塩崎大臣閣議後記者会見概要

H26.11.21(金)9:45 ~ 10:00 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。こちらからは特にございませんのでどうぞ。

質疑

記者:
消費税10パーセントへの引上げの先送りが決まりましたけれども、改めて、社会保障制度、これの財源はどのようにしていくおつもりかということと、差し当たり、来年の4月から子ども・子育て支援新制度が始まりますが、これは具体的にどのようにしていくおつもりかということをあわせてお尋ねいたします。
大臣:
まず、この社会保障・税一体改革の道筋というのがついているわけでありまして、我々、社会保障(制度)の改革はこの道筋に従って10パーセントへの引上げが必要だということでやってきたわけであります。今回、総理の決断で消費税の10パーセント引上げを18か月間延期をするということになりました。そういうことで、(平成)27年度の予算については皆さん御案内のように、この社会保障の充実、消費税の増収によって充実ができる部分というのが、子育て支援とか医療・介護、あるいは年金の機能強化で充てる額は予定どおりにいけば1.8兆円強あったわけでありますが、これが1.35兆円程度にとどまると、こういうことになるわけであります。この充実分を各分野にどのように配分をするかということについては、大変国民的な関心も大きいわけでありますが、これについては(平成)27年度の予算編成の過程で検討を深めて決断をしていきたいというふうに思っているところでございます。なかでも今御指摘のあった子ども・子育て支援新制度が来年の4月からということで、「骨太の方針」にも明記されていたわけでありますが、これについてはもうすでに全国の自治体、あるいは事業者の皆様方はこの準備に取りかかって、園児の募集とか、いろんな形で認定保育園等々やっておられますので、この充実はさらに考えてみれば、子育て支援の充実というのは待ったなしでございますので、予定どおり来年4月に施行する方針は変わりはないと。引き続いて内閣府を中心に施行準備を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、財源については今申し上げたとおり、(平成)27年度の予算編成過程で、これは対応をきちっとしていかなければならないということでございます。
記者:
衆議院は今日解散されるわけでありまして、塩崎さんは一旦、議員の職を辞されるということになりますけれども、就任当初ですね、経済最優先の中での厚生労働行政として何ができるかということを訴えておられました。そうした中で今回、経済を優先しての解散だとは思うんですけれども、この解散についての受け止めをお願いします。
大臣:
総理が会見で申し上げたとおり、税を決めるというのは大変重たい決断であります。特に今回、18か月間、10パーセントへの引上げを遅らせるということ。そして、18か月間延ばして、そのときには必ずやるということも決めて、そして、そのために賃金上昇を実現できるようになるためにも、経済政策を今までよりも増して、いわゆるアベノミクスを進めていくと。こういうことを国民の皆様方に信を問うと、こういうことで、今回の解散は行われるものだというふうに私も認識をしています。私もそのとおりだと思いますし、そもそも、経済最優先と言っているのは、社会保障の持続性の確保、あるいは財政再建の実現、こういったものにも、まずは経済を再生していかなければ税収は上がらない、保険料負担能力も上がらない、あるいは自己負担の部分についての負担能力も上がらないということでありますから、そういう意味で経済最優先と言っているのであって、経済のための経済ではないということが大事なポイントだと私は思っています。特に、厚生労働省をあずかる私の立場としても、社会保障の充実、持続性の確保、このためにも経済は再生を必ずしていかなければ、少子高齢化が当面は進むわけでありますから、いけないだろうということで、今回もう1回、改めて税を少し変えさせていただいた、それとそこに社会保障の充実や財政再建を含めて、そして何よりも国民の暮らしを賃金上昇を通じてということは生活水準の向上を通じて、地方を含めて再生を図っていくということについて、国民に訴えかけをしていくということが大事なポイントになってくるので、私もそれを心してやっていきたいというふうに思っています。
記者:
一方で選挙戦に入るわけですけれども、国内の状況を見ますとエボラ出血熱への対応というのも、大臣がおっしゃっているように喫緊の課題となっていると思います。この選挙期間中の対応については、どのような姿勢で臨まれるおつもりでしょうか。
大臣:
何度も申し上げているように、これまでエボラ対策としては行政の対応の強化、それから医師や医療機関の準備をしっかり整えるとともに、連携を強めていくと、そして国民の皆様にも御理解と御協力をいただくという三位一体でやってきておるわけであります。また、先日、武蔵村山にも行って、感染研(国立感染症研究所)のBSL-4の施設を含めて見てまいりましたが、武蔵村山市長とも話合いをして、この協議を正式にこれから加速をしていくということで合意をしているということで、道は順々つけてきているわけでございますが、今回、こういう形で選挙ということが起きても、何らその体制には変わりはなく、私に対しての連絡体制もきちっとするように指示をしておりますし、当然、省としての対応も万全を期して、抜かりのないように指示をすでにしているところでございます。
記者:
選挙の関連でもう1問うかがいたいのですけれども、明日から解散されて初めての土日ということになるのですけれども、大臣は御公務で北京の方に行かれるということで、議員の皆さんは地元に張りついて活動をされるなか、大臣は二足のわらじで大変だと思うんですけれども、その辺の御懸念とか、御苦労があれば、よろしくお願いします。
大臣:
今回、日中韓の保健大臣の間で、いろいろな定期的な話合いではありますけれども、特にエボラ出血熱の発生と蔓延が続く中での日中韓の連携というのは極めて重要であります。これを私が参加するというのは当然のことであって、それは選挙とは何も関係なくやるべきことはやっていくということでありまして、個人的にはいろいろ思いはないことはない、あるわけでありますけれども、そんなことは二の次であって、国益のために全てをかけるということで、しっかり日中韓で、それからWHOのマニラの代表も来られるわけでありますので、これからの連携をしっかり深めるための話合いをしていきたいというふうに思っています。
記者:
社会保障財源に関してですね、一部につなぎ国債をというような声もあるようなんですが、いわゆる一体改革の中で、つなぎ国債を出して財源を調達するということに関してはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
先ほど申し上げたように、これは(平成)27年度予算の編成過程の中で、様々な方々の御意見をしっかりと聞きながら、最後は決め込んでいくということだろうと思います。どういう知恵があるのかというのは様々これから出てくると思いますので、この国民の社会保障の充実に対する思いということをしっかりと念頭に入れながら、できる限りの対応をしていきたいと、このように思っております。
記者:
社会保障の充実で、年金についても、受給資格期間の短縮と低年金者への給付金ということが一体改革の中で盛り込まれています。基本的には、10パーセントの引き上げにあわせて実施をするという法律の建て付けとなっていると思いますけれども、これを前倒しして実施をすると、年間6,000億くらいのお金が必要になると思うんですけれども、前倒しして来年10月に実施するというような可能性というのは、あり得ますでしょうか。
大臣:
今、お話があったように、現行法の規定では、消費税の引上げが18か月間延期されれば、自動的に18か月間延期をされるということになっているわけでありますが、これも今後の検討を深めるということの一つだと思います。
記者:
自民党と公明党が消費税に関連して、生活必需品に対する軽減税率の導入を目指すということを聞きました。昨日、軽減税率の適用範囲をどうするかによっては、社会保障財源というのが大きく削れる可能性があるわけなんですけれども、今後、軽減税率の制度変更についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これは自民党と公明党の税調(税制調査会)で鋭意協議を重ねてきたことであって、今、御指摘のように、軽減税率を導入をすれば財源が少なくなるということも含めて議論してきたと思います。したがって、これはどういうふうにしていくのかは、さらに議論するということになってくると思うので、具体的な仕組みについてはさらに特に自公の税調を中心にやっていくんだろうと思います。一方で、これは逆進性ということで複数税率ということが御提起をされているんだろうと思うので、その両方のバランスをどう取っていくかということを、これからさらに議論していくということだと思います。
記者:
改めて、安倍政権の2年間への評価や、選挙の争点というのはどのようになると思われますか。
大臣:
さっき申し上げたように、日本を取り戻すというのが前回の自民党としてのキャッチフレーズでありました。そのために、まずは経済再生だと、経済優先だということを言ってきたわけですけれども、その目的は今申し上げたとおりであって、地方を含めた経済、すなわち国民の暮らしの再生であり、そして、国民が一番心配しているもう一つの関心事である社会保障の持続性の確保、こういうところの実現のために経済政策を今まで2年間やってきたけども、間違っているんじゃないかという他の政党からの御批判もありますので、それらについてもう1回、改めて信を問うということだと思っていますので、それが一番の最大の焦点になるんだろうというふうに思います。

(了)