加藤大臣会見概要

H29.8.25(金)11:32 ~ 11:41 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私からは特にございません。

質疑

記者:
来年度予算の概算要求ですが、一般会計で31兆4千億円を超える過去最大規模のものとなっておりますが、重点項目とその狙いや背景についてお聞かせ下さい。
大臣:
来年度予算の概算要求について、今月末の提出に向けて今大詰めの作業をさせていただいているところでございます。一点目は、大きな重点事項というか狙いは、まず働き方改革の着実な実行であります。二点目としては、質の高い効率的な医療・介護・保健の提供の推進をしていくことでございます。三点目は、全ての人が安心して暮らせる社会に向けた環境づくり、この三本柱を中心に要求をしていきたいと考えております。中でも安倍内閣の重要な施策であります働き方改革、またそれに繋がる生産性の向上や人材投資などを非常に重視していくところであります。具体的には、介護や生活衛生分野における生産性向上のためのガイドラインを作成するための事業や、若者に対する能力開発の事業など生産性向上や人材投資に資する事項を重点的に要求したいと考えております。
記者:
障害者が働きながら技能を身に付けるいわゆるA型事業所について、岡山県倉敷市や香川県高松市の事業所であわせて300人近くが大量解雇されたということが明らかになっております。それから、名古屋市や関東地方で事業所を展開する企業につきましても、今後、もしかしたら100人前後の解雇があるかもしれないということで、障害者の方は非常に不安に思っております。国の給付金を当てこんで安易に参入してくる企業も中にはあるかもしれないという指摘もありますけれども、大臣は現状をどのように認識されているのかということと、今後の対策をお聞かせ下さい。
大臣:
まず、障害を持つ方々がその力を十分に発揮をしていくこと、特に就労という形で発揮をしたいという希望を実現していくことは非常に大事だと思っております。ただ、それぞれの方々の能力あるいは状況等がありますから、一般就労をはじめとして様々な就労の形態を用意してあり、その中でいまご質問のあった就労継続支援A型事業所がありまして、全国に約3,500事業所、66,000人近い方が就労しているところであります。倉敷市などで事業者が倒産して、その事業を閉じてしまう結果としてそのような方々が離職せざるを得ないという状況にあり、特に私の選挙区の一部は倉敷市でもありますから、非常に身近な例として地元からもそのような声を聞かせていただいているわけでございます。まずはそういった方々が、そのような就労で培ってきた生活慣習やノウハウなどが途絶えることがないように、次の就労先をしっかり確保していくことがまず大事だと思っております。私ども厚生労働省としても、それぞれの地元の実態を把握しながら、ハローワークを主体として連携しながら、就職や面接の機会をしっかり提供していけるように努力をしていきたいと思います。就労継続支援A型事業所の基準に関しては、補助金をそのまま賃金にしているのが一般的な姿ではないということで見直しがなされたわけであります。そうした見直しをした結果として、それがどのようにそれぞれの事業者さんに影響していくのかについては、今年の3月30日に7月までの期間で実態を把握するよう各自治体に依頼をしていましたので、現在その取りまとめに入っているところでございます。その実態を踏まえながら、就労継続支援A型事業所が適切に運営されているか、その運営してきた前提として、そこで働いている方の就労を確保しているかという視点に立って実態を踏まえて、自治体と連携して対応していきたいと思います。
記者:
違法さい帯血の件でお伺いします。さい帯血を無届けで使った再生医療について警察が捜査していますけれども、厚労省としても刑事告発を検討されていると思いますが、現状がどのようになっているか教えて下さい。また、今回使用されたさい帯血が、破綻したプライベートバンクから流出したということについて、厚労省としての受け止めと今後の対応策についても教えて下さい。
大臣:
今日の新聞でも報道がありましたけれども、無届けでさい帯血を用いた再生医療が行われることは、再生医療に対する国民の信頼を損ねることになり、大変遺憾であります。既に厚労省として5月9日に発表していることですが、本年5月から6月にかけて12件の医療機関に対して調査を行い、再生医療提供の一時停止を命じ、患者の健康被害などの報告を求めているところでございます。個別の事案については、調査しながら厳正に対処していきたいと思います。また、再生医療等安全性確保法の適正な運用と安全性の確保にしっかり努めていきたいと思います。刑事告発についても質問がありましたが、いま調査をして厳正に対処するということで刑事告発についても検討していくところでございます。プライベートバンクについては、さい帯血はプライベートバンクと公的バンクがありますが、公的バンクの場合は第三者に提供するということを前提として、いわば公のシステムとして出来上がっているのに対して、プライベートバンクはあくまでも本人や家族のためにということで、非常にプライベートな世界で形成されています。そうしたこともあって現在、業務の実態等について調査を行っているところでございます。その結果を踏まえながら今後の対応について考えていきたいと思います。いずれにしても本件は、無届けでさい帯血を用いた再生医療を行ったという点が大きな問題でありますから、まずはそこに厳正に対処していきたいと思います。
記者:
今回、O157の感染源について厚生労働省として現在把握されている情報と、改めまして対策について教えて下さい。
大臣:
今回発生したO157については、埼玉県で調査が行われておりますので、我々としては埼玉県の調査結果を踏まえて、連携できること、必要なことがあれば対応していきたいと思います。

(了)