塩崎大臣会見概要

H29.2.10(金)10:36 ~ 10:51 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私からは特にございません。

質疑

記者:
受動喫煙対策について、昨日の自民党の厚労部会でも強い反対意見が相次ぎましたが、これについて今後どのように対応し、理解を得ていくのか、また、一部例外を設けることについても、その範囲の拡大を求める意見も出されましたが、改めて大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
受動喫煙防止対策の徹底は、施政方針演説にも入っておりましたが、現在、多くの方々が利用される施設等における喫煙を禁止して、違反者には罰則を適用することなどを内容とする法案の検討を進めているところであります。具体的な内容につきましては、昨年、一連の団体ヒアリングをやってまいりましたが、そういったところで出していただいた御意見をしっかりと踏まえて、様々な検討を行っている段階でありまして、昨今の報道でいくつかありましたが、そのような案を固めたという事実はございません。2020年の東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、国際オリンピック委員会と世界保健機関の間で「たばこのないオリンピック」について合意しているわけであります。近年のオリンピック開催国や開催都市を見ますと、全てにおいて罰則付きの受動喫煙防止対策を講じているわけです。東京オリンピック・パラリンピックだけでなく、その前の年にはラグビーのワールドカップもございますし、インバウンドを2,000万人から4,000万人に増やすという倍増計画もございます。世界では先進国などほとんどで、受動喫煙防止対策が徹底されていますので、そういった方々においでいただくときに、日本がどのような国に見えるのかということもございますので、受動喫煙防止対策を徹底する法案を今通常国会に提出すべく、多くの方々の御意見をしっかりとお聞きして、御理解をいただきながら、準備を進めてまいりたいと思っております。
記者:
赤ちゃんの液体ミルクの件でおうかがいします。震災時でも活用できるのではないかという議論がなされていると思いますが、大臣として、赤ちゃんの液体ミルクの国内での流通が必要かどうか、また、来月にも専門家の会議が行われるということですが、いつぐらいをメドに結果を出したいとお考えでしょうか。
大臣:
国会でもいくつか質問がございまして、お答えいたしましたが、基本的に私は前向きに考えています。他の国で既に使われている液体ミルクが日本に無いというのは、子育て上、あるいは災害時等の対応としても不十分ではないかということで、できるものなら早くこれが使えるようにして、子育てを支援すると。あるいはイクメンもやりやすくなりますし、簡便にできる、特に常温で流通するものが災害時などを含めて、普段も子育てのカップルにはより使い勝手がいいということでありますので、私は基本的に前向きに考えてまいりました。したがって、厚生労働省としても応援していければと思っておりますが、大事なのは液体ミルクの安全性の確保でありまして、事業者になかなかデータを出していただけないということで、私達は正式な審査に入るところまで行っていなかった、規格基準の設定ができなかったわけで、メーカーに早く出していただきたいと強く言ってきたわけでございます。科学的なデータできっちりとした安全基準を作るということが、子育てにも安心をもたらすものだと思います。事業者とはヒアリングを続けてまいりましたが、常温で流通する製品に絞って開発を進めていることなどが分かってきておりますので、データがきっちりと出るのを待たずに、議論してもいいのではないかということを考えているところであります。いつまでにということは私も聞いておりませんので、煮詰まったところでお伝えしたいと思っております。詳しいことは事務方にお聞きください。
記者:
受動喫煙の件について、先ほど大臣から通常国会に提出するということでお話があったと思いますが、法案提出の期限が3月上旬に迫っている中で、法案をまとめる議論が紛糾している中、間に合うかどうかということと、部会では拙速にまとめる必要はないという意見も出ていたのですが、改めて今国会の成立を目指すお考えに変わりはないのかお聞かせください。
大臣:
変わりはございません。これは今申し上げたように、おもてなしの心を持って海外からのお客様を迎えるということもあり、なおかつ、オリンピックやパラリンピックを行うにあたって、それにふさわしい体制で臨むということです。ワールドカップや、これだけたくさんの外国の方々が日本を楽しんでいただいていますし、スキー場も多くの外国人の方がスキーをされているということを考えてみれば、通常国会に出して、御理解を得た上で成立させて、準備に入って、新しい体制で多くの方々を迎えられるようにしていくべきだろうと思います。
記者:
昨日、神戸市の市民団体が、いわゆる赤ちゃんポストの設置の計画を明らかにしました。設置されれば、熊本に続いて2例目となるわけですけれども、設置の是非を含めて大臣の御所感をお聞かせください。
大臣:
報道ベースで私どもも知ったわけでありますけれども、特に助産院で実施をする団体の計画につきましては直接聞いていないものですから、私は、すぐに直接、厚生労働省としても話を聞くように、雇用均等・児童家庭局に指示しておりまして、現在の準備状況や関係機関との調整の状況などを聞いてみたいと思っております。一義的な助産院、医療関係機関の監督は政令市でありますので、神戸市となりますから、当然、神戸市にもおうかがいします。いわゆる赤ちゃんポストについては、第一次安倍内閣で私が官房長官の時に、熊本の慈恵病院が初めてやるということで、大議論になりました。一つは、預けなければ虐待や死に至るようなケースを救うことができるという前向きな考え方と、設置された環境によっては適切に保護されない、また、匿名のまま子どもを置いていくということの倫理的な問題についてどう考えるのかということについての整理がなかなか難しかったと認識しておりまして、おそらく今も両論あるのだと思います。ただ、命ということには変わりがないわけで、子どもの命をどう守るのかということが大事だと思います。私どもとして、こういった子どもを置きざりにするというようなことをしないように、未然に環境整備をしていくということが大事だと思います。そういう意味では、今もしお考えの方がおられるとすれば、「189」という電話が、児童相談所といっても、まだ児童ではない妊娠中でも、匿名で御相談にのる制度を作っていますから、「189」に電話していただくことを徹底していきたいと思いますし、児童相談所にも、私どもの方から改めて、こういう御相談があった時の対処の仕方についてもしっかりとするように指示していきたいと思っています。その他にも、相談窓口を別に設けていまして、女性健康支援センター事業ということで、全国65か所ありますが、「189」は覚えやすい電話番号ですし、是非これを使っていただきたいということが第一であります。もう一つは、特別養子縁組を、この間、児童相談所の業務として正式に法改正して加えました。したがって、こういった形で思い詰めて、子どもさんを置いていくのではなく、特別養子縁組を産婦人科の先生や、あるいは児童相談所に申し出ていただいて、子どもの命がしっかりとつながっていくようにしていくこと、そのような選択肢があることも徹底しなければいけないと思います。法案審議の際に、私が、産婦人科の待合室に特別養子縁組のポスターを貼るべしということを申し上げましたが、今、中身を詰めているところでございますので、こういったことの周知徹底もしていきたいと思っております。大事なことは、尊い子どもの命をどう守るのかということでありますので、我々としても責任感や使命感を持ってやっていきたいと思います。
記者:
受動喫煙について、iQOS(アイコス)やPloomTECH(プルーム・テック)のような加熱式のたばこについておうかがいします。今、メーカーや各方面から、この加熱式のたばこに一般的な紙たばこと同一の規制をかけることはおかしいのではないかという意見が多く出ておりますけれども、大臣はその点をどのようにお考えかというところと、今国会で提出予定の法案、あるいは実際に規制が始まるタイミングで、加熱式たばこに規制の差を設けるお考えがあるのかをお願いいたします。
大臣:
電子たばこや加熱式たばこなどいろいろ言われておりますけれども、新種のものがあります。通常の紙巻きたばこにおける受動喫煙の健康リスクについては世界的にも明らかになっていますので、たばこのパッケージに表示があって、がんのリスクについても書いているわけでありますけれども、加熱式のたばこについては、その可能性があるかないかという問題で、あるならば当然規制をしなければいけません。それは健康を守るということ、そしてそれが他の人にどういう影響を与えるのかということもしっかり見分けていかなければいけないので、影響についてしっかりと科学的に分析しなければいけないと思います。現在、世界でも研究が始まったばかりでありまして、厚生労働省としても、知見の収集に鋭意努めております。何種類かあることを把握しておりますけれども、加熱式たばこの健康影響の評価や受動喫煙防止対策のあるべき姿については、今後の加熱式たばこの健康影響に関する研究によって、何が問題なのかということを踏まえた上で考えていかなけばいけないと思います。今、議論していただいている中で、法律としてこれを書き込むということはまだ予定していません。

(了)