田村大臣閣議後記者会見概要

H25.12.6(金)9:01 ~ 9:18 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず冒頭、本日私から1件御報告をさせていただきます。本日、今般の経済対策に盛り込まれました「子育て世帯に対する臨時特例給付金」、これに関しまして、関係大臣と加藤官房副長官が集まりまして、打合せを行ったところであります。本日の打合せではですね、臨時特例給付金の今後の具体化に向けました基本的な考え方を確認をし合いまして、これに基づき、厚生労働省において、総務省及び財務省の協力を得て、必要な業務を進めていくこととなりました。詳細につきましては配布の資料のとおりでございますので、御確認をいただきたいというふうに思います。私からは以上でございます。

質疑

記者:
まずこの子育て世帯への臨時給付金なんですが、この制度のねらいや意義についてお伺いしたいのと、具体的な給付方法についてはこれから詰めるということだと思うんですが、現時点で考えられる給付時期についてはですね、いつ頃を目途として考えられているのかお願いいたします。
大臣:
まず給付時期に関しては、これからでございます。地方自治体にかなりの部分、お願いをしていかなきゃなりませんので、地方としっかりと話合いをさせていただきながら、もちろんできるだけ早くということでありますけれども、物理的にいろんなことがございますので、そこも打合せをさせていただいてですね、給付時期の方を決めていかなければならないというふうに思います。それから意義でございますけれども、これに関しましては消費税を上げると、来年の4月からいよいよということでございまして、今まで簡素な給付措置等でですね、低所得の方々でございますとか、一定の高齢者の方々、こういう方々に対して上乗せという部分でやってきているわけでありますけれども、やはり子育て世帯に関しましてはお金もかかるわけでございまして、こういう子育て世帯に対しても、これは低所得者と限っておるわけではございません、高所得者以外と言ったらいいのかも分かりませんけれども、そういう世帯に対してこのような形でですね、世帯の消費税が上がったことに対する経済的な支援をしていこうというのが目的であります。ある意味、これを広義の社会保障と捉えればですね、国民会議で報告いただきました全世代対応型の社会保障というような基本的な考え方に帰する部分であるのではないのかなというふうに思っております。あくまでも広義の社会保障と捉えた場合でありますけれども。ということでございまして、子育て世帯にもこの消費税というような、引上げというような問題に関しまして、しっかりと我々対策を講じていかなければならないというふうに思っております。
記者:
昨日の参議院本会議の方で社会保障制度改革プログラム法案が成立しました。来年度以降からですね、具体的な主に医療・介護を中心とした改革の具体化が進んでいくと思うんですが、特に給付と負担の見直しが課題になると思います。給付等の見直しに関してはですね、与野党ともに慎重意見もある中でですね、どういうふうに実現をしていくかについてお考えをお願いできますか。
大臣:
給付と負担の問題っていろんな側面あると思うんですけれども、やはりですね、給付の面というものはですね、一方で充実をしていくというような御要望もあるわけでありますが、一方で負担に関してはですね、公平性というものが重要であるわけでございまして、ここは様々な御意見があろうと思います。今我々それぞれ審議会等々でいろんな御議論をいただいております。これは具現化するのが来年の通常国会はじめとするですね、国会での議論になってこようと思いますけれども、まずは審議会等々も含めまして幅広く御意見を頂きながらですね、それを中心にまた国会、まさに国民の代表の皆様方にですね、御議論をいただいてですね、その給付と負担のバランスというものをですね、しっかり国民の皆様方の御理解の下、新たな社会保障制度という中において構築してまいりたいと、このように思っております。
記者:
昨日の経済財政諮問会議の方でですね、来年度予算編成の基本方針案が示されまして、診療報酬に関してはですね、抑制をするべきだという意見が今の時点で盛り込まれていると思うんですが、基本的には今後診療報酬プラスに向けた基本的なお考えはあると思うんですけれども、政府内では厳しい見方が強まっていると思いますが、今後来週以降本格化してくると思うんですけれども、改めて診療報酬に関して大臣としてどういうふうに取り組んでいくかお願いいたします。
大臣:
診療報酬という問題はですね、これは以前から申し上げておりますとおり、一つは今回の国民会議の報告を基にですね、プログラム法というものが今般成立をいたしたわけでありますけれども、この中の内容を具現化をしていかなければならない。その意味では診療報酬というものは大きなその役割を果たすツールであることは間違いがないというふうに思います。でありますから、その意味で適切な診療報酬を改定していかなきゃならないと。併せて、今現状ですね、やはり救急医療や周産期や小児科や、まだ不十分なところがあります。事実、これ救急のたらい回しというような話もちょくちょく現れるわけでありまして、こういうものに対しても国民の皆様方の医療に対する安心というものを考えた時には一定程度充実をしていかなきゃならんわけであります。更に申し上げれば、やはり医療従事者、医療関連従事者の方々の処遇という問題。これもですね、福祉職、医療職というのは一般職と比べてですね、相対的に所得が低いというような部分もございますから、ちょうどこれ、これからアベノミクスの中において賃金の上昇ということを考えた場合に、そういうような側面も考えなきゃいけないと。こういうような問題を総合的に考えた適切な診療報酬をやはり我々としてはですね、求めていかなければならないというふうに思います。ただ一方で、長期的にですね、診療報酬のみならず社会保障費ですね、社会保障費というもの全体のですね、伸びというものに対する、この伸び幅の抑制というもの、これは我々も真剣に考えていかなければなりません。もちろん、質を担保した上でという意味合いでありますけれども、そういう意味合いも実は今回の医療提供体制の見直しという中において適切な医療をですね、医療資源を適切に必要な方々にちゃんとマッチングさせていくという意味合いではですね、ありますから、そこら辺のところも実は今回の大きな我々の改革のねらいでもあるわけでございまして、そういうことを総合的に御判断をいただきながらですね、診療報酬を適切に改定していく、そこの合意点というものを探ってまいりたいなというふうに思っています。
記者:
昨日、規制改革会議で労働時間規制について見直すようにという提言が出されました。労政審で議論してほしいということなんですが、これについての大臣の御見解というか受け止めと今後の対応を伺えればと思います。
大臣:
労働時間の話ですか。
記者:
はい。
大臣:
労働時間をどう考えるかというのはですね、それはいろいろなところでいろんな御議論をいただいてますし、特に労政審の中でも御議論いただいております。いろんな議論を聞きますとですね、もちろん事業主にとってもメリットがあるというようなお話はありますが、やはり労働者にとってどうメリットがあるかという観点もお持ちをいただいております。そういう意味からいたしますと、労働者がワークライフバランスを考える中において、仕事の時間を選べるという意味合いからすればそれは一定の意味合いはあるんだろうと思いますが、ただその時にですね、労働者がやはりどのような仕事内容、業務内容、それに対する賃金ということを念頭にですね、その裁量的な働き方というものをするかというところが大変重要なポイントでありまして、時間は自由で賃金は一定だけど労働量がすごく多くて、実際問題、標準的に考える労働時間と賃金での割り返し、つまり時間当たりの賃金を考えると非常に下がるというようなことがあればですね、これは元々言われております労働者のための自由に働けるような権利といいますか、そういうものとは逆行する部分ですよね。ですからそういう部分をどう考えるかですね。例えば、自分自身である程度労働時間を管理できるような立場の方、今そういうような形の中で裁量労働制がやられておりますけれども、そういうような考え方を取り入れるのか、それとも基準があってですね、その労働時間、その労働量、それに対しての時間当たりの賃金というものをちゃんと算出された中においてですね、それで一定程度の休み等々、いうなれば健康管理というものが盛り込まれた上で制度設計されるのか、そういうやはり詳細精緻なところをちゃんと詰める必要があると思います。いずれにいたしましても、決して労働者の方々が結果的に過重労働で苦しむような内容でありますと、これは問題があるなというふうに思いますので、中身をしっかりと精査して御議論をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。
記者:
原爆症の在り方を見直す検討会の方が最終報告をまとめまして、その最終報告書の所感と、特に、被爆者団体側も、この有識者の非がん系というか、がん以外の疾病に関してはいろいろと見直しを求めるような議論がありましたし、あと被爆者団体が年内の結論を出すまでに協議を大臣としたいという考えも示されてましたので、それについてちょっと教えていただければと思います。
大臣:
まずですね、3年間検討会で御議論をいただいてまいりました。いろんな御意見・御議論をいただいたのですが、やはり今までのですね、がん以外の部分に関して非常に客観性がなくて分かりづらいというようなお話がございましたので、そこはやはり一定程度基準を分かりやすいものにしていかなきゃならないというような認識を我々も持っております。具体的にではしからばどのような審査の方針なのかというものに関しましてはですね、これはこれから医療分科会の方で御議論を具体的にいただく話になってこようと思いますから、そちらの方である程度具体的なものをですね、御提案を頂けるものというふうに思っております。被爆者団体の方々との意見交換に関しましては私がお会いできるかどうかちょっと分かりませんけれども、ただ少なくとも厚生労働省としてはですね、やはり今回の検討会をもってしてですね、その後今から医療分科会の方に入るわけでありますから、それまでの間にですね、いろんなお話をお聞かせをいただける機会というものは作るべく検討させていただきたいというふうに思っております。
記者:
昨日参院で特定秘密保護法案が強制採決されたことについて野党は批判を強めていますが、強行採決したことと、野党の批判が強まっていることについての受け止めをお願いします。
大臣:
強行採決といいますか、採決をされたことはそれぞれの議会側で御判断をされたことでございますから、それは議会の判断というものを我々は尊重をしなければならないというふうに思います。(野党が)反発されていることはですね、様々、国民の皆様方にもいろんな御意見があられると思います。これはしっかりとこの法整備をやるべきだという御意見もあれば、それに対して御心配をお持ちの方々もおられるでありましょうし、様々な国民の皆様方の御意見がある中で、それをですね、一つ代表された野党側の御意見だろうなというふうに思いますから、それ自体はそういうお考えもあるであろうなというふうな形で私は認識をさせていただいております。
記者:
原爆症認定制度の見直しのことですけれども、短期間では基準の明確化ということになると思うんですけれども、将来的には法改正等抜本的な改革みたいなものを考えていくというようなお考えはあるんでしょうか。
大臣:
検討会ではいろんな御意見もあられたというふうに思いますけれども、その中で一定方向の話合いがなされたんだというふうに思います。これからですね、医療分科会でどのような話になってくるのかということもあろうと思いますけれども、引き続きいろんな機会を含めてですね、原爆被爆者団体の方々とは意見交換をさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
今開かれている中医協(中央社会保険医療協議会)で、薬価調査の結果が発表されると思うんですが、平均乖離(かいり)率が約8.2%ということで、この数字に関してのお受け止めと、薬価差の部分は本体価格に回すべきではないという意見もありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず、大体8.2でしたっけね。昨今の平均的な数字ぐらいになるのかなと。まだ発表されてませんから、私はよく分かりませんけれども、今仰ったような数字だとすれば、それだったら前回と大体よく似通った数字なのかなというような気がいたしますが、いずれにいたしましても今日発表になりますので、我々も数字を注視をしてまいりたいと思います。その上で、まだこれからこの後、新薬加算等々のいろいろの調整があるわけですね。ですからこれをもってして、どれぐらい財源が出てくるかというものは、今日の時点でどうという話にはなりませんので、もうちょっと先の話になってまいります。その上で、診療報酬の改定の中において、医療の充実、診療報酬の充実の方に回すべきかというようなお話であったというふうに思いますけれども、必要なものは我々が、これがどうのこうのというではなくてですね、必要なものは必要なものでやはり主張していかなければならんわけですね。だから、そもそもなぜこのようなことをやってきたかというと、必要な医療の充実のための点数というものを考えた時に、財源がない中においてどうしようかということで、薬価の差益等々も含めて、そういうところから十分じゃないですけれども、何とか捻出をしてきたという歴史があるわけでございます。逆に言えば、どれだけ医療の充実、必要性というものに対して薬価改定で必要分があるかということと連動してくる話でございますので、我々としては必要なものをしっかりとお示しをさせていただいて、その上で今の薬価差益だけではなくですね、他の調整、加算の調整をした上で、どれぐらいの薬価改定分が出てくるのかというものと見合わせてですね、必要なものをちゃんと要求していくという話になろうと思います。非常にここは、微妙な話でございます。微妙な話というのは、そもそも薬価改定というものは、どういうようなもので、今まで診療報酬の充実分に回されてきたかという歴史的な経緯がありますから、微妙だというようなことを言ったわけでありますけれども、必要なもの、ただ単にこれがあるから全部もらうよというのではなくて、当然必要なものがこんだけありますよね、という中において我々は全体を含めて診療報酬の要望といいますか、御提案をさせていただくという話になるというふうに思います。

(了)