田村大臣閣議後記者会見概要

H26.2.12(水)8:32 ~ 8:46 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず冒頭、私の方からはですね、今日3点閣議決定をなされたものにつきまして、御報告をさせていただきます。「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」、「難病の患者に対する医療等に関する法律案」及び「児童福祉法の一部を改正する法律案」、この3法案が閣議決定をされたということでございます。内容は御承知のとおりでございますので、割愛させていただきます。

質疑

記者:
大臣先週インフルエンザにかかられましたけれども、現在まだインフルエンザの流行が続いておりますので、注意喚起も含めてお話しいただければと思います。
大臣:
大変御心配と御迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げたいというふうに思います。予防接種は受けていたんですけれども、やはり予防接種を受けておりましてもインフルエンザにはかかるものであります。ただ、重症化をある程度防ぐ効果はあるようでございますが、いずれにいたしましても、予防接種を受けているからといって御安心をいただかずに、手洗い・うがいをしっかりやっていただいて、私のようにならないように心からお祈りを申し上げたいというふうに思います。御迷惑おかけしました。
記者:
J-ADNIですけれども、東大への調査依頼についてでありますけれども、東大の調査依頼に法的な根拠があるのかということと、あと先日杉下守弘氏が要請文を出されましたけれども、その対応について、この2点を教えてください。
大臣:
要請文の法的な。
記者:
いや、要請文ではなくて、厚労省から東大への調査を依頼しているわけですけれども、それについて法的根拠があれば。
大臣:
これはですね、あくまでも依頼というような形でお願いをさせていただいておりますということでございますので、法的根拠というか、全体としてはお願いをするという法的根拠があるのかは分かりませんが、それに対して強制権であるとかいうような類のものではないというふうに思います。ただ、東大の方は前向きに捉えていただいておりますので、調査をしていただける方向で進めておるというふうにお聞きをいたしております。それから3点でございますが、今研究分担者の方から、研究分担者の管理下から持ち出されたとする資料の返却、少なくても第三者の管理下に置くこと、それから厚生労働省を始めとする関係省庁による徹底した調査を行うこと、3番目といたしまして東京大学で調査するのであるならば、第三者の立場からの公平な調査を迅速かつ徹底的に行う、結果を全面的に公開するよう指導するというような要請を頂いておるわけでございますが、まず、この研究者の方が管理下に置かれました資料の返却、少なくても第三者による管理下に置くことということに関しまして、我が方といたしましても確認をさせていただいたわけでありまして、第三者、言い分もそれぞれ違うものでありますから、第三者の方にこの資料をしっかりと保管をいただこうとお願いをさせていただいたんですけれども、この研究者の方から、それでは駄目だというようなお返事でございましたので、要請文は頂いたんですけれども、御本人の方に御理解をいただけなかったということで、第三者の方に保管をすることはできなかったというような状況でございます。それからあと、徹底した調査、これはなかなか厚生労働省を始め、関係省庁による徹底した調査というのは、どういうことを仰っておられるのか、なかなか理解できないところがあるんです。といいますのは、例のディオバンの場合も調査とはいえ、実質的に調査をやられたのは、各大学がやられたわけですよね。その調査を基に、頂いたものに関して検討委員会というものを作ってやったわけでありますけれども、第一義的には各研究機関、大学等々で調査をしていただくというのがですね、これがなかなか出張って行ってやるだけの権限も我々にはないわけでございますので、そういう意味ではそこをまずお願いをさせていただくということでございまして、今般東大にお願いをさせていただいておるということでございます。東大の方には、ここに頂いておりますように第三者の立場からの公平な調査を迅速かつ徹底的に行い、結果の方も公開いただくというようなお願いはさせていただいております。東大の方もそのような方向性で前向きに今検討いただいておるということでございますから、近くそのような方向になるのではないのかなというふうに、我々も期待をさせていただいております。以上でございます。
記者:
専門的な見地でやってもらうということでなんですけれども、学術的に専門的に東大で。それは厚労省ではそういう学術的・専門的な調査は難しいと。
大臣:
といいますか、元々ディオバンの時もそうだったんですけれども、権限的に入っていって資料を強制的に取って調査をするという権限はなかなかないんですね、今。ディオバンの時も薬事法に則って最後はやったというところがありますけれども、今般の場合、薬事法の適用というわけでもありませんので、そういう意味ではなかなか調査をする権限といったものが我々の方にはなかなかないというのが現状でございまして、まずはそういう意味では研究機関でしっかりと調査をやっていただくということが、第一義的だろうというふうに認識いたしておりまして、そのお願いをさせていただいておるということでございます。
記者:
ノバルティス等が販売する白血病の治療薬でですね、これの医師主導の臨床研究を巡ってノバルティスの社員がデータの解析にも関与していた疑いが出ているんですが、この問題に対する御見解と、今わかっている事実があればですね、厚労省の方で把握している。
大臣:
データのいろんな収集なんかでお手伝いをされてて、何かポイントが付くなんて話があったわけでありますが、今般、今おっしゃったような事案、つまり研究者の方々が頼んだのかどうかちょっとわかりませんけれども、その方々の持っているデータを解析したという話、これは我が方にもですね、そういう話が入ってきております。事実関係を今確認をさせていただいておる最中でございますからはっきりしたことはまだ申せませんが、もし本当であればですね、これはそもそも時期的なものも調べてみなければわかりませんが、一切ノバルティスが研究には関わらないというお話でございましたのに、それを破ってこういうことをされておられたとすればこれはもう大変遺憾な問題であります。我が方としてどういう対応ができるか、これ法的根拠はなかなか難しゅうございまして、企業が自らそういうことをやらないと言われたことに対して自らが違反されたことでございますから、法的な対応等々は難しいわけなんです。ただですね、これがもし本当にそういうことがあるとすれば、それなりの大きな企業ですから、そこが公に約束したことを破られたとするならば大変遺憾な問題でございまして、我々は強く抗議をさせていただかなきゃならんと思ってます。まだ事実関係の(確認の)最中でございますから、その事実がわかってですね、それ次第ということになりますけれども、そういうような状況の中で我々としては抗議ということで対応させていただかなきゃならないこともあり得るというふうに思います。
記者:
その話が入ってきているというのは関係者に事情聴取をして、そういったような関与が疑われるような情報が入ってきていると。
大臣:
まだそこまで確定的な情報ではございませんから、そこははっきりと申し上げられません。
記者:
医療法の改正案の関係で、急性期病床の再編であるとか今回いろいろ目指されていると思うんですが、この法改正に関する意気込みというか、意義と意気込みを改めてお伺いしてもよろしいですか。
大臣:
これはですね、やはりこれからですね、高齢者が段々日本の国で増えてくる超高齢社会に入ってきておるわけでございまして、今ある医療資源をですね、適切にやはり配分していくということをしないとですね、日本の医療自体が立ちゆかなくなる、そういう状況が近づいてきておるわけでございまして、そういう意味ではそれぞれの病床、特に急性期の病床等々に関する部分、7対1の病床が増えたわけでありますけれども、そういうものをある程度減らしてですね、慢性期でありますとか在宅でありますとか、地域の密着型の中小病院とか、そういうところである程度対応していっていただかなきゃならないと。そこの医療資源の配分をうまくやっていくということが一つと、併せてやっぱり在宅という意味からすれば地域包括ケアというような考え方を我々は申し上げておりますけれども、地域で医療や介護や予防やまた生活支援や住居、こういうものをですね、しっかり完結できるようなそういうやはり一つの仕組を作ってかなきゃならんわけでありまして、そういう意味では主治医の機能というのも大変重要なところだと思います。そこを強化をしていくという意味でですね、今般診療報酬改定も含めて、また新たなる財政措置も含めて対応していくということでございまして、今般の法律と密接に関わってくる部分でございますから、とにかく2025年、団塊の世代が75歳以上になられる、こういう時期を一つ目指してですね、新たな医療・介護の体制を組んでいくという意味では大変重要な法案になってこようというふうに思っておりますので、今国会で十分に御審議をいただきながら、きっと御理解をいただけるようにということでお願いしてまいりたいというふうに思っております。
記者:
患者の死亡事故に関する民間の調査委員会ですけど、こちらについてもお伺いできますか。
大臣:
これもですね、ちょっといろいろと紆余曲折があったわけでありますけれども、やはりお亡くなりになられた遺族の方々が御納得をいただきながらですね、行われた医療行為というものに御理解をいただくという意味で、そして本来本当に何か問題があった場合にはですね、そこでしっかりとそのことが検証できる、併せて同じようなことが起こらないような、いろんな部分でもですね、これからもそういうような問題に関する積み重ねという部分もあると思います。こういうものも含めてですね、このような調査委員会というものができることによってですね、患者の遺族の方々とそれから医療機関との間の信頼関係がより密接になっていくということもあろうというふうに思いますから、そういうことも期待をしながらですね、今般このような法律を出させていただくということであります。
記者:
最近自民党の厚生労働部会で党への根回し不足が指摘されていて。
大臣:
政府がですね。
記者:
厚生労働部会ですね、それで党への根回し不足だということで、法案審査が部会の方で難航する場面もあったかと思うんですけれども、大臣はこういった御指摘をどのように受け止めてらっしゃいますか。
大臣:
本当に申し訳ないことだと思います。十分にですね、与党、これは自民党だけじゃなくって公明党も含めて与党ですね、与党と十分に意見調整ができていなかったという部分はあろうと思います。いずれにいたしましても法律を作っていく過程で政府と与党は一体でございますので、いろいろとこれから御意見をお聞かせをいただきながらですね、法律を作りながら与党のそれぞれのポジションでですね、法案をしっかりとかけていくというようなプロセスをさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
佐村河内守さんの件なんですけれども、ゴーストライターの方は耳が聞こえていたんじゃないかと言っておられて、今日ですか、佐村河内守さんも数年前から耳が聞こえていたというような文書を出されたと聞いておりまして、障害者手帳も発行されていて障害者年金の問題ももしかしてあるんじゃないかと思うんですけれども、その事実関係、もし見てこうやって障害者手帳が発行されたんであれば問題かもしれませんし、そこのところはいかがなんでしょうか。
大臣:
そうですね、これはあの場合は各都道府県になるのか政令指定都市になるのかわかりませんが、お住まいになられているところによりますけれども、そこでですね、御本人がそのようなことをおっしゃられておられるとするならば、障害者手帳の取消も含めてですね、どうするかということをそれぞれで対応を適切にいただくという話になると思いますし、障害者年金の方はもらわれているのかもらってないのかちょっとまだ我々も確かめておりません。もしもらっておられてそれが本来もらえる条件でなかったとするならば、それはお返しをいただくということにもなってこようというふうに思いますが、いずれにいたしましても、ちょっと今事実関係まだこれからでございますので、しっかりと事実関係を確認の上で対応を適切にさせていただきたいなというふうに思います。

(了)