2020年11月11日 第14回医療介護総合確保促進会議 議事録

日時

2020年11月11日(水) 16時00分~18時00分

場所

航空会館501+502会議室 および オンライン

議題

  1. 1.地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和元年度交付状況等及び令和2年度内示状況について(報告)
  2. 2.今後の医療情報の共有のあり方について

議事

議事内容
○田中座長 定刻となりましたので、ただいまから、第14回「医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。
 カメラは、ここで退室を願います。
    (カメラ退室)
○田中座長 委員の皆様、本日は大変お忙しい中を御参集いただき、誠にありがとうございます。
 なお、本日は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は、私の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いします。
 会議に先立って、構成員の交代及び本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。
 また、前回の会議以降、事務局に人事異動がありましたので、併せて紹介をお願いします。
○山下課長 ありがとうございます。保険局医療介護連携政策課長の山下です。よろしくお願いいたします。
 まず、構成員の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 石本淳也構成員が御退任されまして、新たに日本介護福祉士会副会長の宮崎則男構成員が就任されております。
 尾崎正直構成員が御退任されまして、新たに静岡県知事の川勝平太構成員が就任されております。
 河村文夫構成員が御退任されまして、新たに青森県階上町長の浜谷豊美構成員が就任されております。
 佐藤優治構成員が御退任されまして、新たに民間介護事業推進委員会代表委員の山際淳構成員が就任されております。
 続きまして、構成員の皆様の出欠状況を報告させていただきます。
 本日は、大西秀人構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、川勝平太構成員の代理として、石田貴参考人に御参加いただいております。
 さらに、武居敏構成員の代理として、宮田裕司参考人に御参加いただいております。
 併せて、齋藤訓子構成員、佐藤保構成員、永井良三構成員より、遅れて参加との御連絡をいただいております。
 続きまして、事務局の人事異動について紹介いたします。
 保険局審議官(医療介護、データヘルス改革担当)の横幕でございます。
 医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室長の長谷川でございます。
 以上となります。
○田中座長 次に、資料の確認をお願いします。
○山下課長 議事に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。資料は、3つございます。
 資料1としまして、「執行状況、令和元年度交付状況等及び令和2年度内示状況について」という資料でございます。
 もう一つの資料は、「今後の医療・介護の情報の共有のあり方について」。
 そして、3つ目の資料は参考資料としまして、「医療機関・薬局向け ~オンライン資格確認導入の手引き~」。
 この3つを用意しておりますので、御確認いただきたいと思います。
 また、事務局から資料を送付しておると思いますので御確認ください。よろしくお願いいたします。
○田中座長 では、議事に入ります。
 冒頭に、本日の会議の進め方についてお伝えいたします。本日は、最初に地域医療介護総合確保基金の執行状況を報告していただきます。その後に、今後の医療・介護の情報の共有の在り方について議論してまいります。その際、次回、2024年の診療報酬と介護報酬の同時改定、さらに医療計画及び介護保険事業計画の同時実施を見据え、2030年、さらにその後まで視野に入れた医療・介護の道しるべとなる議論を行うよう、皆様にお願いいたします。
 早速、議題1の地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和元年度交付状況等及び令和2年度内示状況について報告があります。その資料の説明をお願いします。
○山下課長 医療介護連携政策課長でございます。お手元の資料1を御覧いただきたいと思います。
 まず、地域医療介護総合確保基金のうち、医療分の執行状況について御説明いたします。
 5ページ目をお開きいただきたいと思います。執行ですけれども、予算額は平成26年度からの累積でありまして4,548億円、国費分は3,032億円、このうち執行予定総額としましては累積で3,915億円、国費分でいうと2,610億円が執行されています。
 6ページ目は、これらについて各都道府県別に累積分を明示したものでございます。
 続いて、令和元年度の交付状況につきまして8ページ目のスライドでございますが、それぞれこの地域医療介護総合確保基金は事業区分がされておりまして、医療分でいうと事業区分1が「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業」、令和元年度の計画としましては360.5億円の事業分であります。
 また、区分2としまして「居宅等における医療の提供に関する事業」、45.4億円。
 事業区分4としまして、「医療従事者の確保・養成に関する事業」、420.7億円ということになっております。
 また、これらの交付額総額についての都道府県別は9枚目のスライドでございます。
 併せて、10ページ目以降のスライドでいうと、事業区分1、2、4、それぞれ都道府県別でお示ししますとこういう金額になっております。
 併せて、これらについての交付分を公的機関と民間機関の交付額の割合で医療分を示したのが14枚目のスライドでございます。
 続いて17ページ目でございますが、令和元年度の基金事業における主な取組について説明をいたします。
 18枚目のスライドでございますが、事業区分1のいわゆる「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業」として、例えば茨城県として再編統合による病院数を統合前に2病院あったものを1病院にして、回復期病床の確保を図ったというような事例を取り上げているところでございます。
 さらに、20枚目のスライドになりますと、「居宅等における医療の提供に関する事業」としまして、神奈川県の事例ですが「在宅歯科医療連携拠点運営事業」、宮崎県の事例としまして「訪問看護ステーション等設置促進強化事業」、千葉県の事例としまして「地域に根ざした薬剤師・薬局定着・養成事業」というものを取り上げているところでございます。
 22枚目のスライドに移りますけれども、「医療従事者の確保に関する事業」としまして、「休日・夜間の小児救急医療体制の整備【埼玉県】」の事例、また「医科歯科連携推進事業【愛媛県】」の事例、「病院内保育所運営事業【愛知県】」の事例、「看護師等勤務環境改善支援事業【山梨県】」の事例を取り上げているところでございます。
 続いて24枚目の資料でございますが、予算執行調査でございます。
 この予算執行調査でございますが、25枚目のスライドですが、財務省主計局の予算担当職員が予算の企画だけではなくて予算執行の調査をして、何か改善すべき点ということを指摘するとともに、今後の予算の企画の見直しにつなげていくという取組を予算執行調査としまして、今回地域医療介護総合確保基金の医療分について財務省主計局のほうで調査した内容が公表されております。
 25枚目のスライドになりますが、こうした指摘を受けまして今後は「反映状況票」というものが公表される予定でおりますので、厚生労働省としましてはそれまでの間に財務省との間で今後の改善点ということをした上で事業の見直し、予算の見直しを進めていくことで考えております。
 具体的に財務省が公表したものは27枚目のスライド、28枚目のスライド、29枚目のスライドでございますけれども、28枚目のスライドを見ていただくと、例えば【表3】としまして【病床の機能分化・連携推進のための基盤整備】事業において、施設や設備の整備に該当せず、地域医療構想との関係性、進め方が不明瞭な事業というふうに取り上げられていたり、【表4】としまして「基金を用いる必要性が乏しいと疑われる事業」で取り上げられているというものでございます。
 続いて30枚目のスライドになりますが、これは今年度、令和2年度の内示状況でありまして、31枚目のスライドでございますけれども、今年度各都道府県別にこのような金額で内示がなされているというものでございます。
 続きまして、介護の資料の説明をさせていただきたいと思います。34枚目の資料です。地域医療介護総合確保基金のうち介護分の執行状況なのですけれども、累積額としましては2,897億円に対して、執行総額として1,818億円が執行されています。
 35枚目のスライドを見ていただくと、累積分として各都道府県のものを用意しております。
 続いて36枚目のスライド、令和元年度の交付状況でございます。令和元年度、37枚目のスライドになりますけれども、事業区分3としまして「介護施設等の整備に関する事業」として約420億円、また事業区分5としまして「介護従事者の確保に関する事業」として110億円を事業として用意しているということでございます。
 これらにつきまして、都道府県別で全体を見るのが38枚目のスライド、または事業区分3、事業区分5ごとに都道府県別で交付額を示したのが39枚目、40枚目のスライドでございます。
 続いて46枚目のスライドに移りますけれども、令和元年度の交付状況としまして事業区分3の「介護施設等の整備に関する事業」としまして46枚目のスライド、また事業区分5の「介護従事者の確保に関する事業」としまして「介護助手導入支援事業【三重県】」の事例、または「人材育成認証システム推進事業【京都府】」の事例、「介護に関する入門的研修【沖縄県】」の事例、「外国人介護職員の確保・定着支援事業【長崎県】」の事例が書かれております。
 最後になりますけれども、介護分の令和2年度の内示状況につきまして、各都道府県別、または事業区分別で示したのが52ページ目からのスライドでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 では、議題1についての議論を行います。オンライン開催のため、私からいつものように会場で手を挙げているのが見えませんので、次のようにお願いいたします。
 御発言の際にはマイクのミュートを解除し、御自分のお名前と意見を述べる旨のことを発言していただきます。そうすると、多分、私の目の前にある小さいパソコンの顔の画面がポップアップするようになっていると期待しますが、そのときに私が指名をいたしますので、それに応じて発言するようにお願いいたします。
 では、どなたからでもどうぞ。
○佐保構成員 佐保です。よろしくお願いいたします。
 1点質問と1点意見なのですが、介護の部分の38枚目のスライドで、令和元年度の介護分全体の交付額一覧がありますが、ここで0.0億円と書いてあるところ、これについてゼロ円なのか、小数点以下を処理した都合で0.0になってしまったのか。それについて、1点事務局にお伺いしたいと思います。
○田中座長 お願いします。
○齋藤課長 高齢者支援課長でございます。
 富山県の0.0億円かと思いますが、四捨五入ではなくゼロでございます。これは、既存の積み立てられた基金の範囲内で当該年度分の事業を行うという意味で、新たな交付をしなかったということでございます。以上です。
○佐保構成員 ありがとうございます。
 次に意見なのですが、医療介護総合確保基金の介護分については基金のこと、それから申請時期のこと、そういったことを知っている事業所、法人、知らない事業所、法人の格差があるのではないかと思っております。全く知られていないとか、周知が行き届いていないということで、この基金が活用されていないというところもあるのではないかと思っております。
 事務局においてはこの周知と活用を一層図っていただきたいと考えております。以上です。
○田中座長 佐保委員、ありがとうございました。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤構成員 ありがとうございます。安藤です。
 介護につきまして41ページを見ますと、3と5の事業が2つありまして、5の「介護従事者の確保に関する事業」というところが21.4%になっているんですね。それで、現状の課題を見ますと、介護従事者の確保に関する事業のほうにもっと重点的に力を入れたほうがいいと感じていますので、これは指導などはできるのでしょうかということと同時に、その下の棒グラフのところに宮城県と山形県、和歌山県が100%、5の事業に使っているんです。それで、それぞれの県が具体的にどのような事業をやったのか。また、その結果どういうふうになったのかということが知りたいです。
 あとは、全体的に今回いただいた資料の中で医療と介護の両方なんですけれども、具体的に取り組んでいる中身が具体例は出されてはいるんですけれども、なかなか分かりづらい。その結果が分からない。例えば47ページの介護のところなのですが、三重県の事業で平成29年度から始めて、県内の介護職員数を2万7,818人から3万2,513人にするとなっているのですけれども、この報告の中に、では平成29年度、平成30年度、令和1年度の結果がどうなったのかというのが出ていないので、その辺も分かるような資料にしていただければいいと思いました。以上です。
○田中座長 お答えいただけますか。
○齋藤課長 まず、介護施設の整備に関する事業と、従事者に関する事業、それぞれ区分を立てて我々は国費を確保しているところでございますが、それぞれ融通を利かせることが可能になっており、国として国費を用意した以上に申請があった場合には、介護施設の設備に関する国費を従事者に関する国費に回すことができますので、そのニーズに応じた形で交付することが可能となっております。
 昨今、従事者の関係でいいますと、介護ロボット、ICT、センサーの導入などについては交付が伸びているところでございますので、そういったところに充てているというところでございます。
○安藤構成員 ありがとうございます。
○田中座長 では、ほかの方どうぞ。
 山口構成員、お願いします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 財務省の調査が入ったということで、予算執行調査のことについて御説明があったと思うのですが、音声がとても聞き取りにくくて、御説明があったかもしれないんですけれども、27ページから数ページにわたって調査結果及び分析が記載されていて、これが公表されているというふうに聞いています。
 これによって何か影響が出てくるということを想定されることがあるのかどうか。もし何か影響があるとしたら、厚労省として対策を立てようと思われていることがもしあれば教えていただきたいと思います。以上です。
○田中座長 お願いします。
○長谷川室長 医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室長です。
 予算執行調査は財務省主計局が行っている調査でして、執行状況についても把握することによって今後の予算作りに活かしていくというものです。
 こちらにつきましては公表されていますが、厚生労働省としては、指摘事項について改善すべき点は改善をしていきたいと考えておりまして、引き続き地域医療構想の達成や地域医療の維持向上に資する取組について活用していきたい、また、都道府県においても活用していただきたいと考えてございます。
○田中座長 山口構成員、よろしいですか。
○山口構成員 若干聞き取りにくい部分があったんですけれども、分かりました。
○田中座長 今村構成員、どうぞ。
○今村委員 今の山口構成員と同じことなんですけれども、再度確認させていただきたいのは、28ページの資料を見ますと【病床の機能分化・連携推進のための基盤整備】、それから【その他の事業の必要性】というところがあるのですけれども、よく読むと大変小さい字なのですが、書面で確認をしたと書いてあるんです。
 つまり、財務省も実際の事業の中身というよりも書面に書かれているところを確認して、これはそもそも適用にならないものじゃないかというようなことをおっしゃっているようにも読めるのですけれども、実際に書面で見て、財務省から見れば地域医療構想と関係が薄いように見えても、実態として必要な事業があるというのは非常に多いのではないかと思うんです。
厚労省が25ページにも書かれているように、今後改善をしていくということですが、この改善点というのは事業の中身そのものを変えるという話なのか、やはり記載が分かりにくいので、記載をしっかりと内容が分かるように指導していかれるというお話なのか、その辺はどうなのか。
 つまり、こういった指摘を受けたような事業というのは次年度以降の事業計画としてなかなか認められないのではないかというようなことを、現場はある意味忖度して出していかれないというようなことが起こってはいけないと思っていますけれども、この辺厚労省はいかがお考えなのですか。
○田中座長 お答えください。
○長谷川室長 御指摘ありがとうございます。この調査は、財務省が行った調査で、手法等に関しましても財務省で検討されて行われたものです。
 調査方法は御指摘のとおり、書面での確認ということになってございます。
 財務省は指摘をするからには、ある程度実態を把握しながら指摘されていると思いますし、今後の予算作りにおいて活かしていきたいと考えていると思いますし、また、現場においてもこの指摘を踏まえた基金活用をお願いしたい、という考えかと思います。
 なお、現在、予算の要求をしておりますが、その作業において活用をしていくということですし、また御指摘の内容を踏まえて、厚労省としても財務省と意見交換していきたいと考えております。以上です。
○田中座長 今村構成員、よろしいですか。
○今村構成員 やはり現場にとって必要な事業がきちんと実施できるように、ぜひ都道府県と厚労省でよく協議をしていただいて、財務省からも納得いただける形で要望を出していただけるようにしていただければと思います。ありがとうございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 どうぞ、河本構成員、お願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
 今の予算執行調査にも関係する話でございますけれども、昨年のこの会議で私は基金の執行分は初期の目的にどれほど寄与したのかという効果検証をきちんと行って、次年度の計画に反映していくことが重要だと申し上げた経緯がございます。
 そのときに委員の皆さんの中にも、年1回の会議できちんとフォローができるのかとか、会議の開催回数を増やすべきといった御意見もあったように記憶しております。やはり、予算執行調査の結果を見ると効果検証をきちんとやる必要があると思っております。先ほど安藤構成員の御指摘にもございましたけれども、今回の資料だけでは、医療・介護に関する事業にこれだけ使った、これだけ余らせたというような資料であり、効果検証にはかなりほど遠いような感じもしております。
 そういう意味では、この会議で適切に効果検証をやっていくための方策をきちんと考えていただく必要があると思います。それは、この会議で行うのか、あるいはその下にワーキンググループのような会議体でやるのか、それは分かりませんけれども、いずれにしても効果検証をこの会議でできるようにお願いしたいと思います。以上です。
○田中座長 効果検証についてお問合せがありましたが、いかがですか。
○山下課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 今回はコロナの関係で、昨年度ちょうどこの時期に年に複数回やるようにと御指摘をいただいているのを覚えておりますけれども、こういった形でまた1年後になってしまったことは大変申し訳ございません。
 また、効果検証につきましても河本構成員から御指摘いただいているのを覚えております。私どもとしましてもしっかり、今はコロナの関係で難しいというところも実際現場ではあるので、ちょっと控えているところもありますけれども、やはりこれだけのお金が投入されている。そしてまた、それについて当然消費税財源として行われているということもありますので、しっかりと効果検証できるように努めてまいりたいと思います。御指摘、ありがとうございます。
○田中座長 東構成員、お願いします。
○東構成員 全国老人保健施設協会の東でございます。
 先ほど安藤委員からも御意見がございましたが、資料1の41ページに介護分の交付額が、「3介護施設等の整備に関する事業」は79%、「4介護従事者の確保に関する事業」が20.9%と記載されております。現在、介護業界で介護人材不足ということは皆さん御存じのとおりだと思いますが、コロナの影響で外国人人材も全く入ってきておりませんでした。まさしくこの介護従事者の確保は喫緊というよりも、危機的な課題なわけです。8割近くが施設整備にあてられているわけですが、今、施設をどんどんしても働く人がいないのです。以前、この基金の会議でも申し上げましたが、この割合を逆転させて、施設整備は2割、介護従事者の確保に8割くらい投じてもよろしいのではないかと思います。ぜひこの割合を検討していただきたいと強くお願いを申し上げるのが1点です。
 それから、34ページに戻りまして、介護分の執行状況(平成27~30年度)を見ますと、予算額に対する執行総額の割合が62.7%でございます。
一方、医療分の執行状況(平成26~30年度)は5ページにございますが、予算額に対しての執行総額分が86%と、かなり医療分と介護分では施行状況に差がございます。介護分の予算に対する執行額が62%にすぎないということは、随分使われていないということが分かります。
 そこで1つ質問です。この執行額が少ない理由に、施設設備整備の事業であるために、要するに年度をまたいで使っているからではないかと書いてございますが、平成27年度から30年度をまとめてではなくて、27年度予算の執行額はどうだったのか。単年度ごとの執行額を教えていただきたいと思います。
 それから、6割ちょっとしか使われていない状況であるにもかかわらず、その中身にも大きな問題が存在します。例えば、介護従事者の確保に関する事業分のメニューに現場にとって非常に重要なICT導入支援事業というものがございます。この補助率は当初2分の1だったものを、現在では2分の1でなくてもいいよと厚労省が各都道府県に出しています。しかし、全老健で調べたところによると、27都道府県でICT導入支援事業を採用しておりますが、補助率が5分の4のところがゼロ件、補助率が4分の3の県が3件、補助率が2分の1のままの県が24都道府県でございます。
 このように補助率がほとんどの県で2分の1のままであるということは、ゆゆしきことでございます。このコロナ禍におきまして介護事業者の収支は悪化しております。にもかかわらず、このような補助率では、ICTを導入して少しでも介護人材の確保を図りたいという事業所にとっては大変厳しいものがございます。
 この補助率に関しましては、もう少し国のほうから強く都道府県に対して5分の4の補助率にしなさいとか、そういう形で指導していただきたいと思います。お金がぎりぎりで余っていないのならばいざ知らず、このように何百億も余っている状況でこのような補助率というのは考えられません。以上でございます。
○田中座長 執行状況に関する御質問にお答えください。
○齋藤課長 基金の執行状況で、交付されたうちどれだけ執行されたのかというところだと思います。27年度の執行分につきまして、30年度末時点で残っている基金の残高については50億円になっています。
 直近の令和2年度の執行予定額を見ると、27年度で残っている50億円も残高17億円になるという予定でございますが、残っているというところであり、我々としてはきちんと執行していくように引き続き指導等をしていきたいと思っております。
 また、ICTの補助金につきましては、我々としても都道府県で補助率を変えるというようなことを許容させていただいているというところであり、できるだけしっかりと活用していただけるように、もちろんICTの導入が各現場で進むように、我々としても指導を強めていきたいと思います。以上です。
○東構成員 補助率を変えてもいいということではなくて、補助率を5分の4にしろというふうにぜひ言っていただきたいと思います。以上です。
○田中座長 井上委員、どうぞ。
○井上(隆)構成員 井上です。
 既に複数の構成員から御意見がありましたけれども、この基金の目的は地域医療構想の達成というところにございますので、新型コロナ感染症拡大による様々な事情があるとは思いますけれども、2025年までの当初目標の達成に向けた、まずは着実な取組を進めていただきたいと強く思います。
 その中で、ほかの構成員からも御指摘がありましたけれども、財務省から様々な予算執行上の指摘がなされています。内容を一つ一つ見ると、極めて深刻な御指摘もございますので、ぜひ厚労省としても検証や状況の把握をしっかりしていただきたいと思います。
 また、先ほども御指摘がありましたけれども、やはり全体としてこの基金の事業の効果の見える化というものがよく分からないところがございます。資料を様々に御提出いただいておりますけれども、その効果がどうなのかというのがやはり見にくいところがございますので、新型コロナの影響ということもあるかとは思いますけれども、しっかりとした効果が分かるような資料の御提供をお願いしたいと思います。
 さらに、介護事業につきましては、今も御発言がありましたけれども、ロボットやICTなどの活用も急務というふうに思いますので、今、御意見があったようなことも含めて、ぜひこのあたりは基金の有効な活用をしていただきたいと強く思います。以上でございます。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 では、森構成員どうぞ。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。
 先ほど東構成員のほうからもあった配分の件ですけれども、13ページを御覧いただければと思います。13ページの公的医療機関及び民間機関への交付額の割合のところで、下のほうの各都道府県の事業区別のところですけれども、地域ごとに、例えば北海道と沖縄のように4の「医療従事者の確保・養成に関する事業」が多い県があったり、秋田県や和歌山県のように、1の地域医療構想の達成に向けた医療施設の整備の事業への支出が多い県など、地域によって大きく異なっていると思います。ある意味では、まさにこの事業の目的でもあった地域の実情に応じた整備のための使われ方が行われていると思います。
 ただ、一方、8ページ目を御覧いただければと思いますが、事業区分ごとに、予算が決められています。この予算事業が始まって数年経過しましたが、各県で実施する事業も変化してきており、年によってもそれは異なると思います。必要な事業に配分できるように、柔軟な対応が必要ではないかと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 では、加納構成員お願いします。
○加納構成員 日本医療法人協会の加納でございます。
 31ページなのですが、令和2年度の地域医療介護総合確保基金の医療分の内示額が提示されているわけですけれども、この中で実は兵庫県が東京に次いで非常に大きな額が出ております。前回、1年前ですか、この検討会で議論したときに、好事例という形で兵庫県の県立丹波医療センターの例があったかと思います。あのとき、ある意味で炎上したというか、結局合併して、人は増えるわ、繰入金は増えるわ、非常におかしな状況になって、巨大病院を造ってしまったという話になり、それはおかしいのではないかという議論があったかと思います。今回兵庫県が金額的に日本で2番目に高交付される医療分というのは、またもしかしたら県立病院のためにお金が出ているということになっているのでしょうか。教えていただきたいと思いますが。
○田中座長 医政局、お答えください。
○長谷川室長 今年度、兵庫県は令和2年度の配分額ですが、全国2位の52.5億円が配分されています。このうち、区分1に関しては27.6億円を配分したところです。内訳を確認いたしましたが、令和2年度に関しては県立姫路循環器病センターと製鉄広畑病院の統合再編事業で11.7億円、そのほか医療機関の回復期・高度急性期の転換支援で9億円などとなっています。
 兵庫県において地域の実情に応じた基金が活用されていくものと考えています。以上です。
○加納構成員 今回、先程の説明では、県立はりま姫路総合医療センター分という形で出たかと思っておりますが、実は一般病床では広畑病院392床、県立姫路循環器センター330床の病院を統合することによって、736床の県立の巨大病院を造るということなんです。
 もともと兵庫県県立病院は最近ラッシュのごとくどんどん造られていかれるんですけれども、姫路であれば本当に民間病院がたくさん頑張っている領域なのですが、こういう大きな県立病院を造るのが地域医療構想の目的なのかということだったのかと思うのですが、それも合併して2床しか減らない。2床しか減らないのに、地域医療構想の基金が使われるのですよね。
 また、ここのエリアは基準病床から考えると、まだまだ二十数床分多いエリアなんです。たった2床のカットだけでこういうお金が出て新たに県立病院が造られ、それも三百何床かの県立病院が720床の巨大病院に変容する。もともとこの県立姫路循環病センターというのは、地方公営企業年鑑で見ますと表向きでは9,400万円の黒字になっているのですが、繰入金が平成30年度で11億9,500万円入っています。実質的には民間病院であれば毎年11億円くらいの赤字を出している病院でありますし、この合併する広畑病院も合併直前は毎年8億円近い赤字を出している病院なんです。これがまた巨大化して、前回のごとくまた赤字を大きくして繰入金が増える。
 県立尼崎病院のことを前に私はここで話をしたかと思うのですが、結局統合した結果、繰入金が1.5倍、赤字は3倍になりました。これを繰り返して、またこのようなものを造るために基金が使われるというのはいかがなものかと思います。こういう検証はやはりすべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。本当にこのような大都会において県立の大きい病院ができますと、周りの民間病院が淘汰されてしまうんですね。今これまで地域医療で頑張っていた病院がなくなっていくということになるのに、この基金が使われるというのはちょっとおかしな状況ではないかと思うのですが、これに関しましてはどういう見解を厚労省は持っていらっしゃるのでしょうか。
○田中座長 お答えください。
○長谷川室長 今回、兵庫県から出されている提案ですが、こちらは地域の実情に応じて、地域の調整会議等々で方針を策定し、周辺の医療機関とも調整をしながら進めたものと理解をしております。
 ただいま、加納先生から、実際いろいろな影響がある可能性があるということを御指摘いただきました。こちらにつきましては、私から兵庫県にお話をお伺いしたいと思います。以上です。
○加納構成員 もう一つ追加でお願いしたいのですが、実は県立西宮病院も同じような形でまた大きな病院に統合しようとしているわけなんです。そこで、西宮というところは民間病院が救急医療も含めて頑張っているところなのに、同じような形で大きい病院を造ろうとしていて、またここにいわゆる資金的な援助をこの基金でするのか。これはしっかりと検証しないことには、井戸兵庫県知事は今公用車のセンチュリーでちょっと問題になっていらっしゃる知事でして、こういう形での県立病院造りをするというのは地域医療構想のあるべき姿なのかということを検証すべきだと思うんです。よろしくお願いしたいと思います。
○田中座長 検証を進めるように、強い要請がございました。しっかり受け止めてください。
 では、どうぞ御発言ください。
○仙賀構成員 日本病院会の仙賀といいます。
 今、加納先生が言われたことは非常によく分かります。
 ただ、14ページを見ますと、トータルで見ると民のほうに61.4%使われているという数字がありまして、各県によって公と民の配分の違いがあると思いますので、個別のケースに関しては先ほど加納先生が言われたようにきちんと確認をしていただきたいと思います。
 それともう一点は4のことですけれども、こういう人材確保とか、そういうことに使うと、結局民間の人材の派遣会社ですね。今すごく人材派遣会社はドクターも看護師も、恐らく日本看護協会もいろいろ考えておられると思うんですけれども、そういう人材派遣会社を利するということにはならないのでしょうか。結局、ベースをこれで作って、それで民間の人材派遣会社がこれを利用してうまく民のほうで途中で手数料を取って人材を派遣するというような形になっていかないかどうか。そういうことはないのでしょうか。教えてください。
○田中座長 人材派遣について、答えられますか。
○長谷川室長 4の人材確保の関係について、こちらに交付することは民間人材派遣会社を利することになるのではないかという御指摘かと思います。人材確保につきましては、各地域で方針を策定いただいて、事情に応じた人材確保方法を模索されて基金として提案されているものと理解しています。
 確かに、県によっては、人材派遣会社にお願いしている例があるのかもしれませんが、各都道府県においても適正かどうか、確認しながら要求しているものと考えてございます。以上です。
○田中座長 仙賀構成員、よろしゅうございますか。
○仙賀構成員 分かりました。どうもありがとうございました。
○田中座長 安藤構成員、どうぞ。
○安藤構成員 安藤です。今の厚労省からの御発言なんですけれども、人材派遣のほうに自治体のニーズによってというふうにおっしゃいましたが、人材派遣の会社にこのお金を使っていいなどということは絶対あり得ないです。そこは絶対だめですよというふうに言った上で、いかにして人材確保のために有効な手だてをそれぞれの自治体でいろんな事業をやるのかということに使われなかったら絶対だめです。これは、介護もそうです。よろしくお願いします。
○田中座長 御指摘ですね。
 武久構成員、お願いします。
○武久構成員 加納先生もおっしゃいましたけれども、この予算は国の予算でありながら、県庁がある程度自分の都合で恣意的に執行できるような体制になっているかなという感じはしていたわけですね。
 私は徳島県におりますから、施設はこれ以上要らないから、施設にあまりウエートを置いていないかも分かりませんけれども、初期の養成とか研修とかにこれだけ何億も要るかなという感じはしておりますし、これは国の予算ですが、ほとんど各地の保健所とかにある程度丸投げというか、判断をどういう人にするかなどということも自由にしていいというふうな建前になっているのかなと思いますが、各都道府県によって施設の整備状況も違いますし、また、職員の雇用条件も違いますから、それぞれの県の状況によって使い方を変えるのは当然ですけれども、なかなか我々現場のところにこの予算があることがよかったなとか、影響があったなという場合が割合少ないように思いますので、これはもう何年かたちますよね。
 だから、もうちょっと現場が肌で感じるような予算の使い方がされていればいいのですが、その辺のコントロールは厚労省のほうでやられていると思うんですけれども、このあたりは市町村にほとんど任せているということでよろしいのでしょうか。そのあたりが少し疑問になったので、ちょっと説明いただけたらと思います。よろしくお願いします。
○田中座長 自治体との関係のお問合せがありましたが、いかがでしょうか。
○山下課長 ありがとうございます。自治体との関係ですが、医政局がどういう関係、または老健局がどういう関係で執行しているのか、それぞれ説明をします。
○田中座長 では、老健局お願いします。
○齋藤課長 我々としても現場の都道府県から基金の拡充のニーズなどを聞きまして、例えば今年度創設した事業では、大規模改修などに対する支援をしてほしいというようなことや、人材確保のための寮の整備を支援をしてほしいというような声を聞きながら、支援メニューの拡充を行っているところです。
 また、市町村は我々が提示したメニューの中でこれをやる、やらないというようなことは可能ですが、我々が提示していないもので勝手にやるというようなことは要綱上できませんし、我々は必要であると感じてメニューの拡充をしているので、そういったものはきちんと活用していただけるように、我々としても都道府県に促しているところでございます。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 では、医政局お願いします。
○長谷川室長 医療分につきましても、各都道府県で事業の募集を行っていますが、事業者の申請等々、市町村からもお受けをして取りまとめをさせていただいていまして、都道府県と市町村において連携を取りながら進めています。以上です。
○田中座長 武久委員、よろしゅうございますか。
 時間の都合もあるので、次の議題に移ってもよいですか。ほかにございますか。
 加納構成員、手を挙げていらっしゃいますか。どうぞ。
○加納構成員 もう一度お願いしたいのですが、先ほどの公的と民間との交付で14ページの件なのですけれども、もともと病院の数でいけば日本の病院の8割が民間病院でありますし、ベッド数でいっても7割であります。ましてや診療所に至っては、ほぼ100%近く民間なんですね。
 そのことを考えれば、これはまだまだ民間の比率が少ないわけでありますし、先ほどからの議論においていろいろ県立病院、自治体病院に関しては総務省から1兆円近い補助金が出ているわけなんですから、本来はそちらのほうでやるべき仕事じゃないのかなというのが1点です。
 それからもう一つ、民間の中に、実は前からの議論なのですが、医師会の割合について、医師会の費用の中には公の部分も入ってしまっているという前からの課題があったかと思うのですが、ここの中での医師会の比率というのはもう数字的に出せる状況になっているのでしょうか。
○田中座長 お答えください。
○長谷川室長 医師会に交付した費用の内訳は確認ができる状況ではございません。今後、検討していきたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○田中座長 宮崎構成員、どうぞ。
○宮崎構成員 介護福祉士会の宮崎です。
 47ページの「介護従事者の確保に関する事業」ですが、こういった事業が先ほどの委員の話から非常に介護現場の人材が危機的というお話がありました。まさにそのとおりであると思います。このような取組をいかに全国的に横展開をするかということを、ぜひ積極的に図っていただきたいと思っています。こういったことを横展開することによって、介護人材の不足というものが少しでも解消できるかと思いますので、そこは積極的にアナウンスしてください。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。
 齋藤構成員、どうぞ。
○齋藤構成員 ありがとうございます。日本看護協会の齋藤でございます。
 先ほど仙賀委員がおっしゃられた人材確保の派遣事業者のことでございますが、これは私ども日本看護協会でも大変危惧を抱いておりまして、各都道府県看護協会にあるナースセンターの活用をいかに活性化し、強化していくかということを今、全国的に取り組んでいる状況でございます。もちろん、この基金がそういった人材派遣事業に流れないようにするということは大前提だと考えております。
 そして、この先、地域によっては人口減少が危惧される自治体もあろうかと思います。さらに、今般のパンデミック、あるいは防災の観点から、一事業所の努力で人材を確保していくというよりは、地域でどうやって各事業所が連携していくのかということが確保の方策として必要になるのではないかと思っております。
 こういったことを報酬等で対応するとなりますと、利用者負担の問題も出てまいりますので、地域連携とか医療介護連携強化については、基金を活用して地域の人材の過不足のない充実を図っていくという方向が大事だと思います。今、好事例を全国展開にというお話がありましたが、看護職の人材確保についても全く同様だと思っておりますので、ぜひ好事例の共有等についてより一層の充実をお願いしたいと思います。
○田中座長 御指摘ありがとうございました。
 医政局、お答えください。
○長谷川室長 人材確保の御指摘、ありがとうございます。先ほどの私の発言の補足ですが、現在、人材確保に関して標準事業例を示していますが、その中では公的な枠組みを用いた人材確保については例示していますが、民間派遣会社等々の活用については記載しておりません。積極的に民間派遣会社の活用を認めているというわけではございませんので、その点補足させていただきます。
○田中座長 では、濵田構成員どうぞ。
○濵田構成員 日本介護支援専門員協会の濱田でございます。
 介護人材の確保につきましてということでございますが、最も不足しておりますのはもちろん介護職員、取り分けホームヘルパー、訪問介護員だということでございますが、先般からのコロナウイルス感染拡大等によりまして、それぞれの都道府県では例えば人材確保の事業、あるいは介護保険施設整備事業等、かなり遅れが生じたり、あるいは少し先送りしているというふうな例も聞かれております。恐らく配慮されていることだと思っておりますが、医療介護基金事業、予算の執行等におかれましては、そのあたり、年度、年度ということもあろうかと思っておりますが、柔軟な配慮をお願いできればと思っております。
 また、介護人材が不足しておりますが、取り分けコメディカルな介護支援専門員ないしはその他のスタッフも地域によっては非常に不足しているということがございますので、いわゆる介護人材の範囲につきましてはそれぞれ都道府県で御判断されることかも分かりませんが、柔軟な取扱いをお願いできればと思っております。以上でございます。ありがとうございました。
○田中座長 御要望ありがとうございます。
 では、ちょうど5時になりましたので、次の議題に移らせていただきます。
○石田参考人 静岡県ですが、よろしいでしょうか。
○田中座長 どうぞ。
○石田参考人 静岡県です。今日、代理で参加しております石田と申します。
 確保基金につきましては、先ほど来、御意見の出ている人材の確保の点は県としても重要だと思っているところなのですが、例えば医療であれば在宅医療の推進とか、医療従事者の確保に関する事業へのそもそもの予算配分についてもちょっと足りないのかなというところがございます。ぜひともそういった在宅医療ですとか、医療従事者の確保に関する事業などへの配分の拡充をお願いできればと思います。
 また、事業例とか単価における全国標準設定とかもされておりまして、基金は当初、地域の実情に応じた柔軟な対応を、地域で考えた施策を展開するという目標があったわけですけれども、それが少々やりにくくなっております。地域の実情、あるいは状況の変化に対応できるような制度へさらにしていただければと思います。
 あと1点、確保基金の内示の時期なのですが、これはできるだけ早い時期に内示をしていただければと思います。事業を執行するに当たって関係団体、それから事業者等へも事業をお願いするに当たり、できるだけ早い内示をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございました。
 議題1について、様々な御意見をありがとうございました。
 続いて、議題2に移ります。「今後の医療・介護の情報の共有のあり方について」、資料2の説明をお願いします。
○山下課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料2を御覧いただきたいと思います。資料2の1ページ目のスライドでございます。
 本日、医療・介護に関わるトップの方々が集まっておりますけれども、本日御議論いただきたい内容をまず私どものほうからお伝えした上で、今回、私どもの用意している資料を御説明させていただきたいと思います。
 本日御議論いただきたい内容としまして、医療と介護の連携、これまでずっと地域医療介護総合確保法の趣旨を踏まえまして進めてまいりました。具体例で言いますと、多職種連携とか、診療報酬、介護報酬で医療・介護の連携を進めてまいりました。
 一方で、こうした取組をさらに一層進めていきたいと考えているのですけれども、その際、患者・介護サービス利用者を中心として、医療・介護サービスを実際に提供する人たちの間での適時適切な情報共有が不可欠ではないかと思っております。
 もちろん、それは現在私どもが進めておりますデータヘルス、こういった視点も取り入れた検討が必要ではないかと思っております。
 具体的に言うと、例えばケア会議の中でそれぞれの職種の人たちがその介護サービス利用者の方々の情報を持ち寄って議論をするというふうなことをやっておりますけれども、一方で私が見た事例で恐縮なんですけれども、患者さんのほうにそれぞれの職種の人たちがそれぞれ状況を書き込むことによって、誰もが患者さんのほうにアクセスするとその情報が一覧で見られるというような方法を取っている場合もございます。
 そうした観点から、今後、医療・介護のさらなる連携を進めるために情報の共有についてどう考えるのか、皆様のお立場からそれぞれ御意見をいただきたいというふうに考えております。
 実際には3つ整理をしておりますが、1つは先ほど申したとおり患者・介護サービスを利用している患者中心、介護サービス利用者中心にして情報の共有を考えるのか。また、一方で、医療や介護の提供者の間で情報共有することがいいのか。それについてどう考えるのかということが1番目の視点でございます。
 もう一つの視点は、例えば今回は医療・介護のそれぞれの方々が集まっておりますので、医療のサービスを提供する皆様方にとって、介護側の情報としてどういった情報が必要になるのか。一方で、介護のサービスを提供している皆様方にとって、医療側のどのような情報を必要としているのか。それについて御議論いただきたいと思っております。
 また、3番目としまして、ではそういった情報が必要と言うものの、それぞれ患者の立場として、また介護サービスの利用者として受けているサービスの情報について、どうやって収集して、管理して、そしてそれらの収集して管理している情報をどうやってサービスを提供している関係者間で共有したらいいのか、それについて御議論いただきたいと思っております。
 今回、そうした議論をなぜしたのかということで、その議論のたたき台として、現在医療のほうの情報共有について、こういうような仕組みを構築しつつあるということを今回、私のほうから紹介をさせていただきたいと思います。
 ちょっと飛びますけれども、17枚目のスライド、17ページまで飛んでいただきたいと思います。17枚目のスライドは、現在構築しているのですけれども、薬剤情報、特定健診情報、これらの本人の情報をそれぞれ医療側が共有できる仕組みというもののシステムになります。
 17ページの資料で「支払基金・国保中央会(国保連)」とある、この青い枠のところになるのですけれども、現在全ての保険者が支払基金・国保中央会(国保連)のほうで持っている1つのデータベースに加入者一人一人の情報を格納する仕組みを作っております。あたかも郵便局の私書箱のように、一人一人の情報がその私書箱の中に入っているということになります。
 その私書箱の中にどんな情報が入っているかというと、例えば私、山下護であれば、その私が加入している保険者の保険番号と被保険者番号が入っている。それで、今後、将来、何が入ってくるかといいますと、私はもう40歳以上ですので特定健診、いわゆるメタボ健診の情報も入ってくる。さらに、今後、令和3年10月から私が診療を受けたときに請求されるレセプト情報、そのレセプト情報のうちどんな薬剤が投与されているのかという情報が山下護の私書箱のほうに入ってくるというふうになっていきます。これが、何も私だけではなくて、皆さん一人一人の私書箱のほうにそれぞれの情報が入ってくるというふうになります。
 それと同時に、これらの情報についてはマイナンバーカードで、自分が自分であることを証明できる方に限って本人の同意を取って、その本人の情報を薬局に、もしくは本人の同意を取って医療機関に提供するというふうになります。
 ここにありますとおり、医療機関では本人の同意が取れれば薬剤情報や特定健診の情報が医療機関に届くということになります。併せて、薬局であれば本人の同意を取って薬剤情報が届くということになります。
 では、ここに薬剤情報・特定健診情報とありますけれども、一体、何の情報なのかというところでございますが、19枚目のスライドを御覧いただきたいと思います。これは、特定健診情報としてどんな情報が届くのかということでございます。
 特定健診の情報で言うと、例えば血圧、血糖値、尿というふうにあります。また、右側にありますが、質問票がありまして、例えば喫煙をしているのか、例えば飲酒をどれぐらいしているのか、さらに睡眠で休養が十分取れているかどうかというようなこと、また、人と比較して食べる速度が速いのかどうなのかというような情報が特定健診情報としてあります。
 続いて、20ページです。同じような健診情報としてなんですけれども、後期高齢者の健診情報というのも格納されます。つまり、75歳以上の方々の高齢者で、健診を受けている方の情報としてこういうものがあります。
 20ページを御覧いただきますと、例えば左側でいうと血圧とか、血糖値とか、尿とかの情報もありますし、また、右側の下のほうになりますけれども、例えば「1日3食きちんと食べていますか」とか、「半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか」とか、「お茶や汁物等でむせることがありますか」とか、「6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありました」とか、また、さらに「周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われていますか」とか、「週に1回以上は外出していますか」とか、そういうような情報が質問票としても入ってくるということになります。
 続いて、22枚目のスライドなのですけれども、今度は薬剤情報としてどのような情報が薬局や医療機関に提供されるのかということでございまして、例えば何月何日に調剤されて、院内処方なのか院外処方なのか、内服薬なのか外用薬なのか、また注射なのかということの区分とともに、それぞれの薬として医薬品名と成分名、処方量、または用法、用量も書いてありますので、そういったものが一覧できるようになっているというものでございます。
 こういった情報が私書箱のほうに入って、マイナンバーカードで本人が同意すれば、これらが医療側で共有されるという仕組みになるということでございます。
 続いて、32ページをごらんいただきたいのですけれども、今言ったシステム、つまり一人一人の医療の情報が一人一人のいわゆる私書箱のほうに格納されること、そしてそれらが本人のマイナンバーカードを通じて同意が取れれば、その本人が認めた医療機関、薬局のほうに提供することができる仕組みがインフラとなりまして、今後どういうふうに変わるのかということなのですけれども、32ページの「ACTION1」としまして、何もレセプト情報にある薬剤情報だけではなくて、レセプト情報というものは薬剤以外の情報としてどういうような手術をしたのか、また透析をしたのか、しているのか。また、それはどこの医療機関でやっているのかという情報もありますので、こういった情報も、より本人の情報として活用するということについて検討しているところでございます。
 さらに、「ACTION2」としまして電子処方箋の仕組みなのですけれども、これらレセプト情報ということで、月でまとめて請求があるから情報が格納されますが、先ほど申したとおり、本人の私書箱がマイナンバーカードでつながっているのであれば、そのマイナンバーカードを通じて御本人へ処方した情報を御本人の私書箱のほうに入れておけば、その情報を本人がマイナンバーカードを通じて薬局に見せることによって、処方箋という紙を媒介しなくても、電子情報として処方された情報を薬局と共有することができる仕組みになるじゃないかということで、「ACTION2」としてこういうような仕組みを構築するということでございます。
 さらに「ACTION3」としまして、私はメタボ健診と後期高齢者の健診を言いましたが、これらは40歳以上で健診を受けた方々の情報として入っていますけれども、一方で、これは労働部局のほうなのですが、雇われている人であれば毎年必ず事業主から定期健診をしなければいけないということでしていると思いますので、これらの定期健診の情報も保険者のほうに入って、そして各自の私書箱のほうに入れていただければ、40歳以上に限らず働いている人の健診の情報も私書箱のほうに入っておりますので、これらを確認することによって診察室の現場でも変わるということで「ACTION3」を用意しております。
 それぞれ「ACTION1」「ACTION2」「ACTION3」の図としまして、例えば34枚目のスライドで「ACTION1」なんですけれども、先ほどの資料に加えて、手術とか、透析とか、医療機関の情報も実際には私書箱に入ってくるようにすれば、医療機関や薬局でもそれを共有することによって、どういうふうな治療がいいのか、またはどんな薬がいいのかということで本人と一緒になって対応することができるというものでございます。
 さらに、35枚目の資料は、先ほど申したオンライン資格確認等システムというのが一人一人の私書箱ですけれども、これらの私書箱に医療機関のほうが電子処方箋を登録していただければ、患者さんは薬局でそれを見てくださいとなることで、紙を媒介しなくても処方の情報を医療機関と薬局で共有することができる仕組みが「ACTION2」でございます。
 最後に「ACTION3」としまして、この左側にある健診の実施主体として事業主が行っている定期健診の情報を保険者のほうに伝えることによって、その保険者に加入している加入者は医療職と一緒になって自分の情報、健診の情報を共有しながら治療に臨むことができるというものでございます。
 私の説明は以上でございますが、もう一回、1枚目のスライドに戻っていただきまして、こうしたことが医療側で進んでいることを御紹介することを通じて、医療と介護の連携としましてこのような情報の仕組み、情報の共有の仕組みが医療のほうで構築されていることを踏まえて、では医療と介護の情報の連携で、もしくは共有の在り方としてどうすればいいのかについて御議論をいただきたいと思っております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○田中座長 説明ありがとうございました。医療情報の進展についての説明がありましたし、それを基に介護とのどのような情報共有があり得るのかという問いかけもありました。今回の事務局の論点は、なかなか新しい視点であったと思います。今後の医療・介護の連携にとって、とても大切なものであると感じました。
 事務局の説明にもありましたが、この議論の場では何より患者、利用者の立場でどのような情報共有の在り方が考えられるのか。医療・介護に関わる皆様のそれぞれのお立場での意見をお聞かせください。
 何より、本日参加の皆様の御意見によって、未来の医療と介護の情報共有の在り方についての方向性が見えてくるのではないかと期待しております。
 では、御意見のある方、手を挙げるか、声でお願いします。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今日お示しいただいた医療と介護の連携、特に情報共有というのは非常に重要だと思っております。今後の連携を進めていく上で、いかに情報共有するかということは本当に重要だとは思っておりますけれども、今回厚労省のこの会議で提案された1つは医療者、それから介護のそれぞれのステークホルダーが大勢集まっておられるところなので議論しましょうというのは、それはそれでよく分かるんですけれども、分かってはおられると思うのですが、総務省のほうで5年程前から医療、介護、健康分野の情報化推進ということで、まさしく今日議論していただきたいというような話がずっと議論されていて、その中で、先ほどお示ししたようなものは、ほぼほぼ医療の中の情報共有ですから、使われている用語も共通ですし、患者さんの同意があれば医療情報をお互いに把握するということはできる仕組みというのは分かるんですけれども、この総務省の検討会でもずっと、例えば介護側の方に病名であるとか、非常に機微に触れる医療情報をどこまでアクセスしていいのかというような議論が既にされている中で、改めてこの議論をこの場でするということの意味を一応確認させていただきたいと思います。これは質問です。
 あとは、要望というか、意見なんですけれども、医療側と介護側が使っている用語というのは結構違っているのではないかなという印象を持っておりまして、情報を共有するためにはお互いが必要とする情報、それからその情報入力に対する労力、ちょっと大げさな言い方になりますけれども、用語の翻訳まで焦点を当てて考えないと、システムはできたけれども利用されないということになりかねないなと思っています。
 例えば、介護従事者の方が疾患名や、服薬している薬剤面の情報を得たとしても、それがケアを提供する場合にどこに注意したらいいかというのは分からないでしょうし、逆にかかりつけ医も介護現場での情報について、全て提供されても、何に困っているのか、医療的にどうアドバイスをしていいのかということに迷うことになりかねないと思っています。
 例えば、在宅の場でこの薬がいっぱい余っていましたよという情報を医療側にいただければ、それはすごく役に立つと思いますし、また、例えば今こういう薬を出しているとふらつきやすいので介護するときに注意してほしいとか、現場に即した情報というものが非常に重要なんじゃないかと思っています。
 したがって、何かシステムを作るという、そのシステムの中にこういう情報を載せてやり取りしましょうということも大事だと思うんですけれども、やはり一人一人の医療者と介護者が患者さん、あるいは療養している人がどのようなニーズがあるのかということをしっかりと把握するということが一番重要なのではないかと思っておりまして、こうした視点を忘れずに、もし作る場合は慎重かつ十分な設計をお願いしたいというお願いであります。
 冒頭の御質問だけ、事務局、お答えください。
○田中座長 総務省の取組との関係ですね。お願いします。
○山下課長 ありがとうございます。今村先生がおっしゃるとおり、総務省のほうでもこういった医療・介護の情報についてずっと議論しているのは、私も承知をしているところでございます。
 ですけれども、やはり総務省の立場というのは、情報をまず中心に置いて、情報システムのところから考えるのだろうと思います。
 一方で、今村構成員がおっしゃられたとおり、私たちというのはそうではなくて、やはり治療を受ける患者さん、また介護サービスを受ける利用者さん、その方にとって一番いいものは何かということで医療に携わる方々、介護に携わる方々が日々、一生懸命ケアをしていただいていると思います。
 私たち厚生労働省がやろうとしているこのお話、この議論の趣旨というのは、まずは情報システムありきではなくて、患者さん、利用者さんを中心に、またそれとその人たちに関わるケアをして一生懸命、働いている方々にとって一番いいものは何か。
 その面で、例えば働き方の観点でいうと、いろいろな事業者さんがその1人の患者さんに対して同じ情報を入力している、これは不要だよねというようなことが現場で、もしあるのであれば、その点について、例えば情報システムの観点でお手伝いできることがあるじゃないか。また、それは保険者の持っている情報をうまく活用すればいいじゃないか。
 様々なステークホルダーが今回いらっしゃる中で、私が強調したいのは、情報のシステムという観点ではなくて、では患者さん、利用者さん、当然それは保険に加入している加入者さんのためにどういう仕組みがいいのかということをまず議論をしていただきたいというのが、今回この場でこのテーマを提案させていただいている趣旨でございます。
○今村構成員 よく分かりました。確かに、中心となる議題というのは総務省と厚労省とで違いはあるんだと思うんですけれども、先ほども申し上げたように、総務省の議論でも、例えば医療情報の中身について、どういうものまでだったら介護の方のアクセス権限があるかというようなかなり踏み込んだ議論も向こうでもやられているようですので、縦割りにならないように、同じような議論が重複して、あちらでも、こちらでもというような形ではなく、きちんと整理された上で議論をしていただいたらありがたいかなと思っておりますので、その点はよろしくお願い申し上げます。
○田中座長 では、平石構成員、東構成員の順でお願いいたします。
○平石構成員 私は全国老施協という特養を中心としたサービスを行っている事業者の団体の代表です。
 今、今村委員がおっしゃられたように、実際に都道府県においてはいろいろな情報システムが利用されております。そこの中で、先ほどのお話でありましたように、専門用語ですね。専門用語が難しいと、介護の側からするとなかなか活用しにくいということがあります。それからまた、入力する問題についても労働負担というものがありますので、ここは問題だと思います。
 私たち介護の現場にとって一番必要なものというのは、やはりケアにつながる情報なんですね。具体的に申し上げますと、例えば特養の利用者が入院された場合、骨折ということで入院された場合は、退院される前に本人のADLの変化とか、リハビリの進捗状況等についての情報がいただきたいわけなんですね。
 その場合は、例えばコロナ禍においてはなかなか病院のほうも難しい状況にありますけれども、アウターコロナにおいても、これがもしも簡単に情報共有ができるのであれば働き方改革につながるわけです。病院にわざわざ行かなくても必要な情報が得られるということは、私たち介護労働者にとっても非常に有益なことだと思っておりますので、ぜひこの情報共有については積極的に進めていただきたいと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 お待たせいたしました、東構成員どうぞ。
○東構成員 全国老人保健施設協会の東でございます。
 まず、資料2の1ページ「本日御議論いただきたい内容」の3つ目の○にあるように、医療・介護サービスの中でどのような情報が必要かを御議論いただきたいという主旨のお話が事務局よりございました。しかし、少し苦言を申し上げると、議論をする上での資料がオンラインのシステムの資料だけになっております。もちろん、こういうシステムの情報を提供した上で医療・介護にはどのような情報が必要ですかという議論をしてくださいというのは分かります。ですが、このシステム以外の材料を全く出さずに議論をしろと言ってもなかなか難しいと思いますし、このような年に1回あるかないかの会議で非常に重要な議題を議論するというのも、いかがなものかと思います。
 今村委員がおっしゃったように、医療と介護の分野で情報共有するというのは非常に重要なことに今後なってくるので、これは他の場でも結構ですからきちんと議論をすべきだと思います。
 それを踏まえて、先ほど老施協の平石会長もおっしゃっていましたけれども、医療と介護で必要とする情報の中で共通するものは、まさしく私は生活機能だと思っています。もちろん、疾患名、病名、薬の内容、そういうものも介護の現場でも必要かもしれませんが、医療と介護で共通する情報というとやはり生活機能だと思います。生活機能の中には、当然ADLプラス認知症の情報が必要です。
 そのようなADLや認知症の情報を含めた生活機能というもの、これを医療と介護で同じ尺度、同じ評価指標で共有するということが必要だと思っています。しかし、現在、医療で使われているADLの情報はどうであって、介護で使われているADLの情報はどうであって、また、医療で使われている認知症の評価指標は何なのか、介護の現場で使われている認知症の評価指標は何なのか。そういうものを俎上に上げない限り、この医療と介護の情報共有という議論をしても、私は意味がないと思っています。それが1点目です。
 それから、今回このシステム、IT化のたくさんの資料が出ておりますが、資料2の30ページには、マイナンバーカードの加速化プランみたいなものも載っております。
 そのマイナンバーカードについて、6ページに「医療情報化支援基金(マイナンバーカード保険証利用等)」の現状及び課題が載っております。先ほど執行状況のところでも申し上げましたが、ここの3つ目の○にも「診療所、薬局は3/4補助、病院は1/2補助」となっているわけでございます。これは、加速化をさせるのであればまさしくこういう補助率をきちんと考えていただくべきではないかと思います。
 一方で加速化をするといっておきながら、一方では補助率が2分の1とかというのでは何も進まないと思います。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 井上構成員、安藤構成員、山口構成員の順でお願いします。
○井上構成員 ありがとうございます。日本社会事業大学で教員をしています井上と申します。普段は、介護や福祉のほうの仕事をさせていただいています。今、お話を聞いて幾つか感想を申し上げたいと思います。
 1つは、医療は随分と情報が格納されているんだなということを正直言うと思いました。それに比べたときに、介護のほうはどうだろうとなると、例えば介護のレセプトだと要介護度と利用しているサービスぐらいしか収集できないという状況に今なっているかなと思いました。
 それで、来年から本格運用するCHASEのほうだと、先ほど東先生がおっしゃたように認知症の程度、あるいは口腔機能、ADL、栄養、あとは既往歴と服薬というものが取れるようになっているんですけれども、これは200項目ぐらいあるのでまだ参加している事業所も少なくて、こういうものを本当に普及化させるというふうになると相当な手間がかかるんじゃないかということをもう一つ感じました。
 それと、先ほど平石先生がおっしゃっていましたけれども、やはり誰が入力するかということが非常に気になっていました。医療のほうだと医療事務の方がきちんといらっしゃると思うんですけれども、介護はそういうようなことが手当てされていないということもあって、ケアマネさんということになるのかなと思いますけれども、それはかなり負担が大きいのではないか。そこをどうしたらいいのかと感じました。
 それから、データを見るということと、データが読めるということはやはり違うと思うんです。先ほど、例えば特定健診のデータがあって、あれを見ている限りは私も日々の健診の中である程度読めるかなと思って見ていましたけれども、薬剤のところになると当然私には全く読めないという状況になっておりまして、同じように介護現場のところで、それがどういうふうにしたら読めるようになるかがもう一つの課題としてあるのかなというふうに感じました。ぜひ専門職の皆さんで検討いただきたいと思っています。ありがとうございます。
○田中座長 大事な課題の指摘をありがとうございました。
 安藤構成員どうぞ。
○安藤構成員 ありがとうございます。私も、様々な委員の方々がおっしゃっていますように、今回の厚労省から出ている1から3のことに関しましては非常に重要なことだと思っています。
 ただし、私も医療保険部会であるとか介護保険部会とか、介護のほうの会議にも参加させていただいているんですけれども、現状、介護の現場の方たちの状況を見ますと、今、医療のほうでやっているオンライン資格確認もそうなんですけれども、同じように介護の現場でできるようになっているのかといったら、まるでできるような状態になっていない中でこれを進めていきましょうというのは非常に無理があるなというふうに感じます。
 ただし、やる必要はあります。今後、ますます介護が必要となる方たちが増えていくので、やる必要があるということは認識しておりますので、そのために、では介護の現場でどういうふうにこの実現のためにしていかなければいけないのかということを、やはりもっと検討するべきだと思います。
 現状、CHASEであるとか、あとはVISITというシステムがあるんですけれども、ただし、VISITにしてもそれぞれの介護現場で情報を入力するのに物すごい手間がかかって大変ですという声がたくさん聞かれています。そういう中で、やはり共通に手間がかからないというような仕組みをもっと介護現場の中で作っていかない限りにおいては、せっかくこれを考えても絵に描いた餅で終わってしまうのかなというふうに思います。以上です。
○田中座長 同じく介護側の進展について意見がありましたら。
 山口構成員、それから齋藤構成員。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
 今回議論をしていただきたい内容ということで、医療・介護サービスを提供する関係者間での適切な情報共有ということですけれども、私は患者の立場であり、患者、介護を受けている方たちも含めて電話相談を数多くお聞きしてきました。
 そうしたときに、医療者と介護を提供する人との間で何を共有してもらいたいかというと、やはり患者の状態の共有だと思うんですね。先ほどから出てきているADLもそうですし、例えば薬を飲んでいて、その薬の影響によってどんなことが症状に現れる可能性があるのか、何を気をつけておかないといけないのか、あるいは症状がこの後どういうふうに変化していくと考えられるか。そういったことを共有していただくことが非常に大事だと思っています。それによって、いろいろな職種の方がそれぞれの専門の中で患者、あるいは利用者にアプローチをしていただけるのではないかと思います。
 ただ、今回は恐らく1例で出されたんだと思いますけれども、オンライン資格確認ということで、こういう情報共有ができますということの御説明が先ほどございました。私は別の会議でも、先ほどの御説明と同じ内容をお聞きしてきていまして、今回の資料の17ページのところに情報共有の絵があるわけですけれども、この中で薬局が特定健診情報が今のところは図にない。
 やはり薬剤師さんの話を聞きますと、特定健診の情報というのは、薬剤師さんが知ることによって患者への声かけとかアプローチも変わるということで、有意義な情報だというふうに私ども聞いておりますので、ぜひここに同じように特定健診の情報を入れていただきたいということを今、発言している最中でもあります。
 ただ、こういうオンライン資格確認に伴って得られる情報そのままでは、先ほどから皆さんもおっしゃっているように使いこなせるのはやはり医療者だけだと思うんですね。これを介護の現場の方が御覧になったとしても、一定の翻訳がなければ情報が理解できないという問題があると思います。
 また、今の患者の状態をこういう情報から知ることができるのかというと、かつて処方された薬であったり、薬のほうがまだ今に近いかもしれませんけれども、ただ、その薬の名前だけではやはり介護の方は理解できないし、特定健診あるいは高齢者の健診ということでも、今の状態と直結するとは限らない部分が多いと思います。
 そういうことからしますと、医療と介護を提供する方たちの間で共有していただく情報というのは患者の居場所。つまり在宅や施設。そういった居場所に応じて、そこに患者の情報が集約されていて、みんなが共有できるような情報の在り方ということを考えていくことが大事なのかなというふうに今回お聞きして思いました。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。
 齋藤構成員どうぞ。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
 この会議は、医療と介護の総合的な確保の促進会議ということなので、医療提供体制と地域包括ケアシステムの構築を通じた総合的な確保という大きなテーマの下にこの会議はあるのかなと理解していたのですが、今回示された医療機関と薬局でのオンライン資格確認の導入は、テーマとしては非常に限局されているという印象がございます。ですから、こういったオンライン資格確認等のインフラ整備を通じて、どういった将来構想があるのかを示した上で、今はここですよという提示の仕方の方が少し理解が進むかなと感じました。
 それから、こういった情報を共有しながら、適切なサービス提供に持っていくという趣旨は理解し賛同しますけれども、今後、在宅医療、あるいは訪問看護がどういうふうにつながっていくのかは大変懸念をしております。やはり全体構成があって、具体的なシステムの整備になったときに、後発で参加していく領域で使い物にならないというような仕組みにはならないように、丁寧な設計をお願いしたいと考えております。
 それから、情報を得たとしても、どうやって情報を使いこなしていくか、その情報の意味するところが何なのかといったことを共有していく必要があると思っております。言葉の標準化の作業もやっていかないと、なかなか情報の活用が難しいのではないかと思っているところです。
 ですので、この場ではなくても、このことを議論する意義は大変大きいと思いますので、他の委員からも出ていたかと思いますけれども、具体的な議論の積み上げを議論を期待したいと思っております。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 佐保構成員、それから井上構成員お願いします。
○佐保構成員 ありがとうございます。佐保です。よろしくお願いします。
 資料を見ると、医療・介護のサービスの現場での情報の共有と、オンライン資格確認とはちょっと違うというか、区切って考えないといけないのかなと思っています。
 私も介護現場にいましたし、地域包括の仕事もしていましたので、これまでの現場経験によれば、すでに今でも医療介護連携というのをやっている地域もあります。SNSを使って1人の利用者に対して情報を共有し合ったりというのもやっている地域はやっています。その一方で、全然やっていないところもありますが、医療・介護サービスをそれぞれ受けている方にとっては、自身を取り巻く皆さん方で情報を共有し合うというのはとても大事なことではないかと思っています。
 ただ、ほかの委員も言っているように、現場の方の事務負担になるというか、手間がかかってしまっては本末転倒だと思います。もし検討されるのであれば、負担をどうやって減らしていくのか。それから、真に有効な情報共有の在り方といったものを考える必要があるのではないかと思っています。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 井上構成員、どうぞ。
○井上構成員 ありがとうございます。
 医療と介護の連携につきまして、これはどなたに聞いても恐らく不可欠、必須だと思います。むしろ、医療のほうが先行してなぜ介護がこれに連携をしてこられなかったのかというところをいま一度よく考えて、省庁縦割りと最近よく言われますけれども、同じ省の中にありながらなぜこんなに差が出てきてしまったのかというところをよく考えていかなければならないと思います。
 今後の視点として私が重要だと思うのは、やはり個人起点で、誕生する前からお亡くなりになるまでというライフコースデータをどうやって国が関与して、それをもちろんプライバシー保護とかセキュリティーに十分に配慮しながらどうやって活用していくかという視点は極めて重要だと思います。
 そういう点で、介護分野では、例えば医療のほうでは今、進みつつあるマイナンバーの活用などは全く進んでいない状況でございまして、個々人にとってはむしろ介護保険のほうが様々な手続などに、手間暇がかかり、様々な証明書に対する物すごい数の署名というのが求められると思いますけれども、そういうものにつきましてもなぜマイナンバーが使えないのか。単純に個人視点から考えてもそういうふうに思います。
 また、進めていく上で例えば、介護の中ではやはり認知症の方が多くなってきまして、そのあたりはプライバシーの取扱いなどは非常にデリケートなところが出てきますので、そこは十分に配慮しなければならないと思います。
 いずれにしましても、医療と介護は今、医療が先行していますけれども、整合性を常に図りながら、医療の議論にも必ず介護の意見を反映するなどというような形で、今からでも遅くないと思いますので整合性を取る形で進めていただきたいと思います。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 河本構成員、どうぞ。
○河本構成員 ありがとうございます。
 今回、論点ということで出されております医療・介護情報の共有の重要性、これは論をまたないと思います。それをしっかり進めていく必要はあると思いますし、それから情報の利活用を進めるということも必要なことだと思います。
 ただ、情報利活用の基盤整備を進める上では、やはり費用対効果とか事務負担といった観点も含めて十分に検討をすべきだと思いますし、丁寧な議論が必要だと思っております。
 また、論点から外れてしまいますが、この基盤とされているオンライン資格確認は来年の3月から導入ということで、3か月ちょっとの準備期間があるということですけれども、今日御説明はありませんでしたが、医療機関におけるオンライン資格確認の申込みについては、まだ16%ぐらいというようなお話も資料の中に出ております。
 その意味では、私ども保険者は既にシステム改修も終えて、当初のスケジュールどおり、データ登録などを行って準備を進めております。ただ、医療機関側の準備が整わないと患者がオンライン資格確認のメリットが享受できないということになりますし、オンライン資格確認に対応できる医療機関と、できない医療機関が混在するということにもなるため、窓口での混乱に繋がる懸念もあります。
 この資料に、来年3月時点で医療機関の6割がオンライン資格確認を導入するという目標を立てておられますけれども、この6割というのは最低限の数字だと思いますし、本来ならば全医療機関の速やかな導入に向けて全力で取り組むべきであると思います。そうでないと、いろいろメリットを書いておられますけれども、それが絵に描いた餅に終わることになりかねないため、その点についてよろしくお願いしたいと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 仙賀構成員、どうぞ。
○仙賀構成員 仙賀です。先ほども少し言われましたけれども、今回目標としている患者の情報ですね。特定健診だと患者とは言わないと思うんですけれども、これは特定健診が必要な年齢になってからの自分史、個人の健康かどうか、いつ病気になったかどうかという歴史ですよね。自分の歴史みたいなものが亡くなるまでこの情報の中に入っていって、これは本当は個人の一つの財産になると思いますので、きちんとした形で情報を集めるシステムをまずやってほしい。
 それから、集めた情報をどのように利用するかというのは、それぞれの立場で非常に難しい問題を含んでいる。医療と介護ではそれぞれの知識が違いますので、難しい面もあると思いますけれども、まずは成果を出せるとすれば、私の医療の立場からすると、薬の二重処方とか、ダブルで同じ薬が出されているとか、それから一人の患者が多くの医療機関を受診していろいろな検査や薬を処方されているということが、これが一元化できればやはり無駄なことが省ける。
 特にレセプトが一元化されれば、外来においてもこれがずっと今後も続くのであれば、その外来のレセプトを一元化できたら、見る人が見れば患者の状態はそのレセプトだけである程度判断はできますので、そのレセプト情報をきちんと載せるとか、それが個人情報でいろいろ抵触があるとしたら別ですけれども、点数は省いて、やっている検査とか、手法とか、そういうものがきちんと載るような形でまずスタートしていって、最初に言いましたけれども、ダブルの処方とか、二重の検査とか、そういうものをしなくて済むようなシステムになっていただきたいなというのが希望です。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 濵田構成員、お願いします。
○濵田構成員 日本介護支援専門員協会の濵田でございます。
 1つは御質問になりますが、今回の医療保険の資格確認には、医療扶助等を含め公費負担医療の情報も載ってくるのかということでございます。
 それから意見でございますけれども、今後、医療と介護の連携を進める上で、まずは先ほど来から意見がでております個々の要介護者の様々な状態像に関する情報が共有できればということがございますけれども、まずは介護保険の被保険者情報の共有化ができれば連携が進むということですね。例えば、要介護度でありますとか、あるいは介護保険の被保険者証でありましたら、居宅介護支援事業所ないしは介護保険施設の入居者であればその施設名が出てまいります。そういった基本的な情報と、それから負担限度額の認定情報、いわゆる補足給付の情報ですね。こういうふうなものが最低限ひもづけされてくるとサービス利用の選択の際に活用できると考えております。
 さらにということでございますが、我々介護支援専門員はケアプランを作成いたします際には、いわゆる要介護度認定調査情報、基本情報、主治医意見書、それから特記事項ですね。これはテキストデータになってしまうかもしれませんけれども、実はその中の御意見を参考にケアプランを作成するわけなのですが、この要介護度認定調査情報の開示が市町村によりまして個人情報ということでかなり難しい場合もいうこともございます。将来的にはそういった情報、さらにはケアプランというものを利用者同意の上、かかりつけ医の先生方や関係機関でお互いに共有していければ、利用者支援の連携も進むのではということでございます。取り急ぎ、以上でございます。
○田中座長 質問にお答えください。
○山下課長 濵田構成員からありました件ですけれども、医療介護連携政策課長でございます。
 公費負担医療としまして、生活保護の医療扶助につきましても同じようにオンライン資格確認等システムを使って、つまり全国にある福祉事務所の受給者の一人一人の情報をオンライン資格確認等システムのほうに格納して管理していくというような形で現在進めているところでございます。
 もちろん、それは健康保険の保険者のシステムに比べ、ちょっと遅れてまいりますけれども、同じようなシステムでできるようにということでやっているところでございます。
○田中座長 では、宮崎構成員、山際構成員の順でお願いします。
○宮崎構成員 ありがとうございます。
 介護の中で大切なのは、いかにエビデンスを持った介護を進めるかということだと思います。その中では、やはり医療情報は当然必須となってきています。この痛みはどこからくるんだろうか、なにが原因なんだろうかということを探りながらケアに反映していくというのはとても大切なことなので、医療との連携は当然必要だと思っております。
 ただ、このデータには恐らく本人の思いというものは入っておりませんので、そのデータベースを基にして、いかに本人ときちんと向き合い、本人の思いをいかに実現していくかということが大切になるのではないかと思います。データはデータとして、きちんと本人の思いを吸い上げるということが大切だと思っています。
 あとは、データについて更新を一体、誰がどのタイミングでするかというのがこれから課題になってくるのではないかと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 山際構成員、どうぞ。
○山際構成員 ありがとうございます。民間介護事業推進委員会の山際でございます。よろしくお願いします。
 やはりこのテーマにつきましては極めて有用ですが、ただ、皆さんおっしゃっているように乗り越えるべき課題が多数あるだろうと考えております。介護の側としては、利用者の服薬の情報であるとか、基礎疾患の情報が正確に把握できることは極めて有用だと考えております。
 現在は、例えば服薬の情報等についても、ケアマネであるとか事業者が利用者、御家族から聞き出すということもあるわけですけれども、必ずしも正確ではないという場合があるためです。また、介護側は利用者の日常生活の状況であるとか変化を把握しながらサービス提供しておりますが、こうした利用者の変化の状況というのは極めて重要な情報だと思っていますので、こうしたことを共有化できれば医療・介護側とも極めて有益になるのではないかと考えております。
 ただ、お話がありましたとおり、介護につきましてはやはり生活全般を見ているということと、ICFの観点から考えていくと極めて領域が広いということがあって、なかなかそのエビデンスが作りにくいというのも実態でございます。
 介護の側としては、こうした中でもエビデンスを積み重ねながら、医療・介護双方で有益な情報は何なのかということについてきちんと議論を重ねながら標準化していき、読み取るスキルを上げていく。それと、やはりポイントとなる情報は何かということを明確にして、こうした検討の場であるとか、現場での積上げ、双方を進めていく必要があるだろうと考えております。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
 今日、大分意見が出たと思うんですが、これでたたき台なものをある程度事務局で作っていただいて、医療と介護の共通的な形での展開は非常に大事だと思っております。
 我々医療側にとりましてもいろいろな情報を知りたいんですが、これだけは知りたいということで介護の分野の内容をまとめていただければ、我々が提供する場合、情報はこういう形で、介護はこうだということをはっきりさせていただきます。現実的に使えるものにしていただき、ぜひとも進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中座長 的確な御指摘ですね。ありがとうございます。
 森構成員、どうぞ。
○森構成員 日本薬剤師会の森です。
 先ほど今村委員からもありましたけれども、まず在宅に私どもが訪問した後に、きちんと薬を飲んでいるかなど、非常に心配をしています。毎日在宅に訪問することは難しく、訪問後どうなっているのか。それから、先ほどどなたかからありましたけれども、訪問してお薬カレンダーを見て服薬状況を確認し、きちんと飲まれているようでも、押し入れの中から大量の残薬が出てきたり、いろいろな状況があります。
 ですから、まず私どもとしては訪問後の状況についてどうなっているのかという情報提供していただきたいということが1つあります。
 一方、薬によって介護への影響として、例えば食事に影響したり、排泄に影響したり、睡眠に影響したり、様々な影響を及ぼすことがあります。介護関係の方が薬の名前を見ただけではどのような影響があるか分からないと思います。例えば下痢を起こしやすいお薬もあり、下痢がひどいようでしたら薬剤師に連絡いただければ、かかりつけの医師の先生と相談して対応させていただきます。
 一方、情報の共有方法ですけれども、今は現場でベッドサイドにノートを置いて各職種が情報を書き込んで情報共有しているということも多いのではないかと思います。
 ただ、やはり紙ベースというのは限界があるので、今後はICTを活用してリアルタイムで見られる、更新できるようなことも必要になるのではないかと思っています。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
○石田参考人 静岡県ですが、よろしいでしょうか。
○田中座長 どうぞ。
○石田参考人 静岡県です。本日御提案のありました医療関係のデータについてなんですけれども、地方行政をやっていく中で被保険者が動かれるようなケース、お勤めになっているときに社会保険で退職されて国保、それでお年を召した後期高齢者といったときに、健診データとかがなかなかうまくつながっていかないという状況があります。本日御提案いただいたようなものですと、健診データがそういうことでもつながっていく。それが、介護予防と保険事業の一体実施を進める中でも役に立つのかなというふうには思います。
 それから、先ほど来出ています介護のほうのデータ情報についてですけれども、平石構成員からもちょっと御指摘がありましたが、地方で情報のシステムを持っています。私ども静岡県も、静岡県の医師会が中心になって在宅医療、介護の連携情報システムというものを運用しているところです。それは、あまり専門的な内容というよりは、現場の方々が使われるような、どういうケアをしました、状況はどうですというようなところを共有するようなシステムになっていまして、画像の共有もできるとか、現場レベルに即した情報共有ということを進めているところでございます。
 今回の全国規模でやられるようなものとまたちょっと違う形になるのかもしれませんけれども、そういった現場の方々の声が生かせるような情報のシステムになればと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 では、時間になりましたのでまとめます。様々な御意見をありがとうございました。
 議題1の基金については、都道府県において引き続き効果的な執行に努めていただく必要がありますし、国は執行が遅れている都道府県をしっかりサポートしていってください。
 また、議題2については皆さんから的確な意見を伺いました。特に医療の中だけではなくて、医療と介護の連携について多数御指摘がありました。言葉の問題、それから必要とされる情報は多少違うので、そこをどうつなぎ合わせるかについても皆さんから御指摘いただきました。両方の連携によって、患者利用者が受けているサービスが、より効率的、便利で効果的なものとなるよう、国は委員の御指摘を踏まえて情報の共有の在り方にしっかり対応していかなければなりません。
 本日の議論は、次の医療計画や介護保険事業計画だけでなく、先ほど言いましたが、さらにずっとこの先の医療・介護の道しるべとなっていくと思います。日本が高齢社会にどのように対応していくか、地域包括ケアとはどういうものかをめぐる広い論点ともつながります。
 一方、具体的に詰めなければならないテーマもたくさん御指摘いただきました。次回以降の会議では、こうした議論の基になる資料づくりをしてくださるよう、事務局に改めてお願いします。
 まだ議論は尽きないかと感じますが、そろそろ終了予定時刻となりましたので、本日はここまでといたします。
 次回の日程について、事務局から連絡をお願いします。
○山下課長 次回の会議日程、詳細につきましては、追ってまた皆様方に御連絡を差し上げたいと思います。
 どうもありがとうございます。
○田中座長 以上をもって、第14回「医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。
 御参加、ありがとうございました。