加藤大臣会見概要

(H30.7.27(金)11:06 ~ 11:19 会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、冒頭二件申し上げます。一つは、7月25日に受動喫煙対策を徹底するための、健康増進法の一部を改正する法律が公布されました。この法律では、行政機関は来年夏頃に「敷地内禁煙」となりますが、行政機関として国民に範を示すため、執務室内の禁煙及び現存する屋内の喫煙室の撤廃など、法律の内容に沿った対応をできる限り早期に行っていただくことについて先ほどの閣僚懇談会において私の方から各大臣にお願いをしたところでございます。また、あわせて所管団体、関係団体等に対して法改正の内容の周知及び対応の徹底について依頼いただくことについてもお願いをいたしました。「望まない受動喫煙」のない社会の実現に向けて、関係府省の連携の下、全力で取り組んでまいりますので、皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。二点目でありますが、8月1日・2日に「こども霞ヶ関見学デー」が行われます。こども霞ヶ関見学デーは、子どもさんたちに、役所が取り組む施策について理解を深めていただくことを目的に、毎年、夏休みの期間に開催しています。厚生労働省では、今年も多くのプログラムを用意しており、私も、1日には、「厚生労働大臣とお話ししよう」というプログラムの中で、小中学生の皆さんと意見交換をすることにしております。また、内閣官房においては、拉致問題の展示を行い、子どもたちが知って感じたことを拉致被害者へのメッセージとして表現するイベントを実施いたします。1日には私も会場に参ります。また、2日のイベント終了後には、2日間にわたってボランティアとしてお手伝いをしてくださる立川第七中学校の生徒さんたちと、拉致問題についての意見交換を行いたいと考えております。是非とも、多くの子どもさん方にご来場いただき、厚生労働行政や拉致問題等について考えるきっかけとしていただければありがたいというふうに思います。私からは、以上になります。

質疑

記者:
昨日、最低賃金が政府の骨太の方針で示したのとほぼ同じ3%に従う形で決定されました。労使の意見に隔たりがある中で、こういった形で落ち着いたことについての大臣の所見と、今後政府の目指す1000円にはまだ開きがあると思いますし、地域格差という面では金額ベースではさらに開いてしまうということがありますが、これについて今後どのような課題があると考えていらっしゃるか教えてください。
大臣:
まず、昨日、中央最低賃金審議会から最低賃金額改定の目安の答申をいただきました。今年度の引上げの目安額は、「全国加重平均で26 円」、「引上げ率に換算して3.1%」という結果で取りまとめていただきました。最低賃金額が時給のみで表示されるようになった平成14 年以降では最大の目安となっております。審議会において「働き方改革実行計画」にも配意していただきながら、労使等含めて、真摯な議論が行われてその結果においてこうした結論が取りまとめられたと承知をしております。厚生労働省としては、最低賃金の引上げがそれぞれ具体的に進んでいくためにも、特に中小企業、小規模事業者の生産性の向上を図っていく等の支援を進めていくことによって、賃上げがしやすい環境整備を作っていくことが、先ほどお話しがあった1000円に向けての後押しになっていくと考えておりますし、毎年約3%程度の目安にということで進んできておりますので、そういった意味でも1000円に向けてまた一歩進むことができたという認識をしております。それから、地域との関係ですが、最低賃金は働く方の生計費や賃金、企業の賃金支払能力に地域差等の実情を考慮して、都道府県ごとに定められているものであります。この地域間格差については、本年度の中央最低賃金審議会の報告書でも「地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていく必要がある」と昨年に続いて記載が行われているところであります。公労使において、その点を十分に認識した上で審議をいただいたわけでありますので、目安どおりに最低賃金の改定が地域において行われれば、最低賃金の最高額と最低額の比率は77.2%と、前年に比べ改善する、これは4年連続ということになります。地域間格差にも配慮した数字になっていると思いますが、いずれにしてもこれから地方の最低賃金審議会においても、地域の実情を踏まえて議論が行われることを期待しております。
記者:
昨日、生活保護の受給者に対する冷房の設置の支援について、条件が整えば補助が認められるという方針だったにも関わらずまだ周知・徹底がされていないということで生活保護受給者やその支援者から訴えがありましたが、この生活保護受給者に対する酷暑対策の冷房設備の設置について周知・徹底する必要性についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず、生活保護制度では、日常生活に必要な生活用品については、その保護費の中において計画的に対応していただくことが原則であります。家計管理上特段の問題が無いなど、福祉事務所において貸付資金の償還が可能と認められる生活保護受給者については、さらに貸付資金を借りて購入し、返済することを認めているわけであります。一方で、保護の開始時時点において生活に必要な家具什器の持ち合わせがない場合などは、例外として、一時扶助として家具什器費の支給を認めているという制度があります。今回は、この一時扶助の対象となる家具什器に、あわせて、近年、熱中症による健康被害があることを踏まえ、冷房器具を追加したところでありますが、これはあくまでも対象者は当初、家具什器がない、災害に遭っているとか、犯罪等によって被害を受けている、転居をしている、あるいは単身の保護世帯等と、かなり限定された世帯ということであります。その世帯については、冷房器具を追加するということで、6月27日付けで各自治体あてに通知し、この7月1日から適用しているところであります。昨日そういうお話があったということでありますから、今申し上げたことも含めて、どういう方が対象となるのかということも含めて当然周知を図っていく必要があります。
記者:
最初の最低賃金の話のところで、もう少し細かく教えていただきたいのですが、地域間格差の点で最高に対する最低の割合が上がったというのはそのとおりですが、一方で絶対額の方は開いてしまっているわけで、格差解消という面で額の方が開いていく状況というのは、それはそれで構わないと考えているのかどうかが一点目です。もう一点は、同じく格差解消のところにつながるのですが、現在のこの制度、ランク別に分けてこういうふうに議論して、これだとなかなか東京や地方の格差が縮まらないので方式を変えるべきだという意見も出ておりますが、そのことについてどのように考えているか教えてください。
大臣:
額でみるか、比率でみるかということでありますけれども、基本的にはここでいう答申の報告書では、比率を上昇させてていくということでありますから、それにのっとって、比率がどんどん上がっていけば最終的には金額の差そのものも縮小していくことにつながっていくのだろうと思います。まずはそれぞれ全体を上げていますから、上げていく中での話なので、まずはその比率を高めていくということが必要になってくるのではないかということで、こういう判断をされているのだろうと思っております。それから、方式については、この最賃も歴史があるわけでありまして、最低賃金制度そのものは昭和34年頃からスタートして、現在の目安というのは昭和53年頃から出され、その中で色々改善をされながら、今日まで来ているという歴史があるのだろうと思います。これでなければいけないということではないと思いますが、今の段階でこれを直ちに変えなければならないという状況になっているとは考えておりません。いずれにしてもこの地域間の格差という、全体を引き上げると同時に地域間の格差も縮小していく、これにはしっかりと取り組む必要があると考えております。
記者:
先日公務員の組合の調査で中央官庁の残業時間の比較があり、厚生労働省の厚生部門が1位で、労働部門が2位とトップ2となってしまいましたが、それについての大臣の受け止めと、改善に向けて大臣が考えていることがありましたら教えてください。
大臣:
確か組合の方でお調べになった数字ということでありますが、いずれにしてもそういう残業時間が長いということでトップにいるということは良いことではないと思っておりますし、また全体の水準も含めて、これまでも様々な長時間労働の是正を含めて厚生労働省では働き方改革、まさに働き方改革の旗を振っている役所として、他の範になるべく努力をしているところではありますが、まだまだその途上でありますので、さらに様々な改善を進めていくことができないか努力をしていかなければいけないと思います。当面テレワークもスタートしますので、テレワークなども積極的に、このテレワークデイズあるいはテレワーク月間というのでしょうしょうか、そういう時に積極的な活用を図っていくなど、色々な方法を駆使しながら長時間労働の是正を図っていきたいと思っております。
 

(了)