根本大臣会見概要

(令和元年5月7日(火)9:30 ~ 9:42 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭、特にございません。

質疑

記者:
今日は、令和最初の会見になります。新しい時代が始まったご感想と厚労行政の展望をお願いします。
大臣:
4月30日の退位礼正殿の儀、5月1日の剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀に出席をいたしました。極めて厳かな雰囲気の中で、私にとっても、平成の30年余りの間を振り返るとともに、新たなる令和の時代も、国民の皆様が安心して、希望する暮らしや働き方ができる時代にしたいという思いを新たにいたしました。新たな令和の時代は、急速な高齢化から、現役世代が減少し、社会保障も新たな局面を迎えます。AIなど技術革新が進む一方で、単身世帯の増加や地域でのつながりの希薄化など、社会が大きく変わっていきます。従来から話している通り、社会保障にしても、医療、介護、福祉、年金、雇用保険といった、制度としての社会保障の殻に閉じこもることなく、農業、住宅、金融、あるいは食事などにウイングを広げ、外の発想を積極的に取り入れて、安心できる社会保障や働き方の実現を目指していきたいと思います。私も令和の時代を迎えて改めて平成の時代を振り返ってみると、私が初当選したのは平成5年で、これはまさにその前にバブルが崩壊して、私が政治活動をスタートしたのはまさにバブル崩壊の最中でありました。その意味で、私も経済、あるいは社会保障という点で振り返ると、経済についてはバブルが崩壊して資産デフレが深刻化して、不良債権問題という大きな壁が立ちふさがっていました。私もその当時、不良債権処理問題をはじめ、金融再生、産業再生、そして、経済の再生に取り組みました。さらに安倍政権は、アベノミクス、新三本の矢、一億総活躍、そして、働き方改革と、こういう大きな施策の展開の中で政治家として仕事をしてきました。そして、社会保障は、私が当選した次の年の平成6年、これがまさに1.57ショックを受けて、少子化対策、エンゼルプランを策定しました。私は、当選後、一期・二期は主軸を置いたのは厚生、社会保障と金融財政でしたから、その意味であの時のことを振り返ると少子化対策に初めて取り組んだ、そして、介護保険制度の導入、これは私が政務次官の時に取り組みました。そして、年金改革、さらにその中で今やっているのはまさしく全世代型の社会保障制度、その意味では、この平成の時代のちょうど令和の時代を迎えるまで、私も経済再生や、あるいは社会保障改革、そのど真ん中で仕事をさせていただきました。そういう立場から見ると、これからの令和の時代、私は厚生労働行政の役割、意義は平成の時代での国政の大きな課題を担ってきたのは厚生労働行政ですし、令和の時代はますます厚生労働行政の重要性が高まる時代だと思います。世界に冠たるわが国の社会保障制度、これはこれまで先人の皆様の努力、そして、我々も厚生労働省が一丸となって現在の社会保障制度を作り上げてきたわけでありますが、今、新たに働き方改革という、あるいは女性活躍もそうですが、新たな必要な時代のニーズに応えて今、取り組んでいますが、その意味ではこれからも厚生労働省の皆さんにはやりがいと自信と誇りを持って取り組んでもらいたいと、その先頭に立って私が厚生労働の施策を前に進めて行きたいと思います。そして、夏に向けては、今国会で審議いただいている3法案の他、児童虐待に関する改正法案、薬機法等の改正法案もあるので、早期成立に全力をつくしていきたいと思います。また、未来投資戦略や骨太の方針の策定に向けた動きがあります。厚生労働省としては、まさに令和の時代を迎えて2040年を展望した社会保障・働き方改革の取りまとめを予定しております。誰もが安心して活躍できる社会の実現に向けて、改革の考え方をお示ししていきたいと思います。
記者:
一部メディアの報道についてなのですが、最低賃金に関し自民党が夏の参議院選の公約と共にまとめる政策集に一律化を明記する方向で調整していると報道しましたが、これについての大臣の受け止めを伺えますでしょうか。
大臣:
自民党で最低賃金の一律化について議論される議連の動きがあることは承知しております。党の政策等については、今厚生労働大臣としてはコメントは差し控えたいと思います。最低賃金の全国一律化については、いくつかの課題があります。具体的には賃金だけではなくて、県民所得や企業の付加価値生産性など、経済指標に大きな地域間格差があること、最低賃金額を地域ごとの物価水準の差を反映せずに一律に定めることは、中小企業を中心として労働コストが増加することによって経営が圧迫され、かえって雇用が失われる面があるなどの課題がありますので、慎重な対応が必要であると考えています。しかし今働き方改革実行計画等において、「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率も配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重平均が1000円となることを目指す。」とされていることを踏まえて、最低賃金の引上げに今取り組んでおります。経済の好循環の拡大に向けて最低賃金の継続的な引上げは重要でありますので、今後ともしっかり取り組んでいきたいと思います。
記者:
そうしますと最低賃金の底上げについては必要だということで最低賃金の一律化の必要性についてはコメントを控えるというそういった回答でよろしいでしょうか。
大臣:
要は党の政策集等について色々な議論があるというのは承知しておりますが、私の立場からはその点についてはコメントを差し控えたいということであります。
記者:
米中関係の話題なのですけれども、トランプ大統領の中国への関税の引き上げの表明で海外経済の不確実性が高まっていますけれども、場合によっては雇用への影響など今後懸念されることも出てくるかもしれませんけれども、厚労省としてはどういった対応を念頭に置いて動向を注視していきたいとお考えでしょうか。
大臣:
趣旨をもう一度言ってもらえますか。
記者:
トランプ大統領の関税の引き上げの表明で経済への悪影響が出るかもしれないという状況だと思うのですけれども、厚労省としてはどういった対応というかどういった観点に注目して動向を注視していきたいかと。
大臣:
今の日本経済、確かに、特にアメリカ・中国の海外要因、これは日本経済には影響ありますので、そこはどういう影響があるかというのを見極めていかなければならないと思います。ただ、要は厚労省の行政は社会保障制度を担う、そして雇用対策、働き方改革、これは我々の行政というのはその目の前の経済の動きそれはありますけれども、やはりこれは、骨太の政策をやっているのは厚生労働行政ですから、そこは景気対策等々の点では必要な対策は当然必要であれば我々も具体的な政策のタマを出しながらやりますが、今の段階でのご質問ではそこは動向を見極めたいということだと思います。

(了)