田村大臣閣議後記者会見概要

H25.10.15(火)9:52 ~ 10:10 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方から冒頭2件御報告をさせていただきます。一つは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案、いわゆるプログラム法案と呼ばれているものでありますけれども、閣議決定がなされました。この法律は、御承知のとおり、社会保障制度改革国民会議の報告書等を踏まえた上で、少子化でありますとか、医療・年金・介護の各分野につきまして改革の検討項目、それから措置を講ずる時期と法案提出を目指す時期を明らかにするということでございまして、改革の推進を進めるための体制を整備していくというものであります。臨時国会で是非とも成立をさせていただきたいというふうに思っておりますし、このプログラムに則って社会保障制度の安定性に向かってしっかりとした体制が組めるように努力をしてまいりたいというふうに思います。それからもう1点は、生活保護法の一部を改正する法律案と生活困窮者自立支援法案、この二つの法案が閣議決定をされました。もう内容は十分御承知でございますので内容までは申し上げませんけれども、2法案とも前通常国会で廃案になったわけでございまして、いろいろと前通常国会の中で御議論をされて修正をいただいた部分をですね、盛り込ませていただいた上で今国会で再度提出をさせていただきます。是非とも早急に御審議をいただいて、成立をいただければありがたいというふうに思っております。私の方からは以上でございます。

質疑

記者:
2点質問をさせていただきます。今お話にもあったのですけれども、今回臨時国会の召集ということで、生活保護法の改正案が再提出ということで、反対議論がある中でどのような国会議論を進めていかれるおつもりかということと、2点目は福岡の病院火災の件ですけれども職員を派遣したというところまでは前回お伺いしましたが、その後厚労省として法令違反だとか、何か指導すべき点が見つかったものなどありましたら教えてください。
大臣:
まず生活保護法案でありますけれども、前回もかなりの政党、野党も含めて賛成をいただいている法律、衆議院の方ではございますけれども、賛成をいただいている法律ではございます。民主党を始め、必要だと御理解をいただいてきている部分でありますし、これはまさに生活保護の方々が自立をしていただきやすくする部分と、それから御心配をいただいておりました生活保護申請時の問題に関しましても、しっかりと確認をさせていただくような法案の修正をさせていただいておりますので、そういう部分も含めてですね、今国会で御審議をいただいた上で、御理解の上成立をさせていただければありがたいというふうに思います。それから、福岡の病院の件でありますが、いろいろと報道の中では話をいただいております。今関係省庁といろいろと我々も連携をしながら、事実関係を確認をさせていただいておる最中であります。例えば、建築の確認申請なんかが出ていなかった、届出がなかったというような話がありますが、これは国交省のお話でございますけれども、もしそれが医療にかかる部分であるとすれば、これは我が方にも届出をいただいていなければならんという話でございますから、今その増築したところがですね、医療に使われていたかどうかということがまだ確認ができておりませんので、確認の上本来届出をしなければならなものであるとするならば、それに対しては法律違反ということになりますので、適切な対応をしてまいりたいというふうに思います。いずれにいたしましても、金曜日にですね、医療機関の方にということで各自治体に、このような火災等々、安全対策に関しての通知をさせていただきました。今週は、その中でも特にスプリンクラーを付けていないような、付ける義務がないような有床診療所、それからあとは小規模な病院ですね、こういうところに対しまして注意喚起していただくような、促すような通知等々をさせていただきたいなと、このように思っております。
記者:
これまでの会見でも何度か伺っていることなんですが、いわゆる雇用の特区といいますか、国家戦略特区の雇用の部分についてですね、今日の段階ではまだ閣法で出てきていないわけなんですけれども、現状厚生労働省として慎重姿勢を持たれていることは現状変わりがないのかということが1点と、10月4日の段階で国家戦略特区ワーキンググループの八田座長が職種を専門職ですとか、院卒に限れば認めてもいいんじゃないかという新たな提案をされているわけなんですが、職種を限ればこういう労働規制を緩和してもいいということについては、大臣はどういう御意見をを持たれているかお聞かせ願えないでしょうか。
大臣:
前段ですけれども、この労働関係の制度等々を法律をいじってですね、変える場合、一つはよく私が申し上げます生存権的基本権。基本的人権の一部たるものを考えたとき、そもそもできるものとできないものがあるであろうというふうに思います。その上でできるものに関しても、特区という中でやること、全国的にやれる場合もありますけれども、特区に限るというようなことが可能なのかどうなのか。こういうところを精査しながらですね、御提案に対してどのような我々としては対応をしていくかということを検討するということでございます。今のは総論でありますけれども、一つはそもそもそういうものを法律改正というものの中でできるかどうかという問題が1点。それからできるものに関しましては、特区という中においてできるかどうか、つまり地域を限定することによって法の下の平等というものが崩れるということが可能かどうかといいますか、適当かどうかといいますか、そういう議論を念頭に置きながらですね、御提案に対しては検討をさせていただくということであります。今の2番目の御質問に関しましては、職種だけっていうのは、いずれにいたしましても難しいですよね。職種でもワーキングプアの方はおられますよね。そういう職種というのは多分労働契約等々の交渉力が強い専門職があって、交渉力が強いというようなイメージをお持ちで言われておるんだと思うんですけれども、いずれにいたしましても、ある程度の処遇が期待できるものという意味からしますと、職種だけに限ってという話になると、実態がどうなのかといろいろ判断をしていかなければならないだろうと。そういうことも踏まえて検討するということになってこようというふうに思います。
記者:
政府内で調整が続いているものとして医薬品のインターネット販売があると思うんですが、今日閣議の前とかで皆さん閣僚の方が集まってお話もされたかもしれませんけれども、今現在どういう状況でどう決まっていこうとしているのか、今現状ありましたら教えていただければと思います。
大臣:
閣議等の中身の話はするわけにはいきませんのでしませんが、閣議や閣議前の場所で個別具体的な話をするのは非常に難しい雰囲気がございまして、事実上させていただいておりません。どういうプロセスで決まっていくかというのはですね、最終的にはこれは当然厚生労働省の所管でございますので私が判断をさせていただいて、その上で法律改正なら法律改正という話になってくるんだと思いますが、当然そうは言いながらもですね、一定程度閣内で調整はしなければならないわけでございまして、今閣内での調整をさせていただいておるということであります。
記者:
冒頭御発言のあったプログラム法案についてなんですけれども、安倍内閣として臨時国会で成立を目指す最重要法案の一つという認識でよろしいんでしょうか。そうであればその理由を併せてお願いします。
大臣:
最重要法案の一つだと私は認識いたしております。なぜならばですね、それはまさに政権交代前に三党という形で自民、公明、民主というような中においてですね、社会保障というものを政局に絡めないと、これはまさに政権交代があっても同じ方向性を見いだしていく必要があるのではないか、若しくは若干はもちろん違うわけでありますけれども大枠の筋といいますか、基本路線は同じ中においてそれぞれ若干の違いというものは各政党でありますから、あるのは当然でありますけれども、大幅に制度が変わらないというような形にすべきではないかという話の中においてですね、三党協議、そして推進法ができてですね、それに則って国民会議ができて、その国民会議の報告に則ってプログラム法案の閣議決定という流れでございますから、そういう意味では国民の皆様方の社会保障に対する安定性、信頼感、こういうものをしっかりと持っていただくための法律だというふうに思っております。
記者:
最初にですね、生活保護法の改正案なんですけれども、修正が盛り込まれているとはいえですね、やはり申請手続や扶養義務の強化なんかについてですね、本当に保護が必要な人が使いづらくなる等の懸念とか批判が市民団体、支援者などから出ているというか続いているんですけれども、改めて大臣のお考えをお願いいたします。
大臣:
実態としては今までと変わらないわけでありますけれども、そういう心配があられたということはですね、実際現場でそのような心配であるようなことの印象を受けられる保護を受ける方々がおられるんだと思います。そこは本来保護を受ける認定の基準といいますか、保護基準にそぐわない場合にはそれを丁寧に現場で説明をいただく必要があろうと思いますし、もちろん本来基準をクリアしているにもかかわらず保護決定をしないということはこれは法律違反でありますから、そういうことがないように改めて厚生労働省として各自治体にはしっかりと説明をさせていただきたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、これによって実態が厳しくなるということはございませんので、そこをしっかりと我々としては御理解をいただくように説明していく必要があろうと思いますし、もっと申し上げれば必要な方はしっかりと生活保護を受けていただけるような、そういうような御理解を各現場担当者の方々に持っていただけるような丁寧な説明も各自治体はしていかなきゃならんと、このように思っております。
記者:
子宮頸がんワクチンの件なんですけれども、6月にですね、積極的な勧奨中止となっているんですが、被害者連絡会の報告によりますとその後も700人以上の被害を訴える問合せがあると聞いております。厚労省としては今、被害者がどれぐらいいると把握しているんでしょうか。また、被害を訴える人に対して希望する医療費負担等を考えてらっしゃるんでしょうか。
大臣:
現状ですね。今集まってきているものは中身を精査をさせて分析をさせていただいているわけでありますけれども、本年の3月31日時点でですね、サーバリックスで1,705件、うち例えば発熱、めまい、それから打ったところの局所の腫れですね、こういうような症状、重篤といっておりますけれども、このようなものも含めて重篤といっておるものが約302件ですね。ガーダシルが263件中、今言った発熱、めまい、腫れなどを含む重篤と御医者様がいわれているものが56件、そしてさらにその中で広範な疼痛(とうつう)を訴える部分ですね、これがよく被害者の連絡会の方々がおっしゃられている部分が多いわけでありますけれども、これが現状38症例ということでありまして、さらにこれがどれぐらい増えるかということを今調査をさせていただいておるということであります。それから実際問題、これの原因自体は重篤な部分、広範な疼痛を伴った非常に重い方でありますけれども、この子宮頸がんワクチンとの因果関係というものがまだ解明されていないわけでありますけれども、しかし一方でそういう患者の方々が来られてですね、私もお会いをさせていただきました。非常に重い症状であられます。ですからこれに関しましては、治療を行うとともに病態を解明する研究班を厚生労働省として立ち上げまして、全国17医療機関で治療も含めて対応させていただきたいというふうにこれも動き出しておりますので、もしそのような広範な疼痛を含む重い症状の方々がおられましたらですね、是非とも医療機関にお行きをいただきたいというふうに思います。
記者:
数としては3月31日時点のものしか、今現状は手元にはないということですね。
大臣:
今精査をしておる最中でございますので、その後も子宮頸がんワクチンは4月から定期接種になっておりますから、それまでの分というのはあくまでも定期接種前になる以前の部分において、これは任意的な中において出てきている部分でありますけれども、定期接種になってからも直接的な勧奨を控えておりますので、定期接種をされる方というものが予想よりも少ないわけでありますけれども、しかしそういう中においても全くないわけではございません。もちろんその中にも副反応の方々がおられますから、その今来ておる情報を収集してですね、中身を調査分析をさせていただいておるという状況であります。また一定程度の時期が来ましたらですね、御報告をさせていただくことになろうというふうに思います。
記者:
1点確認なんですけれども、プログラム法案関連なんですけれども、消費税が10%になったときの使い途の内訳、1%が充実で4%を社会保障の安定化に充てるという、先週自公にも示されましたけれども、これは何か政府側でその後手続きというか、例えば関係閣僚で確認するとかそういった手続きというのはあるんでしょうか。
大臣:
関係閣僚で確認する場ですか、正式には確認する場というセレモニー的な部分は今のところ予定はされていないんだと思うんですがね。中身はこれから詰めていかなきゃなりませんから、財務当局とも我々は詰めていかなきゃならんと思いますけれども、そういうような何大臣会合というようなものがあるのかどうかというとちょっとまだ我々も段取りとしては認識はしておりません。

(了)