根本大臣会見概要

(H31.3.29(金)10:23 ~ 10:38 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から、4点申し上げます。まず、平成31年度予算の成立についてであります。3月27日に、平成31年度予算が無事成立しました。改めて感謝を申し上げたいと思います。今回の予算については、消費税率引上げによる財源も活用して、人生100年時代を見据え、全世代型社会保障の基盤を強化するものとなっています。主なものを申し上げると、子育て安心プランに基づき、保育の受け皿を更に整備することにより、待機児童の解消を図るとともに、幼児教育・保育の無償化を行うなど、子ども・子育て支援を大幅に充実します。また、年金生活者支援給付金の支給、介護保険料の更なる軽減強化など、高齢者に対する支援を充実します。さらに、地域医療介護総合確保基金の増額、医療情報化支援基金の創設、介護人材の処遇改善など、国民が安心して必要な医療・介護を受けられるよう取り組みます。このほか、働き方改革や生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者への支援、水道施設の耐震整備等を拡充します。今後、これらの予算を、着実かつ効果的に執行していくことが重要であると考えており、関連法案の審議を含め、しっかり取り組んでまいります。次に、有効求人倍率についてであります。平成31年2月の有効求人倍率は1.63倍と、前月と同水準となりました。また、正社員の有効求人倍率は1.15倍と、前月より0.01ポイント上昇しました。現在の雇用情勢は、着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移していると判断しています。次に、障害者手帳のカード化について申し上げたいと思います。本日、身体障害者福祉法施行規則等の一部を改正する省令が公布されました。これにより、4月1日から自治体の判断により、カード形式の身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を交付することが可能となります。このカード形式の手帳は、このようなイメージです。こう、拡大していますが。素材はプラスチックを想定しており、サイズはクレジットカードや免許証と同じサイズで、財布に入れられるようになります。現在の紙の手帳と比較して、丈夫で持ち運びやすくなるので、障害者割引を利用するために駅などの公共交通機関で提示する際に使いやすくなるなど、私は障害者の方からも直接お聞きしておりますが、障害者の方々の利便性の向上につながることが期待されます。障害者手帳の発行主体となる自治体においては、カード化に向け、積極的に検討を行っていただきたいと思います。次に、政策参与の任命について申し上げます。昨日、農福連携に係る政策対話を実施しました。農福連携に取り組まれている3団体の方々にご参集いただき、施策の推進に向け忌憚ない意見交換ができ、非常に有益な会となりました。今回の私のコメントは、農福連携の推進という形でのコメントをいたしますが、現場のニーズに即して、制度論に踏み込んだ議論もあり、政策を立案する立場にある担当大臣として、より踏み込んだ検討を行っていく必要性を改めて認識しました。このため、農福連携を具体的に進めて行くにあたり、厚労省としてやはり農林水産分野の知見を活かしながら農福連携を進めたい、私は農福連携は非常に障害者の皆さんにとっても大事だし、地域の農業の活性化にとっても効果があると思っていますから、このサポートを行う政策参与として、一般社団法人日本農福連携協会会長で元農林水産事務次官である皆川芳嗣さんを、近日中に任命することにいたしました。農福連携にとどまらず、2040年を見据えた社会保障改革を進めるにあたっては、従来の厚生労働行政の枠組みにとらわられずに、社会保障改革の新たな展開として、様々な関連分野の展開の視点を取り込むことが必要と考えています。今後、私もこういう分野で政策対話を続けていきたいと思いますが、住宅分野、金融分野などの取組みについても幅広くお話を伺っていきたいと考えています。私からは、以上です。

質疑

記者:
昨日、医師の働き方を考える、議論する検討会で、一部の医師の残業時間について年間1860時間まで認めるなどを盛り込んだ報告書がまとめられました。過労死遺族や医師からは過労死ラインを大幅に上回っているということで、反対の声も挙がっています。この時間外労働について再考もあり得るのか、大臣のお考えを聞かせてください。
大臣:
まず、厚生労働省としては、医師の長時間労働の短縮に向けて、全力で取り組む決意であります。今回、報告書においてとりまとめられた医師の時間外上限規制については、2024年4月以降、診療に従事する勤務医に適用される一般的な時間外上限時間の水準を、月100時間未満、年960時間として、①地域医療確保のためにやむを得ず医療機関を限定した上で設定する暫定的な特例水準、②集中的に自らの技能を向上させたい医師に適用される特例水準については年1860時間とされております。検討会においては、地域医療確保暫定特例水準の1860時間について、「賛同できない」とするご意見があったこと等も明記した上で、医師の長時間労働を変えていく必要性について構成員の立場を超えて共有され、報告書が取りまとめられたものと承知をしています。こうした上限時間が適用される医師の健康を確実に確保していくため、検討会報告書においては、一般の労働者にはない健康確保措置の実施を医療機関に義務付けることが併せて盛り込まれています。具体的には、①28時間の連続勤務時間制限及び9時間の勤務間インターバル確保等を義務化する、②面接指導により個人ごとの健康状態をチェックし、医師が必要と認める場合には、労働時間や当直回数を削減する「就業上の措置」を実施するということであります。また、地域医療確保暫定特例水準の1860時間は、あくまでも年間の時間外労働の上限時間であり、対象医療機関や対象の医師を限定した上で、2035年度末を目標として960時間まで下げていくまでの暫定的な水準であります。この水準が適用される医療機関に対して、重点的に医師の労働時間短縮に必要な支援策を講じ、着実な労働時間の短縮を促していきたいと思います。なお、今回の報告書において、法的な措置が必要と思われる事項について引き続き検討を進め、必要かつ適切な対応を行っていきたいと思います。
記者:
昨日、児童虐待について緊急の安全点検の結果が公表されまして、そしてその中で対象の子どもが38000人でした。そのうちの170人が深刻な虐待を受けているということで親から引き離す措置が取られたのですが、この結果についての大臣の受け止めと、これまで170人が在宅での指導になっていたことについて見逃すリスクがあったのではないかという声もあるのですがそのあたりについて考えをお願いします。
大臣:
今のお話のように今回の安全確認の結果、援助方針が見直された子どもは4061人であり、このうち親子分離を行い施設入所措置や里親委託、一時保護等を行った児童は170人となっております。この170人については、状況の変化からリスクの高まりを認知し、適切に対応をしたもの、これに加えて、今回の野田市における重篤な事案を踏まえた緊急安全を行うことにより、より意識が高まったという面もあると考えられます。安全確認の結果、必要な安全確保が行われたと考えております。
記者:
170人という数、親子分離の措置が取られたことの受け止め、まあ多いですとか、想定より少なかったですとかそのあたりの受け止めがあれば教えてください。
大臣:
170人については私、既に申し上げましたが、一つは状況の変化があってリスクの高まりを認知し、適切に対応をしたものに加えて、今回の野田市における重篤な事案を踏まえた緊急安全確認を行うことによってより意識が高まったという面もあると考えられます。安全確認の結果、必要な安全確保が行われたと考えています。丁寧にもう一度お答えしました。
記者:
本日内閣府がひきこもりに関して40歳から64歳の初めての調査の結果を公表しまして、推計で613000人の方がいらっしゃるというということなのですけれども、その受け止めと支援策についてどうお考えですか。
大臣:
大人のひきこもり、これは新しい社会的な問題、課題だと思います。これはひきこもりの61万人ということが内閣府で調査されたと承知をしていますが、これから大人のひきこもりということでそこは様々な検討分析を加えて適切な対応をしていくべき課題だと思います。
 
 

(了)