田村大臣会見概要(一般用医薬品のインターネット販売について)

H25.11.6(水)8:31 ~ 8:47 省内会見室

広報室

会見の詳細

一般用医薬品のインターネット販売について

大臣:
おはようございます。昨日はばたばたいたしまして、皆様に御迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。それでは、一般用医薬品のインターネット販売について昨日4大臣会合をやりまして、深夜でございましたけれども一応取りまとめということで、各大臣の意見がまとまりましたので、それについて御報告をさせていただきたいと思います。まず一般用医薬品のインターネット販売でありますけれども、これに関しましては御承知のとおり、まずは日本再興戦略で安全性を確保しつつ適切なルールの下で認めることとされたわけでありますけれども、その中におきましてまず一般用医薬品、スイッチOTC、劇薬を除く部分でありますけれども、この99.8%に相当しますけれどもここに関しましては今までインターネット関連の方々も含めた売り方の検討会で方向性が決まりまして、その中においてルールをしっかりと決めてきたわけであります。その上で、残りの0.2%、今申し上げましたけれども医療用医薬品から一般用医薬品にスイッチ間もない、つまり安全性を今検証しておるというようなもの、それから劇薬、これに関してでありますが、これに関しましては医学・薬学の専門家の方々に入っていただき、検討いただいた上でですね、10月8日に取りまとめをいただいたところであります。それを受けまして、基本的に医薬・薬学の皆様方の御意見では五感というもので確認を店頭で薬剤師の方がする必要があるということでございます。また昨日、明確にはっきりとそこのところを確認させていただいたわけでありますけれども、インターネットでは売れないという御結論を頂いたわけでありまして、それをもってして4大臣会議で、これはインターネットでは即座には売れないと。具体的に言いますと、劇薬はその危険性がありますので、インターネットでは売れません。これは本人等々の挙動等々をしっかり確認する必要があるということでございますので、対面で販売するということであります。それからスイッチ間もない一般用医薬品に関しましては、一定の安全性の検証期間が過ぎた後では一般用医薬品といたしまして、インターネット販売が認められるということでございます。今4年というのがですね、その年限であるわけでありますけれども、これをまずスイッチ間もない今後の、これから出てくる一般用医薬品に関しましては基本上限3年。3年でありますけれども、専門家の方々がこれをしっかり検証できれば、それ以内ということも当然あるわけでありまして、それはこれから個別のものによってどうであるかというものは、これから次第でありますけれども、上限3年ということでございまして、安全性が確認でき次第、これを一般用医薬品に移していくということでございます。それから既存のものに関してでありますけれども、既存の一般用医薬品、スイッチ間もない一般用医薬品ですね、これに関しては3年でこれを言うなればインターネット販売を認めるようにするということでございまして、1年繰り上げて安全性の確認をさせていただくということをいたしたいというふうに思っております。いろんな議論があったわけでありますけれども、インターネットと、それから対面とそれぞれ情報を伝達するのは対等であるではないかと、いろんな御意見がございました。ただ、インターネットの方が情報伝達するのに優れている部分もございますし、対面の方が優れている部分もあるということでございまして、どちらが優劣かというわけではありません。ただ、今回のスイッチOTCの安全性を確認する上においては五感等々で確認をする必要性があることから、この部分に関しては対面が必要であるということでございまして、決してインターネットと対面とどちらが情報伝達で優位なのかというような右か左かの議論ではなくて、それぞれに留意点があるという中において、今回のことに関してはこれは対面の方がより安全が確認ができるという御判断を専門家の方々がなされたということでございますので、最終的にそれに従ったような形で4大臣会議でそれぞれ合意を得たということでございます。私からは以上でございます。御質問がございますれば。

質疑

記者:
焦点となった劇薬とスイッチの併せて28品目についてですね、安全性と利便性のその両面からの検討がなされていて、それで今回このような決定になったその意義というものについては大臣どのようにお考えでしょうか。
大臣:
やはりですね、スイッチOTCからさらに一般用医薬品ということで、言うなればそこはですね、セルフメディケーションも含めてそれぞれの利用者の方々が利便性、自らで自らの健康をある程度管理するという意味ではですね、大変意義があるわけでありますし、インターネットという意味からすれば非常に手に入りにくい、店頭で手に入りにくい方々にとってみれば利便性が向上をするということでありますし、インターネットというものの利用にニーズを感じておられる方々に対しましても利便性は上がるということだと思いますが、一方で、総理もおっしゃっておられましたが、安全性を確保すると。これが大変重要な部分でありました。我々厚生労働省としてはですね、いろいろと厚生労働省自体がインターネット販売に対して消極的であるのではないかとかいろんなお話ありましたけれども、やはり我が省のですね、今までの歴史はいろんな薬害問題でその患者の方々、被害者の方々に迷惑をかけてきたという、そういう歴史があるわけでありまして、その薬害の碑というのを含めてですね、そういう反省の下に常にこの薬というものに対してはその副反応、副作用、被害者の方々に対してどのような行政をしていくかということが非常に重きを置くところでございました。ですからですね、我々がそのインターネット販売がなかなかこの薬に対しては難しいというよりかは、やはり専門家の方々がちゃんと御確認をいただくまでは、なかなか我々の判断でこのインターネット販売というものをゴーというふうに出すわけにはいかないという部分があったわけでございまして、特にスイッチ間もない、まだ十分にその検証ができていないスイッチOTCに関してはしっかりと専門家の方々の御意見を伺う必要があったということでございまして、そのような中においてその手続を踏んだ上でですね、最終的にこのような結論に至ったというわけであります。
記者:
ネット事業者側は先ほど大臣のお話もありましたように、対面とネット販売に差を設けないという原則で当然政府の対応について批判してくると思うんですが、そういう点について重ねての質問になる部分もあると思うんですけれど、どのように理解を大臣としては求めていきますか。
大臣:
我々はインターネットがですね、対面に対して劣っているとは思ってないんですよ。インターネット、いろいろと便利、本当に便利なところがあって、もちろん私も使ってますしね。そういう意味ではインターネットの利便性というのも十分分かっているわけでありますし、インターネットでいろんなことが確認ができる、例えば記録が残るでありますとか、いろんな有利な点もあることは十分に認めております。先ほど申し上げたとおり、対面よりも有利な部分はいくらでもありますね。ところが今回のことに関して言うと、対面の方がより確認ができる分野であったというだけの話であって、どちらが有利かというような議論をするつもりはありません。それが証拠にですね、全く同じであるならばですね、インターネットっていうのはいらないわけであります。対面でいいわけであります。逆に言えば、全く同じであるならば、私がここでこうやって会見する必要もない、全部インターネットで文章で会見すればいい話であって、そこはやはり対面には対面の、それぞれフェイストゥフェイスでやることによってですね、伝わるものもあるんであろうと。一方で、インターネットはインターネットの方が有利な部分で伝わる部分もあるんであろうということでございまして、インターネットを否定するだとかそういうつもりは全く無くて、たまたま今回のことに関して言えばですね、専門家の方がそのような判断をされたということであろうというふうに思います。
記者:
それから大臣先ほど発表された内容について、その法制化についてはこれはどのように対応されるおつもりでしょうか。
大臣:
これからですね、それぞれの与党の手続に入っていただくという話になると思います。その上で今国会中にですね、法案を提出をさせていただいて、即座に成立に向かって御協力をいただければありがたいというふうに思っております。
記者:
今薬事法の改正案について今国会に提出されるということですが、新ルールの施行は大体いつぐらいを目途に。
大臣:
来年の春ですね。
記者:
規制改革会議はですね、スイッチOTCに関して3年間ネット販売を認めないことに対してですね、科学的な根拠がないという指摘をしているんですけれども、そこに関して大臣がどのようにお考えなのか教えてください。
大臣:
それは医学・薬学の専門家の方々がこういう決断を出されたというのは、医学的・科学的な見地からそのようなことをお決めになられたということでありますから、それは科学的な根拠ということになるんじゃないですかね。
記者:
現在4年を3年に短縮するということですけれども、今の4年は調査3年、評価1年というような仕組みになっていたと思うんですが、具体的にその中身はどのようになるんでしょうか。
大臣:
3,000例そのような症例を集めているんですね。そこはマンパワーを集めて、それだけ症例を早く集めるということによって、検証期間はいりますからね、それをしっかり中身を精査するということで、マンパワーの増強等々を含めて対応するという話になると思います。安全性はしっかりと確認はいたします。
記者:
専門家が検証できれば3年をより早めるというような趣旨かと思われるんですけれども。
大臣:
それはものによっていろいろと副作用、副反応の強い、低いというのはその薬効成分によると思うので、だたそれは我々がですね、これを早くしようというのではなくて、専門家の方々がこれならばもう確認できるねというものがあればわざわざ3年ということで上限まで待つ必要はないんではないかという話の中において、そういうものは早く検証ができれば出していこうという話でございます。
記者:
今回のネット販売、安倍政権が掲げている成長戦略、規制改革のトップランナーみたいな位置付けになってましたけれども、これで規制改革が後退したと受け止められたりですね、そういう懸念はございませんでしょうか。
大臣:
一般用医薬品は原則、これを全てネットで解放するということでございますので、そういう意味からしますとこのスイッチ、検証期間が終われば全部販売できるようになるわけですよね。だからそういう意味からすると総理が言っておられることと何ら矛盾する話ではありません。しかもその前にやはり安全を確保しつつということでございますから、安全性が検証されればですね、当然のごとくネット販売をしていただくと。一番懸念するのは安全性が確保できないにもかかわらずですね、ネット販売をするということになるとスイッチOTCがですね、今度は出て来なくなる可能性があるんですよ。そうすると本来スイッチOTCが出てくる、新しいものが出てくることによって一般用医薬品の商品が増えて、そこでは経済成長に資する部分があるわけですね。出てこなくなるとそもそも一般用医薬品の市場が広がらないということでありますから、逆になっちゃうんですよね。そのためにもやはりここは安全性をしっかり検証をして、これからも安定的に一般用医薬品が増えるようにしなきゃいけないという意味からすると、こちらの方が私は成長にも資するんであろうというふうに思います。
記者:
薬のことよく知らないんですけれども、要は安全性が曖昧なまま、一般医薬品としてスイッチするとしてそれで実際事実上売っていく中で検証していくっていうことになるんですか。元々曖昧なんですか、安全性が。
大臣:
曖昧というよりかは一定の安全性はありますけれども、実際問題それが一般用医薬品というような形で売られて、どれだけの要するに副反応、副作用があるかというものを検証しないとそれ以降の一般用医薬品としての安定的な売り方ができないと。場合によってはそこから医療用医薬品に戻る場合があるんですよ。たぶんそういうことなんだと。
記者:
それで結局これでいろいろ総理のお考えもおっしゃいましたけれども、たぶん三木谷さんは行政訴訟を起こされて競争力会議のメンバーも辞める公算が高いかと思うんですけれども、そうやって混乱を招くことについてはいかがでしょうか。
大臣:
それは私の範疇(はんちゅう)の話ではございませんので、三木谷氏という個人的な名前が出ましたけれども、個人的な名前は別にいたしまして、どの方がどのような活動をされるかというのはその方の御判断だというふうに思いますけれども、我々先ほど来申し上げていますとおり医薬行政を預かっているものにしてみればですね、やはり今までの薬害事件等々のいろんな問題で我々も反省の上に立ってますので、しっかりと専門家の方々の御判断をいただかないと、なかなかですね、我々としては勝手に行政の判断ができないという部分があったということは御理解いただきたいというふうに思います。
記者:
現在23品目についてですね、先ほど3年という形でいきましたけれども、それはスイッチした時から3年ということで、早ければこれから3年ではなくて、近々一般用に完全に移るようなものというのもあるわけですか。
大臣:
それはこれから出てくるものですか。
記者:
これから出てくるものじゃなくて、現在の。
大臣:
既存のものですか。
記者:
ええ。
大臣:
既存のものに関しても、これも早める、3,000例という話を早く集めるというのと、暫定的に2,000例ぐらいである程度評価はできますので、評価は先にしながら3,000例を集めて暫定再評価するということにすれば評価期間というものはある程度短くなると思いますので、そこで安全性を担保して出てくるものはそれはあると思います。
記者:
見通しとしては。
大臣:
それは可能性があると思います。

(了)