田村大臣閣議後記者会見概要

H25.12.10(火)11:41 ~ 11:51 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方からは御報告ございませんので御質問を頂きたいというふうに思います。

質疑

記者:
診療報酬についてですが、大臣は医療提供の体制の改革が必要だとおっしゃっておられて、救急、小児、この辺りの充実も必要だというふうにおっしゃっておられます。そうすると今回診療報酬改定について、要求ライン、つまり本体をプラスにするのか、ネットでプラスにするのか、その辺りはですね、必要な額を積み上げていくと、どのようなことになりますでしょうか。
大臣:
現在、必要な額を積み上げておりまして、一つはですね、薬価の改定というものがどのような形になるかというものがあるわけでありますね。これは薬価差益と調整等々だけではなくって、新薬創出加算等々もこれから考えていかなきゃならないので、それ全体を見ながらその上でどのような形で調整をしていくかということでございます。
記者:
今の診療報酬の改定の関係なんですけれども、今全体を見ながらという形でしたけれども、大臣のイメージする中でいわゆる消費税の分が入ってくるという、それをネットっていう話がありますけれども、ネットでプラスとマイナスと、その中には消費税分を含んで、必要な財源を確保するのかということと、除いて考えるのか。
大臣:
当然消費増税分として、これは頂戴をしなければならない話で、これ自身が例の消費税の税収分の中に入っていますから、この部分は確実に要求していかなければならないと思います。それとは別に、今言われたような医療提供体制の見直しの中で必要な部分でありますとか、それから救急、周産期、小児等々、がん対策、いろんなもの、必要な医療に関して充実でありますとか、そういうものを積み上げたものを要求していきたい。もちろんその中には、逆に言えばこういう部分に関しては効率化する必要があるんじゃないかというものもあろうと思います。めりはりはあると思いますけれども、いずれにいたしましても必要な所要のものを要求をしてまいりたいということでございます。
記者:
派遣制度の議論が今大詰めを迎えていて、安倍政権は雇用制度改革を成長戦略として掲げていますが、一方で派遣でずっと働く人が増えるということも考えられる中で、大臣はこのことについてどのように考えられますか。
大臣:
派遣で働く方々ですか。
記者:
はい。
大臣:
基本的に派遣で働いておられる方々で、正規雇用を目指される方々に関しては正規雇用になっていけるような、そのような我々は努力をしていかなければならないというふうに思います。一方で、派遣という働き方を選ばれる方々もおられるわけでありまして、そういう方々に関して派遣という形態で働きやすい、しかも処遇という意味でも改善をしていかなきゃならんわけでありまして、そのような努力はしていかなければならんわけであります。あくまで安倍内閣においては、自らが求める働き方が実現できるような環境を整えるいうことでございますので、派遣で働いておられる方々で、本来は正規で働きたいのにずっと派遣でいいというふうには思っておりませんから、そういう方々にはしっかりキャリアアップできるような環境を整えて、正規で働けるような環境整備というものをしてまいりたいというふうに思っております。
記者:
診療報酬(の話に)戻りましてすみませんが、二つ伺いたいのですが、診療報酬の引上げによって国民の負担が増えるという指摘をする方もいるのですが、その点について厚労省のお考えをお願いします。
大臣:
初再診、入院基本料に基本的には乗せるわけでありますから、消費税分が上がるかどうかは別にしましてですね、それはもちろん他のものの物価も上がるわけでありますので、若干上がるというのはこれは致し方ないという部分だというふうに思いますが、一方でいろんな形でですね、診療報酬に今配分をする部分に関しては全てのところにかかるわけではありませんし、例えば今我々が言っているですね、高度急性期、7対1のようなところから、もう少し看護師の配置基準の薄いところに、例えば入院が替わってくるとなればですね、当然高度急性期の方が高いわけですよね。御本人も高いところにいなくって安いところに来られればその分だけ御自身の負担は安くなるわけでありますから、全ての方々が高くなるわけじゃありません。逆に本来もうちょっと手厚い支援がほしいという方々が今回下の方から上の方に上がるわけですよね。そういう方々は負担は確かに今よりも配置基準がしっかりしているところでありますから負担が増えますが、しかしそれはある意味御自身が必要な医療、充実した医療を受けるために医療費を払うわけでありますので、そこもある意味御納得をいただける話でございまして、全てが平たくみんな負担が増えるというふうに思われるかも分かりませんが、点数というのはそれぞれ必要なところに付けるわけでございますので、そのような意味ではですね、一概に皆さんの負担が増えるという認識はしておりません。もちろん消費税の部分という意味からすると初診、再診、入院基本料というような部分に関しましてはそれは若干上がるとは思いますが、しかし消費税は全てにかかるものでございまして今般は消費税にかかるものの充当部分を診療報酬で上げるという方針でございますので、そこは一定程度国民の皆様方には他のものと横並びで御理解いただけるのではないのかなというふうには思います。
記者:
もう1点すみません。アベノミクスで給与の引上げを民間に求めている中で、やはり医療従事者だけ取り残されるということは今回の診療報酬であってはならないというふうにお考えでしょうか。
大臣:
そうですね、これはそれぞれの医療機関も御努力をいただかなければならない話ではあるとは思いますが、そこの収入が診療報酬というものが基本的でございますから、やはりそういう部分も一つ念頭に入れながら、この診療報酬改定に向かっては我々としてはですね、調整をしていかなければならないというふうな認識は持っております。
記者:
同じくその報酬改定のことでちょっと御見解をお伺いしたいんですけども、今回のですね、財務省などがいろんなところでですね、その主張しているのは、経営実態の調査結果を見ると医療機関の経営っていうのは全体として上向いていると。過去2回プラス改定があったっていうこともあって、そういう結果として上向いていると。あるいは医療従事者の中でも特にお医者さんのですね、給与水準っていうのはかなり高いと。物価や賃金のマクロの動きに比べても高い水準にあるっていうようなことをですね、主張して、それを根拠にですね、本体はマイナスにすべきだというようなですね、主張をされていると。一方で医師会はそうじゃないんだっていう反論もされていますけども、大臣御自身は医療機関の経営状況とかですね、あるいはお医者さんの収入というか給与水準みたいなものについてはまだまだ不十分なのか、それとももうかなり手当されてきていると考えてらっしゃるのか、そこはいかがでしょうか。
大臣:
まずですね、医療機関もばらつきがあるというのは中身見ていただいたら分かるように、良くなっているところもあれば良くなっていないところもあるという状況です。ばらつきがあります。急激に良くなっているわけではありませんし、更に申し上げれば利益率が4パーセントちょっとというような利益率。これは一般の産業と比べても高いわけではございませんから、なんか医療機関だけがですね、2回の診療報酬改定でいきなり収益がばーっと上がったというようなそんなイメージではないと思います。平均的な産業の利益率と比べても決して高くない、そういう状況だというふうに思います。併せて、医師の収入と言いますけれども、院長先生のような方々ですよね、そういう方々。開業医の先生方の所得というのはどこまで所得と見るのかという非常に難しい話があると思います。これは法人でない場合はですね、自由業と同じような範疇(はんちゅう)になってしまうものでありますから、それ自体が本当に個人の収入と全て見なせるのかという問題はありますが、基本的にこれは大きな法人の院長先生にしても何にしてもですね、企業で言えば経営者に近いわけでありまして、そういう方々と対照にした場合どうなのかというふうな見方をしなきゃいけない部分と、勤務医の先生方も、これもあのあまり大きい声でも言えない話なんですけど、非常に厳しい勤務環境、労働時間という中で御活躍をいただいておられるので、そういうこととどういうふうに相対的に見るのかということはあろうと思います。そういうことを総合的に勘案しながら、一方でそちらは高いという声はありますが、他の医療職種の方々はですね、決して一般の方々と比べて高いわけじゃない、むしろ低いわけでございますから、そういうところに対して一定程度の処遇改善ということをやっていかないと、これからですね、景気が良くなっていく中において、なかなか人材の確保ということも難しくなってくるんであろうという側面もある。そういう諸処のところをいろいろと我々も分析しながらですね、今回の診療報酬改定の調整をさせていただきたいというふうに思っております。

(了)