塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.10.6(火)10:02 ~ 10:13 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、私の方からノーベル賞関係で申し上げます。昨日、ノーベル医学・生理学賞の発表がございまして、北里大学特別栄誉教授の大村智氏が受賞されました。心からお慶び申し上げ、お祝いをいたしたいと思います。今回の受賞は、これまでの大村氏の研究成果などが、いかに国際的に高く評価されていたかということが明確になったわけで、大変うれしい限りでございます。大村氏は、土壌の中の微生物などから新しい化合物を発見し、こうした研究成果が、人や動物の寄生虫の駆虫薬など多くの医薬品などに実用化されているわけでございまして、厚生労働省としては、引き続き医療の質の向上につながる医学分野の研究を積極的にバックアップしてまいりたいというふうに考えております。改めて大村先生に心からお祝いを申し上げたいと思います。私からは以上でございます。

質疑

記者:
安倍総理が明日、内閣改造を行われます。それに先立ちまして、昨年9月に厚労大臣に就任されてから、これまでの期間を総括して印象に残っていることなどをお聞かせください。
大臣:
今、日本が置かれている状況並びに直面する問題の根源は、私は、一つはグローバリゼーションであり、もう一つは少子高齢化、これらによって我が国の暮らしが大きく影響されるということになっていて、いずれの要因に対してもしっかりとした対応をしていかなければならないということが、「失われた20年」を踏まえて今、安倍内閣として取り組んできていることでございますが、その中にあって厚生労働省は、経済の面でも、あるいは社会保障の面でも、このグローバリゼーションと少子高齢化に伴う様々な問題に正面から取り組まなければならない課題がたくさんございます。これは、働き方もそうでありますし、医療、介護、あるいはそれを一体化した地域包括ケアシステム、さらには感染症だけではなくて、いわゆる非感染症のがんであるとか、様々な問題に取り組まなければならない重要な課題をたくさん抱えている。そして、この1年間、厚生労働省として努力をして、結果を出している部分もございますが、引き続き大きな問題として厚生労働省は、アベノミクスのど真ん中でも、そしてまた社会保障を充実させ持続可能なものとするためにも、多くの重要な課題と責任を負っているということを認識したところでございまして、厚生労働省はそこにしっかりとした答えを出すことが今後の課題であるということを改めて思っているところでございます。
記者:
この1年間で御自身が一番成果だと思われていることは何でしょうか。
大臣:
これはたくさんございまして、それぞれの分野で汗をかいてくれた厚生労働省の皆様に私は感謝したいと思いますが、アスベストの問題から始まって本当に幅広く、そしてまた長期的な問題もたくさんありますし、世界の最先端を切り拓かなければならない問題も、ゲノムの問題とかたくさんあります。がんの問題もそうでありますが、いずれにしても生活を皆様がどう、より安心できるものにするかということに関わる問題がたくさんあって、それぞれにそれぞれの進展をもたらしてきたということは思っております。
記者:
年金の関係で2点うかがいたいんですけれども、まず一つはGPIFなんですけれども、株価が下がって運用状況がかなりマイナスではないかという見方が強まっていますけれども、GPIFの運用は株価に昔から大体連動すると思うのですけれども、ポートフォリオを変えたことでかなりその傾向が強まって、国民の間で不安が起きていると思うのですけれども、改めてそういう不安に対してどのように説明されるかということが1点と、もう一つはデフレ下のマクロ経済スライドなんですけれども、今年の2月ぐらいだったと思うのですけれども、スライドできない部分を物価が上がった時にまとめてスライドするという改革案をまとめて、与党の了承も得ていると思うんですけれども、通常国会で法案の提出は見送られたんですけれども、これは臨時国会でどうされるか、この2点をお願いします。
大臣:
GPIFの問題については国会の中で繰り返し答弁を申し上げたように、大事なことは年金をお約束したとおり支払うことが大事で、そのために資するGPIFによる年金資産の運用をしなければならないということで、短期的なこの変動、いわゆる標準偏差、ブレというのが大きくなるような新しいポートフォリオになっていますが、それは今までのようにデフレで金利も低いまま、物価も上がらないという中での運用とはだいぶ様相が変わって、経済の状況は成長するようになってきた、再び。そういう中で新しい組合せをもっているわけで、私ども1番大事だと思っているのは、長期的に見て年金支払いに十分なだけの運用を予定どおりできるかどうかということが大事なので、それは長期的に見ないといけない。ですから、短期的に今日下がった、明日上がったというようなことだけで、年金の資産の運用を考えるべきではない。そのために分散投資をして、リスクを減らし、そしてリターンを最大化する。この努力をしてもらっているのがGPIFの今の責任ということだと思うので、国民の皆様方には、株が増えたから、下がったときには価値が下がったということではなくて、また株というのは下がったり上がったりする中で経済をしっかり伸ばすことが最終的に傾向として上昇していく株式相場であれば、長い目で見た年金資産から得られるリターンは予定どおりもらえるということになります。ですから、その点は御心配をいただかなくて結構だというふうなわけであります。マクロ経済スライドが初めてこの4月に発動されるようになりましたが、今後経済の状況が変わる中でどうするかということで、そのスライドをフルに単年度で反映されるかどうかということで、キャリーオーバーを出すということを含めた案が与党で議論されたということはそのとおりであります。これを法案としてどうするかということについてはまたよく省内でも、そして官邸とも御相談の上でいつ出すべきかということは決めていきたいというふうに考えております。
記者:
TPPが大筋合意ということになりましたけれども、厚労省に関係する部分ではバイオ医薬品のデータ保護期間が8年ということになりました。この影響と御所見をお願いします。
大臣:
今回、8年間のデータ保護などを行う方向性で大筋合意がTPPにおいてなされたということで昨日報道があったわけでありますけれども、新薬の開発の促進と速やかな後発の医薬品へのアクセス、このバランスをどうとるかということでいろいろ議論が大変長引いたわけでありますが、そこのところを上手くバランスをとったということだと思います。適切なデータ保護期間がこのTPPの加盟国間でルール化されるということは、我が国の製薬メーカー、特に世界の中で数少ない新薬を作ることができる国としては、この日本の製薬メーカーが新たな医薬品を開発して国際展開をしていく上でのメリットになるというふうに考えているわけで、日本にとってはやはり元々日本は8年でありますから、国内は変わらないということは、海外でいろんな展開がまた広がっていくということだと思います。

(了)