加藤大臣会見概要

(H30.9.7(金)10:45 ~ 11:06 会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭4件ございます。ここにもポスターを貼っておりますけれども、「自殺予防週間」の実施についてであります。自殺対策基本法においては、9月10日から9月16日までの1週間を「自殺予防週間」と位置付けており、啓発活動等を広く展開することとしています。期間中、関係省庁、地方公共団体及び民間団体等と連携協力を図りながら、ポスターの掲示、インターネット広告等を通じた、集中的な啓発活動を行います。特に、悩みを抱えている人がYahoo!Japan特別企画ページからSNS相談につながることができるようにするほか、こころの健康相談統一ダイヤルの回線を増設するなど、相談支援を重点的に行ってまいります。この週間を通じて、国民お一人お一人が自殺対策の重要性に関して、理解と関心を持っていただけるようにしていただきたいと思います。それから2点目でありますが、第三者検証委員会についてであります。先月末に開催されました「公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議」において設置することとなりました第三者による検証の場として、本日、弁護士等を構成員とする「国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会」を設置することといたしました。検証委員会の構成員はお手元に配ってあると思いますが、松井、村瀬、渕上のお三方が弁護士、福井氏が行政監察についての有識者、今野(いまの)氏が障害者雇用施策に造詣の深い有識者としてご参画をいただき、委員長には松井氏にお願いをしております。事務局は、内閣官房と厚生労働省が共同で行うことにしております。なお、補助的な方を必要に応じてお願いをしていきたいと思っております。第1回の検証委員会を、9月11日火曜日の10時から開催し、10月中をめどとした閣僚会議のとりまとめに向けて、検証委員会としても調査をし報告をまとめていただきたいと考えております。また、本日お配りをさせていただきましたが、立法機関及び司法機関における障害者の雇用の状況に関する再点検結果について公表いたしました。それぞれにおいて行政機関同様に再点検後に報告のあった障害者数が減少しているという状況でございます。大変遺憾なことだと考えております。それから、待機児童に関してでありますが、本日、平成30年4月時点の「待機児童の解消に向けた取組の状況」を公表いたします。待機児童対策につきましては、安倍政権の最重要課題の1つとして取り組んでまいりました。今回、待機児童が平成29年4月より約6千人の減少となり、10年ぶりに2万人を下回ったところであります。ただ現在も保育所に預けられない親御さんがまだ2万人近くいらっしゃるということであります。この事実を真摯に受け止めて、引き続き、待機児童解消に向け地方公共団体ともよく連携を取りながら取組を推進していきたいと考えております。また、保育の受け皿につきましては、平成25年4月に作成した「待機児童解消加速化プラン」に基づいて5年間の保育の受け皿整備量の実績が約53.5万人となり、政府目標である50万人を達成したところであります。また、昨年6月に公表した「子育て安心プラン」は、待機児童を解消するとともに「M字カーブ」が解消された場合の受け皿を整備するために作成されたものであり、必要な保育の受け皿を32万人分と推計しているところでございます。一方、今回の調査に当たっては、各市区町村に2020年度末までに待機児童を解消する計画を策定していただきお出しをいただきました。この市区町村の3年間の計画の積上げに企業主導型保育の整備予定量を加えた合計の受け皿拡大量は、約29.3万人となっております。市区町村の計画は、毎年度見直すことになっております。直近の待機児童の状況等を踏まえつつ、潜在的ニーズも含めた保育の利用動向を適切に把握していただき、それを反映した受け皿整備がなされるよう政府としても最大限支援をしていきたいと考えております。それから最後4点目でありますけれども、公認心理師試験に関してであります。平成30年北海道胆振東部地震の被災状況を踏まえ、9月9日に第一回の公認心理師試験を予定しておりますが、北海道会場については、2か所で行うこととしておりましたが、同日の試験を中止し後日追加の試験を行うこととしております。詳細については、厚生労働省及び日本心理研修センターのホームページをご覧いただければと思います。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
待機児童についてなのですが、10年ぶりに2万人を下回り減少に転じたということでまずはそれについての受け止めと、とは言っても自治体によっては100人以上増えているところもあり今後待機児童ゼロを目指し実現するにあたってどのような点が大きな課題であるかというご認識を教えていただけますか。
大臣:
まず認識は先ほど申し上げた通り、確かに10年ぶりに2万人を下回りましたけれども、それでもまだなおかつ2万人近い待機児童の方あるいは保護者の方がいらっしゃるわけでありますから、一日も早くその解消に取り組んでいきたいと思います。具体的な対応ということでありますけれども、今回当初に比べて整備量が、毎年そういう傾向にあるのですけれども、見込みに比べて実際は減少している、そういう現象の中でやはり土地物件の確保、運営事業者の選定等に時間を要しているということ、あるいは近隣の住民との調整、それからやはり保育士の確保、こういった観点がありますのでそれぞれについてきめ細やかな支援をしていきたいと思います。特に保育士確保に関してはやはり処遇改善ということでこれまでも取り組んできております。実際いわゆる賃金構造基本統計調査等によっても平成25年を底に310万円だった保育士の平均の給料が平成29年には342万円まで上がってはおります。それに加えて平成29年度においては技能・経験によって月額最大4万円の処遇改善も図ることにし、さらに来年の秋には消費税の引上げを財源としてさらに1%の賃上げを行うこととしているところであります。こういった施策をしっかりと展開することによって一日も早い待機児童の解消を図っていきたいと考えております。
記者:
もう一点でありますけれども北海道の地震に関連しまして、依然広い地域で断水が続いております。これについて復旧のめどはたっていますでしょうか。
大臣:
水道については札幌市の一部、安平町、厚真町、むかわ町などの34市町村において、約3万8千戸が断水をしていると認識をしております。これは主としては停電に伴って電気設備が稼働できていないことがしかる理由だと承知をしております。また札幌市や苫小牧市など多くの水道施設が非常用自家発電設備があって、これらの地域の浄水場は現在も稼働はしているところであります。ただ、こうした稼働している設備にも燃料が必要であります。それからそうした非常用電源設備がないところもありますから、そうしたところの追加的な燃料、あるいは電源の調達、これについて自治体の要請を踏まえて経済産業省にも支援の要請をしており、現在、さらに支援が必要な水道施設が他にないかどうか、それぞれの市区町村、水道事業者に確認作業を行っているところでありますので、引き続き北海道、市町村、経産省とも連携をして一日も早く断水の解消が図られるように取り組んでいきたいと思います。
記者:
障害者雇用に関してなのですけれども、第三者委員会の5人の方で構成されておりますけれども、この方々のお選びになった狙いといいますか意図というのが一点と、あと独立行政法人についての調査を今後どうしていくのかについてもお願いします。
大臣:
まず一つはこの検証委員会においては各省庁によってなぜこういう事象が起きたのか、またそれと関連して厚労省における各省庁の対応というものが適切だったのか、こういった観点から検証していただくということであります。法律、法令に則った対応ということでありますから、そういったことに詳しい弁護士の方、あるいは行政監察ということにもつながりますから行政監察の有識者、それからやはりこの障害者雇用施策そのものをよく熟知をしていただいているそういった観点からお願いをしているところであります。それから独法についてでありますけれども、独法についてもこれまで申し上げてきたとおり、かつてそうした独法の事案があって5か年計画でハローワークが全ての特殊法人をチェックしてはおりますが、今回こうした状況もあるのでもう一回一斉に点検する必要があるという認識の中で、平成29年6月1日現在の障害者の雇用状況について、独立行政法人等についても再点検の依頼を今日にも発出をし、9月までにそれぞれの独法等から報告をいただくということにしております。この再点検結果についても地方公共団体の再点検結果と共に10月中までに集約できるよう作業をしていきたいと思います。
記者:
障害者雇用で追加でお願いします。第三者委員会の目的として、再点検は昨年度だけでしたけれども、遡って長い間、いつから始まったということまで調べられるのかという認識でいいのかということの確認と、今日、各府省にも調査依頼されていますが、これは委員の先生方が会合の場でヒアリングをするのか、それとも別途公式な会合の場以外でもヒアリングを進めていくのかといったあたりは、どのようになっていますでしょうか。
大臣:
まず、先ほど申し上げたように、なぜ今回こういう事態が生じたのかということでありますから、当然それを検証していただくにあたっては平成29年におけることもございますが、逆にある種の運用が誤りだということであれば、それがどこから発生したかということになれば、当然遡った検証にもつながっていくかと思います。それから、調査依頼はまだしておりません。いずれにしても、どういう中身をするかも検証委員会の先生方に第一回においてご議論いただいて、それを踏まえて発出していきたいと思います。それからその後、検証委員会においては、調査した結果が出てまいりますので、それも踏まえながら、検証委員会において各省庁に対するヒアリングなども実施をして、その検証を具体的に進めていただきたいと思っていますが、具体的なやり方については検証委員会を開催する中で、委員長を中心とした委員の先生方にお決めいただくことになります。
記者:
もしお手元で数値がわかればなのですが、先ほどの独法の調査なのですが何機関ぐらいが対象かということがわかればお願いいたします。
大臣:
独法ですね。もう一回確認しなければなりませんけれども、平成27年度からスタートしている対象としては337法人ということであります。
記者:
今日、自民党の総裁選が告示されて、安倍総裁と石破元幹事長が届け出されました。どのような論戦を期待されるかということと、選管が北海道の地震を受けて最初三日間活動を自粛するという判断をされましたが、それについての受け止めについてお願いします。
大臣:
党の総裁選でありますから、政府としてコメントするのはいかがかと思いますが、それぞれ党において、あるいはそれぞれの陣営において、今回の北海道における事案への対応の必要性、重要性、そういったことも認識して、対応をお考えになっていかれると思います。いずれにしても、この総裁選を通じて、自民党の総裁、今の衆議院の構成からすれば、総裁は次の総理になるわけですから、この国のありようを含めたこれからのありようについて、しっかりとした論戦が展開していかれることを期待しています。
記者:
災害について、今までの災害では、事業者からの年金保険料の納付を被災したところについては減額するという措置がとられていたと思いますが、今回はそのような措置はございますでしょうか。
大臣:
災害救助法の適用自体はされることになったと承知しておりますが、すみません、具体そこまでについては承知しておりません。後で、事務方からご報告をさせていただきたいと思います。
記者:
旧優生保護法の関係ですが、昨日関連資料の保管状況の精査結果が報道されましたが、手術を受けたうち実際に名前が分かる方は、3,033人で統計の数字よりも随分少なかったのですが、その受け止めを教えてください。
大臣:
今回、都道府県等から提出いただいた資料を調査した結果、実際に手術を行った件数のうち個人が特定できるものは3,033件ということで、昨日与党のワーキングチームにおいてもご説明させていただきました。実際、法律そのものが改正されてから20年、手術がなされてからということになるともっと年数が経過しているわけでありますから、そうしたことも今回の調査結果に影響しているのではないかと考えております。いずれにしても、今回の結果も踏まえながら、与党のワーキングチーム、また超党派の議員連盟において議論がなされると思います。引き続きその議論をよく注視しながら、要請があればその要請にしっかり応えていきたいと思います。
記者:
障害者雇用の関係で、検証委員会のメンバーが有識者と弁護士で構成されていますが、当事者団体からは当事者の声を聞いてほしいという要望がありますが、今後の検証においてそのあたりはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
昨日、日本障害フォーラムの皆様とお会いさせていただきました。その中において、今般の事態について様々なご意見を頂戴する中で、障害者当事者も参画して議論を進めてほしいというお話もいただきました。検証委員会は先ほどお話しした中身を検証していただくということなので、そういった検証をしていただくために専門的な知見等をもっておられる方ということで5名の方にお願いをしたわけであります。ただ、障害者雇用全体をどうするかということについては、この公務部門における障害者雇用に関する関係府省連絡会議において議論することにしております。その場においても、障害者の方々からもお話を聞くことを考えていきたいと思っております。また、その取りまとめ作業にあたって、また、その途中段階においても、この障害者の方々も参画しております労働政策審議会の障害者雇用分科会においても、その関係府省連絡会議における取りまとめ等も含めて議論をしていただいた上で、最終的に政府として取りまとめていきたいと考えております。
 
 
 

(了)