根本大臣会見概要
(H30.12.25(火)11:20 ~ 11:31 省内会見室)
【広報室】
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 冒頭、私の方から、二点申し上げたいと思います。一つは、認知症施策推進関係閣僚会議等についてお話をいたします。本日、「認知症施策推進関係閣僚会議」が新たに設置され、第一回の会議を開催いたしました。本会議は、認知症に係る様々な課題について、関係府省庁連携の下、政府一丸となって施策を推進するため設置したものです。会議では、安倍総理より、認知症施策が喫緊の課題であるという認識のもと、更に有効な施策を検討し、速やかに実行に移していく必要があり、施策の取りまとめに向けて早急な検討を進めるよう、指示がありました。認知症施策は国を挙げて取り組むべき課題であります。現在も我が国の認知症国家戦略である新オレンジプランに基づき施策を推進し、順調にプランが進んでいるところです。新たな体制のもと、引き続き認知症の方やご家族の方が安心して暮らせる社会を実現すべく、「共生」と「予防」の2本柱のもと、関係省庁と連携しながら、更に効果的に施策を進めてまいります。次に、医学部医学科の不適切入試への対応について申し上げたいと思います。医学部医学科における不適切入試への対応について、追加入学者が発生することで2019年度の受験生へ影響を及ぼさないよう、特例的な対応を取ることといたしましたので、厚生労働省としての考えをお示ししたいと思います。今般の医学部医学科の不適切入試への対応については、入試の公正性の確保等に関する問題であり、文部科学省において、適切に対処すべき問題ではありますが、ご承知の通り、厚生労働省としては、医学部定員の在り方について、医師需給に大きく影響することから、これまで、医師の需給推計等の検討を行いながら、文部科学省と協力して対応してまいりました。このたび、文部科学省においては、不適正な入試によって入学機会を得られなくなる可能性のある受験生の方のことを考え、追加合格による募集人員の減員を緩和することを認めるという対応を行うと承知しています。現時点で、追加入学者の人数等が確定していない状況と聞いていますが、厚生労働省としては、受験生への配慮として、特例的に、一時的な定員超過を認めたとしても、2020年度以降に一定の期限を設けて需給調整を行うことであれば、中長期的な医師の需給へ影響を及ぼさないと考えています。詳細については、年明けに、事務的に検討を進めることになりますが、受験生の方が安心して2019年度の入試に臨むことができるよう、引き続き、文部科学省と協力して適切に対応を行ってまいりたいと考えております。私の方からは、以上です。
質疑
- 記者:
- 6月1日現在の障害者雇用率が発表されまして、厚労省は法定基準を満たしていますが、国の基準は1.22%と法定雇用率の半数にも満たない状況です。これについて、大臣のご所見と四千数人の採用に向けた現在の状況を教えてください。
- 大臣:
- 本日発表した、平成30年国の機関等における障害者雇用状況の集計結果では、平成29年の再点検結果と同様、国の多くの機関で障害者の法定雇用率を達成していない状況が明らかとなりました。10月の関係閣僚会議において決定した公的部門における障害者雇用における基本方針により、検証委員会の結果に基づいて、再発防止策を講ずるとともに、障害者の活躍拡大に向けて取り組むこととしております。これは、我々が取り組んできたところであります。厚生労働省としても、さらにしっかり取り組んでいきたいと思いますが、障害者雇用促進法においては、法定雇用率を達成していない公的機関は、法定雇用率の達成に向けた障害者採用計画を作らなければならないとされており、その計画期間は、関係法令により一年間とされており、各府省が策定した計画に沿って取組みを進めていただきたいと思います。さらに、今、各省庁を挙げてこの問題に取り組んでおりますが、厚生労働省としても障害者雇用に精通したアドバイザーを選任し、各府省が専門的な助言を受けることができる体制の整備、ハローワークにおける積極的な職業紹介等により各府省の取組みを最大限支援していきたいと思います。
- 記者:
- まず認知症の施策推進関係閣僚会議についてです。これまで厚労省での施策は認知症になった方への支援策に比較的重点を置かれて認知症になっても自分らしく暮らせる社会を目指すというメッセージを発信してきたと思います。今後予防の方にも重点を置かれるということであると、これまでのメッセージと矛盾も生じる可能性があると思いますが、大臣のお考えを教えてください。
- 大臣:
- 認知症は誰もが関わりうるものであって、これまで新オレンジプランで進めてきたように、今お話がありましたが、引き続き認知症になっても暮らしやすいまちづくりを中心とした「共生」を柱としながら、「予防」も新たな柱として、「共生」と「予防」の二本柱のもとで施策を推進していきたいと思います。まず、「共生」では今まで我々が取り組んできましたけれども、認知症サポーターの既受講者で、更に本人の希望により「ステップアップ講座」を受講した方に、認知症の方の見守りや話し相手など直接的な支援を担っていただくなど、地域の方々の参画を進めるとともに、認知症の方が日常の買い物や金融機関・交通機関などをスムーズに利用できる環境などの取組みを推進していきます。私も認知症のサポーターの講座を90分受けましたが、やはり認知症の方に寄り添って対応するということが大事だということをさらに私も改めて感じました。もう一つの柱の認知症の「予防」、これについては、現在各国で日常生活と予防効果に関する研究が行われているところであって、WHOでも注目されています。例えば、ランセット、これは最も権威ある医学誌の一つですが、ランセットに掲載された論文では社会的孤立、運動不足などを予防可能な認知症の危険因子としています。このように運動や人との交流によって発症を遅らせるという意味で予防ができる可能性が示唆されており、日常生活の中での予防や予防に関する研究開発を進めていることが重要だと思います。要は予防することによって発症を遅らせる、健康寿命が延びると、こういう可能性がありますからこれは予防の取り組みも大きな柱としてこれから取り組んでいきたいと思います。具体的には高齢者が地域で集い体操などを行う場を歩いていけるぐらいの範囲で多数用意することや、住民1万人規模の大規模追跡調査など、予防のエビデンスの確立に向けた研究開発等を推進していきたいと思います。新たな体制において関係省庁との連携の下、厚生労働省が中心的役割を果たし、認知症施策を推進していきたいと思います。
- 記者:
- もう一点、別件で、首都圏で有料老人ホームを運営する会社の入居者から預かった入居一時金のうち、26億円が消失していたとの報道がありました。有料老人ホームの所管の厚労省として、財務状況に関する監督を強める等の対応をとるお考えはあるのでしょうか。教えてください。
- 大臣:
- 今の事案については調査をしてしっかり確認をしていきたいと思います。
(了)