加藤大臣会見概要

H30.1.12(金)10:14 ~ 10:20 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭申し上げることは特段ございません。

質疑

記者:
振り袖販売レンタルの「はれのひ」の問題について、一部報道で、従業員の賃金未払いで去年8月から12月に計5回労基署から是正勧告を受けているということと、同社が労基署に対して、「成人式の時期になれば収入が増加する見込みだ。」と説明したとされていますが、事実関係を教えてください。
大臣:
まず、個別の事案について直接お答えするのは差し控えさせていただきます。一般論として申し上げれば、労働基準監督機関において、働く方からの申告や相談をはじめとした各種情報を日々いただいておりますけれども、そうした中から労働基準関係法令違反の疑いのある事業場に対しては、優先的に監督指導を実施しているところであります。また、監督指導において法令違反が認められた場合には、その是正について指導を行うこととしております。
記者:
弊紙報道で、複数の自治体が他の市町の特別養護老人ホームの入所枠を補助金を支払って確保する「ベッド買い」をしている実態が明らかになりました。「ベッド買い」は、過去に介護保険法上許されないという判決も出ておりますが、大臣の所感と今後の厚生労働省としての対応についてお聞かせください。
大臣:
特別養護老人ホームにおいては、基準省令上、介護の必要性の程度と家族等の状況を勘案し、入所の必要性が高いと判断された者から入所させるべき旨、規定しているわけでありまして、ここは一定の居住地の方だけですとか、今仰ったようなことは必ずしも適当ではないと思っております。したがって、基準省令に従って、適切に対応していくように、各自治体に周知徹底を図っていきたいと思っております。その上で、既に一部聞き取りを始めておりますけれども、実態がどうなっているのか調査をしていきたいと思います。現時点で聞いている範囲では、一部では介護保険制度がスタートする前からのところもあり、その点もよく実態を把握していきたいと思います。
記者:
障害者の方の「就労継続支援A型事業所」をめぐって、新たに岡山、広島県の両県の3カ所の事業所が経営悪化を理由に閉鎖されて、およそ60人の方が影響を受ける見通しであることが分かりました。昨年もこのこととは別に、岡山県や広島県で同様にA型事業所の廃業があり、障害者の方が大量解雇されているわけでありますけれども、その後も再び同様の事態が相次いでいることについて、問題の本質や原因はどこにあるのかということと、このような事態を受けての今後の対応について教えて下さい。
大臣:
まず、今回の件でありますけれども、同一法人が岡山市、総社市、福山市の3市で運営している就労継続支援A型事業所を廃止するという意向を示しているということであります。本件に関わらず、以前にもこうした事案がありましたので、厚生労働省としては、就労継続支援A型事業所が廃止される場合には、利用者の再就職先を確保することが大切であり、昨年7月に、利用者の希望に応じ、他の就労継続支援A型事業所などへの利用調整を確実に行うよう、各地方自治体に通知を行ったところであります。今回の事例では、各地方自治体において、通知を踏まえた対応をしていただくとともに、今回の事例では法人側が、今回廃止するもの以外に、他にも就労継続支援A型事業所を運営されておられ、そこに廃止事業所の利用者を受け入れることも含めて、雇用確保に尽力する意向を持っていると聞いておりますので、この法人における努力と、それぞれの地方自治体における先ほど申し上げた対応をしっかり図っていきたいと思っております。それに対して厚生労働省としても、必要な対応を取らせていただきたいと思っております。その上で、就労継続支援A型事業所については、平成28年度の経営実態調査では収支差率が平均で14.2パーセントであり、他の経営実態に比べると高い収支差率であります。その中には様々な事情によって厳しい状況にある事業所もあると承知しておりますが、ただ、この間の廃止された事例などを見ておりますと、A型事業による収益自体というよりも、その収益をそれ以外のいわゆる社会福祉事業ではないような投機的な事業に充てて、結果的にそれが上手くいかずに、本体のA型事業の経営に悪影響を与えているという事例も散見されているわけでありますので、もともと社会福祉事業に専念してほしいということを申し上げておりますから、そういった観点からもしっかりとした指導を徹底していく必要があり、こうした事案が起きないように対応していく必要があると考えております。

(了)