塩崎大臣会見概要

H28.9.2(金)11:25 ~ 11:38 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から2件ございます。一つ目は、本日、平成28年4月時点の待機児童及び「待機児童解消加速化プラン」の状況を公表いたします。平成25年4月に「待機児童解消加速化プラン」を安倍内閣として策定いたしました。平成29年度末までの5年間で待機児童の解消を図るということをプランとして発表したわけでありますが、この5年間の保育の受け皿は、昨年9月に公表いたしました数、45.6万人分から2.7万人分上回りまして、約48.3万人分になりました。一方、平成28年4月時点の待機児童数につきましては、2万3,553人となりまして、1年前と比べますと386人増加いたしました。待機児童につきましては、全国の1,741の市区町村のうち、約8割の1,355市区町村におきましてはゼロとなっているわけであり、全国的には、保育の受け皿は申込者数を上回っていますが、都市部では保育の申込者数が増加しておりまして、その結果、待機児童の74.3パーセントは都市部で占められているということになっております。保育の提供に責任を持つ基礎自治体でございます市区町村では、それぞれ工夫をしながら待機児童解消に取り組んでいらっしゃるわけでありますが、そのうち、積極的に保育の受け皿を整備している市区町村では、昨年度より待機児童が減少するということになっております。厚生労働省としては、市区町村の待機児童解消に向けた取組みをさらに支援しようということで、3月の緊急対策がございましたが、これに加えて来年度の予算要求を含めた新たな対策を追加いたしました、「切れ目のない保育のための対策」として新たな対策を取りまとめたところでございます。具体的には、施設整備や保育人材確保をさらに進めるとともに、0歳児期の育児休業終了後の「入園予約制」の導入支援、保護者のニーズをかなえる保育コンシェルジュ、保育園等に土地を貸す際に固定資産税の減免が可能な旨の明確化をするということなどを主な柱として、「切れ目のない保育のための対策」を取りまとめたわけでございます。いずれにしても、市区町村を切れ目なく支援していかなければならないと考えております。また、この秋に、待機児童が多い市区町村長を集めた対策会議を開催し、意見交換を行うということを検討中でございまして、1回4月に行いましたが、それと同様の、直接、市区町村長からお話をうかがって御意見をたまわるということで意見交換の場を設けます。併せて、特定の保育園を希望する方などの取扱いにつきまして、市区町村ごとに異なるとの指摘が国会などでもありましたが、今後、有識者の皆様方や自治体職員を含めた検討会を立ち上げて、年度内を目途として現状や今後の取扱いについて検討していきたいと思っております。厚生労働省としては、保育の実施主体であります、各市区町村の取組みを強力に支援し、待機児童の解消に取り組んでいきたいと思っております。市区町村はそれぞれ特徴がある対策をやっていらっしゃるので、そういうことを踏まえた支援をしっかりとやっていきたいと思っております。二つ目は、検疫所における緊急増員であります。本日の閣議におきまして、行政機関職員定員令の一部を改正する政令を決定いたしました。CIQ関係で緊急増員を厚労省としてすることになりました。観光立国の実現を進める中で、急増する外国人旅行者にしっかりと対応していくために、検疫所関係では緊急的に21人の増員を行います。なお、今後とも増加が見込まれる外国人旅行者等に対応するため、必要な体制整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。以上、私からの御報告でございました。

質疑

記者:
台風10号の災害対策についてうかがいます。北海道、岩手県での被害を受けまして、また、岩泉町でのグループホームでたくさんの方が亡くなられたことを受けて、厚生労働省としても既に通知を発出されていると思いますが、今後、どのような対策を取られるのか、お考えをお聞かせください。
大臣:
まず、今回の台風10号によって亡くなられた方々に対して哀悼の意を申し上げたいと思います。被害の詳細などにつきましては、現地に本省の職員2名、特に今お話がありましたグループホームにつきましては本省から2名、そして厚生局から1名出しておりまして、事業所あるいは自治体からの情報収集を鋭意やっているところでございます。今御指摘のように、この岩泉のグループホームに関して申し上げれば、現時点で把握している事実は次のとおりでございます。今回、被害が大きかった認知症高齢者グループホーム「楽ん楽ん(らんらん)」、定員は9名でありますが、全員がお亡くなりになられました。利用者は男性2名、女性7名で年齢は70代から90代、そして9名のうち車いすを利用されていたのは2人ということでございました。台風10号の影響で8月30日の午前9時頃に岩泉町全域に避難準備情報が出されていました。グループホームの方では、その隣を流れております小本川が増水をして、グループホームは岩泉町役場にも16時半頃に状況報告をしておりましたけれども、法人側は避難する必要はないとその時点では考えていたようであります。以前の大雨の経験からすると、急に水が流れ込むことを、このグループホーム側では考えていなかったわけでありますが、18時頃に上流から大量の水がグループホームに一気に流れ込んできたということのようでございます。翌朝、法人職員がグループホームの状況を確認したところ、利用者全員が亡くなられていました。これがこれまでに現地で確認をいたしました当時の状況であります。今回の被害を受けて、昨日入所者等の安全確保の徹底について、今御指摘のように、自治体に対して通知を既に発出いたしました。各施設においては、人命を最優先に対応していただきたいと考えております。今後とも事実関係をもっとしっかりと把握し、さらに検証を加え、再発防止策を打っていきたいと思うところでございます。
記者:
待機児童が今年4月時点で2年連続増加という結果になりましたけれども、来年度夏までの待機児童解消に向けての現状認識と、その目標の期限が迫ってきている中でまた増加ということですが、目標を見直す必要があるのかどうかお願いします。
大臣:
今回の調査結果の待機児童数は、若干前年より増えたということでありました。各自治体による保育の受け皿拡大は相当な勢いで、前申し上げたように、平均してみれば民主党政権の3年に比べて2.5倍以上のペースで受け皿を増やしてきているわけであります。一方で、この5年間の受け皿の拡大よりも希望者の方が増えているということで、待機児童が結果として増えているわけでありますが、政府としては、この「待機児童解消加速化プラン」、29年度までの待機児童の解消を引き続き目指すということでありまして、保育の実施主体である各市区町村の取組みを強力に支援して、引き続き、待機児童の解消に全力を上げて取り組んでいかなければならないと考えております。
記者:
「働き方改革」についておうかがいします。今日、「働き方改革実現推進室」が設置されましたが、改めてにはなりますけれども、この推進室に期待をすることや、厚生労働省としてどのように関わっていくか教えてください。
大臣:
「働き方改革」は言うまでもなく、安倍内閣として今後3年間の最大のチャレンジだと総理が自ら明言してきているわけでありまして、本日、「働き方改革実現推進室」、これがいわゆる「看板掛け」が行われてスタートしたわけであります。今後は実現会議が開催されることになりますが、この運営あるいはそこで議論になる様々な施策の精査のために、私ども厚生労働省としても、併任を含めて10名の職員を推進室に送り込んで、この働き方改革担当大臣である加藤さんともしっかりと連携して、「働き方改革」を実現していきたいと思います。中身については様々なことをこれから議論するということになろうと思いますので、これは私どもの方としても全省を挙げて様々なインプットをしていくということ、そして加藤大臣と連携する中で、この改革を推し進めていくためになすべきことをなしていくことが大事だろうと考えています。

(了)