塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.6.26(金)9:09 ~ 9:24 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私の方から3点ございまして、まず、今日閣議の前に「すべての女性が輝く社会づくり本部」が開催されました。「女性活躍加速のための重点方針2015」がとりまとめられました。この重点方針には、厚生労働省に関係の深い事項として、女性活躍推進法案に基づく企業の取組の促進、マタニティ・ハラスメントの防止に向けた次期通常国会における法的対応も含めた事業主の取組強化策、ひとり親家庭を総合的に支援するため、年末をメドに政策パッケージを策定するといったことなどの重要な施策が含まれている重要方針が決まったわけでございます。厚生労働省としても、これらの施策を着実に実施することで、「すべての女性が輝く社会」の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っています。2番目は有効求人倍率でございますが、5月の完全失業率は前月と同水準の3.3パーセントとなり、また、有効求人倍率は0.02ポイント上昇しまして、1.19倍と23年2か月ぶりの高い水準となりました。現在の雇用情勢は、一部に厳しさがみられるものの、着実に改善が進んでおりまして、一方で、海外景気の雇用への影響などには注意が必要だという状況でございます。雇用情勢の地域差などの課題に対応した雇用対策の推進、そしてまた、女性・若者・高齢者などの活躍推進、そして、正社員就職の促進などによって、雇用情勢の一層の改善に全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。3番目は「国際薬事規制調和戦略」についてでありまして、この度、厚生労働省において、「国際薬事規制調和戦略」、横文字で言いますと「レギュラトリーサイエンスイニシアティブ」をとりまとめましたので、本日プレスリリースをいたします。これは、医薬品・医療機器分野での国際規制調和、それから国際協力に関しての中長期的なビジョン、あるいは施策のプライオリティを明確化した戦略でありまして、私から策定を指示したものでございます。この戦略に基づいて、「アジア医薬品・医療機器薬事トレーニングセンター」をPMDAに設置をいたします。アジアの規制当局担当者の日本の制度に対する理解を促すことなど、我が国の知見をアジアをはじめ、世界に発信をいたしたい、こちらからも出向いてトレーニングなどを現地でもやってまいりたいと思っております。これによって、世界の保健衛生の向上に一層貢献するとともに、医薬品・医療機器産業の活性化というものを日本で図っていきたいと思っております。また、戦略の策定で終わることなく、継続性・一貫性のある取組を進められるように、厚生労働省、PMDAの組織体制を構築し、戦略の定期的な進捗管理とか見直しを協力に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。以上3点、私の方からまずお伝えを申し上げたところでございます。

質疑

記者:
先ほどの冒頭の発表にありました、「国際薬事規制調和戦略」に関してですが、政府の成長戦略、去年の成長戦略にも医療の分野での海外輸出というのが入っていると思いますけれども、この点について今回の戦略が成長戦略にどうするものなのか、また、新たな成長戦略に反映させたいというお考えがあるのか、お聞かせください。
大臣:
医薬品とか医療機器の規制の調和、ハーモナイゼーションの分野で中長期的なビジョンとか、施策のプライオリティを明確にするというのは、今まで無かったことでありまして、官民で共有できる具体的な戦略を発表するという試みであって、大変意義深いことだと私は思っております。今後は、こういう戦略を推進することによって、さっき申し上げたような「アジア医薬品・医療機器薬事トレーニングセンター」を設置いたしますけれども、しっかりと厚生労働省内でも組織を作り、PMDAでも構えをちゃんとして、継続的、一貫性を持って推進をしていくと、このことによって、世界の規制の調和が図られることによって、医療機器を作る、あるいは医薬品を作る、言ってみればどこで作ってもどこの国が作っても良いように世界がなっていくという意味において効率的な規制ができるようになるし、産業もそれを見ながらやれば、どこでも通用するということになることにおいて、もちろん日本の医薬品産業、医療機器産業に成長戦略としてのプラスになりますけれども、他の国でのそういった産業もプラスになる、もちろんその規制が調和されることによって、より良い医療機器や医薬品ができることによって、この保健衛生の向上というのが進むということでありますので、デファクトスタンダードをどう作っていくかということにおいて、国際的な協力を、日本は積極的に貢献をしながら、役割を果たしていくということだと思います。
記者:
昨年度の税収なんですけれども、見込みよりも2兆円程度増えて、53兆9,000億円余りとなったということです。これについての受け止めと、政府は骨太の方針の素案で社会保障費の今後3年間の伸びを1兆5,000億円程度に抑えることを目指す方針を明記しましたが、この関係とあわせて受け止めをよろしくお願いします。
大臣:
これは総理から繰り返し申し上げているように、成長なくして財政再建なし、こういうことでありまして、国民の負担となる財政の重荷を軽減していくためにはやはり成長が一番であり、成長すなわち生活水準の向上ということでありますから極めて大事であって、社会保障は保険方式の場合には何度も申し上げておりますけれども、財源というのは保険料と税と自己負担、これしかないということでありますので、そういう意味で税収が増えるということにおいては、この国民負担を軽減することにも、あるいは抑制することに役立つということでありまして、今回53兆余りの税収になるということでありますが、(第2次安倍内閣発足時から)3年ぐらい前までは30兆円台にまで落ち込んでいたのを第2次安倍内閣がスタートしてからアベノミクスによってここまで税収が上がってきて、したがって今後、昨日も骨太の方針について自民党の方にも御議論をいただいておりますけれども、「経済物価動向等を踏まえ」というのが文章に入っておりますけれども、こういったものを含めて今後財政再建と社会保障の改革をどうするのか、という議論が深まっているわけであって、こういう経済情勢が好転すること、このことが社会保障における自由度も増すということにつながるので、私どもとしては、引き続いて経済の再生を図りながら社会保障の充実を図り、同時に財政の健全化を図っていくということで、連立方程式をしっかりと解いて、国民の暮らしの向上につなげていきたいということだと思います。
記者:
安保法案に関してなんですけれども、議員の皆様の中でも様々な議論をされているようですが、昨日、自民党の若手議員の方の勉強会の中で一部批判的な報道をするマスコミに対して広告収入を減らした方がいいですとか、そういった批判的な意見が出たようなんですけれども、こういった意見が出ることに対して大臣の受け止めをうかがえますでしょうか。
大臣:
人それぞれの考えがありますから、それぞれだろうというふうに思います。国民に対して安全保障法制についての説明をしっかりやっていくという安倍内閣の基本方針を貫いていって、地道に粘り強く国民の皆様方の御理解をいただくように努力するということが基本というふうに思います。
記者:
延長国会になりましたけれども、まだ厚労省では重要法案がたくさん残っていまして、特に与野党の対決型になっているというか、なりそうな労基法(労働基準法)の改正案もありますけれども、これらの法案をどのように審議を進めたいかということと、あと派遣法は参院に送られましたけれども、施行が9月1日で、衆院の審議時間を考えると2か月近くかかったわけで、成立した後も労政審(労働政策審議会)とかが、かなりタイトなスケジュールになると思います。そのあたりのスケジュール感をどのように考えているかお願いします。
大臣:
これはあと6つの法律が残っているわけでありまして、いずれも極めて重要な法案ばかりであります。したがって、これは丁寧に、しかし国会の会期を、そして今の法施行のタイミングをにらみながら、しっかりとした審議を国会ではかっていただくということをお願いしていくしかないんだろうというふうに思います。私どもとしても、この6つの法律をこの会期中になんとか御審議をいただいて、成立を期すというのが基本的な考え方、6本残っているのでお願いをすると、真摯にお願いしていくというのが大事だろうというふうに思っております。
記者:
戦没者の遺骨のDNA鑑定のことでおうかがいしたいのですが、6月22日に日本軍の軍人、軍属で犠牲になった韓国人の遺族の方が厚労大臣宛に韓国人遺族へのDNA鑑定を求める要望書というのを提出されました。5月には国の方針として戦没者の遺骨のDNA情報をデータベース化したり、それから遺品がなくても鑑定を実施したり、そういうことで遺族からの照会に関しても広く応じるという態勢を整えるという内容の方針を作られたと思うのですが、これは戦時中の朝鮮人や台湾人などの旧植民地出身者の軍人、軍属の犠牲者にも適応するお考えなのでしょうか。今までも例えばシベリア抑留者の墓地などで、日本人と朝鮮人が混在して埋葬されているところでは身元が分かっていても、あえて全ての遺骨に対してDNA鑑定しないということが行われていたようなんですけれども、その理由についても御説明をお願いいたします。
大臣:
基本的にDNA鑑定をやっていこうという方針を決めたところでありまして、特に沖縄とか、それからその他のところでもやろうということで、上手く蓋然性の高い組合せがある場合に特にやっていこうということになっています。今の外国の方々の埋葬を一緒にしているような場合についての扱いについては、ちょっと私はそこまで具体的なことまでは今持ち得ていないので、改めてまた担当の方からお答えを申し上げたいというふうに思います。
記者:
そういうような要望書が届いていることは御存知でしょうか。
大臣:
私のところにはまだ届いておりませんけれども、いろいろな御要望があるということは聞いております。

(了)