塩崎大臣閣議後記者会見概要

H26.11.25(火)11:06 ~ 11:24 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から二つございます。まず、再生医療の推進法に関係することでありますが、本日、「再生医療の迅速かつ安全な研究開発及び提供、並びに普及の促進に関する基本的な方針」が閣議決定されました。この基本方針は昨年5月に成立いたしました議員立法に基づくものでございまして、再生医療の推進に向けての基本理念、それから国などの責務、基本的な施策等を示しているものでございます。また、再生医療の実用化を促進するための具体的措置を定めました、これは閣法でありますけれども、「再生医療等安全確保法」及び「改正薬事法」、これも本日より施行されるところでございます。引き続き、安全面、倫理面の課題に十分に配慮しながら、関係省庁が一体になって再生医療の実用化の推進に努めてまいります。それから、もう一つですが、厚生労働省は今月29日に国家戦略特別区域の一つであります福岡市のグローバル創業雇用創出特区において、第1号の雇用労働相談センターを開設いたします。雇用労働相談センターは、海外から日本に進出いたします、グローバル企業とか、あるいはベンチャー企業などが我が国の雇用ルールを的確に理解をし、個別労働関係紛争を生じることなく、事業展開をすることが容易となるように、弁護士による高度な労務関係の法律相談などを実施するものでございます。厚生労働省としては、雇用労働相談センターにおいて、国際的な労働ルール、それから商慣習に明るい弁護士によります、高度で専門的な法律相談サービスや、日本の雇用ルールに関するセミナーなどを行うことによりまして、新規開業直後の企業や、海外からの進出企業などが円滑に事業展開ができ、そしてまた労働者が、働く人たちが意欲と能力を発揮できるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。以上、2点私の方から冒頭お話を申し上げるところでございます。

質疑

記者:
昨日、6歳未満の女の子から臓器提供が行われましたけれども、2例目ということで、これのまず受け止めと、あと一方で、小児からの臓器提供があまり進まない状況でありますけれども、それについてもおうかがいできればと思います。
大臣:
まず第一に、何を差し置いても大切なお子様を亡くされた御家族に心からお見舞いを申し上げたいと思います。同時に、臓器提供を承諾してくださったことに、改めて敬意も申し上げたいというふうに思います。小児からの提供につきましては、まず最愛のお子様を失った御家族のショックがその時点で大変大きいということ、それから児童虐待の有無の調査とか、あるいは臓器提供施設の調査なども含めて、臓器提供をする側の負担というものが大変大きいなどの理由が、これまで小児からの提供については、15歳未満児からの提供がこれまで6例ありましたが、そのうち、6歳未満の子どもさんからの提供は今回のケースを含めて2例目ということで、少し時間がかかっているわけでございます。厚生労働省としては、今後とも国民皆様方の臓器提供の意思が生かされるために、正確な知識に基づき臓器提供について考える機会を提供すると、そしてまた、臓器提供施設の支援をすることによって、先ほど申し上げたような負担ができる限り軽くなるようにというようなことを含めて、必要な施策を引き続いて行ってまいりたいというふうに思っています。
記者:
総選挙に向けて、各党がマニフェストを発表しているんですけれども、その中で、子どもの貧困への対策や一人親世帯への支援などについての言及があります。改めて2点おうかがいしたいんですが、厚労省として子どもの貧困率の問題というのをどう捉えているのかというのが1点と、もう1点が2013年度の補正予算で、子育て世帯臨時給付金や臨時福祉給付金が支払われているんですけれども、これらは来年度以降も継続するお考えがあるのかをお聞かせください。
大臣:
今、子どもの貧困対策について御質問がございました。この子どもの貧困を解消するために、貧困の世代間の連鎖というものを断ち切らなきゃいけないというのが極めて重要な政策課題だというふうに思っています。今年の8月にすでに閣議決定をいたしました「子どもの貧困対策大綱」というのがございますが、それに基づいて、生活保護世帯を含む生活困窮世帯、それから児童養護の施設、それからひとり親家庭の子どもなどへの学習支援を強化する、あるいは、ひとり親家庭の親の就労とか学び直しの支援などに取り組んでいくというようなことがございます。それから、子どもの将来がやはり生まれ育った環境によって左右されないということが大事でございまして、子どもの健やかな育成のための必要な環境整備を行っていかなきゃならないというのが、今回の8月の閣議決定の趣旨でありますので、厚生労働省としても、その趣旨に沿って適切に対応してまいりたいと思っております。そして、今、お話がございました臨時福祉給付金、それから子育て世帯の臨時特例給付金についても今後どう対応するのかということでございますけれども、この臨時福祉給付金と子育て世帯の臨時特例給付金というのは、平成26年4月の消費税の8パーセントへの引上げ、今年の引上げに際して低所得者、それから子育て世帯等への影響を緩和するために実施をしておるわけでございます。この臨時福祉給付金の影響緩和の対象期間は、平成26年4月から平成27年来年の9月までの1年半ということになっておりまして、(平成)27年度の予算におきまして、どのように編成をしていくのかということを、この(平成)27年度の10月以降の対応について決めていかなければならないわけでありますけれども、これはこれからの予算編成の過程において、検討をしていかなければならないというふうに考えております。
記者:
今の関連ではないんですが、社会保障の充実といったところで、消費税の10パーセントの引上げが先送りされたことでですね、その財源確保が今検討されていると思うんですけれども、菅官房長官は優先順位を付けて対応しなければならないというふうにおっしゃっています。その考えは塩崎大臣としても同じなんでしょうか。
大臣:
できる限り、社会保障と税の一体改革で三党合意の下で決めた社会保障の充実、あるいは充実策ですね、こういったものについては可能な限り実施をしていかなければならないというふうに思っておりますが、今回、消費税の引上げを1年半延期をするということになりました。これらについてどういうふうにするかということは、当然、予算編成の過程で与党、そして政府の中で決めていかなければならないわけで、当然、優先順位は最終的には付けなければいけないんだろうというふうに思います。少なくとも、来年の4月からの子ども・子育て支援新制度については、これは総理もすでに予定どおり行うということを明確にしているところでありますけれども、それ以外についても、できる限り対応できるものは対応したいと思っておりますけれども、今後、予算編成で様々な議論が行われる中で決めていかなければならないというふうに思っております。
記者:
関連してですね、なかでも年金の部分、低所得者への福祉的給付やその受給資格期間の短縮については消費税率の10パーセントの引上げからというふうに法律で決められています。今、先送りされている中で、来年10月から行う場合には、財源が限られている中でさらに法改正をして行う必要がありますけれども、塩崎大臣としてはそうしてまでも行いたいというお考えでしょうか。
大臣:
これについてもすでに決まったことではありながら、今回、消費税の引上げを1年半引き延ばすということによって法律に、今、御指摘のとおり、書いてあるようなことでありますから、これをどうするかということは今後決めていかなければならないので、報道は先送りみたいなことを報道されていますけれども、これから議論をしていくことであって、何らまだ決まっていることがあるわけではありません。この2つの、特に低所得者・高齢者・障害者等への福祉的給付と、それから受給資格期間の25年から10年へというのは三党で議論したことでありますから、どうするかということを、しっかり我々は予算編成の過程と法律改正をどうするかというようなことも含めて、今後の議論だというふうに思っております。
記者:
医療保険制度改革についておうかがいします。先日、自民党の厚労部会のプロジェクトの方でですね、後期高齢者の特例措置の段階的廃止について、いろいろ異論が出て、今、党の方でも見直しを検討されていると思うんですけれども、このことについてまずどう思うかということと、あと改革についてはですね、負担の公平性というものを掲げていると思うんですけれども、なぜ負担の公平性が必要なのか、この部分についての大臣のお考えをお願いします。
大臣:
これについては、骨太の方針でも、検討するということになっていますから、検討しないといけないわけであって、これをどうするのかということは、自民党の中でも様々な意見があって、方向性も具体的な対処策についてもですね、厚労省でいろいろ考えていることをもう一回さらに考えろと、こういうことで、今検討しているわけでありますので、これも今後どうするのか、これは三党の合意の中で決まった大きな方向性の中での改革の一環でありますから、これについては、選挙戦を通じて、いろんな御意見もあろうと思いますけれども、予算編成の過程の中でどうするかということを決めていかなければならないというふうに思います。それから、公平性ということでありますけれども、負担の公平性というのは、当然のことながら、給付と負担とよく言いますけれども、社会保障はお互いの助け合いの下で行われることであって、どういう形で助け合うかということについて、これはやっぱり国民的なコンセンサスを得なければいけないので、その際に、公平性というのは、大事な考え方の一つとして、重視していかなければいけないんだと思います。負担能力に応じてという考え方もございますし、何が公平なのかということについては、やはりこれは、最終的には国会の中でも議論して決め込んでいかなければならないことというふうに思いますし、三党合意というのは、基本的には公平性を含めた助け合いの仕組みのあり方についての三党の合意というのがあの時できたんだろうというふうに思うので、そこのところを起点として、これからタイミングこそ消費税がずれましたけれども、基本的にやるということは変わらないし、総理は2017年の4月からは必ず消費税を上げるということも明確にしているわけであります。そういうことを踏まえた上で、どういうふうに保っていくかということを考えていかなければいけないというふうに思います。
記者:
子育て支援のことを先ほどおっしゃったんですけれども、よくその待機児童対策というふうに枕詞が付きがちですけれども、大臣もこだわってらっしゃる児童養護施設の人員基準を手厚くするということなども盛り込まれています。その子育て支援については、消費税が先送りでもやるという中には、その中に優先順位を付けるわけじゃなくて、パッケージとして、あの7,000億は全部確保できるというふうに目指されるのかどうかというのをお願いします。
大臣:
御指摘のように、この児童養護施設の人員配置基準についても、様々な議論をした末に7,000億の中に入れ込んでいるというふうに皆は認識をしているはずでありますし、私もそのように思っているわけでありますけれども、これを、消費税の引き上げを延期することによって、その間どうするんだということについて、当然これから議論しなければいけないことでありますが、私が会長をやっている議連、自民党の中に議連がありますけれども、ここでも前々からこのような総理の決定の前に、やはりそれはやってほしい、そのまま予定どおりやってほしいという声が強かったことも事実であります。したがって、こういった声を背景にしながら、どういうふうに予定どおり進めるということを、どこまでの範囲でやるのかということについてもですね、これから議論していかなければならないということで、気持ちの上では、もちろん、虐待に基づいて児童養護に入ってくる子どもさんたちが約6割もいるという中にあって、その子どもたちのケアと親のケアというのも一緒に大事な問題でありますので、これについては、私としても、こだわりを持って対応していきたいなというふうに思っております。
記者:
7,000億の中でも、もし7,000億が確保できなければ、ちょっと実施の濃淡が付く可能性があると。
大臣:
それはもう、これからの議論次第であって、総理が言っているように、子ども対策については、予定どおりやりたいというときにどういう議論が行われて、どこまでをカバーするのかというのはこれからの話だと思います。

(了)