加藤大臣会見概要

H30.2.9(金)8:48 ~ 8:54 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議での発言、また冒頭申し上げることはございません。

質疑

記者:
働き方改革についてお伺いします。先日、厚生労働省が、残業時間の上限規制や「同一労働同一賃金」に関して、中小企業への適用を当初の予定から1年遅らせるという修正案を自民党に提出しました。また、「同一労働同一賃金」に関しては、大企業も適用を遅らせるということで、改めて大臣からその理由をお伺いしたいのと、労働側の反発が予想されますが、それについての大臣のお考えをお願いします。
大臣:
先日2月1日、自民党の「中小企業・小規模事業者政策調査会」及び「雇用問題調査会」が、働き方改革に取り組む中小企業への支援策の強化、また上限規制等の施行時期について十分な配慮を行うこと等を求める決議をおまとめになられまして、厚生労働省に申し入れをいただいたところであります。働き方改革は、もちろんスピード感を持って取り組んでいく必要がございますけれども、一方で、中小企業における「時間外労働の上限規制」や「割増賃金率」については、罰則付きの規制であり、周知や準備の期間を確保する必要があること、このことは労政審でも指摘されているわけであります。また、「同一労働同一賃金」については、労使間の話し合いや、中小企業が大企業の先行事例を参考に取り組めるようにすること等を踏まえて、中小企業における「時間外労働の上限規制」について当初より1年延期、また「同一労働同一賃金」についても1年延期するという案を提示させていただいたところであります。引き続き、与党としっかり調整を図って、国会に早期に提出できるよう努力していきたいと思います。
記者:
関連でお伺いします。中小企業の経営者側の事情があったということで1年先送りにするということだと思いますが、従業者にしてみれば一刻も早く労働環境を改善してほしいという声もあるわけです。大企業を優先して中小企業は1年先送りにするというように外形的には見えて、中小企業の従業員の労働環境が置き去りにされるのではないかという懸念がありますが、いかがでしょうか。
大臣:
いずれにしても、労使で話し合って決めていただくということでありますから、そういった基盤、対応ができる大企業は速やかにやっていただきたいと思います。他方で、中小企業等においては、十分配慮すべきであるとこれまでもご指摘がありましたし、実際、想定されるスケジュールを考えると、だいたい物事は4月で変わっていくわけでありますから、そういったことを踏まえて、労使それぞれでしっかりと議論していただいて、これに取り組んでいただく、そういう必要性を考えて、こうした提案をさせていただいたところです。結果的には中小企業は後ろになっていますが、認識が違うということではなく、それぞれの状況に応じて、できるだけスピーディーに対応してほしいということで、こうした判断をさせていただいたということです。最初に申し上げたとおり、スピード感を持って、また円滑にこれを進めていきたいと思います。
記者:
昨年の秋に衆議院が解散し、臨時国会でこの法案を審議できなかった影響はあるのでしょうか。
大臣:
その影響がどうかというのは、昨年のものもどういう形になったかということを推測して申し上げるわけにはいかないので、現状の認識の中で考えたときに、スピード感を持って対応すべきであるということです。一方で、労使の現場においてしっかり議論していただいて、円滑にスタートしていただくためにはどうあるべきかといったことを勘案して、今申し上げたような対応を取っているわけであります。
記者:
札幌市の火災についてですが、札幌市からその後報告があったのかということと、改めて法的位置付けのお考えをお願いします。
大臣:
2月6日に高木副大臣を現地に派遣して、現場で献花をし哀悼の意を示していただきました。また、市の担当者から状況の説明をいただきました。基本的に、市の判断ということが第一でありますけれども、今回の施設について、札幌市は、一時的な施設ではないということも含めて無料低額宿泊所には該当せず、一般の共同住宅であるという認識を示されたということです。一方で、入居者に高齢者がいて食事の提供がなされていたとの情報を得て、これが有料老人ホームに当たるかどうか現在調査中ということでございます。いずれにしても、札幌市の最終的な判断をまず待ちたいと思います。他方で、こうした火災について、特に高齢者あるいは生活保護受給者の方々が亡くなられる事案がいくつか続いていますから、そうしたことに対する対応ということも、関係省庁も含めてしっかりと検討していきたいと思います。

(了)