:
今加算率と開示度、開示度が低いものは加算率を減額する、そういう仕組みにしておりますので、今回は必ずしも影響は限定的であるとはいえないと考えています。今私が申し上げたとおりです。
記者:
現状の制度は適正だと。
大臣:
開示度によって加算率を減額していく、この方式自体は私は妥当なものだと考えています。
記者:
冒頭に発言された福島への特定技能の話ですけれども、東電への具体的な指示内容はどのようなものになるのかと今後のスケジュール感をどのように考えているのかを教えてください。
大臣:
東電には通知をいたします。その内容についてはこれから明らかにしていきたいと思います。たった今ではなくて。今回は先ほど申し上げましたが、極めて慎重な検討を行う必要があると考えていますから、労働者の安全と健康を守る観点から東京電力に対して慎重に検討するよう指示したものであって、具体的な中身、これは後ほど事務方から説明させます。
記者:
昨日就職氷河期世代の雇用対策について35歳まで助成の範囲を広げるという報道がありましたけれども、政府の方針について教えてください。
大臣:
もう一度。
記者:
就職氷河期の雇用対策について現行45歳なのを35歳以上まで拡大するという報道がありましたけれども、政府の方針についてお聞かせください。45歳以上の就職氷河期世代を雇った場合に雇用助成があるという現行の制度を35歳以上に引き下げるという報道がありました。
大臣:
人生100年時代に向けて高齢者、女性、不安定就労者などを含めた様々な立場の方が個々の事情に応じて多様な働き方あるいは柔軟な働き方、これを選択できるように中途採用の拡大に向けた環境整備などを進めていく、これが重要だと考えております。このような観点から中途採用等支援助成金についても見直しを検討しております。なお、一部報道にあったような中途採用者の年齢要件の引下げなど具体的な見直し内容については現時点では決定しておりません。
記者:
冒頭のご発言について、先ほどのご案内では、いわゆる廃炉作業に従事する作業員ついてはそういった特定技能の範囲にならないようにというというところでご発言があったと思うのですが、いわゆる除染作業についてもこういった技能実習生が従事しているというような情報もある中で、今回の通知にはそういった点は含まれるのでしょうか。
大臣:
先ほども、私は申し上げている通りであります。現状において、東電福島第一原発構内外の廃炉作業をはじめとする放射線業務等に特定技能の外国人の方々に従事していただくか否か、これは極めて慎重な検討を行う必要があると考えておりますので、先ほどの私が申し上げたような東電に対して本件に関する検討と検討結果の報告を求めるように、文書で通知すると、こういうことであります。

(了)