塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.1.20(火)10:40 ~ 10:53 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から、1点申し上げることがございまして、「STOP! 転倒災害プロジェクト2015」に関してでありまして、平成26年の労働災害は、上半期の大幅な増加を受けて、8月に緊急対策を実施いたしました。その結果、労働災害の増加に歯止めがかかりましたが、残念ながら12月末現在の速報値では、前年より増加となりました。そのため、本年はより一層労働災害の減少に向けた取組を進めていく必要がございます。休業4日以上の労働災害の中で件数が多いのは、転倒災害、転ぶことですね。転倒災害でございまして、昨年は2月の度重なる大雪の影響で、転倒災害が大幅に増加いたしました。このため、本年は雪の影響で災害が増加する可能性のあるこの時期に、初めて「STOP転倒災害プロジェクト2015」と銘打ちまして、転倒災害の減少に向けて取組を強化することといたしました。本日より、厚生労働省のホームページに転倒災害防止対策の特設ページを開設いたしましたので、これを機に職場の総点検を実施し、安心して働ける職場環境を実現していただきたいというふうに思います。私からは以上でございます。

質疑

記者:
通常国会での法案対応についておうかがいします。今回の通常国会で、一体改革で求められている医療保険制度改革であるとか、年金制度改革と大きな法案もありますけれども、臨時国会から持ち越した派遣法であるとか、かなり、各部局から多数の法案が予定されておりますが、大臣として厳しい日程の中で、どのように成立の道筋をつけていくのかということと、あと特に年金なんですけれども、年金制度改革以外にもGPIFのガバナンスの見直し等、それから企業年金に関する法案も予定されていると思いますが、その辺りはまとめるお考えというか、どのように整理されるのか、そこもあわせてお願いいたします。
大臣:
この通常国会は来週から始まりますけれども、この国会への法案の提出につきましては、今、関係の審議会で御議論をいただいているわけでございます。それから、与党の方でもいろいろと御検討いただいているわけでございますので、今の段階は必要な法案提出に向けて準備を行っているところでございます。年金についてのお話がございましたが、これも審議会で議論していただいた年金部会がございますので、そこでの議論をよく深めていただいて、今後どうするかということは必要な調整準備を政府内、そして、また与党ともしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
記者:
高齢者の施設に関してうかがいます。いわゆる届出をしていない有料老人ホームというのが、国の方でも実態の調査を進めていらっしゃるかと思うんですけれども、東京都内に関しては都が把握しているよりも実際3倍にのぼるということが弊社の報道で明らかになったんですけれども、実際に水面下でこうした施設が広がっている可能性ですとか、また調査の方法などに不十分な点がある可能性もありますけれども、大臣の御見解をお聞かせください。
大臣:
老人福祉法で高齢者を入居させて、食事あるいは介護の提供を行っている施設を有料老人ホームと、こう呼んでいるわけでありまして、これは都道府県などへの届出を義務付けられているわけであります。今、御指摘の届出をしていない有料老人ホームについては、届出を促す観点から生活保護部局とか、あるいは地域包括支援センターなどの関係部局との連携を通じて、その実態把握を努めるよう都道府県に周知をしてきたわけであります。届出は法定の義務でありまして、未届けは許されないわけでありますから、厚生労働省としても様々な機会を捉えて、引き続き東京都を含めた都道府県などに対して未届け有料老人ホームの把握と、届出の指導を働きかけていかなければならないというふうに思っております。いろいろこれまでも未届けのままに事故が起きたりとか、そういうことがございましたから、そういうことがないように万全を期していかなければならないと思います。
記者:
今の大臣のお話にありましたけれども、その事故がこれまでもあったということでありますが、やはり届出されていないということで、虐待ですとか、それから事故・火災のリスクが高い部分というものもあるかと思うんですけれども、国としてそこら辺についてはどのような対応されていくおつもりでしょうか。
大臣:
今申し上げたように、設置をする者が届出をしなければならないというふうになっていて、特にこの行政との連携体制を構築するためにも届出をするわけでありまして、ガイドラインなどに基づいて居住環境などについて必要な指導を行うということが大事なわけでありまして、厚生労働省としては都道府県などに対して届出の徹底を依頼する、つまり届出は都道府県に対して行われるわけでありますので、そこのところをきちっとやっていただくようにお願いするとともに、この届出手続が著しく遅れるとかということがないように、ガイドラインの適用について段階的な基準への適合など、実情に応じた指導をお願いしているわけでありまして、いずれにしても、厚労省からも都道府県に対してしっかりと対応するように働きかけを強めていきたいというふうに思います。
記者:
先ほど、年金の話がありましたが、GPIFの比率、GPIFの運用の問題ですけれども、株式比率を大幅に増やした結果として想定される損失額が2、3倍に拡大するということが、6日の閣議決定でも確認されたということなんですけれども、総額26兆2,000億円にものぼる損失にも。大切な国民の年金資産ですけれども、第一次安倍内閣では消えた年金問題というのもございました。今回はもちろん、安倍内閣全体でしっかりと責任を持つということだと思うんですが、同時にGPIFの責任、その他について、あるいは大臣としての責任の所在というのを今回しっかり、まだはっきりされてないということだと思うんですが、国民の重大な関心事だと思うんですけれども、そちらについてお聞かせください。
大臣:
責任の所在は法的にはっきりしていることでありまして、この運用についても、年金制度に対しても、これは厚生労働大臣が最終責任があるということは変わりはないわけであります。今おっしゃっているのは、この新しい基本ポートフォリオの下での運用の場合の、言ってみれば揺れる幅というか、その話についての御質問があったことに対して、答弁書を閣議決定しているわけでありまして、この基本ポートフォリオの見直しについては、GPIFの方で専門家がいわゆるポートフォリオの議論に基づいて安全かつ効率的な運用を、年金の制度からの要請である、賃金上昇率プラス1.7パーセント以上で回すということをどう応えるかという中で、専門家が出した答えに対して、厚生労働大臣として承認したものだというふうに思いますので、何か損失が確定したとかいうような話では全くないというふうに思いますので、これはきちっとした運用の中で実現を、年金の受取額をきちっと約束したとおり受け取れるように適切な運用をやっていただくということが求められていることだというふうに思います。
記者:
結果的には、それでも想定の損失額としてはそれだけ膨らむということを、それを補填するというときは結局税金という形に。
大臣:
想定される損失額ということではなくて、この基本ポートフォリオの中でどういう幅で動きうるかとうことで、中央値の数値でいけば間違いなく約束どおりの年金を受け取れることに必要な運用を十分を満たしているということであって、それは例えば国債で100パーセント運用した場合には実現できないということがありますので、その大事なことは約束どおりの年金を受け取れる運用を安全かつ効率的にやっていただくということであります。
記者:
予算が史上最高額を更新しましたけれども、防衛予算等は伸びている中で、残念ながら社会保障、福祉の面のかなり削減ということがありました。特に、生活保護の冬季加算とか、そうしたものが減額されて、大切な国民の命を、生活を守るということが大きな務めという中で、とりわけ厚生労働省としては、大臣としては、国策として円安、物価高ということを国策として進めているわけでありますとか、上げるというわけでなくても、当然物価分だけ上げるべきなのかもしれないのを逆に下げてしまうことでダブルパンチ、弱者切り捨てではないかという批判がありますけれども、それについて厚労大臣として御所見を。
大臣:
予算をよく見ていただいたら分かることでありますけれども、(平成)27年度(予算)の社会保障費は31兆5,000億円強で、前年度比でいきますと1兆円以上増えているということであります。

(了)