田村大臣閣議後記者会見概要

H26.8.5(火)11:04 ~ 11:17 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は冒頭、私から2点御報告させていただきます。まず1点でありますけれども、労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請ということでありまして、平成26年の労働災害の発生件数が1月から6月末までの速報値で昨年の同じ時期よりも増加いたしております。中でも労働災害によって亡くなられた方の数でありますけれども、昨年同時期の366人よりも2割多い437人となっておりまして、極めて憂慮すべき事態であると受け止めさせていただいております。このため、本日、主要な業界団体250団体ほどでありますけれども、この団体に対しまして企業の安全衛生活動の総点検を行っていただくように緊急要請をすることといたしました。経済状況が好転する中でございますので、人手不足が顕在化いたしてきております。そのような中において、企業の安全衛生管理体制のほころびが懸念されております。また、事業量も増えておりますので、全体として企業活動も活発になっておりますから、事業量が多くなった分だけやはりいろんな作業が増えておるということがあるのであろうと思いますが、このような中でありますから、経験の少ない方々もいろんな形で労働者として参加しておるということもございますので、効果的な安全衛生教育も重要になってきておるわけであります。さらに、社会福祉施設、小売業など第三次産業においても、昨今労働災害が増加をしてきております。安全衛生活動を着実に進められる体制づくりをしっかりとやっていただくようにお願いをしていきたいというふうに思います。安心して働くことができる職場づくりは、労働災害を減らすだけでなく、人材を確保・養成して、また企業活動を活性化、活発化していくにもメリットがあるわけでございますので、労使の皆様をもはじめ、関係者の方々におかれましては、労働災害のない職場づくりに向けて一体となって労働災害防止に取り組んでいただきますようお願いいたしたいと思います。もう1点ございます。身元不明の認知症の高齢者の方々に対する特設サイトの設置についてであります。昨今いろいろと御報道もいただいておりますけれども、身元不明の認知症高齢者の問題が大変注目を集めておるわけでありますが、身元不明のまま自治体、市町村等々で保護されている方々の情報につきましては、それぞれで自治体がホームページ上で情報公開などをしていただいておるわけでありますが、今回これをお探しの家族がわかりやすいというような形を作るために、厚生労働省の中においてホームページに特設サイトを作りまして、そこから各自治体のそれぞれのページにリンクをしていただくというような整備をすることといたしました。静岡県や千葉県では身元不明方々、不明者の方々の身体的特徴や顔写真をホームページ上に公開しておるわけでありますけれども、個人情報の問題がありまして、それぞれの自治体で条例等々がございまして、なかなか戸惑っておられる自治体もあると思います。そこで、この個人情報保護条例を解釈し、情報公開が可能と整理しているかについて、どのような自治体がこれを可能にしているかということも含めて、我々としては紹介をしっかりとさせていただきながら、各自治体、個人情報保護というものをしっかりと乗り越えていただけるような御理解をいただけることも含めて、我々としては周知徹底をさせていただきたいなというお願いをさせていただきというふうに思っております。より多くの自治体が顔写真も含めて、公開いただくことによって初めて、この厚生労働省のホームページ、それぞれにリンクする一つのネットワークというものができるわけでございますので、是非とも各自治体にもよろしくお願いいたしたいというふうに思っております。

質疑

記者:
日中の食の安全に関する問題についてです。中国の食品加工会社が使用期限の切れた鶏肉を加工していたことなどが指摘されている問題を受けて、日中両政府がですね、食の安全を巡る実務者レベルの協議を開くことで調整しているとの一部報道がありましたが、この事実関係についてお聞かせください。
大臣:
御承知のとおりですね、鶏肉等々の問題が生じたわけでありまして、日中の間で食品安全推進イニシアチブに基づいて、今までも実務者レベルの協議をやってきた歴史がございます。今般のことを受けて、現在、これを開くことに関して協議をしておるということであります。
記者:
その協議については、閣僚級の協議の開催も含めて検討しているということなんでしょうか。
大臣:
実務者レベルで協議をするということで、今、協議をさせていただいておるということであります。
記者:
これに関連してなんですけれども、大臣は以前の会見で、輸入する際の水際対策を徹底すると、国内では。また中国側には品質管理の徹底というものを要求していたと思いますが、もし、閣僚級の協議が開催されれば、どのようなことを中国側に求めたいか、また、その後の国内での被害の確認など、現状の認識をどのようにとらえているでしょうか。
大臣:
協議は、今、開催することも含めていろいろと調整しておるわけでありますけれども、その内容も今現在、調整をさせていただいております。いずれにいたしましても、我々としては今般の事案も含めて、日本国内に中国から安心できるものをちゃんと輸出をいただかなければならないということでございますので、当然、そういうことを中心に協議内容というのは今調整をさせていただいておるということであります。それから、国内の体制は、これはそれぞれの企業も御努力をいただいておる話でありますが、我々も検疫等々でしっかりとこれからも検査をしていかなければならないというふうに思っておりますし、それぞれの状況に応じて、今までもその頻度等々も含めて対応してきておりますので、今般のことを踏まえた上でどのような体制を組むかということも含めて、いろいろと議論したいというふうに思います。
記者:
今月15日には戦後から69年を迎えます。終戦の日に田村大臣は靖国神社に参拝する意向はおありでしょうか。
大臣:
これは内閣の方針に則って、適切に対応してまいりたいということでございます。
記者:
西アフリカでエボラ出血熱が非常に流行しているということで、日本政府として、現在、どういう対応をするかということはお考えでしょうか。
大臣:
西アフリカにおいてエボラ出血熱による感染者が増加しているということで、8月1日の数字でありますけれども、感染者が1,603名、死亡者の方々が887名というふうな情報が入ってきております。厚生労働省のホームページ、またポスター等々で注意喚起を渡航者に向けてしておるわけでありますけれども、特に、外務省の方で西アフリカの3か国、国名を言いますとギニア、リベリア、シエラレオネの3か国でありますけれども、ここに関しましては不要不急の渡航を控えるということで、外務省の方から広報していただいておるということであります。我が国の入国者という意味からいたしますと、これは入国時にサーモグラフィー等々で体温の熱といいますか、それを確認したりでありますとか、また、本人が入国する時にどういう状況であるか申告をいただく中において、体調が悪い方々や感染の疑いのある方々に対してしっかりと対応していくという体制を整備しております。これは3月からこういう体制を組んでおるということであります。エボラ出血熱は飛沫感染というのはもちろん全くしないわけではありませんが、体液等々の濃密な交わりによって感染しますので、そういう意味では濃厚接触等々をするとうつるということでございますが、飛沫で感染するというのはかなりの飛沫を浴びないと感染しないということもあるわけでありまして、そこら辺のところと十分に御理解をいただきながら、感染に対するリスクというものをしっかりとそれぞれで勘案いただきたいということであります。これからもWHO等々の関連機関としっかりと連携して、エボラ出血熱の対応というものを進めてまいりたいというふうに考えております。
記者:
今日発表していただきました身元不明の高齢者のサイトのことですけれども、通知の方も都道府県宛てに付いておりますけれども、これは事実上、個人(情報)保護法の中でのそういう本人の利益になるときは同意が得られなくてもというところを使って、ほぼ参加を呼びかけるといいますか、情報公開を厚労省の方からもっとお願いするという、事実上そういうことで考えていいということですか。
大臣:
もちろん、これは地方自治の話でございますので、それぞれ条例の中でどう解釈をするかということでありますが、こういうような先進事例という言い方がいいのかちょっとわかりませんけれども、公開をしていただいておる各自治体の事例・解釈というものを、我々としては情報発信することによって、各自治体が是非とも参加をいただければありがたいということでございますので、もちろん地方自治のことではありますけれども、是非ともこちらの意図というものを御理解いただきながら御協力いただければありがたいということであります。
記者:
ひとり親の方々の在宅就業支援事業について、有識者検討会が近く費用対効果が低いと、このままの形での事業継続は妥当ではないという報告書をまとめる予定ですが、170億円もの公費をかけながらこのような結論が出たことについての率直な受け止めと、それから同種の事業を今後何らかの形で続けていく方向だというふうにうかがっていますが、きちんと一人一人の方々の支援につながるようにするために、現時点で何か方策をお考えであるか、その辺を教えてください。
大臣:
我が省の中の検討会で、こういうような御結論といいますか御報告をいただくわけでありますので、これは重く受け止めなければならんと思います。費用対効果も含めて十分な効果が上がっていないということは我々も十分にこれを反省しながら、効果が出るような事業に変えていかなければならんわけであります。この事業の趣旨はこれは必要であることは間違いないと思っておりますし、特に子どもの貧困という問題が今、大変社会的な問題になってきておる中でございますから、ひとり親家庭に対する在宅就業支援事業というのは大変重要であろうというふうに思っております。今回のこの事業でいろいろといただいた部分、問題点、こういうものを分析して、より効果のあるものにしていかなければならないと思っておりますので、これは反省も踏まえた上で次年度に向かって、しっかりとした事業にリニューアルしていかなければならんと考えております。
記者:
例えば、効果がきちんと出ているかという。
大臣:
費用対効果は常に検証をしておりますので、今回そんな中においてこういうようなお叱りをいただいておりますから、今のままじゃ駄目だということであります。どういうようなメニューなのかということも含めて、再検討した上で、重要な事業でございますので、しっかりと実質的な効果が上がるように、我々としては事業をもう一度見直していきたいというふうに考えております。

(了)