根本大臣会見概要

(H30.12.21(金)11:23 ~ 11:37 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
それでは私から、平成31年度予算案等についてお話をいたします。本日の閣議で、平成31年度予算案、平成30年度第二次補正予算案が決定されました。平成31年度予算案においては、人生100年時代を見据え、全世代型社会保障の基盤強化に取り組むため、必要な予算を確保しました。具体的には、消費税率引上げによる初年度増収分の概ね半分、公費8,100億円程度を活用して、子ども・子育て支援の充実、高齢者に対する支援の充実、医療・介護の充実などを行うこととし、厚生労働省予算全体としては、一般会計で32兆351億円、前年度に比べて2.9%増の予算を確保しました。これは、過去最大の規模となります。また、平成30年度第2次補正予算案については、「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」のうち、速やかに着手する必要がある水道施設、災害拠点病院、社会福祉施設等の耐震化整備、非常用自家発電設備の整備等を行うため、1,355億円の予算を確保しました。今後、通常国会で予算審議がありますが、これらの予算を効果的に活用し、国民の生活を将来にわたりしっかりと支えていけるよう、取り組んでいきたいと思います。詳細については、この後のブリーフィングで、事務方にお尋ね下さい。

質疑

記者:
二問お伺いします。まず先ほどお話いただいた予算案についてですけれども、来年度予算案の大臣としての全体のご評価とまた特に込めた思いがあればお聞かせください。それが一点です。もう一点が妊婦加算についてです。先日の中医協でも答申がありましたけれども、調査、検証がないままで早期凍結に批判の声もあり、その後も日本医師会からも疑問があるという声もあがっております。そういったことに関しての受け止めをお聞かせください。
大臣:
平成31年度予算案においては、消費税率引上げによる財源も活用して、人生100年時代を見据え、全世代型社会保障の基盤強化に取り組んでいくこととしています。具体的に主なものをいくつか申し上げますと、子育て安心プランに基づき、保育の受け皿を更に整備することにより、待機児童の解消を図るとともに、幼児教育・保育の無償化を行うなど、子ども・子育て支援を大幅に充実することとしています。また、高齢者に対する支援の充実を図るため、年金生活者支援給付金の支給、介護保険料の更なる軽減強化などを実施します。さらに、地域医療介護総合確保基金の増額、医療ICT化促進基金の創設、介護人材の処遇改善など、医療・介護の充実を行い、国民が安心して必要な医療・介護を受けられるよう取り組んでいきます。このほか、働き方改革や生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者への支援、水道施設の耐震整備等を拡充して進めていくこととしています。これらの予算を効果的に活用できるよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。次に妊婦加算の問題ですが、妊婦加算について、私は先日も申し上げた通り厚生労働大臣としてこの加算の趣旨に立ち返り、医療保険制度や診療報酬体系の中での妊婦加算の在り方について改めて考えました。妊婦の方がより一層安心して医療を受けられるようにするという、妊婦加算が目指すものは依然として重要ですが、このような取組みをご納得いただくためには、通常よりも丁寧な診療が妊婦の方の目に見えて、実感できる仕組みとしていくことが必要と考えました。このようなことから、妊婦の方への診療に熱心に携わっていただいている医療関係者のみなさまには申し訳ありませんが、妊婦加算については、いったん凍結する判断をし、19日の中医協に諮問しました。これに対し、同日、妊婦加算に対する誤解と不安がある現状においては、凍結の措置もやむを得ない、との答申をいただいたところです。あわせて、妊婦の方々が安心できる医療提供体制の充実や健康管理の推進を含めた総合的な支援について、有識者も含めてしっかりとご議論いただくこととし、その上で、妊婦の方への診療の評価の在り方について、改めて中医協で議論していただきたいと考えています。今回の諮問が性急に行われたのではないか、という指摘があることは承知しています。ただ、繰り返しになりますが、前回の記者会見でも申し上げましたけれども、妊婦の方がより一層安心して医療を受けられるようにするという、妊婦加算が目指すものは依然として重要ですが、妊婦加算の趣旨・内容が国民に十分理解されず、誤解と不安を与えている現状では、妊婦加算の算定を継続することは難しいと考えて、妊婦の方への診療に携わっていただいている医療関係者のみなさまには申し訳ありませんが、厚生労働大臣として、妊婦加算について、いったん凍結するという判断を行ったものであり、性急に判断したとは考えていません。そして19日の中医協への諮問・答申を答申として有識者でしっかりとしたご議論をいただき、その上で妊婦の方への診療の評価の在り方について改めて中医協で議論していただくというプロセスでこの問題の対応については適切に対応していきたいと思います。
記者:
予算の関連について質問なんですけれども、社会保障予算2.9%増の過去最大ということですけれども、国の財政全般を見ますと財政の健全化というのも必要な課題でして、厚労省予算で重点化や効率化ということも必要だと思います。その点から今回の予算はどのようなご努力をされたりですとかどのように取り組まれたのでしょうか。
大臣:
当然、厚労省の予算についても重点化・効率化を考えていますし、今回の具体的な対応を改めて申し上げると、まず社会保障の実質的な伸び、これについては自然増の6,000億円から既に実施が決まっていた制度改正等の効果を積み重ねることによって4,800億円程度まで伸びを圧縮しています。また、平成31年度の社会保障関係費の実質的な伸び4,800億円程度は基本方針骨太2018の高齢化による増加分に相当する伸びに収まっています。そして内訳としては骨太2018の高齢化による増加分は人口構造の変化に伴う変動分と年金スライド分からになりますが、平成31年度予算においては人口構造の変化に伴う変動分がプラス4,700億円、年金スライド分がプラス100億円で合計プラス4,800億円となっております。財政の健全化とそして社会保障の充実強化と私は両方を兼ね合わせて今回の予算しっかりと取り組んだと思っております。
記者:
昨日の諮問会議で新経済・財政再生計画の改革工程表が了承されました。この改革工程表についての評価と言いますか受け止めと、また財務大臣との予算折衝の中ではこの改革工程表の着実な実行ということが盛り込まれましたけれども今後給付と負担のバランスの見直しについてどのように進めていくお考えでしょうかというこの二点をお伺いできますでしょうか。
大臣:
改革工程表については、もう示されてますから、我々これは今回の予算の中でも着実に実施してまいります。それから給付と負担の見直しについては必要な給付と負担の見直しについては我々常にやっております。ただこれから2040年代の社会保障制度の改革をもう既に打ち出しておりますが、健康寿命の延伸やあるいは生産性の向上といった柔軟な働き方、こういうある種構造的な問題についてしっかりと取り組んで、そして合わせて今までもそうですが必要な給付と負担の見直し、あるいは効率化・重点化こういうものも合わせて取り組んでいきたいと思っております。
 

(了)