根本大臣会見概要

(H30.11.20(火)9:18 ~ 9:26 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭、特にございません。

質疑

記者:
学童保育の基準緩和に関して、お尋ねいたします。厚生労働省は昨日の地方分権改革有識者会議で、学童保育の人材不足を受けて、職員の複数人配置義務を撤廃する方針を示しました。保護者などからは保育の質の低下や子どもの安全面を不安視する声が挙がっていますが、こうした声に対する大臣のご見解をお伺いいたします。
大臣:
昨日の地方分権改革有識者会議において示された閣議決定の内容案、放課後児童クラブの配置基準と資格要件の「従うべき基準」について、「参酌すべき基準」とするものです。要は、「従うべき基準」を「参酌すべき基準」にすると。一部報道で、基準を撤廃するとされておりますが、国の基準を撤廃するものではありません。「従うべき基準」から「参酌すべき基準」にするということです。今回の措置は、地方からの要望を踏まえて、全国一律ではなくて、質の担保を図った上で自治体の責任と判断により、地域の実情に応じて運営を行うことを可能にする、要は、地域の条例で書くわけですから、自治体の責任と判断によって地域の実情に応じて運営を行うことを可能とするものと考えております。厚生労働省としては、放課後児童クラブの質が確保されるよう、放課後児童支援員に対する研修実施によって支援員の質の向上を図ること、放課後児童支援員の処遇改善の推進、例えば、平成29度から、放課後児童クラブにおける勤続年数や研修実績等に応じた処遇改善事業を実施していますが、一例を言えば、例えば、認定資格研修を受講した者には、1人当たり年間12.5万円の対応をすると、いくつかの具体的な処遇改善事業を実施しております。利用者の目線から、放課後児童クラブの活動内容の評価も推進する等を行って、放課後児童クラブの質の確保に努めていきたいと思います。厚生労働省としては、地方分権改革有識者会議において示された閣議決定案の内容をしっかりと受け止めた上で、年末の閣議決定に向けて、与党等と相談しながら適切に対応していきたいと思います。
記者:
風しんについて伺います。今日の発表で今年の患者が2千人を超える可能性も出てきていますが、職場で感染をしてそれを自宅に持ち帰るというそういったケースも多いという指摘が出ております。広く感染の予防を呼びかける必要があると思うのですけれども改めて厚労省としてどのような対策が必要と考えているか教えてください。
大臣:
本年7月以降、関東地方等での風しんの患者数が増加しています。全国では、11月5日から1111日の1週間で139例の報告があり、現時点での年間の累積報告数、これは2,032例となっています。その中には職場で感染があったということも報告がされております。風しんについては、現状、30代から50代の男性の患者数が多いと指摘されており、事業者側の協力を得ながら取組みを進めることが必要と考えています。厚生労働省としては、都道府県労働局等を通じて、事業者に対し、従業員が抗体検査や予防接種のために医療機関等の受診を希望した場合に配慮すること等を周知し、協力を求めているところであります。今後の対策としては、効率的・効果的に抗体検査や予防接種が実施できる体制を構築して、抗体価の低い方を減らしていくことが重要だと考えています。更なる対策に向けて、事業者側との連携の方策も含め、風しんの感染状況や抗体検査の実施状況、ワクチンの需給状況等を踏まえながら、速やかに検討していきたいと思います。
記者:
外国人労働者の関係なのですが、一部報道でなりすまし防止に向けて外国人が医療機関を受診した際に在留カードなど顔写真付きの身分証の提示を求める方針を政府が固めたとありますが、事実関係となりすまし防止に向けてどのような取組みが必要か大臣の見解をよろしくお願いします。
大臣:
政府として、他人の保険証を流用して受診するいわゆる「なりすまし」の問題に関し、受診時に在留カードの提示を求める方針を固めたという事実はありません。いわゆる「なりすまし」などで不正に保険診療を受けるといったことは、公的医療保険を悪用する犯罪にも関わる行為であり、厳正に対処するとともに、未然に防ぐ取組みも併せて実施していくことが必要だと考えています。このような問題意識のもとで、本年5月から7月にかけて、外国人の診療が多い医療機関に対するヒアリングを行ったところ、例えば、外国人が多く受診する医療機関においては、日本人・外国人を問わず国籍を確認した上で、在留カード等の提示を求めるといった取組みを行っているということであったとのことでありました。入管法上在留カード、パスポートには携帯義務があります。携帯義務がありますから在留カードの提示を求めるといった取組みを行っている医療機関があるということだと思います。この問題は、国籍を問わず生じ得る問題であるので、その点にも留意しながら、どのような対応が可能か、与党での議論も踏まえつつ、対応を検討していきたいと思います。

 

(了)