田村大臣閣議後記者会見概要

H25.9.3(火)11:31 ~ 11:50 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は私の方からはございませんので、御質問がございますればお受けいたします。

質疑

記者:
昨日ブラック企業の電話特別相談の結果の方を厚労省が公表されまして、サービス残業の相談が過半数を占めるなどの内容だったんですけれども、この結果の受け止めと今後これを受けての厚労省の対応について教えてください。
大臣:
先般の閣議後記者会見でも申し上げましたけれども、9月1日に無料電話相談を行いました。結果でありますけれども、もう御承知だと思いますが、全国で1,042件の電話を頂いたわけでありまして、その相談内容でありますけれども、賃金の不払い残業が556件、それから長時間労働・過重労働が414件、パワーハラスメントが153件という内訳であります。今回こうやって1,000件を超える相談の電話を頂いたということは大変皆様方がこの問題に関してお悩みをいただいておるということ。それから、本当に皆様方のお力を頂いて周知をいただいたわけでございまして、1日のこの無料相談というもの、御理解をいただいたということがあったんだというふうに思います。いずれにいたしましても、非常に酷い案件等々に関しては、例えば賃金の不払い等々に関しては指導をしていくわけでありますけれども、指導を聞かなかったりですとか、また重ねてそのようなことを指導した後も行うような企業に関しましては、最終的には司法処分という形で送検まで含めて対応していくと。当然名前の公表ということにもなるわけでございまして、我々としてはしっかりと対応をさせていただきたいと思いますし、併せてそういう使い捨てをしておる企業でお悩みをいただいておる若い方々を含めて労働者の方々、こういう方々に対して労働法制を含めて周知をしていかなければならないわけでございまして、そのような活動等々もしてまいりたいというふうに思っております。それから、来年度予算の方でしっかりとこのような形に対して対応できるように、夜間休日相談が受け付けられるように労働条件相談ダイヤルというものを設置、また若者ハローワーク等への在職者向け相談窓口を設置等々、予算の方も概算要求の中でさせていただいておるということでございまして、使い捨てといいますか、ブラック企業と言われているような問題に対してしっかりと対応してまいりたいと、このように思っております。
記者:
先日安倍首相が政労使協議の設置を正式に指示されて、今月中旬にも開かれるかと思うんですけれども、大臣も参加されると思いますが、政府としてこの会議にどのようにコミットされて、どんな議論を期待するかお願いします。
大臣:
現在内閣府中心にやっていただいておりまして、その中に私も参加をさせていただくわけでございますけれども、やはり経済の好循環を作っていくということが大切でございまして、その中には総理も仰られる、またこの内閣の基本的な方針でもありますように、賃金というものが上がっていく環境を作らなきゃいけないと。企業にとってみても、上げられるような環境がないことにはなかなか継続して上げていけないわけでありますから、そのためにはどのようなことが必要なのかということも含めて、この会議の中でいろんな御議論をいただけるのではないのかなというふうに思っております。いずれにいたしましても、このデフレを脱却して継続して日本の経済が成長していくような、そのような環境を作るための実のある会議になればというふうに思っております。
記者:
先日発表があった社会保険病院のずさんな会計処理ということで、総額118億円にのぼる決算修正が必要だということと、原因が分からないものも億単位に上っておりますし、簿外処理をしてそのうち職員の飲食にしたようなケースもあって、大臣、改めてこの受け止めと厚労省としての対応を教えてください。
大臣:
来年の4月から新機構の中で運用されていくわけでありますけれども、今仰られたとおり全体で118億円修正額総額があったわけでございます。非常に大きな金額。そういう意味では経理処理等々が非常にずさんであったということは大変遺憾であるわけであります。内容的にはこの118億円のうち、発生原因が特定出来なかったものが3億6,700万円あると。さらに申し上げれば帳簿に対する不足額が1億1,000万円あるというわけでございまして、これが24年度決算でありますから、22年度、23年度それぞれ特別損失、特別利益に計上した金額、これが差額等々見ますと不足額2億円と。合わせると3億円足らないということでございますので、これに関してはこういうことが二度とないようにといいますか、これからRFO(独立行政法人年金・健康保健福祉施設整理機構)にしっかりと管理していただかなければいけないということで、RFOの指示に全社連の方も従っていただくように大臣命令で指示をさせていただきます。こういうことがないような形で、RFOにしっかりと管理いただくという形になろうというふうに思います。来年の4月からは体制が変わりますので、その中において適切な対応をしていただけるというふうに信じておりますが、今言われた簿外処理の中で何に使われているんだということも、いろいろと調べていただいておるんですけれども、接待交際費の枠でちゃんと計上している病院もあるんですね。そういうような意味ではちゃんと適切な経理処理をしているところと、そうじゃない病院があると。簿外処理でそのような交際費等々を処理しているということになれば、それはどういうような内訳といいますか、どの部分が交際費なのかというのと同時に、交際費は交際費で認められた範囲内の中で使われる分にはいいわけでありまして、その形の方にちゃんと仕分けしなきゃいけませんが、それ以外に今言われた職員の飲食に使われておればこれは許されない話でございますので、もし本当にそういうものが出てくれば、場合によっては返還も含めて考えなきゃいけないということもあろうというふうに思います。いずれにいたしましても、適切な経理処理、今調査をしている最中でございますので、結論が出ましたらそれに対して対応をいただくということになろうというふうに思います。
記者:
今の関連でお尋ねしますが、社会保険病院、全社連の方でですね、全病院でなにがしかそういう経理の間違いが見つかったと、いろんな中身の違いとか程度の違いがあるとはいえですね、これは組織的に経理の基本的な知識とか、正しくやらなければいけないという意識とかが大きく欠けていたとしか言えないような状況だと思うんです。何でこういうことが長年放置されてきたのかということと、それとRFOやですね、旧社会保険庁、あるいは厚生労働省のですね、長年の監督責任というものについて大臣はいかがお考えですか。
大臣:
平成17年にですね、職員による横領事案があったわけでありまして、全社連に対しまして病院ごとに外部監査の導入というものを我々指導をしたわけでありますが、にもかかわらず対応がなされていなかったと。やはり外部監査がないということで非常にずさんなこのような経理処理、会計処理というものがなされてしまったということだというふうに我々認識しております。こういうことを我々が指示したにもかかわらず、ちゃんと対応していただかなかったということは非常に残念ですし、我々ももうちょっとしっかりと指示をしなきゃいけなかったというふうに思いますが、いずれにいたしましても、今回全社連にはその体制も含めて見直していただくと、そこは責任をしっかり取っていただくということを我々としてもお願いをいたしておりますので、そのような形で適切な対応をしていただけるのではないかというふうに思います。いずれにいたしましても、こういうことが二度とないようということで新しい新体制にこれから入っていくわけでございますから、新しい体制の下で、新機構の下でこのような形にならないような、しっかりと、当然社外からも監査が入ると思いますから、社外といいますか外部からの監査も入ると思いますから、そういうものにおいて適切な対応をいただけるものというふうに思っております。
記者:
その簿外の職員同士の飲食みたいな話は場合によっては返還も含めて考えておられるでしょうか。そういったことをしたりとか、これいつぐらいまでにどういうやり方で調べさせるのか、先日RFOの会見の時での説明でも、なかなか体制的にも人数が少なく、今移行の準備も忙しいのでなかなか厳しいなということを担当の方がおっしゃっていたんですけれども、であるならば全社連の方に第三者の調査委員会を作ってもらうとかいろいろやり方、プランが考えられると思うんですが、その辺の実効性のある調査をどうやって進めていくのかということについていかがでしょうか。
大臣:
正直言いましてですね、今までもずっとやってきたわけですよね、それは。プロに入っていただいて確認いただいてきているわけでありますけれども、なかなかこの簿外処理というものでどのような形になっているか分からないということでですね、実際問題、不足分もあれば余計に残っている部分もあると、そういう状況ですね、普通ならば不足分ががばっとあってというのが普通なんですけれども、おっしゃられるとおり、だからそういう意味からすると非常にずさんな中でどこに何がどう使われているのかというのが分からない部分もあるのは事実です。そんな中においてできる限りのことだけはしていただかなきゃならんわけでありまして、その中で判明がすればですね、その職員等々の飲食に使われた部分に関してはそれは返還も当然のごとく必要なものはしていくという話でございます。今おっしゃられたとおり、じゃあ完璧にこの中身がすべてチェックできるのかというとですね、それに関しては我々も必ずチェックが出来るというような今状況ではないというのは確かでございますけれども、でき得る限りの調査はさせていただきたいという話の中でのことでございます。
記者:
先ほどの政労使の協議の場の関係なんですけれども、労働組合との調整状況をお伺いしたいのと、あと労働組合側の中では、政治の方が労使の分配に深く立ち入るのは違和感があるっていう意見もあるんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
大臣:
これ具体的にはですね、内閣府の方でおやりをいただいていることでございますので、直接私の方からは今のところまだコメントを差し控えさせていただきますけれども、聞くところでは政労使、労も使もですね、今言われたような個別具体的な話ということになればそれはいろいろと御意見もあるんでありましょうけれども、そうではなくて日本の経済の好循環というような立場からいろんな意見を交換をするということであるならば、それに関してはですね、いろいろと協力もすることが可能ではないかというような今方向であるというようなお話はお聞かせをいただいていると思います。
記者:
架空のですね、歯科の診療所の件なんですけれども、大臣の受け止めとですね、前回患者紹介ビジネスについては調査をしていただけるということだったんですが、こうした架空の診療所みたいな問題をですね、調査する御予定があるかどうか、二つお聞かせください。
大臣:
今回の案件はですね、以前から我々も調査してきている案件でございますが、一つは16キロ(メートル)というですね、その距離の規定を外して、本来ならばそこに、その診療所にいる医師がですね、若しくは歯科医師が言うなれば訪問診療をしなければならなかったわけでありますけど、そこにいない医師が同じ法人であったとしても他のところに所属する医師がそこに行って診療をしていた、訪問診療をしていたという問題点と、後は適切に訪問診療がなされているのか、診療内容ですね、ここも含めてですね、いろいろと調査をしなければならない案件であろうというふうに思います。こういうことがこの法人のみならず全国でいろいろと展開をされているというような認識を我々が持っている限りは、これは調査をいたしております。どこをどう調査しているとは言いませんけれども、そのような調査はいたしております。不適切な事案があれば、これに対してはしっかりと対応をしてまいりたいというふうに思っております。
記者:
ということは今後調査をされる中で具体的な日程等はまたこれから詰めていくということですかね。いつぐらいまでにというところなんですけど。
大臣:
随時現在も調査している案件はあろうというふうに断言はしませんが、当然のごとく、我々そういうものに関しては普段から対応をさせていただいておりますので、随時結果が出た時にですね、御報告等々も含めてしていくという話になると思います。御報告できる範囲でございますけどもね。
記者:
昨日開かれたノバルティス社の高血圧治療薬の検討委員会でですね、委員の間でかなり意見が分かれたところがあってですね、原因の究明を求める委員と臨床研究の構造的な問題を追及すべきだという委員とですね、意見が分かれたわけですけども、大臣として改めてこの検討委員会に求めるものっていうのはどちらに重きを置いていますか。
大臣:
これは両方とも重要なことでございまして、何よりもこういう臨床研究の制度としてですね、こういうような、今回のような問題が起こらないような体制をどう組めるか、どのような点に留意しながらですね、臨床研究というものを進めていただくような、そういう指針と言いますか、規律をもった対応をしていただけるか。これは大変重要なことでありますけれども、併せて今回の案件に関してもですね、これはこれで今回いろいろと三つの委員会で調査をいただいておりますけれども、中を見ておりますと、やはりノバルティス社のですね、社員の方を紹介をしたのがノバルティス社の社員であったであるとか、また本来ならばそのデータの解析をする人とですね、その実験と言いますかね、そういう研究等々に関してのいろんな対応に対しての、何て言いますかね、実質やっているところに入る行為と言いますかね。そういう携わる行為というものが同じ人ではいけないわけでありますけれども、この元社員ていう方がですね、実際両方のところにいたということになれば、データ自体がその時に何らかの恣意性を持ってですね、これは改ざんじゃなくてデータがその時に出てくるわけでありますから、その方向に誘導をされた恐れがないとも言えないわけでありまして、そういう問題点もあるわけで、そういうこと自体が会社がどのような関与をされていたのか、どのような重さと言いますかね、濃さで関与されていたのかということも含めてですね、これが分かり得る範囲で我々が調査をすることも、これも重要であろうというふうに思います。いずれにいたしましてもですね、研究者の方々、それからこの元社員の方含めてですね、できる限り早く、お話をお聞かせをいただく場をやはりつくりたいというふうに思っておりますので、それも含めて、これは両方とも重要なことでございますから、並行してこれから進めていくと。9月末を目途に一定の御報告と言いますか、中間報告の内容をですね、お出しをいただければありがたいなというふうに思っております。

(了)